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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第316条の32

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  1. 公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件については、検察官及び被告人又は弁護人は、第二百九十八条第一項の規定にかかわらず、やむを得ない事由によつて公判前整理手続又は期日間整理手続において請求することができなかつたものを除き、当該公判前整理手続又は期日間整理手続が終わつた後には、証拠調べを請求することができない。
  2. 2.前項の規定は、裁判所が、必要と認めるときに、職権で証拠調べをすることを妨げるものではない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第316条の32は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第316条の32の条文原文は「公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件については、検察官及び被告人又は弁護人は、第二百九十八条第一項の規定にかかわらず、やむを得ない事由によつて公判前整…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第316条の32は第三款 公判手続の特例に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第316条の32の前の条は刑事訴訟法第316条の31です。
  7. 刑事訴訟法第316条の32の次の条は刑事訴訟法第316条の33です。
  8. 刑事訴訟法第316条の32には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の32
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の32(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_32

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法316条の32は、公判前整理手続を経た事件で、手続終了後の証拠調べ請求を原則禁止する。例外はやむを得ない事由がある場合に限られる。

Q · 公判前整理手続が終わった後でも、有利な証拠を法廷で出せますか?

原則出せません。やむを得ない事由がある場合のみ例外です。

公判前整理手続または期日間整理手続に付された事件では、刑事訴訟法316条の32第1項により、手続終了後の証拠調べ請求は原則として認められません。例外は、やむを得ない事由により手続中に請求できなかった証拠に限られ、その立証は請求する側が負います。ただし、裁判所が必要と認めれば職権で証拠調べを行うことは妨げられません(同条2項)。また被告人質問は本条の制限の対象外とした最高裁決定があります。

解説

裁判員裁判や争点の複雑な事件では、本番の法廷が始まる前に「公判前整理手続」という非公開の準備手続が開かれる。ここで検察官も弁護人も、使う証拠を全部テーブルに並べることが求められる。問題はその後だ。刑訴法316条の32は、この整理手続が終わった後は、原則として新しい証拠調べの請求ができないと定める。例外は「やむを得ない事由」で整理手続中に請求できなかったものだけ。つまり、整理手続の段階で出し忘れた、あるいは戦略的に温存していた証拠は、本番の法廷では原則として封じられる。これを失権効と呼ぶ。あなたが被告人なら、有利な証人や書類を整理手続のテーブルに載せるかどうかが、防御の成否を分ける分水嶺になる。法廷で「実はこの証拠が」と切り出しても、裁判所は「なぜ整理手続で出さなかったのか」と問う。後出しは効かない。

法的な位置づけ

刑事訴訟法316条の32は、公判前整理手続または期日間整理手続を経た事件における証拠調べ請求の制限を定める規定である。両手続の終了後は、やむを得ない事由により手続中に請求できなかった証拠を除き、当事者は新たな証拠調べを請求できない。この制限は失権効と呼ばれ、裁判所の職権による証拠調べを妨げるものではない。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.公判前整理手続の開始時に有利な証拠を総ざらいする 手続が始まったら、証人・書類・鑑定・防犯カメラ映像など有利な証拠を弁護人と一つ残らず洗い出す。終了後は原則として追加できないため、最初の段階で全件を俎上に載せる
  2. 2.予定主張記載書面とともに証拠調べを請求する 取調べを請求する予定の証拠は、予定主張記載書面とあわせて整理手続の期日内に提出する。戦略的温存は失権リスクが高く、原則は手続中に全部請求する方針で臨む
  3. 3.終了前に出し忘れの有無を弁護人と最終確認する 手続が終わる前の最後の期日までに、弁護人に「出し忘れている証拠はないか」を必ず確認する。終了後の追加は原則できないと心得て、ここで取りこぼしを潰す
  4. 4.終了後に新証拠が出たらやむを得ない事由を疎明する 整理手続後に決定的な新証拠が見つかった場合、整理手続中に入手も把握もできなかった事情を、発見の経緯・時期とともに時系列で記録し疎明資料を整える。あわせて裁判所の職権証拠調べを促す上申も検討する

よくある質問 AI による整理

Q1失権効とは何ですか?

公判前整理手続が終わると、やむを得ない事由がある場合を除き新たな証拠調べを請求できなくなる効果のことです。刑訴法316条の32が根拠で、後出しの証拠が原則封じられます。

Q2やむを得ない事由とは何ですか?

整理手続中には証拠の存在を知り得なかった、または入手できなかった事情を指します。「探せば見つかったはず」と判断されると認められず、立証責任は請求する側が負います。

Q3公判前整理手続はどんな事件で開かれますか?

裁判員裁判の対象事件では必ず開かれ、その他でも争点が複雑なら裁判所の決定で付されます(316条の2)。一度付されると終了後の証拠の後出しが制限されます。

Q4証拠調べ請求はいつまでにすべきですか?

公判前整理手続または期日間整理手続が終了する前に行う必要があります。終了後はやむを得ない事由を立証しない限り請求できません(316条の32第1項)。

Q5失権効は検察官にも及びますか?

及びます。本条は検察官と被告人・弁護人の双方を等しく縛る片面的でない制度で、検察官が整理手続で出し忘れた証拠も後から追加できません。

Q6期日間整理手続とは何ですか?

第一回公判後に争点や証拠を整理する手続で、公判前整理手続と同様に終了後の証拠制限(316条の32)が及びます。審理の途中で必要に応じて行われます。

Q7裁判所が職権で証拠調べをすることはできますか?

できます。316条の32第2項は、必要と認めるときに裁判所が職権で証拠調べを行うことを妨げないと定めており、当事者の失権を補う安全弁となっています。

Q8公判前整理手続のデメリットは何ですか?

争点と証拠の早期開示が必要となり、終了後は失権効で証拠の後出しが封じられる点です。一方で検察手持ち証拠の開示を広く受けられる利点もあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1公判前整理手続って、普通の刑事事件でも開かれるんですか?

全事件ではありません。裁判員裁判の対象事件(殺人・強盗致傷など重大事件)では必ず開かれ、その他の事件でも争点が複雑なら裁判所の決定で付されます(316条の2)。一度付されると、終了後の証拠の後出しが封じられます(316条の32)。実務のポイント:弁護人の中には、証拠開示を広く受けられる利点を狙ってあえて公判前整理手続を求める戦略を取る人もいます。失権効という縛りと、検察手持ち証拠を開示させる武器は表裏一体。どちらを重く見るかで弁護方針が分かれる。

Q2整理手続が終わった後に、自分に有利な証人が見つかったらもう諦めるしかないんですか?

諦める必要はありません。「やむを得ない事由」(316条の32第1項)に当たれば例外的に請求できます。鍵は、その証人を整理手続中には知り得なかったことの疎明です。実務のポイント:実務では「なぜ今まで出さなかったのか」が厳しく問われ、「探せば見つかった」と見られると却下されます。発見の経緯を記録に残し、手続中に把握できなかった具体的事情を示せるかが分水嶺。後から「見つかりました」だけでは通らない。

Q3法廷で被告人本人が新しいことを話すのも、ダメなんですか?

被告人質問については、最高裁が本条の制限の対象外と判断した決定があります(最決平成27.5.25)。整理手続で請求していなくても、被告人質問を通じて事情を述べる余地は残ります。ただし争点と無関係な質問は制限されうる点に注意(実務上、運用に幅があります)。実務のポイント:「証拠調べ請求」と「被告人質問」は法的に別物。ここを理解している弁護人は、整理手続で出し損ねた要素を被告人質問で補う余地を探る。ただし万能ではなく、本筋の証拠は手続中に出すのが鉄則。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「証拠は本番の法廷で出せばいい」と思っている人が多いが、公判前整理手続に付された事件では逆だ。手続が終わった後の新証拠請求は原則できない(316条の32第1項)。法廷は「整理手続で決めたことを実演する場」であり、新しい勝負を始める場ではない。
  • 「やむを得ない事由があれば後から出せる」ことは知られているが、その例外がどれほど狭いかは知られていない。実務では「整理手続中に少し探せば見つかったはず」と判断されれば例外は認められない。「知らなかった」ではなく「知り得なかった」ことの立証を、請求する側が負う。例外の窓は、思っているより遥かに小さい。
  • 「これは検察を縛る被告人有利の制度だ」という見方そのものがズレている。失権効は検察官にも被告人にも等しく働き、むしろ準備不足の被告人側に厳しく出ることが多い。あなたから見れば「手続的な決まり事」だが、弁護の現場から見れば「防御の生命線」だ。この落差が、準備を怠った被告人を追い詰める。
比較の観点この条文ほかの条文
証拠調べ請求の可否316条の32:整理手続終了後は原則請求できない(失権効)298条:当事者はいつでも証拠調べを請求できる(一般原則)
316条の5:整理手続の期日内に証拠調べを請求する
適用される場面公判前整理手続・期日間整理手続に付された事件の手続終了後整理手続に付されない通常の事件の公判全般
整理手続の進行中(争点・証拠の整理段階)
例外・安全弁やむを得ない事由による例外+裁判所の職権証拠調べ(2項)時機に後れた請求は却下されうるが原則自由
期日内であれば追加請求可能

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第273条(準備程序)

台湾も準備程序で争点・証拠を整理するが、日本の失権効ほど厳格な後出し禁止効は明文化されていない

韓国
대한민국 형사소송법 제266조의13

韓国は公判準備期日の終結効として失権効に近い制限を明文で定めており、日本と発想が類似する

ドイツ
StPO(職権探知主義・Amtsaufklärungsgrundsatz)

ドイツ刑事手続は裁判所の職権による真実解明義務が支配的で、当事者の証拠提出を失権で封じる制度は採らない

アメリカ
Taylor v. Illinois, 484 U.S. 400 (1988)

米国はディスカバリー違反の制裁として証拠・証人の排除(preclusion)を認めるが、適用は裁量的で要件が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが裁判員裁判の被告人で、弁護人と公判前整理手続を進めている。来週でこの手続が終わる。今のうちにアリバイを裏づける防犯カメラ映像の取調べを請求しておかないと、手続終了後は「やむを得ない事由」を立証しない限り、その映像は法廷に出せなくなる。残された期日はあとわずか。
  • もし整理手続が終わった後で、決定的に有利な目撃者が初めて名乗り出てきたら、どうなる? 「手続中には存在を知り得なかった」と認められれば、やむを得ない事由として例外的に請求できる。だが「探せば見つかったはず」と判断されれば、その証言は門前払いだ。
  • 検察官側も同じ縛りを受ける。整理手続で出し忘れた証拠は、後から追加できない。失権効は被告人だけを縛る片面的な制度ではない。
  • 友人が痴漢冤罪で起訴され、公判前整理手続に付された。あなたが「早く無罪の証拠を全部弁護士に渡せ」と急かす理由は、手続が終わると後出しが封じられるからだ。整理手続のテーブルに何を載せるかが、判決を左右する。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 公判前整理手続が始まったら、有利な証拠(証人・書類・鑑定・防犯映像)を一つ残らず弁護人と洗い出す2. 「戦略的に温存」は危険、原則は手続中に全部請求する方針で臨む3. 取調べ請求の予定証拠は予定主張記載書面とともに整理手続の期日内に提出4. 手続が終わる前に、弁護人に「出し忘れている証拠はないか」を必ず確認、終了後の追加は原則できないと心得る

訴えられた側:1. 整理手続後に新証拠を出したいなら、まず「やむを得ない事由」に該当するかを弁護人と精査、整理手続中に入手も把握もできなかった事情が必要2. その証拠を発見した経緯・時期を時系列で記録し、なぜ手続中に請求できなかったかを疎明する資料を揃える3. 被告人質問には本条の制限が及ばないと判断した最高裁決定(最決平成27.5.25)があり、質問を通じて事情を補える余地がある(実務上、争点との関連性が前提) 4. 裁判所の職権による証拠調べ(本条2項)を促す上申も検討

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、新証拠の請求が封じられる「締め切り」は公判前整理手続または期日間整理手続が終了した時点。終了後は「やむを得ない事由」の立証がない限り請求できない(316条の32第1項)。準備の起算点は手続開始時、勝負は終了期日まで。

学説

通説:本条の失権効は、公判前整理手続で争点・証拠を絞り込み集中審理を実現するための制度的担保であり、やむを得ない事由の例外と職権証拠調べ(2項)により被告人の防御権との均衡を図ると解されている。例外の範囲を狭く運用しすぎると防御権を実質的に損なう点に留意が必要とされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年) 公判前整理手続制度の導入に伴い新設。整理手続終了後の証拠調べ請求を原則禁止する失権効を定めた。平成17年(2005年)11月1日施行

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:公判前整理手続制度の導入に伴い新設され、整理手続終了後の証拠調べ請求を原則禁止する失権効を定めた。平成17年(2005年)11月1日施行。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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