道路交通法 第109条の3
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- 交通情報を提供する事業であつて次の各号のいずれかに該当するもの(以下この条において「特定交通情報提供事業」という。)を行おうとする者は、内閣府令で定めるところにより、氏名及び住所(法人にあつては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)、交通情報の収集及び提供の方法その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に届け出なければならない。その者が届出をした事項を変更するときも、同様とする。
- 一道路における交通の混雑の状態を予測する事業
- 二目的地に到達するまでに要する時間を予測する事業
- 2.国家公安委員会は、特定交通情報提供事業を行う者が正確かつ適切でない交通情報を提供することにより道路における交通の危険又は混雑を生じさせたと認めるときは、その者に対し、前項各号に掲げる事業に係る技術水準その他の事情を勘案して、相当な期間を定めて、正確かつ適切な交通情報の提供の実施のために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
- 3.国家公安委員会は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた特定交通情報提供事業を行う者が当該勧告に従わないときは、その旨及び当該勧告の内容を公表することができる。
- 4.国家公安委員会は、前二項の規定を施行するため必要な限度において、特定交通情報提供事業を行う者に対し、必要な事項を報告させることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第109条の3は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第109条の3の条文原文は「交通情報を提供する事業であつて次の各号のいずれかに該当するもの(以下この条において「特定交通情報提供事業」という。」で始まります。
- 道路交通法第109条の3は第七章 雑則に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第109条の3の前の条は道路交通法第109条の2です。
- 道路交通法第109条の3の次の条は道路交通法第110条です。
- 道路交通法第109条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第109条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第109条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/109_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法109条の3は、渋滞や所要時間を予測する事業者に国家公安委員会への届出を義務づけ、不正確な情報を提供した事業者を勧告・公表の対象とする。
Q · 渋滞予測や到着時刻の予測をアプリで出す事業は、国に届出が必要なんですか?
予測を提供する事業なら、国家公安委員会への届出が必要です
道路交通法109条の3第1項により、道路の混雑状態を予測する事業、または目的地までの所要時間を予測する事業を行おうとする者は、氏名・住所、交通情報の収集及び提供の方法その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に届け出なければなりません。届出事項を変更するときも同様です。届出制であり許可制ではないため参入自体は止められませんが、不正確かつ不適切な交通情報の提供により道路の危険や混雑を生じさせたと認められると、第2項の勧告、さらに従わなければ第3項の公表という段階的な措置の対象になります。
解説
スマホアプリで「この先の渋滞、あと20分続きます」「目的地まで残り35分」と表示する。便利な機能だが、それを事業として提供しようとした瞬間、あなたは道路交通法の規制対象になる。109条の3は、道路の混雑状態を予測する事業と、到達所要時間を予測する事業の二つを「特定交通情報提供事業」と名指しし、始める前に国家公安委員会(都道府県警察を束ねる国の委員会)への届出を義務づけている。届出は許可ではないので拒否されはしないが、氏名・住所・情報の収集方法まで国に把握される。さらに、あなたの予測が不正確で道路の危険や混雑を招いたと判断されれば、国から改善の勧告(従うよう促す行政指導、強制力はないが従わないと次がある)が来る。従わなければ、あなたの事業名と勧告内容が公表される。天気予報のような「外れても仕方ない」の世界ではなく、外れ方によっては実名を晒される世界だ。ナビや渋滞予測を作る側に回った瞬間、あなたはこの条文の射程に入る。
法的な位置づけ
道路交通法109条の3は特定交通情報提供事業の届出制を定める規定であり、道路における交通の混雑の状態を予測する事業および目的地に到達するまでに要する時間を予測する事業を行う者に対し、氏名及び住所、交通情報の収集及び提供の方法その他内閣府令で定める事項を国家公安委員会に届け出る義務を課す。届出事項を変更するときも同様の義務が生じる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社サービスが二号事業に当たるか判定する 提供機能を「実況表示」と「予測」に分解し、道路の混雑状態の予測(第一号)または目的地までの所要時間の予測(第二号)に当たる機能があるかを社内で確定する。判定根拠と対象機能の一覧を文書化しておく
- 2.内閣府令の様式で届出書を作成し提出する 氏名及び住所(法人は名称・代表者氏名・主たる事務所の所在地)、交通情報の収集及び提供の方法その他内閣府令で定める事項を記載し、国家公安委員会へ届け出る。事業を行おうとする段階、つまりリリース前に完了させる
- 3.収集・提供方法と技術水準を記録化する データソース、更新頻度、予測モデルの検証方法、精度の評価指標を定期的に記録する。第2項の勧告は「技術水準その他の事情を勘案して」行われるため、水準を示す資料が抗弁材料になる
- 4.提供方法を変えるときは変更届出を先に済ませる プローブ情報の取得元変更、提供チャネルの追加など届出事項に変更が生じる改修は、リリース計画に変更届出のタスクを組み込む。後追いで出すより、事前に手当てする方が行政との関係で有利に働く
- 5.勧告を受けたら期間内に改善して記録を残す 第2項の勧告には相当な期間が定められる。その期間内に必要な措置を実施し、実施内容・日時・効果を記録して国側に示す。公表(第3項)は「勧告に従わないとき」の措置なので、従った事実の可視化が分水嶺になる
よくある質問 AI による整理
Q1特定交通情報提供事業とは何ですか?
交通情報を提供する事業のうち、道路の混雑状態を予測する事業、または目的地までの所要時間を予測する事業をいいます。道路交通法109条の3第1項各号が定義しています。
Q2渋滞予測アプリを出すには届出が必要ですか?
混雑状態の予測または所要時間の予測を事業として提供するなら必要です。事業を行おうとする段階、つまりリリース前に国家公安委員会へ届け出ます。
Q3交通情報提供事業の届出先はどこですか?
届出先は国家公安委員会です。様式や記載事項、提出の方法は内閣府令で定められているため、最新の府令と警察庁の案内を確認して手続します。
Q4変更届出はいつ必要ですか?
氏名・住所や交通情報の収集及び提供の方法など、届け出た事項を変更するときに必要です。データ収集元やアルゴリズム構成の大幅変更は要注意です。
Q5現在の渋滞を表示するだけでも届出は必要ですか?
条文が対象とするのは「予測する事業」です。過去や現在の状況を表示するだけなら各号に当たらない可能性が高い一方、機械学習等で先を読む機能を足した時点で対象になり得ます。
Q6国家公安委員会の勧告に強制力はありますか?
勧告は行政指導であり、直接の強制力はありません。ただし従わないときは第3項でその旨と勧告内容が公表され、事業の信用に直接響きます。
Q7報告を求められたら何を出せばよいですか?
第4項の報告徴収は、規定の施行に必要な限度で行われます。交通情報の収集元、予測アルゴリズムの技術水準、提供画面の表示方法など、求められた事項を具体的資料で示します。
Q8カーナビの到着予測は規制対象ですか?
目的地に到達するまでに要する時間を予測して提供する事業であれば、第1項第二号に当たり得ます。機器メーカーもサービス提供の形態次第で届出義務者になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのアプリ、渋滞予測も到着時刻表示も両方あるんですが、届出は一回でいいんですか?
109条の3第1項は「次の各号のいずれかに該当する」事業を届出対象とし、一号(混雑状態の予測)と二号(所要時間の予測)を並べています。両方やっていても事業者としての届出は一本で、収集・提供の方法をまとめて記載します。実務のポイント:迷うのは「予測」の線引きです。過去や現在の渋滞を表示するだけなら予測ではなく対象外、機械学習等で先を読むと対象になりやすい。この境界を最初に社内で確定させておかないと、後で「やっていたのに未届け」になる
Q2勧告に従わないと公表されるって、罰金みたいなものですか?
罰金ではありません。第3項の公表は刑事罰ではなく、事業名と勧告内容を世に知らせる事実行為です。ただ交通情報サービスは信頼が命なので、実名公表のダメージは罰金以上になり得ます。実務のポイント:公表は「勧告に従わないとき」(第3項)にしか発動しません。つまり勧告(第2項)の相当な期間内に改善の実績を作れば公表は止まる。勧告が来た時点は終わりではなく、公表を防ぐ最後の猶予期間だと捉えるべきです
Q3届出をサボってバレたら、どうなるんですか?
国家公安委員会は第4項で報告を求め、実態を把握できます。無届けは道路交通法上の義務違反で、過料などの対象になり得ます(過料規定の現行効力を要確認)。それ以上に、無届けで運営していた事業者だという事実自体が、以後の行政との関係で不利に働きます。実務のポイント:この届出は許可制ではないので、出せば通る。届け出ないメリットはほぼゼロで、残るのはリスクだけ。参入を止められない届出制ほど、サボる合理性のない制度はありません
間違えやすい点 AI による整理
- 「届出が必要か、それとも許可が必要か」と問う人が多いが、問いの立て方がずれている。109条の3は許可制ではなく届出制で、国は受理を拒めず参入自体は止められない。だが「届出だから軽い」と考えるのも誤り。本当の牙は届出の後にある勧告と公表にある
- 提供者から見れば「予測が外れただけ」でも、警察行政から見れば「不正確な情報で道路の危険・混雑を生じさせた」事業者になる。この視点の落差が、ある日突然の報告徴収と勧告につながる
- 「勧告や公表は行政処分だから、裁判で取り消せる」と思いがちだが、勧告は行政指導、公表は事実行為であり、原則として取消訴訟(役所の処分の取消しを求める訴え)の対象にならない。争う土俵が、普通の許認可トラブルとは根本的に違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 道交法109条の3:混雑状態・所要時間を予測する交通情報提供事業そのもの | 個人情報保護法18条:収集した位置・プローブ情報の利用目的による制限 特定交通情報提供事業に関する内閣府令:届出の様式・記載事項・変更手続 |
| 事前に求められる行為 | 事業を行おうとする者の国家公安委員会への届出(許可ではない) | 利用目的の特定・公表と、目的の範囲内での取扱い 府令所定の様式による記載と提出 |
| 監督する機関 | 国家公安委員会(報告徴収・勧告・公表) | 個人情報保護委員会 国家公安委員会(府令の運用) |
| 義務違反の帰結 | 報告徴収(第4項)→ 勧告(第2項)→ 勧告内容の公表(第3項) | 指導・助言、勧告・命令等(個人情報保護法の監督規定による) 届出の不備として補正・再提出を求められる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では交通部が即時路況資訊を公開し、民間サービスはそのデータを利用する構図。民間の交通情報予測事業に対する届出義務を定めた規定は確認されていない
交通情報の提供・ITS に関する規律は存在するが、日本の109条の3に相当する届出制の有無は確認できていないため断定しない
EU レベルで、リアルタイム交通情報サービスの提供に関するデータ品質・提供条件が定められている。日本のような事業者単位の届出制ではなく、サービス品質と国家アクセスポイント経由のデータ流通を軸とする設計(国内実施法の詳細は要確認)
ITS 分野は自主基準と契約が中心で、不正確な情報提供は連邦取引委員会法第5条の不公正・欺瞞的行為規制や州の消費者保護法による事後規制で処理される構造(要確認)
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- MaaS スタートアップを立ち上げ、独自の渋滞予測エンジンをアプリに載せた。届出、してますか? 二つの予測事業(混雑状態・所要時間)のどちらかに当たれば、リリース前に国家公安委員会への届出が必要になる。知らずにローンチした瞬間、あなたは無届け事業者だ
- 既存サービスの提供方法を大きく変えることになった。データ収集元をタクシーのプローブ情報から一般ユーザーの GPS に切り替える。この「変更」も届出事項の変更に当たり、変更後に届け出る義務がある。改修リリースまであと数日、法務チェックが後回しになっていないか
- カーナビメーカーの法務担当。新型に到着時刻予測機能を載せた。この一機能が、会社を109条の3の届出義務者に変える
- あなたが使っている渋滞予測アプリの案内がいつも外れる。実はその事業者、国家公安委員会から勧告を受けて公表された相手かもしれない。特定交通情報提供事業者への勧告・公表の事実は、あなたがサービスを選ぶときの判断材料になる
取るべき行動
被害を受けた側:不正確な渋滞・所要時間予測で実害(事故に巻き込まれた、大幅な遅延で損失が出た)を受けても、109条の3自体はあなたに賠償請求権を与えない。ただし国家公安委員会に情報提供し、事業者への勧告(第2項)・報告徴収(第4項)を促す端緒にはできる。損害の回復は別途、民法709条の不法行為構成で事業者の予測の合理性・注意義務を争う。まず提供画面のスクショと、その時点の実際の交通状況の記録を残すこと
訴えられた側:1. 自社サービスが「混雑状態の予測」または「所要時間の予測」に当たるか整理し、当たるなら未届けを直ちに是正(内閣府令の様式で届出)。2. 報告徴収(第4項)が来たら、収集・提供方法の技術水準を具体的資料で示す。3. 勧告(第2項)を受けたら、相当な期間内に改善措置を実施して記録化し、公表(第3項)を回避。4. 勧告・公表は行政指導・事実行為で取消訴訟に乗りにくいため、争うより是正記録の積み上げと国側との対話を優先する
時効(請求できる期限):本条の届出義務・勧告・公表に特定の時効はない。変更届出は「届出事項を変更するとき」が起算点で、方法変更後に速やかに行う必要がある。届出義務違反に過料が科される場合の手続は別途(過料規定の現行効力を要確認)。損害賠償を絡める場合は民法724条(知った時から3年、生命・身体侵害は5年)が別途起算する
学説
行政法学の一般的理解:本条は入口を届出制にとどめて参入規制を避けつつ、出口に勧告と公表という誘導型の手法を置く。刑事罰や許可取消しを用いない代わりに、技術水準を勘案した柔軟な是正を求める現代的な規制設計と説明される。
有力説:勧告不服従を理由とする公表は、事業者の社会的信用に対する制裁として機能する。したがって公表前の意見聴取や弁明の機会など、事前手続的な配慮が実務上求められるとする見解が有力に主張されている。
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