刑事訴訟法 第316条の11
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裁判所は、合議体の構成員に命じ、公判前整理手続(第三百十六条の五第二号、第三号、第八号及び第十号から第十二号までの決定を除く。)をさせることができる。この場合において、受命裁判官は、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第316条の11は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第316条の11の条文原文は「裁判所は、合議体の構成員に命じ、公判前整理手続(第三百十六条の五第二号、第三号、第八号及び第十号から第十二号までの決定を除く。」で始まります。
- 刑事訴訟法第316条の11は第一目 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第316条の11の前の条は刑事訴訟法第316条の10です。
- 刑事訴訟法第316条の11の次の条は刑事訴訟法第316条の12です。
- 刑事訴訟法第316条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法316条の11は、裁判所が合議体の1人(受命裁判官)に公判前整理手続を行わせることを認める規定。受命裁判官は一部の決定を除き裁判所と同一の権限を持つ。
Q · 公判前整理手続って、合議体3人全員の前でやるんですか?
いいえ、1人の受命裁判官に任せられます
刑事訴訟法316条の11により、裁判所は合議体の構成員1人(受命裁判官)に公判前整理手続を行わせることができます。受命裁判官は、訴因変更の許可など316条の5の一部の決定を除き、裁判所・裁判長と同一の権限を持ちます。争点整理や証拠の採否といった裁判の土俵を作る作業の多くが、合議体3人ではなく1人の前で進むことになります。最終判決は合議体3人が下しますが、その大枠はこの整理段階で固まります。
解説
重大事件で起訴されたとき、テレビで見るような公開法廷での攻防が勝負だと思っているなら、それは半分外れている。本当の枠組みは、その前に行われる「公判前整理手続」で大半が固まる。争点が絞られ、どの証拠を法廷に出すかが決められ、ここで請求しなかった証拠は本番で原則使えなくなる(刑事訴訟法316条の32)。そしてこの決定的な手続を、裁判所は合議体の裁判官3人全員ではなく、そのうち1人(受命裁判官)に任せることができる、というのが316条の11だ。任された受命裁判官は、訴因変更の許可など一部の重要決定を除き、裁判所や裁判長と同じ権限を持つ。つまり、あなたの裁判の土俵を整える作業の多くは、本番の前に、非公開の場で1人の裁判官を相手に進む。その1人が何を絞り込むのか、被告側がそこでどう動くかが、判決が出るずっと前に流れを決めている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法316条の11は受命裁判官制度を定める規定であり、裁判所が合議体の構成員1人に公判前整理手続を行わせることを認める。受命裁判官は訴因変更の許可など316条の5の除外事項を除き、裁判所または裁判長と同一の権限を有し、争点の整理と証拠の採否を主宰する。
よくある質問 AI による整理
Q1受命裁判官とは何ですか?
合議体の構成員のうち、裁判所から特定の手続を行うよう命じられた1人の裁判官です。刑事訴訟法316条の11では公判前整理手続を担当し、裁判所と同一の権限を持ちます。
Q2公判前整理手続とは何ですか?
公判の前に争点と証拠を整理し、本番の審理を集中・迅速化するための手続です。ここで請求しなかった証拠は原則として本番で使えなくなります(刑訴316条の32)。
Q3受命裁判官にできないことはありますか?
訴因変更の許可など316条の5の一部の決定(2号・3号・8号・10号から12号)は委任から除外され、合議体の判断に留保されます。被告の防御に重大な決定が対象です。
Q4受命裁判官が決めたことは判決に影響しますか?
直接判決を下すのは合議体3人ですが、整理段階で争点と証拠が絞られた後では判決の大枠はすでにこの土俵に乗っています。実務上の影響は大きいです。
Q5公判前整理手続は傍聴できますか?
原則として非公開です。公開法廷ではなく非公開の場で争点と証拠の整理が進むため、傍聴席から見えるのは整理済みの部分に限られます。
Q6裁判員裁判では公判前整理手続は必ず行われますか?
裁判員裁判では必要的とされ、必ず公判前整理手続に付されます。裁判員が法廷で見る整理済みの争点は、その前に整理段階で削ぎ落とされた後の姿です。
Q7受命裁判官は誰が指名しますか?
合議体(裁判所)が、その構成員の中から命じます。316条の11はその根拠規定で、命じられた裁判官が受命裁判官として手続を主宰します。
Q8公判前整理手続はいつまでに準備すればいいですか?
手続が終結すると「やむを得ない事由」がない限り新証拠を出せません(刑訴316条の32)。アリバイ証人も有利な書類も、終結前にすべて証拠請求しておく必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公判前整理手続って、3人の裁判官全員の前でやるんじゃないんですか?
必ずしもそうではありません。316条の11により、裁判所は合議体の1人(受命裁判官)に手続を行わせることができ、その裁判官は裁判所・裁判長と同一の権限を持ちます。ただし訴因変更の許可など316条の5の一部の決定は委任から除外され、合議体に留保されます。実務のポイント:受命裁判官が手続を進めても、最終的に判決を下すのは合議体3人。だが争点と証拠が削ぎ落とされた後では判決の大枠はすでに整理段階の土俵に乗っている。だからこそ弁護人はこの段階に全力を注ぐ
Q2公判前整理手続が終わった後でも、新しい証拠を出せますか?
原則として制限されます。316条の32により、手続終了後は「やむを得ない事由」で請求できなかった場合を除き、新たな証拠調べ請求は許されません。つまり316条の11の受命裁判官の前で行う整理段階が、証拠を出す実質的な最後の機会です。実務のポイント:「やむを得ない事由」の認定は厳しく、後から見つけた証拠の言い訳は通りにくい。重大事件ほど、整理手続中に出せる材料を一つ残らず洗い出しておくのが弁護の生命線になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判は公開の法廷で証拠を出し合って争うもの」という前提でいると、肝心な場所を見逃す。重大事件では、何を争点にし何を証拠に使うかは、公開法廷が始まる前の非公開手続でほぼ決まっている。問いを「法廷でどう戦うか」ではなく「公判前整理手続でどう土俵を作るか」に立て直さないと、戦う前に枠が固まる
- 「受命裁判官は格下の代理だから、決めたことは後で本番の裁判官が覆せる」と思いがちだが、316条の11後段で受命裁判官は裁判所・裁判長と同一の権限を持つ。訴因変更の許可など一部の決定(316条の5の除外項目)を除き、その判断は手続上そのまま効力を持つ
- 受命裁判官に任せられること自体は知っていても、それが「自分の事件の枠組みを1人の判断で絞り込まれる」という重みだとは実感していない。3人の合議で慎重に進むという安心感は、整理手続の多くの場面では当てはまらない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続を主宰する主体 | 316条の11:受命裁判官1人が公判前整理手続を主宰 | 316条の2:合議体(裁判所)が公判前整理手続に付す決定をする 316条の5:手続で行える整理事項の範囲を列挙 |
| 権限の範囲 | 裁判所・裁判長と同一の権限(一部決定を除く) | 合議体が判断主体 訴因変更の許可など2号・3号・8号・10〜12号は委任から除外 |
| 防御への影響 | 1人の判断で争点・証拠が整理される | 手続に付すか否かの入口を決める 316条の32:終結後は原則として新証拠の請求不可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も合議事件で受命法官が準備程序を主宰する制度を持ち、争点と証拠の整理を行う点で日本と機能的に類似する。
韓国の공판준비절차も公判前に争点と証拠を整理する手続で、受命法官(수명법관)に行わせうる点で日本と近い構造を持つ。
ドイツも合議体が個別の手続を beauftragter Richter(受命裁判官)に委ねる制度を持つが、公判前整理手続そのものの位置づけは日本と異なる。
米国も pretrial conference で争点整理を行うが、当事者主義が徹底し、裁判官の役割や非公開性の扱いは日本と差がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 裁判員裁判で起訴された。第一回公判の何か月も前から「公判前整理手続」への出頭を求められ、出てくるのは合議体3人ではなく裁判官1人だけ。これは手抜きなのか。違う。316条の11による正規の委任で、その1人は裁判所と同一の権限を持つ。ここでの主張と証拠請求が、本番の土俵そのものを作っている
- 弁護人から「この手続が終わると、原則もう新しい証拠は出せません」と告げられる。残された準備期間で、アリバイ証人も、有利な書類も、すべて今のうちに証拠請求しておかないと、本番の法廷では門前払いになる(316条の32)。受命裁判官の前のこの数回が、最後のチャンスだ。あと数週間で手続は終結する
- 知人が傍聴に行こうとしたら「公判前整理手続は非公開です」と断られた。重大事件の核心が、公開法廷ではなく非公開の場で1人の裁判官の下で進む。傍聴席から見える部分は、もう仕上がった氷山の一角でしかない
学説
通説:316条の11による委任は手続の迅速化を目的とするが、受命裁判官が単独で判断できる範囲は316条の5の除外事項により限定される。訴因変更の許可など被告人の防御に重大な影響を及ぼす決定は合議体に留保され、効率と手続保障の均衡が図られていると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)公布、平成17年(2005年)施行 裁判員制度導入に向けた刑事訴訟法改正で、公判前整理手続制度の一環として新設。合議体の構成員に手続を委ねる受命裁判官制度を定めた
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:裁判員制度導入に向けた刑事訴訟法改正で、公判前整理手続制度の一環として新設。合議体の構成員に手続を委ねる受命裁判官制度を定めた(平成17年施行)。
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