道路交通法 第119条の2
クイックジャンプ
第七十四条の三(安全運転管理者等)第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第六項若しくは第八項の規定による公安委員会の命令に従わなかつたときは、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第119条の2は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第119条の2の条文原文は「第七十四条の三(安全運転管理者等)第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第六項若しくは第八項の規定による公安委員会の命令に従わなかつたときは、当該違反行為…」で始まります。
- 道路交通法第119条の2は第八章 罰則に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第119条の2の前の条は道路交通法第119条です。
- 道路交通法第119条の2の次の条は道路交通法第119条の2の2です。
- 道路交通法第119条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第119条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第119条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/119_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法119条の2は、安全運転管理者の選任義務違反または公安委員会の命令不服従に対し50万円以下の罰金を定める。業種を問わず、社用車を一定台数以上使う事業所が対象となる。
Q · 社用車が増えただけの会社でも、安全運転管理者を置かないと罰金になるんですか?
業種は関係ない。社用車5台で罰金50万円の対象になる
道路交通法74条の3は、乗車定員11人以上の自動車を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使用する事業所に安全運転管理者の選任を義務づけています。119条の2は、この選任義務違反、および公安委員会の解任命令等への不服従に対し、50万円以下の罰金を定めます。運送業に限らず、不動産・建設・製造・小売・士業事務所まで業種を問わず適用され、両罰規定(123条)により法人と担当者個人の双方が処罰されうる点が実務上の要注意点です。
解説
「うちは運送会社じゃないから関係ない」。多くの中小企業の経営者がそう思い込んでいる。だが道路交通法74条の3は、乗車定員11人以上の自動車を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使う事業所すべてに、安全運転管理者の選任を義務づけている。営業車を並べた不動産会社も、現場に社用車を配る建設会社も対象だ。119条の2は、その選任を怠ったとき、あるいは公安委員会が出した命令に従わなかったときの罰則を定める。かつて5万円だった罰金は、2022年の改正で50万円へ10倍に跳ね上がった。しかも両罰規定により、手続きを怠った担当者個人と会社の双方が処罰されうる。「知りませんでした」では済まない金額が、社用車を5台目まで増やした瞬間から、あなたの会社に静かに張り付いている。
法的な位置づけ
道路交通法119条の2は、安全運転管理者制度の実効性を担保する罰則規定である。同法74条の3第1項・第4項の選任義務違反、および同条第6項・第8項による公安委員会の命令への不服従を構成要件とし、法定刑を50万円以下の罰金とする。適用対象は業種を問わず、一定台数以上の自動車を使用するすべての事業所である。
よくある質問 AI による整理
Q1安全運転管理者とは何ですか?
道路交通法74条の3に基づき、一定台数以上の自動車を使う事業所ごとに選任する社内の安全管理責任者です。運転者の状況把握、運行計画、点呼と記録などを担います。
Q2安全運転管理者の資格要件は?
20歳以上(副安全運転管理者を置く場合は30歳以上)で、自動車の運転管理に関する一定の実務経験が必要です。詳細は施行規則9条の9が定めています。
Q3副安全運転管理者はいつ必要ですか?
使用する自動車の台数が一定規模を超える事業所では、台数区分に応じて副安全運転管理者の選任も必要になります。台数基準は施行規則9条の8に規定されています。
Q4安全運転管理者の届出はいつまでにするの?
選任・解任した日から一定期間内に、事業所の所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会へ届け出ます。届出を怠ること自体も違反として扱われます。
Q5公安委員会の解任命令に従わないとどうなる?
選任義務違反とは別に、命令不服従それ自体が119条の2の罰則対象となり、50万円以下の罰金が科されます。命令は行政指導ではなく法的義務です。
Q6安全運転管理者は他の業務と兼任できる?
法律上は総務部長などとの兼任も可能です。ただし点呼・酒気帯び確認・記録保存を現実に遂行できる体制が必要で、名義だけの選任は実質的な違反状態を招きます。
Q7アルコールチェックの記録は何年保存?
施行規則9条の10により、運転前後の酒気帯び確認の記録は1年間保存する必要があります。保存不備は事故時に管理体制の欠陥を示す証拠になります。
Q8支店ごとに安全運転管理者は必要ですか?
必要です。選任義務は法人単位ではなく事業所単位で判断します。本社で選任済みでも、基準台数を満たす支店に選任者がいなければ違反が成立します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社用車って、何台から安全運転管理者が必要なんですか?
乗車定員11人以上の自動車なら1台以上、それ以外の乗用車・軽貨物などなら5台以上を使う事業所です(74条の3、施行規則9条の8)。自動二輪車は0.5台換算。事業所「単位」なので、本社と支店は別々にカウントします。実務のポイント:台数は「所有」ではなく「使用」で数える。リース車や、社員のマイカーを業務に常用している実態があれば、名義が個人でも台数に含まれうる。名義だけで判断すると足元をすくわれる
Q2罰金って会社が払うんですよね? 担当の私個人は関係ないですよね?
両罰規定(123条)により、違反行為をした自然人、つまり選任を怠った担当者や使用者と、法人の双方が処罰対象になりえます。個人に罰金が科されれば前科として記録されます。実務のポイント:平時に担当者個人まで起訴される例は多くないが、死傷事故が絡むと捜査は担当者個人の責任にまで及ぶ。「会社が守ってくれる」という前提は、重大事故が起きた瞬間に崩れる
Q32022年に何が変わったんですか?
選任義務違反等の罰金上限が5万円から50万円へ引き上げられ、白ナンバー事業者にもアルコールチェック(運転前後の酒気帯び確認と記録の1年保存)が義務化されました(施行規則9条の10)。実務のポイント:罰金の10倍化は、警察が安全運転管理者制度を本気で取り締まるというシグナル。2021年の千葉県八街市の飲酒運転事故を契機に、緑ナンバー偏重だった監督が白ナンバーの一般企業へ広がっている。(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「安全運転管理者は運送業だけの義務」と信じられているが、業種は一切問わない。一定台数以上の自動車を使う事業所であれば、不動産、建設、製造、小売、士業事務所まで、社用車が基準台数を超えた瞬間に義務が発生する。緑ナンバーかどうかも関係ない
- 選任義務があること自体は知っていても、その罰金が2022年に5万円から50万円へ10倍になった事実を知る経営者は少ない。金額の桁が変わったことで、これはもう「うっかりで済む過料」ではなく「本気で取り締まられる犯罪」の領域に入った。深刻度の認識が古いまま止まっている
- 「罰金は会社が払うもので、自分個人には関係ない」という前提そのものが誤り。両罰規定(123条)により、実際に選任手続きを担当していた総務・人事の担当者個人にも罰金が科されうる。会社の問題だと思っていた事柄が、ある日あなた個人の前科リスクに変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の性質 | 119条の2:選任義務違反・命令不服従への罰則規定 | 74条の3:安全運転管理者等の選任と業務を定める実体規定 123条:法人と行為者の双方を処罰する両罰規定 |
| 処罰の対象行為 | 選任を怠る/公安委員会の命令に従わない | 義務規定であり、それ自体は罰則を含まない 従業者の違反行為を前提に、法人にも罰金を拡張 |
| 法定刑 | 50万円以下の罰金 | —(違反の効果は119条の2が担う) 各本条の罰金刑を法人へ科す |
| 実務上の着眼点 | 事業所単位の台数カウントと選任の有無 | 選任者の資格要件・業務内容・アルコールチェック体制 担当者個人の前科リスクと会社の免責可能性 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は運輸業者に対する安全管理人員の設置義務を中心に規律し、白ナンバーの一般事業者へ一律の選任義務と刑事罰を課す日本型の制度は持たない。事故時の雇主責任は主として民事の僱用人責任で処理される
韓国は交通安全法により一定の交通手段運営者に交通安全担当者の選任等を求める。対象は事業者類型で限定される傾向があり、日本のような台数基準による横断的適用とは設計思想が異なる
ドイツは「管理者を選任させる」のではなく、保有者(Halter)に運行させてはならない義務を直接課し、労災保険組合規則で車両の安全管理を上乗せする。義務の名宛人が組織のポストではなく保有者である点が日本と対照的
米国は州際商用車に連邦規制を課す一方、一般企業の社用車は主として民事の Negligent Entrustment / Negligent Supervision 法理で規律する。刑事罰による事前の選任強制ではなく、事後の高額賠償で抑止する構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 気づけば社用車が6台。総務担当のあなたは安全運転管理者を置いていない。そこへ社員が業務中に接触事故を起こし、警察が会社の管理体制を調べ始める。選任義務違反が表沙汰になれば、会社と担当者双方に罰金。「増車の記録は残っているのに管理者はいない」という事実が、そのまま証拠になる
- もし、公安委員会から「現在の安全運転管理者は要件を満たしていない、解任せよ」という命令書が届いたら、どうする? これを放置すれば、選任違反とは別に、命令不服従それ自体が50万円以下の罰金対象になる。命令は「お願い」ではなく、従わないこと自体が独立した犯罪だ
- 新設した支店に営業車を5台配備した。本社では選任済みだから安心していたが、安全運転管理者は事業所ごとに置く必要がある。支店には誰もいない。この見落としだけで違反が成立する
- 安全運転管理者が突然退職し、後任不在のまま数週間。「追々やればいい」と先延ばしにしている間も、不在状態そのものが選任義務違反として続いている。監査も事故もいつ来るか分からない中、猶予は一日もない
取るべき行動
被害を受けた側:業務中の社用車に巻き込まれて事故に遭ったら、加害者個人だけでなく相手企業の管理体制を掘る。1. 事故直後に会社名と車両の用途(社用車か)を記録2. 相手企業が安全運転管理者を選任していたか、アルコールチェック記録があったかを確認、なければ管理体制の不備を主張3. その不備は使用者責任(民法715条)を強める材料となり、慰謝料・賠償額の交渉で有利に働く。相手が「個人の事故」で幕引きしようとしても、会社の構造的責任へ引き上げられる
訴えられた側:1. まず自社の社用車台数を正確に数える。乗車定員11人以上を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使う事業所か、事業所単位で確認2. 該当するのに未選任なら、即座に要件を満たす者を選任し公安委員会へ届け出る3. 公安委員会から解任命令や是正の指示が来ている場合は、期限内に必ず従う。命令の無視は選任違反とは別個の罰則対象4. アルコールチェック体制(施行規則9条の10)も同時に整える。捜査が入る前に自主的に是正した記録を残すことが情状につながる
時効(請求できる期限):罰金にあたる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。ただし選任義務違反は違反状態が続く継続犯的性格を持ち、違反状態が解消されるまで時効は進行しにくい。公安委員会の命令不服従は、命令に従わなかった時点から起算。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政取締法規における両罰規定の理解):119条の2は74条の3の選任義務を刑事罰で担保する取締法規であり、123条の両罰規定と結合することで、違反の抑止を法人組織そのものに向ける構造をとる。事業主は選任監督上の無過失を証明できなければ免責されないと解されている
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正(要人的検証) 安全運転管理者等の選任義務違反等に対する罰金の上限を5万円から50万円へ引き上げたとされる。関連して施行規則9条の10で白ナンバー事業者へのアルコールチェックが義務化された。改正年・条文番号の移動・改正か新設かの区別は要確認
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法(法律第105号)制定。以後の改正で安全運転管理者制度と対応する罰則が整備された。本条自体の新設年次および条番号の変遷は要検証
- 2.令和4年(2022年) 改正:安全運転管理者等の選任義務違反等に対する罰金の上限が5万円から50万円へ引き上げられたとされる。関連して施行規則9条の10により、白ナンバー事業者にも運転前後の酒気帯び確認と記録の1年保存が義務化された。改正年次と条文移動は要検証
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める