刑事訴訟法 第23条
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- 合議体の構成員である裁判官が忌避されたときは、その裁判官所属の裁判所が、決定をしなければならない。この場合において、その裁判所が地方裁判所であるときは、合議体で決定をしなければならない。
- 2.地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所の裁判官が忌避されたときはその裁判官所属の裁判所が、簡易裁判所の裁判官が忌避されたときは管轄地方裁判所が、合議体で決定をしなければならない。ただし、忌避された裁判官が忌避の申立てを理由があるものとするときは、その決定があつたものとみなす。
- 3.忌避された裁判官は、前二項の決定に関与することができない。
- 4.裁判所が忌避された裁判官の退去により決定をすることができないときは、直近上級の裁判所が、決定をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第23条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第23条の条文原文は「合議体の構成員である裁判官が忌避されたときは、その裁判官所属の裁判所が、決定をしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第23条は第二章 裁判所職員の除斥及び忌避に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第23条の前の条は刑事訴訟法第22条です。
- 刑事訴訟法第23条の次の条は刑事訴訟法第24条です。
- 刑事訴訟法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法23条は、忌避された裁判官の当否を誰が決めるかを定める。本人は判断に関与できず、合議体の他の裁判官や所属裁判所が決定し、定足数不足なら直近上級裁判所が決める。
Q · 裁判官を忌避したら、その裁判官本人が自分で「却下」って決めちゃうんですか?
中身のある忌避は本人以外が決めます
刑事訴訟法23条により、忌避された裁判官本人はその当否の決定に関与できません(3項)。合議体の構成員が忌避されたら残りの裁判官を含む所属裁判所が、単独の裁判官なら所属裁判所が合議体で決めます。ただし忌避された裁判官自身が「理由がある」と認めれば、その時点で忌避が成立したものとみなされます(2項但書)。本人が一人で却下できるのは、遅延目的や理由を示さない忌避を弾く24条の簡易却下に限られます。
解説
法廷であなたを見る裁判官の態度が、最初から相手方寄りに傾いて見えた。前の事件で相手の弁護人と親しげに話していた。そんなとき当事者が握る是正手段が「忌避」、不公平のおそれがある裁判官を外す申立てだ(21条)。だが多くの人が見落とすのは、その申立てを誰が判断するかである。23条の答えは明快だ。忌避された裁判官本人は、自分への忌避の当否を判断に加われない(3項)。合議体の一人なら残りの裁判官が、地方裁判所の単独裁判官や家庭裁判所の裁判官が忌避されたらその所属裁判所が合議体で、簡易裁判所の裁判官なら管轄地方裁判所が決める。しかも忌避された裁判官自身が「理由がある」と認めれば、その時点で忌避が成立したものとみなされる(2項但書)。裁判所がメンバー不足で決められないときは、一つ上の裁判所が決める(4項)。身内が身内を無条件に守る構造ではなく、当事者を判断から外して中立性を担保する設計になっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法23条は、裁判官の忌避が申し立てられた場合に、その当否を判断する主体と手続を定める規定である。忌避された裁判官本人は判断に関与できず、合議体の他の裁判官または所属裁判所の合議体が決定する。裁判所が定足数を欠いて決定できないときは、直近上級の裁判所が決定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.除斥事由か忌避事由かを見極める 外したい理由が「除斥事由(20条)」に当たる客観的事実(過去の代理関係、親族関係など)か、「不公平のおそれ」(21条)という主観評価かを区別する。前者の方が格段に認められやすい
- 2.申立期限内に動く 忌避は事件について請求や陳述をした後は原則として申し立てられない(22条)。裁判官の予断に気づいたら、冒頭手続が実質的に動き出す前、最初の期日の入口で決断する
- 3.書面で理由を具体的に疎明する 忌避の理由を書面で具体的に疎明する。「気に入らない」程度では24条の簡易却下で弾かれる。除斥事由に近い客観的事実を示し、本人に2項但書による撤退を促す選択肢も検討する
- 4.却下後の即時抗告を確認する 申立てが却下された場合に備え、即時抗告(25条)の可否と制限を確認する。簡易却下(24条)に対する不服申立てには制限があるため、申立段階から弁護人と方針をすり合わせる
よくある質問 AI による整理
Q1裁判官の忌避とは何ですか?
不公平のおそれがある裁判官を当該事件の職務から外すよう求める申立てです。原因は刑訴21条、当否の判断手続は23条が定めます。除斥と異なり当事者の申立てが必要です。
Q2忌避と除斥の違いは何ですか?
除斥(20条)は法定の事由があれば当然に職務から外れるもの、忌避(21条)は不公平のおそれを理由に当事者が申し立てて外すものです。23条は忌避の当否の判断手続を規定します。
Q3裁判官の忌避はどうやって申し立てますか?
忌避の原因を具体的に示して申し立てます。理由が明らかにないか遅延目的の場合は24条で簡易却下されるため、除斥事由に近い客観的事実を疎明することが重要です。
Q4忌避はいつまでに申し立てる必要がありますか?
原則として事件について請求や陳述をした後はできません(22条)。期日が実質的に動き出す前に申し立てる必要があり、時期を逃すと門前払いになります。
Q5忌避の申立てが却下されたらどうなりますか?
却下決定に対しては即時抗告ができる場合があります(25条)。ただし簡易却下の場合は制限があるため、不服申立ての可否は弁護人に確認する必要があります。
Q6忌避の簡易却下とは何ですか?
明らかに訴訟遅延が目的の忌避や理由を示さない忌避を、忌避された裁判官自身が即座に却下できる制度です(24条)。23条の本手続まで上がらずに終わります。
Q7裁判所書記官も忌避できますか?
できます。26条が23条を準用しており、法廷で記録を取る書記官が一方当事者と特別な関係にある場合は外せます。中立性の要請は記録係にも及びます。
Q8簡易裁判所の裁判官が忌避されたらどこが決めますか?
管轄地方裁判所が合議体で決定します(23条2項)。地方裁判所の単独裁判官や家庭裁判所の裁判官の場合は、その所属裁判所が合議体で決定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官を忌避しても、結局その裁判所が決めるなら意味なくないですか?
意味はあります。23条3項で、忌避された裁判官本人は判断に加われません。合議体なら残りの裁判官、単独事件ならその所属裁判所が合議体で決める。身内が身内を無条件に守る構造ではない。実務のポイント:とはいえ忌避が実際に認められる例は極めて少なく、弁護士の間では『通すより心証を損なうリスクの方が大きい』が常識。客観的な除斥事由(20条)に近い事実がない限り、安易な忌避は逆効果になりやすい
Q2忌避が通ったら、これまでの裁判はどうなりますか?
忌避が認められると、その裁判官は事件から外れ、後任が引き継ぎます。すでに行われた手続のうち、その裁判官の関与が不可欠だった部分はやり直しになりうる。だからこそ裁判所は認定に慎重です。実務のポイント:認められそうな客観的事情があるなら、正面から評議で争うより、23条2項但書を使って裁判官本人に『理由がある』と認めさせる方が、争いが長引かず早く決着することがある
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「不公平な裁判官を外す正当な権利」だが、裁判所から見れば「訴訟遅延の常套手段」でもある。だから24条の簡易却下があり、理由を示さない忌避や遅延目的の忌避は、本手続(23条)に入る前に弾かれる。この落差を知らずに安易に申し立てると、認められないどころか心証を悪くして終わる
- 忌避できることは知っていても、その効果の重さを知らない人が多い。忌避が認められれば、その裁判官が関与した手続はやり直しになりうる。だからこそ裁判所は簡単には認めず、認定のハードルは実務上かなり高い。「軽く一回試す」ような制度ではない
- 「忌避された裁判官が自分で却下するなら無意味だ」という前提が、そもそも誤っている。23条3項は本人を判断から排除する。本人が独りで却下できるのは24条の簡易却下、つまり理由が明らかにないか遅延目的の場合だけ。中身のある忌避は、必ず本人以外が判断する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 23条:忌避された裁判官の当否を判断する手続 | 20条:除斥(法定事由で当然に職務排除) 24条:遅延目的等の忌避の簡易却下 |
| 判断主体 | 本人以外の所属裁判所・合議体、定足数不足なら直近上級裁判所 | 申立て不要、事由があれば自動排除 忌避された裁判官本人が即座に判断 |
| 本人の関与 | 忌避された本人は決定に関与できない(3項) | 本人の意思に関わらず排除 本人が単独で却下できる例外場面 |
| 適用される忌避の中身 | 理由のある実質的な忌避 | 客観的・形式的な法定事由 理由を示さない/遅延目的の忌避 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も当事者による法官迴避の声請と、その当否を所属法院が裁定する構造を採る。本人を判断から外す点は日本と共通する
韓国も忌避(기피)の申立てと、その裁判の手続を定める。中立性担保のため本人を判断から排除する点で日本と類似する
ドイツは忌避(Ablehnung wegen Besorgnis der Befangenheit)の申立てを § 24が、その当否を忌避された裁判官以外が決定する旨を § 27が定め、本人排除の発想が共通する
米国は当事者の宣誓供述による忌避(§ 144)と裁判官自身の回避義務(§ 455)を併置。日本の除斥・忌避の二段構えに対応する発想がみられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし担当裁判官が、過去にあなたの相手方企業の顧問弁護士だったと判明したら? それは忌避どころか除斥事由(20条)に近い客観的事実だ。23条の手続で、その裁判官を判断から外す決定を引き出せる。主観的な「気に入らない」とは認められ方が段違いに違う
- 刑事被告人のあなたが、裁判官の予断を肌で感じた。だが忌避は事件について陳述をした後では原則として申し立てられない(22条)。残された時間はわずか、最初の期日が実質的に動き出す前に決断しなければ、同じ理由でも門前払いになる
- 合議体の一人の裁判官に忌避を申し立てた。その本人は評議の席を外れる。残る裁判官が決める、これが3項の意味だ
- 相手方が引き延ばし目的で裁判官を次々に忌避してきた。だが24条の簡易却下で、明らかに訴訟遅延が目的の忌避や理由を示さない忌避は、忌避された裁判官自身が即座に却下できる。23条の本手続まで上がらずに終わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 忌避の理由が「除斥事由(20条)」に当たる客観的事実か、「不公平のおそれ」(21条)の主観評価かを区別する。前者の方が格段に認められやすい2. 申立期限を確認、原則は事件について陳述する前(22条)。期日が実質的に始まる前に動く3. 申立ては書面で理由を具体的に疎明する。「気に入らない」では24条で即却下される4. 却下された場合の不服申立て(25条の即時抗告)の可否と制限を弁護人に確認する
訴えられた側:1. 相手の忌避が訴訟遅延目的や理由を明示しないものなら、24条の簡易却下を求める。これは忌避された裁判官自身が即座に判断できる2. 逆に正当な忌避事由が客観的にあるなら、評議で争うより23条2項但書で自ら理由を認める選択肢もある、後の手続やり直しリスクを避けられる3. 忌避をめぐる攻防自体が記録に残り、その後の心証に影響しうることを計算に入れる
時効(請求できる期限):忌避の申立ては、事件について請求や陳述をした後はできない(刑事訴訟法22条本文)。ただし忌避の原因を後で知った、または原因がその後に生じた場合は例外(同条但書)。23条の決定自体に固有の期限はないが、申立てのタイミングそのものが生命線になる
学説
通説:23条は忌避された裁判官を当否の判断から排除することで裁判の中立性を制度的に担保するが、忌避が実際に認められる例は極めて少なく、客観的な除斥事由に近い事実がない限り認定のハードルは高いと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、忌避の当否の判断主体・本人の関与排除・直近上級裁判所による決定の枠組みが定められた。
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