道路運送車両法 第75条の6(報告及び検査)
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- 国土交通大臣は、第七十五条第七項及び第八項、第七十五条の二第四項及び第五項並びに第七十五条の三第五項及び第六項の規定の施行に必要な限度において、第七十五条第一項の規定により自動車の型式について指定を受けた者、第七十五条の二第一項の規定により特定共通構造部の型式について指定を受けた者若しくは第七十五条の三第一項の規定により特定装置の型式について指定を受けた者に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
- 2.前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
- 3.第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
報告及び検査とは何ですか?
定義報告及び検査とは、道路運送車両法第75条の6に定められた規定で、「国土交通大臣は、第七十五条第七項及び第八項、第七十五条の二第四項及び第五項並びに第七十五条の三第五項及び第六項の規定の施行に必要な限度において、第七十五条第一項…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第75条の6(報告及び検査)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第75条の6の条文原文は「国土交通大臣は、第七十五条第七項及び第八項、第七十五条の二第四項及び第五項並びに第七十五条の三第五項及び第六項の規定の施行に必要な限度において、第七十五条第一項…」で始まります。
- 道路運送車両法第75条の6は第五章 道路運送車両の検査等に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第75条の6の前の条は道路運送車両法第75条の5です。
- 道路運送車両法第75条の6の次の条は道路運送車両法第76条です。
- 道路運送車両法第75条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第75条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第75条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/75_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法75条の6は、国土交通大臣が型式指定を受けたメーカー等に報告を求め、事業場への立入検査・帳簿検査・質問をできると定める。犯罪捜査目的の利用は認められない。
Q · 型式指定を受けた自動車メーカーの本社や工場に、国交省は立ち入って調べられるの?
はい、報告徴収と立入検査の権限があります
道路運送車両法75条の6により、国土交通大臣は、自動車・特定共通構造部・特定装置の型式指定を受けた者に業務の報告を求め、職員に事務所や工場へ立ち入らせ、帳簿書類などの物件を検査させ、関係者に質問させることができます。対象は完成車メーカーに限られず、特定装置の型式指定を受けた部品メーカーも含みます。職員は身分証票を携帯し、求めがあれば提示する義務を負います。この権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはなりません(同条3項)。
解説
クルマの安全は、国がすべての車両を一台ずつ検査して守っているわけではない。量産車の大半は「型式指定」という仕組みで流れている。メーカーが国のお墨付きを受け、自社で完成検査を行って出荷する。つまり国はメーカーを信用している。その信用を裏付ける道具が本条である。国土交通大臣は、型式指定を受けた者(完成車・特定共通構造部・特定装置のメーカー)に業務の報告を求め、職員を事務所や工場に立ち入らせ、帳簿書類を調べ、関係者に質問できる。2023年から2024年の認証不正問題で国交省が複数のメーカー本社に入ったのは、こうした権限による。一方で本条には歯止めも二つある。立ち入る職員は身分証を携帯し、求められれば示さなければならない(第2項)。この権限は犯罪捜査のためのものと解釈してはならない(第3項)。あなたがメーカーの品質保証担当なら、検査の日に何を出し、何を答え、どこから先は別の手続なのかを知っているかどうかで、会社を守れるかどうかが決まる
法的な位置づけ
道路運送車両法75条の6は、型式指定制度を担保する行政調査権限の規定である。国土交通大臣は、自動車、特定共通構造部又は特定装置の型式指定を受けた者に対し、関係規定の施行に必要な限度で業務報告を求め、職員に事業場への立入検査、帳簿書類等の検査及び関係者への質問をさせることができる。証票の携帯・提示義務と犯罪捜査目的の否定も規定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.職員の証票を確認し記録する 受付に職員が到着したら、75条の6第2項に基づき身分を示す証票の提示を求め、所属・氏名・人数・到着時刻を記録する。窓口担当者を一名に決める
- 2.法務・担当役員・顧問弁護士に即時連絡 社内の緊急連絡網で法務部門、品質保証担当役員、顧問弁護士に連絡する。検査の目的と範囲(型式指定関連規定の施行に必要な限度)を職員に確認し、記録する
- 3.求められた帳簿書類を提出し写しを残す 求められた帳簿書類・試験記録等を提出する。提出物は必ず写しを取り、提出目録を作成して受領の記録を残す。虚偽の資料提出や物件の隠匿は絶対にしない
- 4.関係者への質問に立会い記録を取る 従業員への質問には可能な限り法務担当者が同席し、質問と回答の要旨を記録する。従業員個人が刑事責任を問われるおそれがある場合は、会社とは別に個人の弁護人を検討する
- 5.報告徴収への回答と社内調査・是正 報告を求める文書が届いたら期限と範囲を確認し、社内調査を先行させて正確な報告書を作成する。問題が判明した場合は自主的な是正策を併せて示す
よくある質問 AI による整理
Q1道路運送車両法75条の6とは何ですか?
型式指定を受けた自動車・特定共通構造部・特定装置の製造者等に対し、国土交通大臣が報告徴収と立入検査・質問を行える根拠規定です。
Q2型式指定の立入検査の対象になるのは誰?
自動車の型式指定(75条)、特定共通構造部の型式指定(75条の2)、特定装置の型式指定(75条の3)を受けた者です。部品メーカーも含まれえます。
Q3国交省の立入検査 何を調べる?
事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、関係者に質問します。認証試験の記録や完成検査の管理状況が中心になりえます。
Q4国交省の立入検査 拒否できる?
物理的に強制されるわけではありませんが、正当な理由なく拒否・妨害すれば罰則の対象になりえます。罰則を背景にした間接強制と理解すべきです。
Q5立入検査の職員は身分証を見せる義務がある?
あります。75条の6第2項により、職員は身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があれば提示しなければなりません。
Q6行政の立入検査は警察の捜索と同じ?
違います。75条の6第3項は、この立入検査権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと定めており、令状による捜索とは別の制度です。
Q7認証不正で国交省が本社に入った根拠は?
型式指定の適正を確認するための報告徴収・立入検査の権限であり、道路運送車両法75条の6がその中心的な根拠の一つと考えられます。
Q8立入検査の結果、型式指定はどうなる?
検査で不適正が判明すれば、別の規定に基づき是正指示や型式指定の取消し等の行政処分につながりえます。75条の6自体は調査権限の規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1立入検査って、アポなしで来ることもあるんですか?
本条は事前通知を要件にしていないので、予告なしの立入りもありうる。通常は事前連絡があることが多いが、証拠隠滅のおそれがある事案では抜き打ちになりやすい。実務のポイント:抜き打ちかどうかは、当局がその会社をどれくらい信用しているかのシグナルでもある。予告なしで来られた時点で、当局は「記録の書き換え」を警戒していると読むべきである
Q2検査で正直に話したら、後で刑事事件になりますか?
本条3項は、この権限を犯罪捜査のために使うことを禁じている。ただし公務員には告発義務があり(刑事訴訟法239条2項)、検査の結果が告発につながることはありうる。実務のポイント:税法上の質問検査権について最高裁は、得られた資料が後に犯則調査で使われる可能性があっても、それだけで検査が違法になるわけではないとした(最決平成16.1.20)。同じ考え方が本条にも及ぶかどうかは議論がある
Q3職員が身分証を見せてくれなかったら、断ってもいいんですか?
第2項は、関係者が求めたときの証票提示を職員の義務としている。提示を拒まれたまま検査に応じなかった場合、正当な拒否として罰則の対象にならないと考える余地がある。ただし解釈が分かれうるので、拒否する前に顧問弁護士へ連絡すること。実務のポイント:実際には職員は必ず証票を持っている。提示の求めは対立のためでなく、記録を残すための儀式と考えた方が得策である
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入検査は任意だから断れる」と考える人がいる。確かに職員が扉を壊して入る物理的な強制力はない。しかし正当な理由なく拒んだり妨げたりすれば罰則の対象になりうる。これは罰則を背景にした間接強制である。「任意」の意味を取り違えて門前払いをすれば、それ自体が新しい違反になる
- 第3項があるので、検査で話した内容は刑事事件に一切使われないと安心している担当者は少なくない。条文が禁じているのは、犯罪捜査を目的としてこの権限を使うことである。公務員には犯罪を認めたときの告発義務がある(刑事訴訟法239条2項)。検査の結果が告発につながる道は残っている。その資料が刑事手続でどこまで使えるかは、実務上、解釈が分かれている
- 不正が発覚した後になって初めて本条を読む会社が多い。だが本条が本当に効いてくるのは平時である。報告を求められたとき、試験記録や社内決裁の履歴をすぐに出せる状態になっているか。立入検査の本質は「隠しているかどうか」を見るより先に、「管理できているかどうか」を映し出すことにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 75条の6:型式指定を受けた者への報告徴収・立入検査・質問 | 75条:自動車の型式指定そのもの(指定の要件等) 100条:法全体に関する一般的な報告・立入検査権限(現行規定を要確認) |
| 対象者 | 自動車・特定共通構造部・特定装置の型式指定を受けた者 | 自動車の型式指定を申請・取得する者 法の規定により規律される幅広い事業者等(詳細は現行条文で確認) |
| 権限の範囲 | 75条7項・8項、75条の2第4項・5項、75条の3第5項・6項の施行に必要な限度 | 指定の付与と、それに伴う完成検査等の義務づけ 法の施行に必要な限度(詳細は現行条文で確認) |
| 歯止め | 証票の携帯・提示義務、犯罪捜査目的の否定 | 指定基準に基づく審査 条文ごとに定める手続的制約(現行条文で確認) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では交通部が車両型式安全審験制度を運用し、審験機構や製造者への監督を行う。型式単位での安全確認という発想は日本と共通する
EU では型式認可当局と市場監視当局による適合性確認が規定され、ドイツでは KBA がこれを担う。排出ガス不正を受けて監督が強化された
米国は自己認証制度を採り、NHTSA が製造者に対する検査・調査・記録提出要求の権限を持つ。事前の型式指定ではなく事後監督が中心である点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 品質保証部の朝礼中に受付から内線が入る。国交省の職員が三名、ロビーに来ているという。あなたは相手の証票を確認し、担当役員と法務に連絡し、提出する書類の写しを必ず手元に残す。最初の十分間の段取りで、その後の数か月が決まる
- もし工場の班長であるあなたが、職員から「この試験データ、誰の指示で書き換えたのか」と直接質問されたらどうなる? 行政調査への回答義務と、自分が刑事責任を問われるおそれとがぶつかる瞬間である。会社の顧問弁護士は会社側の代理人であって、あなた個人の代理人ではない
- 国交省から、過去十年分の型式認証試験の記録を報告せよという文書が届いた。期限は二週間。紙の台帳は倉庫にあり、電子データは旧システムに残っている。報告しなかったり虚偽の報告をしたりすれば、それ自体が罰則の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
- ヘッドランプを作る部品メーカーが特定装置の型式指定を受けていれば、完成車メーカーでなくても本条の検査対象になる。「うちは下請けだから関係ない」は通らない
取るべき行動
被害を受けた側:型式指定車のユーザーや内部の告発者の立場なら、次の順で動く。1. 不正の疑いがある具体的な事実(試験記録、指示メール、日付)を私物の端末に持ち出さず、日時と内容をメモで残す2. 社内窓口が機能しないなら、国土交通省の情報提供窓口への通報を検討する(公益通報者保護法の保護要件は事前に確認する) 3. ユーザーであれば、リコール情報と型式指定の処分状況を国交省の公表資料で確認し、販売店に対応を書面で求める
訴えられた側:検査を受けるメーカー側の対応は次のとおり。1. 職員の証票を確認し記録する(第2項)2. 窓口担当者を一本化し、法務と顧問弁護士に即時連絡する3. 提出書類は必ず写しを取り、受領の記録を残す4. 虚偽の報告や物件の隠匿は絶対にしない。罰則の対象になるうえ、処分が重くなる5. 個々の従業員が刑事責任を問われるおそれがあるときは、会社とは別に個人の弁護人をつけることも検討する
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はない。報告を求められた場合の期限は、国交省が求めるときに個別に指定する。報告拒否・虚偽報告・検査拒否などへの罰則の公訴時効は刑事訴訟法250条による(法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:行政調査の犯罪捜査目的否定規定は、行政調査が令状主義を潜脱する手段となることを防ぐ趣旨とされる。一方で、調査の過程で得られた資料が告発を経て刑事手続に用いられうるかについては、見解が分かれている
- 道路運送車両法 第75条自動車の型式指定、検査対象者の範囲
- 道路運送車両法 第75条の2特定共通構造部の型式指定
- 道路運送車両法 第75条の3特定装置の型式指定
- 道路運送車両法 第100条法全体の一般的な報告・立入検査権限(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第3条情報収集目的の処分の適用除外
- 刑事訴訟法 第239条公務員の告発義務、検査結果の刑事手続化
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