刑事訴訟法 第104条
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- 左に掲げる者が前条の申立をしたときは、第一号に掲げる者についてはその院、第二号に掲げる者については内閣の承諾がなければ、押収をすることはできない。
- 一衆議院若しくは参議院の議員又はその職に在つた者
- 二内閣総理大臣その他の国務大臣又はその職に在つた者
- 2.前項の場合において、衆議院、参議院又は内閣は、国の重大な利益を害する場合を除いては、承諾を拒むことができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第104条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第104条の条文原文は「左に掲げる者が前条の申立をしたときは、第一号に掲げる者についてはその院、第二号に掲げる者については内閣の承諾がなければ、押収をすることはできない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第104条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第104条の前の条は刑事訴訟法第103条です。
- 刑事訴訟法第104条の次の条は刑事訴訟法第105条です。
- 刑事訴訟法第104条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第104条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第104条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/104
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法104条は、議員や国務大臣の職務上の秘密に関する物は、議員は所属する院、大臣は内閣の承諾がなければ押収できないと定める。
Q · 政治家の事務所が捜索されても、押収を止められることがあるって本当?
原則として院または内閣の承諾がなければ押収できません
刑事訴訟法104条により、議員や国務大臣(元職を含む)が職務上の秘密に関する物について刑訴法103条の申立てをした場合、議員は所属する院、大臣は内閣の承諾がなければ押収できません。検察官が令状を持っていても同じです。ただし第2項により、院や内閣は『国の重大な利益を害する場合』を除いて承諾を拒めず、秘密の主張が政治家の保身に流用されることを防いでいます。
解説
テレビで政治家の事務所に検察が段ボールを運び込む映像を見たことがあるだろう。だが、その段ボールの中身が必ずしも全部押収できるわけではない。刑訴法104条は、捜索を受けた相手が衆議院・参議院の議員(または元議員)、あるいは内閣総理大臣その他の国務大臣(または元大臣)で、その物が「職務上の秘密」(その職務として知り得た、外部に出すと支障が生じる事柄)に関わると申し立てた場合、議員ならその所属する院、大臣なら内閣の承諾がなければ押収できないと定める。検察官が令状を持っていても、だ。ここで効いてくるのが第2項。院や内閣は「国の重大な利益を害する場合」を除いて承諾を拒めない。つまり、政治的に都合が悪いという理由だけで秘密の壁を立てることは許されない。あなたが知っておくべきは、捜査機関の強制力にも三権分立というブレーキが組み込まれ、そのブレーキが恣意的に使われないよう、さらに歯止めがかけられているという二重構造である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法104条は、議員または国務大臣(いずれも元職を含む)が職務上の秘密に関する物について刑訴法103条の申立てをした場合の押収制限を定める規定である。議員は所属する院、大臣は内閣の承諾を押収の要件とし、第2項により当該承諾は国の重大な利益を害する場合を除いて拒否できない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.押収対象に職務上の秘密が含まれるか執行前に精査 議員・国務大臣(元職を含む)として捜索を受ける立場なら、捜索差押許可状の執行が始まる前に、押収対象の物に職務上の秘密に当たるものが含まれるかを弁護人と精査する。執行後では実益を失う
- 2.刑訴法103条の申立てを行う 該当する物があれば、まず刑訴法103条に基づき職務上の秘密に関する物である旨の申立てを行う。これが104条の承諾手続の前提となる
- 3.院(議員)または内閣(大臣)の承諾手続へ 議員は所属する院、国務大臣は内閣の承諾を要する。承諾の判断は本人ではなく院・内閣が行うため、秘密性の客観的根拠を整え、判断主体に伝わる形で示す
- 4.正当な国益の観点で主張を構成する 院・内閣は『国の重大な利益を害する場合』以外は承諾を拒めない(104条2項)。単なる政治的不都合では壁にならないため、外交・安全保障など具体的な国益への支障を示せる側が有利になる
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法104条とは何ですか?
議員や国務大臣(元職を含む)の職務上の秘密に関する物を押収するには、議員なら所属する院、大臣なら内閣の承諾が必要だと定める規定です。令状があっても承諾の関門が加わります。
Q2職務上の秘密に関する物の押収はどうなりますか?
刑訴法103条の申立てがあれば、104条により院または内閣の承諾なしには押収できません。承諾を欠いたまま押収すると、その手続には違法の問題が生じます。
Q3院や内閣が承諾を拒否できるのはどんな場合ですか?
104条2項により、院も内閣も『国の重大な利益を害する場合』を除いて承諾を拒めません。政治的に不都合という理由だけでは拒否できず、正当性が問われます。
Q4押収の承諾は本人が決められますか?
いいえ。議員本人や大臣本人ではなく、議員なら所属する院、大臣なら内閣が判断します。保身目的で本人が秘密の壁を立てることはできない仕組みです。
Q5刑訴法103条と104条の関係は?
103条が公務員の職務上の秘密と押収拒絶を一般的に定め、104条はその中でも議員・国務大臣について院・内閣の承諾という特別の関門を上乗せする関係です。
Q6政治家の家宅捜索はニュースでなぜ止まることがあるのですか?
押収対象に職務上の秘密が含まれ、院や内閣の承諾が得られない場合、その物は押収できません。捜索が空振りに見える背景に104条の承諾制度があることがあります。
Q7議員の証言拒絶(刑訴法145条)と押収の承諾はどう違いますか?
145条は口頭の証言を、104条は手元の物の押収を対象とします。いずれも職務上の秘密を院・内閣の承諾という同じ仕組みで守る双子の規定です。
Q8職務上の秘密に当たらない物は押収できますか?
できます。承諾が必要なのは職務上の秘密に関する物に限られ、私的な物や通常の政治資金記録は対象外です。捜査側は目録を分け、秘密に当たらない物を先に確保します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1政治家なら『秘密だ』と言えば、家宅捜索の押収を全部拒否できるんですか?
できません。104条1項で承諾が必要なのは『職務上の秘密』に関わる物に限られ、私的な物や政治資金の通常記録は対象外です。さらに2項で院や内閣は『国の重大な利益を害する場合』以外は承諾を拒めません。実務のポイント:実務では捜査側は押収目録を細かく分け、秘密に当たらない物を先に確保します。『秘密』の主張が通るのはごく一部で、全面拒否はまず認められない。報道の『押収を拒んだ』という見出しと、実際に止まった範囲には大きな開きがある
Q2元大臣はもう公職を離れているのに、なんで承諾が要るんですか?
104条1項二号が『その職に在つた者』、つまり元国務大臣も明示的に対象としているからです。在職中に得た職務上の秘密は退任後も保護が続き、その物の押収には在職時と同じく内閣の承諾が要ります(議員側も一号で同様に院の承諾)。実務のポイント:この『元職も対象』という設計は、証言拒絶の145条と完全に対をなしています。退任した政治家への捜査で文書も証言も同じ壁に当たるのはこのため。元職だから緩むだろうという見込みは、条文上は成り立たない
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状さえあれば検察は何でも押収できる」という前提そのものが誤っている。職務上の秘密に関わる議員・大臣の物については、令状の上にさらに院または内閣の承諾という関門があり、令状は万能の鍵ではない
- 「政治家は秘密だと言えば何でも押収を免れる」と思われがちだが、逆だ。第2項により、院も内閣も『国の重大な利益を害する場合』以外は承諾を拒めない。秘密の主張は無条件のシールドではなく、正当性を問われる申立てにすぎない
- この制度の対象が『元議員・元大臣』にも及ぶことは知られていても、その射程の深さは見落とされがちだ。退任後も、在職中に得た職務上の秘密には保護が続く。つまり政界を去った人物への捜査でも、この承諾の壁は立ちはだかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者・対象 | 104条:議員・国務大臣(元職を含む)の職務上の秘密に関する物 | 103条:公務員一般の職務上の秘密に関する物 105条:医師・弁護士等が業務上委託を受けた他人の秘密に関する物 |
| 承諾・許可を要する主体 | 議員は所属する院、国務大臣は内閣の承諾 | 当該監督官庁等の承諾 原則として本人の押収拒絶権(依頼者の承諾等がある場合は別) |
| 拒否できる場合の限定 | 国の重大な利益を害する場合を除いて承諾を拒めない(2項) | 国の重大な利益を害する場合を除いて承諾を拒めない(103条但書) 業務者本人の判断による拒絶(例外あり) |
他国ではどう定めているか 4 か国
政府機関や公務員が保管する職務上守秘すべき文書・物件は、該当する監督機関等の允許がなければ扣押できないとする点で、職務秘密保護の発想を共有する。
公務員が保管する物について職務上の秘密である旨の申告があると、所属公務所または監督官公署の承諾なしには押収できないとし、日本の103条・104条に近い構造をとる。
官庁が秘密保持を要すると判断した文書の提出・押収は、上級官庁の宣言(Sperrerklärung)により制限される。議員の保護は別途 GG 47条・StPO 50条が定める。
連邦議員の立法活動を捜査・押収から保護する。下院議員事務所の捜索が争われた United States v. Rayburn House Office Building (2007) が知られる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが現職の国会議員で、政治資金をめぐり地検特捜部が議員会館の部屋に踏み込んできた。押収目録に並ぶ書類の中に、外交や安全保障に関わる職務上の秘密が混じっている。あなたは104条1項に基づき所属する院に申し立てができる。だが院がそれを「国の重大な利益」と認めるかどうかは、あなた個人の都合とは別の次元の判断だ。保身では壁にならない
- もし内閣の一員である大臣の手元から、ある国家機密文書が押収されそうになったら、誰が止められるのか。答えは内閣自身。だが内閣は身内をかばうためにこの権限を使えない。第2項により、国の重大な利益を害する場合に限って承諾を拒めるにすぎない
- あなたは政治部の記者だ。特捜部の捜索が空振りに終わったと聞いた。理由は院の不承諾かもしれない。その一行が記事の核心になる
- あと数時間で捜索差押許可状の執行が始まる。元大臣の顧問を務めるあなたは、職務上の秘密に当たる文書をどう扱うか今夜中に判断しなければならない。申立てのタイミングを逃せば、秘密はそのまま捜査記録に取り込まれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが告発人や民事の当事者として議員・大臣が握る文書を証拠にしたい場合、刑事の押収は104条の承諾の壁に当たりうると理解しておく2. 刑事ルートが詰まったら、民事の文書提出命令(民事訴訟法220条以下)という別経路があるが、ここでも公務秘密文書の例外が待つ3. 情報公開請求(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)と併用し、開示・不開示の判断を多角的に引き出す4. 院や内閣が『国の重大な利益』に当たらないのに承諾を拒んだ疑いがあれば、その不承諾の当否自体を世論と国会論戦の場で問う
訴えられた側:1. あなたが現職・元職の議員または大臣で捜索を受ける立場なら、押収対象に職務上の秘密が含まれるかを執行前に弁護人と精査する2. 該当物があれば104条1項に基づき所属する院(議員)または内閣(大臣)へ申立てを行う、タイミングは執行前が鉄則3. 申立てでは秘密性の客観的根拠を示すこと、単なる政治的不都合では第2項で承諾を拒めない4. 承諾の判断は本人ではなく院・内閣が行う点を理解し、保身目的の濫用と見られない正当な国益の観点で主張を組む
時効(請求できる期限):104条自体に固有の期間はない。ただし申立ては押収の執行前に行う必要があり、執行後では実益を失う。捜索差押許可状の有効期間(原則として発付の日から7日以内、刑事訴訟規則300条)内に執行されるため、その前の限られた時間が事実上の勝負どころとなる(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:104条の承諾制度は、議院の独立と行政権の内閣帰属という三権分立に根ざす押収の特則と解される。承諾原則(1項)と国益限定(2項)の二段構えにより、秘密保護を認めつつその濫用を封じる趣旨と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、議員・国務大臣の職務上の秘密に関する物の押収について、所属する院または内閣の承諾を要する規定として置かれた。
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