道路運送車両法 第36条の3(登録識別情報の安全確保)
クイックジャンプ
- 国土交通大臣は、その取り扱う登録識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登録識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
- 2.自動車登録官その他の登録に関する事務に従事する国土交通省の職員又はその職にあつた者は、その事務に関して知り得た登録識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らしてはならない。
この条文の基本情報
登録識別情報の安全確保とは何ですか?
定義登録識別情報の安全確保とは、道路運送車両法第36条の3に定められた規定で、「国土交通大臣は、その取り扱う登録識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登録識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第36条の3(登録識別情報の安全確保)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第36条の3の条文原文は「国土交通大臣は、その取り扱う登録識別情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の登録識別情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。」で始まります。
- 道路運送車両法第36条の3は第二章 自動車の登録等に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第36条の3の前の条は道路運送車両法第36条の2です。
- 道路運送車両法第36条の3の次の条は道路運送車両法第36条の4です。
- 道路運送車両法第36条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第36条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第36条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/36_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法36条の3は、国土交通大臣に登録識別情報の安全管理措置を義務付け、登録事務の職員と元職員に作成・管理に関する秘密の守秘義務を課す。
Q · 車の名義変更に使う本人確認の情報は、国がちゃんと守ってくれるの?
国土交通大臣に安全管理義務、職員に退職後も守秘義務がある
道路運送車両法36条の3は、国土交通大臣に対し、登録識別情報の漏えい・滅失・き損を防ぐ安全管理措置を講じることを義務付けています(1項)。また、登録事務に従事する国土交通省の職員は、在職中はもちろん退職後も、登録識別情報の作成・管理に関する秘密を漏らしてはなりません(2項)。国の管理不備によって不正な名義変更の被害が生じた場合、国家賠償法1条による請求を検討する足がかりになります。
解説
クルマの持ち主が誰なのかは、車検証の紙1枚で決まるわけではない。国が管理する自動車登録ファイルの記録で決まる。道路運送車両法の登録制度には、不動産登記の「登記識別情報」と同じ発想の仕組みがある。登録名義人本人であることを確かめるための「登録識別情報」である。本条はこの情報について、国に二つの義務を課している。1項は、国土交通大臣に漏えい・滅失・き損を防ぐ安全管理措置を講じる義務を課す。2項は、登録事務に関わる職員に、作成・管理に関する秘密を漏らさない義務を課す。この守秘義務は退職した元職員にも及ぶ。本人確認の鍵が外に漏れれば、第三者があなたになりすまして移転登録を申請する道が開いてしまう。本条は、その鍵を国が責任をもって預かると約束した条文である。仮に国の管理ミスで被害が出たら、その責任は「運が悪かった」で済むものではない。国家賠償法を使って争える土台が、本条の文言にある
法的な位置づけ
道路運送車両法36条の3は、登録識別情報の保護を定める規定である。登録識別情報とは、自動車登録の申請において登録名義人本人であることを確認するための情報をいう。同条は、国土交通大臣に漏えい・滅失・き損の防止等の安全管理措置を講じる義務を課すとともに、登録事務に従事する職員およびその職にあった者に、作成・管理に関する秘密の守秘義務を課す。
よくある質問 AI による整理
Q1登録識別情報とは何ですか?
自動車登録の手続で、登録名義人本人であることを確認するための情報です。不動産登記の「登記識別情報」と同じ発想の仕組みで、道路運送車両法36条の3が国による保護を定めています。
Q2車の所有者は車検証で決まるのですか?
法的な基準は国の自動車登録ファイルの記録です。登録自動車の所有権の得喪は、登録がなければ第三者に対抗できません(道路運送車両法5条)。車検証は登録内容を反映した書面です。
Q3車が勝手に名義変更されていないか確認する方法は?
運輸支局で登録事項等証明書を請求すれば、登録の記録を確認できます。売却前や相続の前に取り寄せておくと、身に覚えのない移転登録を早く発見できます。
Q4運輸支局の職員の守秘義務は退職後も続く?
続きます。道路運送車両法36条の3第2項は「その職にあつた者」も対象としており、退職した元職員も登録識別情報の作成・管理に関する秘密を漏らしてはなりません。
Q5公務員の守秘義務違反の罰則は?
国家公務員法100条1項違反は、同法109条12号により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。退職後の漏えいも処罰対象になります。
Q6登録識別情報と登記識別情報の違いは?
登録識別情報は自動車登録、登記識別情報は不動産登記で本人確認に使う情報です。不動産登記法151条も本条とほぼ同じ構造で、国の安全管理義務と職員の守秘義務を定めています。
Q7車の不正な名義変更は何罪になる?
他人になりすまして虚偽の申請をし、自動車登録ファイルに不実の記録をさせた場合、電磁的公正証書原本不実記録罪(刑法157条1項)が問題になりえます。
Q8軽自動車にも登録識別情報はある?
軽自動車は道路運送車両法の登録制度の対象外で、検査の記録として管理されます。本条の登録識別情報の保護は、登録制度の対象となる自動車が前提です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1運輸支局の人がうっかり話しちゃった場合でも、罪になるんですか?
本条2項が禁じているのは「秘密を漏らす」ことで、国家公務員法100条・109条12号の罰則は故意による漏えいが前提である。うっかりの場合は刑事罰よりも、懲戒処分や、国に対する安全管理義務違反(本条1項)の問題になりやすい。実務のポイント:過失による流出では、個人を処罰するより組織の管理体制を責めるほうが、国家賠償では筋のよい攻め方になる
Q2自分の車が勝手に名義変更されてたら、国に損害賠償を請求できる?
国の管理ミスや職員の漏えいが原因なら、国家賠償法1条による請求の余地がある。ただし、なりすましをした犯人の責任と、国の義務違反との因果関係を立証する必要がある。実務のポイント:国を相手にする場合、情報公開請求で内部の管理記録を取り寄せられるかどうかが、立証の成否を左右することが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「車の所有者は車検証に書いてある人」と思われがちである。ところが法的な基準は国の自動車登録ファイルの記録であり、登録自動車の所有権の得喪は、登録を受けなければ第三者に対抗できない(道路運送車両法5条)。車検証は登録内容を映した写しにすぎず、登録そのものではない。本人確認の鍵の守り方が法律に書かれている理由はここにある
- 公務員に守秘義務があることは多くの人が知っている。しかし、その義務が退職後も続き、破れば刑事罰になりうることまでは意識されていない。国家公務員法100条1項は退職後も秘密を守るよう定め、違反には同法109条12号で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される。本条2項は、その義務を登録識別情報の分野であらためて明文化したものである(道路運送車両法独自の罰則の有無と内容は、最新の条文で要確認)
- 「情報漏えい対策は民間企業の話」と考えるのは視点がずれている。個人情報保護法66条は国の行政機関にも安全管理措置を義務付けている。本条はそれに加えて、登録識別情報という特定の情報に絞った個別の管理義務を国土交通大臣に課している。国が情報を漏らしたとき、あなたは「被害者」であると同時に、国の具体的な義務違反を指摘できる立場にいる
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には自動車登録の本人確認情報に特化した同型規定は見当たらず、公務機関の個人資料安全維持義務と公務員の秘密漏洩罪の一般規定で対応する構造(要確認)
韓国は公的機関を含む個人情報処理者一般に安全措置義務を課す一般法で対応する構造
ドイツは道路交通法の中に車両登録簿(Fahrzeugregister)の規定を置き、データ提供の範囲を法律で限定する構造
米国は州の自動車行政機関が保有する記録の個人情報開示を連邦法で制限する構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 長年乗った愛車を売ろうとして登録事項等証明書を取ったら、身に覚えのない移転登録の申請記録が残っていた。国の側の情報管理に穴がなかったか。本条の安全管理義務が、真っ先に確認すべき論点になる
- もし運輸支局の元職員が、転職先の中古車ブローカーに登録識別情報の管理手順を話していたら、どうなる? 2項の守秘義務は「その職にあつた者」、つまり退職者にも及ぶ。辞めたから時効、という理屈は通らない
- あなたは中古車販売店の経営者。取引先から、他人名義の車を「登録の裏技」で名義変更できる業者を紹介された。手を出せば、その業者の情報源ごと捜査の対象になる
- 報道で国の登録システムの情報流出が発覚した。自分の車が対象に入っているか、分からないまま時間が過ぎていく。国への損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年が期限である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 運輸支局で登録事項等証明書を取得し、不正な申請の日付と内容を確認する2. 警察に相談し、なりすましによる申請であれば電磁的公正証書原本不実記録罪(刑法157条)の可能性を伝える3. 国の情報管理に落ち度があると考えられる場合は、本条1項の安全管理義務違反を軸に、国家賠償法1条に基づく請求を弁護士と検討する4. 車両の返還や登録の回復は、別途民事の手続で進める
訴えられた側:1. 現職・元職員として漏えいを疑われた場合、まず自分の発言や資料提供の範囲を時系列で整理する2. 「秘密」に当たるかどうか(非公知性と保護の必要性)は、実務上争点になりうる3. 事情聴取の前に弁護士に相談し、供述の範囲を決める4. 業者の立場で不正な名義変更に関わった疑いがあるなら、取引記録を改ざんせずにそのまま保全する
時効(請求できる期限):国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(国家賠償法4条により民法724条を適用)。守秘義務違反の刑事責任には公訴時効がある(国家公務員法109条の罪は法定刑から3年。最新の改正状況をご確認ください)
- 道路運送車両法 第4条未登録自動車の運行禁止、登録制度の前提
- 道路運送車両法 第5条登録を所有権得喪の対抗要件とする
- 道路運送車両法 第13条移転登録、なりすましの主な標的
- 不動産登記法 第151条登記識別情報の安全確保、同型の規定
- 国家公務員法 第100条公務員一般の守秘義務、退職後も存続
- 国家賠償法 第1条管理義務違反による損害の国の賠償責任
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