刑事訴訟法 第112条
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- 差押状又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。
- 2.前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第112条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第112条の条文原文は「差押状又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第112条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第112条の前の条は刑事訴訟法第111条の2です。
- 刑事訴訟法第112条の次の条は刑事訴訟法第113条です。
- 刑事訴訟法第112条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第112条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第112条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/112
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法112条は、捜索・差押えの執行中、何人に対しても許可なく現場へ出入りすることを禁止でき、従わない者は退去又は看守の対象となると定める。
Q · 家宅捜索が始まったら、逮捕されていなくても家から出られないの?
はい、執行が終わるまで出入りを禁止されることがあります
刑事訴訟法112条により、捜索・差押えの執行中は、何人に対しても許可なく現場への出入りを禁止できます。これは逮捕とは別の権限で、証拠の持ち出しや隠滅を防ぐためのものです。従わなければ退去させられ、執行が終わるまで看守者を付けられます(112条2項)。逮捕状がなくても、執行が続く数時間は行動の自由が事実上止まります。ただし住居主には立会いの仕組み(114条)があり、令状の提示(110条)を求めることもできます。
解説
警察が令状を手に部屋へ踏み込んできたとき、「逮捕されていないのだから出ていく」という理屈は通らない。刑事訴訟法112条は、差押状・記録命令付差押状・捜索状の執行中、誰に対しても許可なくその場所へ出入りすることを禁止できると定める。従わなければ退去させられ、あるいは執行が終わるまで看守者(その場であなたを見張る捜査員)を付けられる。つまり逮捕状がなくても、執行が続く数時間、あなたの行動の自由は事実上止まる。多くの人はこの「逮捕ではない拘束」の存在を知らないまま、現場で抗議し、公務執行妨害という別の罪のリスクまで自分で上乗せしてしまう。知っていれば、従うべきところには静かに従い、令状の提示要求や立会人としての位置取りという、本当に効く一手に力を集中できる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法112条は、捜索・差押え等の令状執行中における出入禁止を定める規定である。執行機関は、何人に対しても許可なく執行場所へ出入りすることを禁止でき、従わない者を退去させ、又は執行終了まで看守者を付すことができる。逮捕・勾留とは別個の、執行の実効性を確保するための一時的な権限である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.まず令状の提示を求める 執行着手の直後に、令状の提示を静かに求める(110条)。対象事件名・捜索する場所・差し押さえる物の記載を目で確認する。提示前に行動の自由を奪われた事実は後の準抗告や違法収集証拠の主張の布石になる
- 2.出入禁止・退去・看守には物理的に逆らわない 112条に基づく出入禁止、退去命令、看守者の配置は適法な執行である。物理的に抵抗すると公務執行妨害罪(刑法95条)という別の罪を自ら上乗せすることになる。指示には従い、争いは手続で行う
- 3.住居主なら立会人としての位置を確保する 退去を求められても、住居主には立会いの仕組み(114条)がある。最初に「自分は住居主だ」と告げ、追い出される側から立ち会う側へ回る。現場に留まり、執行の経過を観察・記録する
- 4.押収目録を受け取り、違法点はメモして弁護士へ 押収された物の目録交付(120条)を必ず受け取り、令状の範囲を超える押収がないか確認する。違法と感じた点はその場でメモし、執行終了後に弁護士へ相談、押収処分への準抗告(430条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1家宅捜索で外に出られないのはいつまで?
捜索・差押えの執行が終了するまでです。112条の出入禁止と看守は逮捕や勾留と異なり期限の定めがなく、執行終了で当然に解かれます。長時間に及ぶこともあります。
Q2捜索差押えの立入禁止とは何ですか?
刑事訴訟法112条が定める権限で、令状執行中に何人に対しても許可なく現場への出入りを禁止できる制度です。証拠の持ち出しや隠滅を防ぐためのものです。
Q3看守者とは何ですか?
出入禁止に従わない者に付され、退去させずに監視する捜査員のことです(112条2項)。逃走・証拠隠滅・出入りを防ぐために配置されます。
Q4家宅捜索中に抵抗すると罪になりますか?
適法な執行への物理的抵抗は公務執行妨害罪(刑法95条)に当たり得ます。出入禁止・退去・看守には逆らわず、令状提示要求など別の手段で対応すべきです。
Q5家宅捜索の立会いは拒否できますか?
住居主等の立会いは114条で要求される手続で、拒否より積極的に立ち会う方が有利です。立会人として現場に留まり、押収内容を確認できます。
Q6押収目録はもらえますか?
はい。押収をしたときは目録を作成し、所有者・所持者等に交付しなければなりません(120条)。何を持ち去られたか把握する重要な書面です。
Q7家宅捜索や押収に不服があるときはどうしますか?
押収処分に対しては準抗告(430条)を申し立てて争えます。令状の範囲を超える押収や違法な執行は、その効力が問題となる間に速やかに申し立てます。
Q8家宅捜索の現場に報道は入れますか?
入れません。112条は報道関係者や近隣住民の立入りも断る根拠になります。『公開の場だから入れる』という理屈は通りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の家なのに、なんで出ていけないんですか?
112条が、執行中は誰に対しても出入りを禁止できると定めているからです。逮捕とは別の権限で、証拠の持ち出しや隠滅を防ぐためのもの。従わなければ退去させられ、執行が終わるまで看守者を付けられます(112条2項)。実務のポイント:この足止めは逮捕でも勾留でもないので、後で有罪になっても刑期から差し引かれません(未決勾留日数の算入対象外、刑法21条)。拘束されたのに何も引かれない時間がある、ということを当の本人もほとんど知らない
Q2捜索の途中で弁護士を呼んだら、入れてもらえますか?
必ずしも入れるとは限りません。捜査段階の捜索では弁護人の立会いが明文で保障されておらず、立会権を定める113条は捜査の捜索に準用されていません(222条)。実務のポイント:実務では、弁護士が現場に着いても「執行中」を理由に入室を断られることが多い。だからこそ、捜索が始まった瞬間の最初の電話で来てもらう段取りを作り、せめて執行終了直後に立ち会わせる、というのが弁護士側の常套手段です
Q3看守者を付けられたら、トイレにも行けないんですか?
看守者は逃走・証拠隠滅・出入りを防ぐために付けられるもので、生理的な必要まで奪うものではありませんが、監視付きになるのが通常です。退去させられた場合は執行が終わるまで建物の外で待つことになります。実務のポイント:捜索は原則として日中しか着手できず(116条、夜間の執行は令状に特別の記載が必要)、長時間に及ぶこともある。何時間も拘束される前提で、その日の予定は全部キャンセルする覚悟がいる、と弁護士は最初に伝えます
間違えやすい点 AI による整理
- 「逮捕されていないのだから帰れる」と考える人が多いが、その問いの立て方自体が誤っている。112条は逮捕とは別個の権限で、執行中の出入りを止められる。あなたが立てるべき問いは「帰れるか」ではなく「どこまで従い、どこから権利を主張できるか」だ
- 「警察が家に入って捜す」ことは知っていても、その間あなた自身が退去させられ、あるいは看守者を付けられて閉じ込められる側になる、という深刻さを多くの人は想像していない。捜される対象は物だが、足止めされるのは人である
- あなたから見れば「自分の家だから誰を入れるかは自分が決める」だが、法律から見れば執行中の現場は捜査機関が出入りを管理する空間に変わる。この落差を理解せず善意で人を招き入れたり外へ出ようとすると、証拠隠滅を疑われ、立場をさらに悪くする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限・義務の性質 | 112条:執行中の出入禁止・退去・看守 | 110条:執行に際する令状の提示義務 114条:責任者・住居主等の立会いの確保 |
| 名宛人・対象 | 何人に対しても(第三者・報道・住居主を含む) | 処分を受ける者に対する提示 公務所・人の住居等の責任者または住居主等 |
| 違反・欠如した場合の争い方 | 目的を超えた拘束なら準抗告・国家賠償の余地 | 提示なき執行は違法の主張・証拠排除の余地 立会いを欠く執行は手続の瑕疵として争う余地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
搜索・扣押の執行時に現場を封鎖し、在場者の離去や第三者の進入を禁止できる点で日本112条と機能が近い。
押収・捜索令状の執行中は他人の出入りを禁止できると定め、日本112条とほぼ同趣旨の規定。
ドイツでは捜索自体は §102以下が規律し、職務行為を妨害する者の排除・一時拘束を §164が定める。出入規制の機能は分散している。
米国では捜索令状の執行中、令状の対象建物の居住者を執行が終わるまで合理的に一時拘束できるとされ、判例法理として確立している。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 朝、令状を持った捜査員がアパートになだれ込む。あなたは出勤しようと玄関へ向かうが「執行が終わるまで出られません」と止められる。逮捕されたわけでもないのに、その日の仕事も約束も全部消える。抵抗すれば公務執行妨害という別の罪が乗ってくる
- 捜索の最中に宅配便や知人がチャイムを鳴らしたら、入れていいのか? 答えは、あなたの家なのに、誰を入れるかをあなたが決められない。捜査員は許可なき出入りを正面から禁止できる
- 現場に駆けつけた記者やカメラマン、野次馬が建物へ入ろうとする。112条は、報道であろうと近隣住民であろうと、その立入りを断る根拠になる。「公開の場だから入れる」は通らない
- 子どもを保育園に送らねばならない朝に捜索が始まった。残された時間はわずか。だが看守者を付けられ、執行が終わるまで動けない。誰かに連絡する自由すら、その場では制限されうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず令状の提示を求める(110条)、対象事件名・捜索する場所・差し押さえる物の記載を目で確認する2. 出入り禁止や退去命令、看守者を付けられることには物理的に逆らわない、抵抗は公務執行妨害(刑法95条)という別の罪を生む3. 住居主なら立会いの仕組み(114条)を主張して現場に留まり、押収された物の目録交付(120条)を必ず受け取る4. 違法と感じた点はその場でメモし、執行終了後に弁護士へ相談、押収処分への準抗告(430条)を検討する
訴えられた側:1. 黙秘権を意識する、捜索中の何気ない会話も後で供述として扱われうる2. 出入り禁止と看守は適法な執行なので抵抗しない、抵抗が新たな立件材料になる3. すぐ当番弁護士に連絡したくても電話さえ制限されうる、執行終了後に最優先で連絡する4. 押収目録で何を持って行かれたか把握し、令状の範囲を超える押収には準抗告(430条)で争う余地がある
時効(請求できる期限):特定の時効はない。出入り禁止と看守は捜索・差押えの執行が終了するまで継続する。執行や押収が違法と考えるなら、押収処分への準抗告(刑事訴訟法430条)を、その処分の効力が問題となる間に速やかに申し立てる。違法拘束による損害は国家賠償法1条の対象になりうる
学説
通説:112条の出入禁止・退去・看守は、捜索・差押えの実効性を確保するための執行付随処分であり、逮捕・勾留とは別個の権限である。証拠保全という目的の範囲を超えて人を拘束すれば、令状によらない違法な身柄拘束として準抗告や国家賠償の対象となり得るとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)改正 情報処理の高度化等への対処に伴う改正で「記録命令付差押え」が新設され、本条の出入禁止の対象に「記録命令付差押状」が追加された。条文自体の新設ではなく、執行対象となる令状類型を拡張する改正
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、捜索・差押えの執行中の出入禁止・退去・看守の権限が定められた。
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理の高度化等への対処に伴う改正で『記録命令付差押え』が新設され、本条の出入禁止の対象に『記録命令付差押状』が追加された。執行対象となる令状類型を拡張する改正。
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