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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第350条の15

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  1. 第三百五十条の二第一項の合意に違反して、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対し、虚偽の供述をし又は偽造若しくは変造の証拠を提出した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
  2. 2.前項の罪を犯した者が、当該合意に係る他人の刑事事件の裁判が確定する前であつて、かつ、当該合意に係る自己の刑事事件の裁判が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第350条の15は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第350条の15の条文原文は「第三百五十条の二第一項の合意に違反して、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対し、虚偽の供述をし又は偽造若しくは変造の証拠を提出した者は、五年以下の拘禁刑に処す…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第350条の15は第四節 合意の履行の確保に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第350条の15の前の条は刑事訴訟法第350条の14です。
  7. 刑事訴訟法第350条の15の次の条は刑事訴訟法第350条の16です。
  8. 刑事訴訟法第350条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の15
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_15

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法350条の15は、司法取引(協議・合意制度)で合意に違反し虚偽供述や偽造証拠を提出した者を五年以下の拘禁刑に処す罰則。裁判確定前の自白で刑の減免もある。

Q · 司法取引で協力者が嘘をついて他人を巻き込んだら、どうなるの?

嘘をついた協力者自身が五年以下の拘禁刑を負う

刑事訴訟法350条の15第1項により、合意に違反して検察官・検察事務官・司法警察職員に虚偽の供述をし、または偽造・変造の証拠を提出した者は、五年以下の拘禁刑に処せられます。司法取引で「上司の指示だった」などと嘘をついて無実の他人を引っ張り込めば、協力者自身が新たな被告人になります。ただし第2項により、相手の事件と自分の事件のいずれの裁判も確定する前に自白すれば、刑が減軽または免除されうる逃げ道も残されています。

解説

「日本に司法取引はない」と思っているなら、その知識は2018年で止まっている。同年6月、協議・合意制度が始まった。自分の罪を軽くしてもらう代わりに、他人の事件について検察に供述や証拠を差し出す。組織犯罪や経済事件で、下っ端が上を売る取引だ。だがこの制度には致命的な穴がある。協力者が保身のために嘘をつき、無実の他人を引っ張り込む危険である。350条の15は、その穴を塞ぐために置かれた。検察官・検察事務官・司法警察職員に対し、合意に基づいて虚偽の供述をし、または偽造・変造した証拠を出した者は、五年以下の拘禁刑。つまり、取引で得をしようと誰かを陥れた瞬間、協力者自身が新たな被告人になる。そして第2項には逃げ道もある。相手の裁判と自分の裁判、その両方が確定する前に自白すれば、刑が減免されうる。嘘をつき通すか、途中で降りるか、その分岐があなたの手の中にある。

法的な位置づけ

刑事訴訟法350条の15は、協議・合意制度(司法取引)における虚偽供述・偽造証拠提出罪を定める罰則規定である。合意に違反して捜査機関に虚偽の供述をし、または偽造・変造の証拠を提出した者を五年以下の拘禁刑に処し、第2項で裁判確定前の自白による刑の減免を認める。協力者による引っ張り込みの危険を抑止する安全装置として機能する。

よくある質問 AI による整理

Q1協議・合意制度とは何ですか?

2018年6月施行の日本版司法取引です。被疑者・被告人が他人の事件について供述や証拠を提供し、その見返りに検察官が不起訴や求刑軽減などの恩典を与える合意を結ぶ制度です(刑訴法350条の2以下)。

Q2司法取引の対象になる犯罪は何ですか?

薬物銃器犯罪や財政経済犯罪(贈収賄、脱税、独禁法違反、詐欺など)の特定犯罪に限られます。殺人や性犯罪などの重大な生命身体犯は対象外です。自分の罪だけを認める自己負罪型は認められていません。

Q3司法取引の虚偽供述罪の時効は何年ですか?

公訴時効は5年です。350条の15の罪は長期10年未満の拘禁刑にあたり、刑訴法250条2項5号により5年となります。起算点は虚偽供述または偽造・変造証拠を提出した時点です。

Q4引っ張り込みとは何ですか?

司法取引の協力者が自分の刑を軽くするために、無実の他人を犯人として供述に巻き込む現象です。利益で釣る制度の構造的な危険であり、350条の15はこの引っ張り込みを罰則で抑止しています。

Q5司法取引に弁護人の関与は必要ですか?

必要です。協議・合意制度では合意に弁護人の同意が前提とされ、協議の過程にも弁護人が関与します。被疑者・被告人が弁護人抜きで一方的に取引を成立させることはできません。

Q6偽証罪と司法取引の虚偽供述罪は何が違いますか?

偽証罪(刑法169条)は宣誓した証人の虚偽陳述を罰します。司法取引の虚偽供述罪は宣誓を要せず、合意に違反した協力者の捜査機関への虚偽供述・偽造証拠提出を罰します。場面と宣誓の要否が異なります。

Q7司法取引の合意はどうやって成立しますか?

検察官と被疑者・被告人およびその弁護人が協議し、提供する協力内容と検察官が与える恩典を取り決めて書面で合意します。検察官が協力に値すると判断しなければ合意自体が成立しません。

Q8協力者の供述だけで他人を有罪にできますか?

協力者の供述には「自分が助かりたい」という強い動機があるため、裁判所は信用性を厳しく審査します。客観的な補強証拠が重視され、協力者の供述のみで他人を有罪にする運用は避けられます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1日本にも司法取引があるって本当ですか?自分から使えるんですか?

本当です。2018年6月施行の協議・合意制度(刑事訴訟法350条の2以下)です。ただし対象は薬物銃器犯罪や財政経済犯罪など特定の罪に限られ、殺人など対象外の罪も多い。しかも自分の罪を認めるだけの「自己負罪型」ではなく、他人の事件に協力する「捜査公判協力型」のみ。実務のポイント:日本の司法取引は本人の願望だけでは成立せず、検察官が「使える供述だ」と判断し、弁護人が同意して初めて合意に至る。協力者が一方的に取引を持ちかけても、検察が乗らなければ何も始まらない

Q2協力者が嘘をついて私を巻き込んだ場合、その人は本当に罰せられるんですか?

罰せられます。350条の15第1項で五年以下の拘禁刑です。合意制度では協力者の供述だけで他人を有罪にしないよう、客観的な補強証拠を重視する運用がとられます。実務のポイント:協力者の供述は「自分が助かりたい」という強い動機の下でなされるため、裁判所も信用性を厳しく見ます。引っ張り込まれた側は、協力者が取引で何を得たのか(不起訴か求刑軽減か)を開示で明らかにし、その利益の大きさを嘘の動機として弾劾できる

Q3もう嘘の供述をしてしまいました。今から取り消せますか?

第2項に減免の道があります。合意に係る他人の刑事事件の裁判が確定する前、かつ自分の事件の裁判が確定する前に自白すれば、刑が減軽または免除されうる。実務のポイント:この「両方とも確定前」という条件が曲者で、相手の裁判が先に確定してしまうと、あなたが自分の裁判前でも減免の対象から外れる。自白するなら一日でも早く、必ず弁護人を通じて。タイミングを逃した自白は、減免のない自己負罪にしかならない

間違えやすい点 AI による整理

  • 「日本に司法取引なんてない」と信じている人がほとんどだが、2018年6月から協議・合意制度として現実に存在する。対象は薬物銃器犯罪・財政経済犯罪など特定の罪に限られ、殺人や性犯罪は対象外。だが企業犯罪に巻き込まれうる立場の人にとっては、決して他人事ではない
  • 司法取引が嘘の温床になりうることは何となく知られているが、その嘘への罰の重さまで知る人は少ない。五年以下の拘禁刑。しかも協力者は、得るはずだった「不起訴」の利益と引き換えに、自ら被告人席に座る。このリスクの非対称を理解していない者ほど、嘘に手を伸ばす
  • 「自分は捜査に協力する側だから安全だ」と考えるなら、問いの立て方そのものが間違っている。協力者であることは免罪符ではない。合意に基づいて虚偽供述をした瞬間、あなたは保護される協力者から、新たに訴追される被疑者へと立場が反転する
比較の観点この条文ほかの条文
適用場面350条の15:司法取引の合意に違反した虚偽供述・偽造証拠提出刑法169条:宣誓した証人の法廷での虚偽陳述(偽証罪)
刑法104条:他人の刑事事件の証拠の偽造・変造・隠滅
宣誓の要否不要(合意に基づく協力者の供述)必要(宣誓した証人であることが前提)
不要
法定刑五年以下の拘禁刑三月以上十年以下の拘禁刑
三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金
自白による減免あり(2項:両事件の裁判確定前の自白で減軽・免除)あり(刑法170条:裁判確定前の自白で減免)
規定なし

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民國刑法第168條(偽證罪)・證人保護法

台湾には捜査協力型の汙點證人制度(證人保護法)があり、虚偽の協力供述は偽証罪等で処断されうる。日本のような協力者専用の独立罰則の形ではない。

韓国
대한민국 형법 제152조(위증죄)

韓国は日本型の包括的な司法取引制度を本格導入しておらず、虚偽供述は主に偽証罪で対応。協力者形罰減免制度は立法論として議論が続く。

ドイツ
StGB § 46b(Kronzeugenregelung)

ドイツの王冠証人規定は協力者の刑を減免する制度。虚偽の密告は § 164(Falsche Verdächtigung)で別途処罰され、引っ張り込み抑止の機能を担う。

アメリカ
18 U.S.C. § 1001 / cooperation agreement

米国の plea bargain・cooperation agreement では、協力者の虚偽陳述は虚偽供述罪(§ 1001)や偽証罪で処罰され、合意違反は恩典の喪失を招く。日本の本条はこれを参照しつつ独立罰則化した。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたは会社ぐるみの不正で末端の実行役だった。検察が「上司の関与を話せば、あなたは不起訴にする」と持ちかけてくる。だが上司は本当は何も知らなかった。ここで「上司の指示でやった」と話せば不起訴、話さなければ起訴。その甘い誘惑の先で、350条の15が口を開けて待っている
  • もし、あなたの部下が司法取引で「すべては部長の指示でした」と虚偽供述したら? あなたは身に覚えのない罪で取調べに引きずり出される。だがその供述が嘘だと立証できれば、今度は部下自身が五年以下の刑を負う側へ回る。攻守は一瞬で入れ替わる
  • 同僚が捜査に協力し、あなたの名前を差し出した。しかも提出された証拠は偽造だった。協力者のその嘘は、彼自身の新たな犯罪になる
  • あなたは取引のテーブルで嘘をついてしまった。だが相手の裁判も自分の裁判も、まだ確定していない。あと一歩、今ならまだ間に合う。両方が確定する前に自白すれば、刑の減免の扉が開いている。どちらか一方が確定した瞬間、その扉は音もなく閉じる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 身に覚えのない供述で取調べを受けたら、まず弁護人を選任し黙秘権を行使、供述の出所を冷静に見極める2. 協力者の供述や証拠に虚偽・偽造の疑いがあれば、弁護人を通じて350条の15違反の可能性を主張し、その証拠の信用性を徹底的に弾劾する3. 合意制度では協力者が取引で何を得たか(不起訴か求刑軽減か)を開示で明らかにし、利益の大きさ=嘘の動機の強さとして突く4. 無罪立証と並行し、虚偽供述者への刑事告発も選択肢に置く

訴えられた側:1. 取引で虚偽供述をする誘惑があっても、得られる不起訴の利益と五年の拘禁刑リスクを天秤にかける、嘘は割に合わない2. 既に虚偽供述をしてしまったなら、第2項の減免を使う、相手と自分の裁判が両方とも確定する前に自白する3. 自白の時期と方法は必ず弁護人と相談、合意制度は弁護人の関与が前提なので率直に話す4. 確定後は減免の扉が閉じるため、迷っている時間そのものが命取りになる

時効(請求できる期限):350条の15の罪の公訴時効は5年(長期10年未満の拘禁刑、刑事訴訟法250条2項5号)、起算点は虚偽供述または偽造・変造証拠を提出した時。これとは別軸で、第2項の刑の減免は、合意に係る他人の事件の裁判が確定する前、かつ自己の事件の裁判が確定する前に自白した場合に限られる。どちらか一方でも確定すれば減免の窓は閉じる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:350条の15は、協議・合意制度が内包する引っ張り込みの危険を抑止するための罰則であり、協力者の供述の信用性確保と冤罪防止に資する。第2項の自白減免は、虚偽供述者に真実への復帰経路を残す政策的規定と理解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成28年(2016年)新設、平成30年(2018年6月1日)施行 協議・合意制度(司法取引)の創設に伴い新設された罰則。協力者が合意に違反して虚偽供述・偽造証拠提出をする引っ張り込みの危険に対する抑止として置かれた。第2項の自白減免も同時に新設
  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮を拘禁刑へ統合する刑法改正に連動し、第1項の法定刑が「五年以下の懲役」から「五年以下の拘禁刑」に変更

改正の年表

  1. 1.平成28年(2016年)公布・平成30年(2018年6月1日)施行 新設:協議・合意制度(司法取引)の創設に伴い新設された罰則。協力者が合意に違反して虚偽供述・偽造証拠提出をする引っ張り込みの危険への抑止として置かれ、第2項の自白減免も同時に新設された。
  2. 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役と禁錮を拘禁刑へ統合する刑法改正に連動し、第1項の法定刑が『五年以下の懲役』から『五年以下の拘禁刑』へ変更された。

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刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節 合意の履行の確保

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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