受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第316条の5

クイックジャンプ
  1. 公判前整理手続においては、次に掲げる事項を行うことができる。
  2. 一訴因又は罰条を明確にさせること。
  3. 二訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許すこと。
  4. 三第二百七十一条の五第一項又は第二項(これらの規定を第三百十二条の二第四項において準用する場合を含む。)の請求について決定をすること。
  5. 四公判期日においてすることを予定している主張を明らかにさせて事件の争点を整理すること。
  6. 五証拠調べの請求をさせること。
  7. 六前号の請求に係る証拠について、その立証趣旨、尋問事項等を明らかにさせること。
  8. 七証拠調べの請求に関する意見(証拠書類について第三百二十六条の同意をするかどうかの意見を含む。)を確かめること。
  9. 八証拠調べをする決定又は証拠調べの請求を却下する決定をすること。
  10. 九証拠調べをする決定をした証拠について、その取調べの順序及び方法を定めること。
  11. 十証拠調べに関する異議の申立てに対して決定をすること。
  12. 十一第三目の定めるところにより証拠開示に関する裁定をすること。
  13. 十二第三百十六条の三十三第一項の規定による被告事件の手続への参加の申出に対する決定又は当該決定を取り消す決定をすること。
  14. 十三公判期日を定め、又は変更することその他公判手続の進行上必要な事項を定めること。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第316条の5は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第316条の5の条文原文は「公判前整理手続においては、次に掲げる事項を行うことができる。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第316条の5は第一目 通則に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第316条の5の前の条は刑事訴訟法第316条の4です。
  7. 刑事訴訟法第316条の5の次の条は刑事訴訟法第316条の6です。
  8. 刑事訴訟法第316条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法316条の5は、公判前整理手続で裁判所が行える事項を13号で列挙する。争点整理・証拠調べ請求・証拠開示の裁定などを含み、手続終結後は新たな証拠調べ請求が原則制限される。

Q · 公判前整理手続って、本番の裁判の前に何をやる手続なの?

裁判前の非公開手続で、争点と証拠を確定させる重要な段階です

刑事訴訟法316条の5は、公判前整理手続で裁判所が行える事項を13号で列挙します。訴因・罰条の明確化、争点整理、証拠調べ請求、証拠開示の裁定、被害者参加の申出への決定などです。とりわけ重大なのは、この手続を経た事件では終結後に新たな証拠調べを請求できなくなる「失権効」(316条の32)が働く点です。つまり法廷で戦える武器のリストは、この非公開の部屋を出た瞬間に確定します。裁判員裁判では本手続が必須です(裁判員法49条)。

解説

テレビドラマの法廷シーンは嘘ではないが、本当の勝負はそこではない。重大事件、とりわけ裁判員裁判では、法廷が開かれる前に「公判前整理手続」という非公開の手続が行われる。刑訴法316条の5は、その部屋で裁判所が何をできるかを13項目で列挙している。争点を絞らせ(争点整理)、双方が出す証拠を確定し、検察が握っている証拠を弁護側に開示させる。一見、地味な段取りの条文に見える。だが恐ろしいのはここからだ。この手続を経た事件では、やむを得ない事由がない限り、後の公判で新たな証拠調べを請求できなくなる(316条の32、失権効)。つまり、この非公開の部屋を出た瞬間、あなたが法廷で戦える武器のリストは確定する。被告人やその家族の多くは「裁判で本当のことを話せば分かってもらえる」と思っている。だが弁護人にとって、勝敗の半分はこの部屋ですでに決まっている。

法的な位置づけ

刑事訴訟法316条の5は、公判前整理手続において裁判所が行うことのできる事項を列挙する規定である。訴因・罰条の明確化、公判で予定する主張の明示による争点整理、証拠調べの請求、証拠開示に関する裁定、被害者参加の申出に対する決定など13の事項を定め、争点と証拠を公判前に集中的に整理する制度の中核を構成する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.否認するか認めるかの方針を早期に弁護人と固める 公判前整理手続の早い段階で、争うのか情状で勝負するのかを決める。後で『やっぱり争う』への方針変更は失権効(316条の32)により証拠が制限されるため、手戻りが致命的になる
  2. 2.証拠の一覧表交付を請求し全体像を把握する 2016年改正で導入された証拠の一覧表交付請求(316条の14第2項)を行い、検察が何を握っているかの存在を確認する。存在が分からなければ開示請求もできないため、ここが入口になる
  3. 3.類型証拠開示・主張関連証拠開示を段階的に請求する 検察の証明予定事実が示された直後に類型証拠開示(316条の15)を請求し、検察の手札を見てから自分の主張を明示する。順番を逆にすると手の内を先に晒すことになる
  4. 4.出すべき証拠を手続中に出し切る 手続終結後は失権効が働くため、有利な証拠は温存せず手続中にすべて証拠調べ請求する。被害者側であれば被害者参加(316条の33)や秘匿措置(271条の5)の申出も並行して行う

よくある質問 AI による整理

Q1公判前整理手続とは何ですか?

公判の前に裁判所・検察官・弁護人が非公開で争点と証拠を整理する手続です。刑訴法316条の5が裁判所の行える事項を13号で定め、集中的で迅速な公判を実現する目的があります。

Q2公判前整理手続にかかる期間はどれくらいですか?

事件により数か月から年単位まで幅があります。証拠開示を巡る攻防が長引くほど時間がかかりますが、公判自体は争点が絞られるため集中審理で短期に終わる設計です。

Q3失権効とは何ですか?

公判前整理手続の終結後は、やむを得ない事由がない限り新たな証拠調べを請求できなくなる効果です(刑訴法316条の32)。出し損ねた証拠は本番の法廷で原則使えません。

Q4類型証拠開示と主張関連証拠開示の違いは何ですか?

類型証拠開示(316条の15)は検察請求証拠の証明力判断のための一定類型の証拠開示、主張関連証拠開示(316条の20)は弁護側の主張に関連する証拠の開示請求です。

Q5公判前整理手続は必ず行われますか?

通常事件では裁判所が必要と認めた場合に付されます(316条の2)。一方、裁判員裁判の対象事件では裁判員法49条により必ず行われます。

Q6裁判員裁判では公判前整理手続は必須ですか?

必須です。裁判員の参加する刑事裁判に関する法律49条により、裁判員裁判の対象事件は必ず公判前整理手続に付され、争点と証拠が事前に整理されます。

Q7公判前整理手続の途中で被害者参加はできますか?

できます。被害者参加の申出(316条の33)に対する決定は本手続の中で行われ(316条の5第12号)、参加が認められれば手続段階から事件の見通しを知る立場に立てます。

Q8公判前整理手続で決まったことは後から変えられますか?

争点や証拠の整理結果は原則拘束力を持ち、終結後の証拠調べ請求は失権効(316条の32)で制限されます。変更にはやむを得ない事由の立証が必要で極めて困難です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1公判前整理手続って、被告人本人も出席するんですか?

出席する権利があります(316条の9)。弁護人の関与は必須ですが、本人の出席は基本的に任意で、裁判所が必要と認めれば出頭を求められます。実際には弁護人が主導しますが、方針は本人と詰めるのが筋です。実務のポイント:本人が手続の意味を理解しないまま弁護人任せにすると、後で「そんな証拠を出さないとは聞いていない」というズレが起きる。失権効がある以上、何を出し何を争うかは本人が納得して決めるべきで、打ち合わせ記録を残しておくと後の不服にも備えられる

Q2検察が持っている証拠、全部見せてもらえるんですか?

全部ではありません。検察が取調べ請求した証拠(316条の13、316条の14)に加え、請求すれば一定の類型の証拠(316条の15)や、弁護側の主張に関連する証拠(316条の20)が開示されます。2016年改正で証拠の一覧表の交付も請求できるようになりました(316条の14第2項)。実務のポイント:開示は請求しなければ出てこないのが原則。何が存在するか分からなければ請求できないので、まず一覧表を取り、そこから類型、主張関連へ段階的に攻めるのが弁護実務の定石。受け身の弁護では有利な証拠が眠ったままになる

Q3公判前整理手続をやると裁判は早く終わるんですか?

争点と証拠が事前に絞られるので、公判自体は集中的、短期間で終わる設計です(316条の3)。ただし手続自体に数か月から年単位かかることもあり、トータルで早いとは限りません。実務のポイント:手続が長引くのは証拠開示を巡る攻防が多いから。弁護側が粘り強く開示請求すると時間はかかるが、それが無罪や減刑につながることもある。早く終わらせたいと証拠を尽くしたいは時に対立する、ここは本人と弁護人で優先順位を共有しておくべき場面

間違えやすい点 AI による整理

  • 「裁判で全部話せば分かってもらえる」という前提そのものが、重大事件では崩れている。公判前整理手続を経た事件では、そこで出さなかった証拠を後から法廷で出すには「やむを得ない事由」が必要(316条の32)。あなたが立てるべき問いは「法廷でどう話すか」ではなく「その前の手続で何を出し切るか」だ
  • 「証拠開示があるのは知っている」という人でも、その射程の広さを知らない。2016年の改正で、検察官は請求に応じて手持ち証拠の一覧表を交付する義務を負うようになった(316条の14第2項)。何が存在するのか分からなければ開示請求もできない、その入口が大きく広がっている
  • 「公判前整理手続は裁判所が勝手に進める形式的な段取り」だと思われがちだが、実際は当事者主導の攻防の場。弁護側がどれだけ証拠開示を請求し、どこまで争点を絞らせるかで本番の構図が決まる。受け身でいる弁護人と、攻める弁護人とで結果は大きく変わる
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割316条の5:公判前整理手続で裁判所が行える事項の列挙(手続の骨格)316条の15:類型証拠開示請求の制度(弁護側の武器)
316条の32:手続終結後の証拠調べ請求制限(失権効・締切)
誰が動かすか裁判所が主宰しつつ当事者の請求・主張に基づき進行被告人・弁護人が請求して初めて開示される
終結により自動的に効果が発生(請求は不要)
タイミング公判前整理手続の全期間を通じて適用検察の証明予定事実提示後〜手続終結前
手続終結時点で確定
怠った場合のリスク争点整理が不十分だと本番の審理が拡散する請求しなければ有利な証拠が開示されない
出し損ねた証拠は原則として法廷で使えない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第273条(準備程序)

台湾も公判前に準備程序で争点整理と証拠の整理を行う。証拠能力の事前判断を含む点で機能的に近い

韓国
대한민국 형사소송법 제266조의5 이하(공판준비절차)

韓国も公判準備手続で争点・証拠整理と証拠開示を行い、日本の制度と構造が類似する

ドイツ
StPO §§ 202a, 212(Verfahrensstandの協議)

ドイツは中間手続(Zwischenverfahren)で起訴の許否を審査し、別途手続状況の協議を行う。失権効型の制度設計とは異なる

アメリカ
Federal Rules of Criminal Procedure Rule 17.1(Pretrial Conference)

米国は当事者主義の下、ディスカバリーと公判前協議で争点を整理する。日本の証拠開示はこの当事者主義的手法を限定的に取り入れたもの

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 家族が殺人事件で起訴された。裁判員裁判になるため公判前整理手続が始まる。弁護人から「次回までに主張を整理します」と言われたが、その意味の重さに気付いていない。この段階で出し損ねた証拠は、本番の法廷では原則として使えなくなる。準備に残された時間は限られている
  • もし、検察が手元に持っている証拠のうち、あなたに有利なものを法廷に出さなかったら? 公判前整理手続には類型証拠開示、主張関連証拠開示(316条の15、316条の20)という仕組みがあり、弁護側はそれを引き出す請求ができる。請求しなければ、有利な証拠は闇に消える
  • 痴漢冤罪で起訴された会社員。否認するなら、この手続で「犯人ではない」という主張と証拠を出し切る必要がある。出し惜しみは命取りだ
  • あなたの家族が交通事故の被害者として亡くなり、加害者が起訴された。被害者参加(316条の33)を申し出れば、公判前整理手続の段階でその可否が決まる。法廷で意見を述べる立場を得られるかどうかが、ここで動き出す

取るべき行動

被害を受けた側:1. 加害者が起訴され裁判員裁判等の対象なら、公判前整理手続が始まる前に被害者参加(316条の33)の申出を検討、検察官または被害者支援の窓口に相談2. 参加が認められれば、手続段階から事件の見通しを知る立場に立てる3. 刑事手続に乗せた損害賠償命令の申立て(犯罪被害者保護法)の準備も並行4. 住所や氏名を知られたくない場合は秘匿措置(271条の5)を早めに申し出る

訴えられた側:1. 否認するか認めるかの方針を、この手続の早い段階で弁護人と固める。後で「やっぱり争う」への変更は失権効(316条の32)で証拠が制限される2. 弁護人に類型証拠開示、主張関連証拠開示(316条の15、316条の20)の請求状況を確認3. 検察の証明予定事実を見てから自分の主張を組み立てる順序を守る4. 出すべき証拠は手続中に出し切る、温存は禁物

時効(請求できる期限):公判前整理手続そのものに固定の期限はないが、終結後は失権効が働く。証拠調べの請求は終結時までに済ませること(316条の32)。終結後の請求は「やむを得ない事由」の立証が必要で、ハードルは極めて高い(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:316条の5を中核とする公判前整理手続は、争点・証拠の事前整理による迅速かつ充実した公判の実現を目的とする一方、失権効(316条の32)が被告人の防御を時間的に追い込む危険を孕む。拡充された証拠開示がこの緊張の埋め合わせ機能を果たすと解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)公布、平成17年(2005年)11月1日施行 新設。裁判の迅速化と裁判員制度導入に向けた準備として公判前整理手続を創設し、その中で行える事項を列挙した
  • 平成19年(2007年)公布、平成20年(2008年)施行 改正。被害者参加制度の創設に伴い、被告事件の手続への参加の申出に対する決定(現12号、316条の33関連)を追加
  • 令和5年(2023年)改正 改正。被害者・証人等の個人情報秘匿措置(271条の5)に関する決定を行えることを追加(現3号)

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:裁判の迅速化と裁判員制度導入の準備として公判前整理手続を創設し、その中で行える事項を列挙した
  2. 2.平成19年(2007年) 改正:被害者参加制度の創設に伴い、被告事件の手続への参加の申出に対する決定(316条の33関連)を追加
  3. 3.令和5年(2023年) 改正:被害者・証人等の個人情報秘匿措置(271条の5)に関する決定を行えることを追加

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一目 通則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›