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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第350条の10

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  1. 次の各号に掲げる事由があるときは、当該各号に定める者は、第三百五十条の二第一項の合意から離脱することができる。
  2. 一第三百五十条の二第一項の合意の当事者が当該合意に違反したときその相手方
  3. 二次に掲げる事由被告人
  4. 一検察官が第三百五十条の二第一項第二号ニに係る同項の合意に基づいて訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を請求した場合において、裁判所がこれを許さなかつたとき。
  5. 二検察官が第三百五十条の二第一項第二号ホに係る同項の合意に基づいて第二百九十三条第一項の規定による意見の陳述において被告人に特定の刑を科すべき旨の意見を陳述した事件について、裁判所がその刑より重い刑の言渡しをしたとき。
  6. 三検察官が第三百五十条の二第一項第二号ヘに係る同項の合意に基づいて即決裁判手続の申立てをした事件について、裁判所がこれを却下する決定(第三百五十条の二十二第三号又は第四号に掲げる場合に該当することを理由とするものに限る。)をし、又は第三百五十条の二十五第一項第三号若しくは第四号に該当すること(同号については、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述と相反するか又は実質的に異なつた供述をしたことにより同号に該当する場合を除く。)となつたことを理由として第三百五十条の二十二の決定を取り消したとき。
  7. 四検察官が第三百五十条の二第一項第二号トに係る同項の合意に基づいて略式命令の請求をした事件について、裁判所が第四百六十三条第一項若しくは第二項の規定により通常の規定に従い審判をすることとし、又は検察官が第四百六十五条第一項の規定により正式裁判の請求をしたとき。
  8. 三次に掲げる事由検察官
  9. 一被疑者又は被告人が第三百五十条の四の協議においてした他人の刑事事件についての供述の内容が真実でないことが明らかになつたとき。
  10. 二第一号に掲げるもののほか、被疑者若しくは被告人が第三百五十条の二第一項の合意に基づいてした供述の内容が真実でないこと又は被疑者若しくは被告人が同項の合意に基づいて提出した証拠が偽造若しくは変造されたものであることが明らかになつたとき。
  11. 2.前項の規定による離脱は、その理由を記載した書面により、当該離脱に係る合意の相手方に対し、当該合意から離脱する旨の告知をして行うものとする。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第350条の10は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第350条の10の条文原文は「次の各号に掲げる事由があるときは、当該各号に定める者は、第三百五十条の二第一項の合意から離脱することができる。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第350条の10は第三節 合意の終了に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第350条の10の前の条は刑事訴訟法第350条の9です。
  7. 刑事訴訟法第350条の10の次の条は刑事訴訟法第350条の11です。
  8. 刑事訴訟法第350条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の10
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法350条の10は、司法取引の合意の相手方が違反したとき等に、検察官や被疑者・被告人が合意から離脱できると定める。離脱は理由を記載した書面の告知で成立する。

Q · 一度サインした司法取引の合意から、後で抜けることはできるの?

できる。理由を書いた書面で相手に告知すれば離脱できる

刑事訴訟法350条の10により、合意の相手方が違反したとき、または法定の事由があるときは、検察官も被疑者・被告人も協議・合意(350条の2)から離脱できます。ただし離脱は口頭では成立せず、理由を記載した書面を相手方に告知して初めて効力が生じます(同条2項)。適法に離脱すれば、協議・合意の過程でした供述は原則として証拠能力を失います。離脱は見返りを諦める行為であると同時に、出した供述を証拠の世界から閉じる行為でもあります。

解説

刑事訴訟法350条の10は、日本版司法取引(協議・合意制度、2018年施行)の『非常口』を定める。まずこの制度の正体を知っておくべきだ。日本の司法取引は、自分の罪を認めて減刑される米国型ではない。検察官に『他人の犯罪』の証拠や供述を渡す見返りに、自分の処分を軽くしてもらう密告型である。対象は脱税・談合・贈収賄・薬物銃器など特定犯罪に限られる。だからあなたが会社の経済事件に巻き込まれたとき、同僚や上司が先に取引を結び、あなたを売る側に回ることがある。本条が告げるのは、その合意が永久には縛らないという事実だ。相手方が約束に違反したとき、または法定の事由があるとき、検察官も被疑者・被告人も離脱できる。ただし口頭では無効。理由を記載した書面を相手に告知して初めて離脱が成立する。その一枚の紙が、誰が約束を破ったかを記録し、後の供述の証拠能力や偽証処罰(350条の15)の起点になる。

法的な位置づけ

刑事訴訟法350条の10は、協議・合意制度における合意からの離脱を定める規定である。合意の当事者の一方が違反したとき、または各号所定の法定事由があるときに、検察官または被疑者・被告人が合意を解消できる。離脱はその理由を記載した書面を相手方に告知することによって行われ、口頭または黙示の意思表示では効力を生じない。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.合意違反・法定事由の特定 検察と合意した協力者で相手が約束を反故にしそうなら、まず弁護人とともに、相手方のどの行為が合意違反に当たるか、または法定の離脱事由があるかを具体的に特定する
  2. 2.違反の証拠を保全 違反を裏づける書面・メール・通知などの証拠を保全する。後日『協力を出し惜しみした側』と評価されないよう、違反が見えた時点の客観的記録を残す
  3. 3.離脱の理由を記載した書面を作成・告知 離脱の理由を明記した書面を作成し、合意の相手方(検察官)に告知する。口頭や黙示では離脱は成立しない(350条の10第2項)。違反事由を把握したら速やかに告知する
  4. 4.供述の証拠能力と量刑への影響を確認 離脱後、協議・合意の過程でした供述が証拠から排除される範囲を弁護人と確認し、離脱が量刑や処分に与える影響を試算してから次の手続に臨む

よくある質問 AI による整理

Q1協議・合意制度とは何ですか?

検察官に他人の犯罪の証拠や供述を提供する見返りに、自分の処分を軽くしてもらう日本版司法取引です。2018年施行で、対象は脱税・談合・贈収賄・薬物銃器など特定犯罪に限られます。

Q2司法取引はどんな犯罪が対象ですか?

脱税などの財政経済犯罪、談合・贈収賄、薬物・銃器犯罪など、政令で定める特定犯罪に限られます。殺人など被害者がいる一般刑事事件は対象外です。

Q3合意から離脱するとどうなりますか?

適法に離脱すると、協議・合意の過程でした供述は原則として証拠能力を失います。見返りを失うだけでなく、出した供述を証拠から消す効果もあります(350条の10)。

Q4司法取引で他人に巻き込まれたらどうすればいい?

相手の供述が見返り欲しさの『引き込み』でないかを疑い、弁護人を通じて合意内容書面の証拠開示を求めます。虚偽があれば検察官は離脱でき、相手は偽証処罰のリスクを負います。

Q5司法取引で偽証したらどんな罰則がありますか?

合意に基づく虚偽供述や偽造証拠の提出には刑事罰が科されます(350条の15)。具体的な法定刑は最新の改正状況を確認してください。

Q6司法取引に弁護人は必要ですか?

必須です。協議・合意には弁護人の関与・同意が法律上要求され、弁護人抜きの合意は無効です。検察が『弁護士はまだいい』と切り出してきたら手続違反のサインです。

Q7日本の合意制度とアメリカの司法取引はどう違いますか?

米国型は自分の罪を認めて減刑される自白型ですが、日本の合意制度は他人の犯罪の証拠を提供する密告型です。自分の罪の自白だけでは制度の入り口に立てません。

Q8離脱の書面には何を記載しますか?

離脱の理由を記載し、相手方に告知します(350条の10第2項)。相手方の違反事由や法定事由を明示することで、誰が約束を破ったかが書面に固定されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1司法取引って、自分が罪を認めれば刑を軽くしてもらえる制度ですよね?

それは誤解です。日本の協議・合意制度(350条の2)は、自分の罪の自白では使えません。検察官に『他人の犯罪』の証拠や供述を提供することが条件で、対象も脱税・談合・贈収賄・薬物銃器などの特定犯罪に限られます。実務のポイント:弁護人の関与が法律上必須で、弁護人抜きの合意は無効です。検察が『弁護士はまだいい』と切り出してきたら、それ自体が手続違反のサインだと知っておく

Q2一度サインした合意から、本当に抜けられるんですか?

抜けられます。相手方が合意に違反したとき、または法定の事由があるとき、検察官も被疑者・被告人も離脱できます(350条の10第1項)。ただし理由を書いた書面を相手に告知して初めて成立し、口頭やうやむやでは効きません(同条2項)。実務のポイント:離脱すると、協議・合意の過程でした供述は原則として証拠能力を失います。離脱は見返りを諦めるだけでなく、出した供述を証拠の世界から消す効果も持つ。撤退の判断はこの二面性を計算してから下す

間違えやすい点 AI による整理

  • 『司法取引は自分が捕まったときに使う制度』という前提そのものが誤っている。日本の合意制度は自分の罪の自白では使えない。他人の犯罪を差し出すことが条件だ。『自分の刑を軽くするため自白する』という発想で臨むと、制度の入り口にすら立てない
  • 合意が契約だから守られることは知っていても、その契約が書面一枚で離脱可能なほど脆いことを知らない人が多い。相手方の違反や法定事由があれば検察官側からも離脱でき、あなたが協力を済ませた後に検察が離脱すれば、証言は出たのに見返りが消えるという非対称が起こりうる
  • 『一度合意したら供述は撤回できない』と思われがちだが、適法に離脱すれば、協議・合意の過程でした供述は原則として証拠に使えなくなる。離脱は単なる契約解除ではなく、証拠の世界の扉を閉じる行為でもある
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割350条の10:合意からの離脱手続350条の2:合意の内容と対象犯罪
350条の15:合意違反の虚偽供述・偽造証拠の処罰
発動の場面相手方の違反または法定事由が生じたとき協議を経て合意を成立させるとき
合意に基づき虚偽の供述・証拠を提出したとき
効果合意を解消、協議過程の供述は原則証拠能力を失う合意の拘束力が発生し当事者を縛る
刑事罰(最新の改正状況を要確認)
方式要件理由を記載した書面の告知が必須弁護人の関与・同意を要する
故意の虚偽・偽造があること

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法 第455条の2以下(協商程序)

台湾の認罪協商は被告自身の認罪と量刑を取引する自白型で、日本の他人密告型とは構造が異なる。離脱に相当する撤回・撤銷も手続上規律される。

中国
中華人民共和国刑事訴訟法 第15条(認罪認罰從寬制度)

中国は2018年改正で認罪認罰從寬を導入。被告自身の認罪を前提とする点で日本の協力型と異なるが、量刑軽減と引き換えに協力する点は共通する。

ドイツ
StPO § 257c(Verständigung im Strafverfahren)

ドイツは公判における裁判所・当事者間の合意(自白と量刑の枠の合意)を認めるが、米国型・日本型の検察主導の取引とは性質が異なる。

アメリカ
Federal Rules of Criminal Procedure Rule 11(c)/cooperation agreement

米国は plea bargaining と cooperation agreement が広範に運用され、日本の協議・合意制度が直接参照したモデル。日本は対象を特定犯罪に限定し弁護人関与を必須とした点で限定的。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたの会社の経理部長が脱税事件で検察と取引し、『指示したのは役員のあなただ』と供述したら? あなたは合意の当事者ですらないのに、他人の取引の産物として被告席に立たされる。だが部長が虚偽を述べていれば、検察官は本条で合意から離脱でき、部長は偽証処罰(350条の15)のリスクを負う
  • あなたが談合事件で検察と合意し、上司の関与を証言した。ところが検察官が約束した不起訴を反故にする気配。あなたに残された手は、本条による離脱の書面を出すことだ。タイミングを逃せば、証言だけ取られて見返りはゼロという最悪が現実になる
  • 弁護人が『この合意、離脱した方がいい』と言い出した。離脱は口頭では成立しない。理由を書いた書面を相手に告知して初めて効く。

取るべき行動

被害を受けた側:あなたが検察と合意した協力者で、相手が約束を反故にしそうなら、まず弁護人と合意違反に当たる事実を特定する。1. 違反の証拠(書面・やりとり)を保全2. 離脱の理由を明記した書面を作成し検察官に告知(口頭・黙示では離脱は成立しない、350条の10第2項) 3. 離脱後に協議過程の供述が証拠から排除される範囲を弁護人と確認4. 離脱が量刑や処分に与える影響を試算してから動く

訴えられた側:他人の司法取引で名指しされ被疑者・被告人になった場合、まず相手の供述が見返り欲しさの『引き込み』でないかを疑う。1. 相手が誰とどの特定犯罪で合意したかの開示を求める2. 相手の供述に虚偽があれば検察官は合意から離脱でき、相手は偽証処罰(350条の15、5年以下の拘禁刑、最新の改正状況をご確認ください)のリスクを負う、この構造を弁護人と突く3. 合意内容書面の証拠開示を求め、見返りと供述の対応関係を可視化する

時効(請求できる期限):本条の離脱に法定の期限はないが、離脱は理由を記載した書面の告知をした時点で効力を生じる(350条の10第2項)。違反事由を把握したら速やかに告知すべきで、遅滞は協力の出し惜しみと評価され不利に働く。合意の効力や供述の証拠能力は刑事手続の進行に連動するため、第一審の早い段階での対応が分水嶺になる

学説

通説:350条の10の離脱は、合意の拘束力に対する解除弁であると同時に、相手方の約束遵守を促す均衡装置と解される。350条の15の虚偽供述処罰および離脱後の供述の証拠能力制限と相まって、捜査の効率化が引き込みによる冤罪に転化しないよう設計されているとされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成28年(2016年)新設・平成30年(2018年6月1日)施行 刑事訴訟法等の一部改正(法律第54号)で協議・合意制度が新設され、本条はその合意からの離脱手続として創設された。日本に初めて導入された捜査・公判協力型の司法取引であり、本条は合意の拘束力に対する解除弁として設計されている

改正の年表

  1. 1.平成28年(2016年) 新設:刑事訴訟法等の一部改正(法律第54号)により協議・合意制度が新設され、本条はその合意からの離脱手続として創設された。
  2. 2.平成30年(2018年) 改正:2018年6月1日に協議・合意制度が施行され、本条の離脱手続も運用開始。日本に初めて導入された捜査・公判協力型の司法取引における解除弁として機能する。

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刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 合意の終了

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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