法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百十七条第三項、第百十七条の二第二項、第百十七条の二の二第二項、第百十七条の四第二項、第百十七条の五第二項、第百十八条第二項、第百十九条第二項、第百十九条の二から第百十九条の二の三まで、第百十九条の二の四第二項、第百十九条の三第二項、第百二十条第二項又は第百二十一条第二項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。
要点道路交通法 123 条は、従業者が業務に関し所定の違反をしたとき、行為者に加え法人にも罰金刑・科料刑を科す両罰規定。選任監督に過失がなければ免責の余地がある。
Q · 従業員が業務中に交通違反をしたら、会社にも罰金が来るんですか?
来ます。会社も罰金刑の名宛人になります
道路交通法 123 条の両罰規定により、法人の代表者や代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し同条が列挙する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人にも各本条の罰金刑又は科料刑が科されます。ただし最高裁は、この規定を無過失責任ではなく事業主の選任監督上の過失を推定したものと解しており、選任・監督に落ち度がなかったことを立証できれば免責の余地が残されています。
運送会社のドライバーが納品を急いでスピード違反で捕まった。罰金を払うのは運転した本人だけ、と思っている経営者は多い。道路交通法 123 条はその常識を静かに裏切る。従業員が業務に関して一定の違反をしたとき、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても罰金刑または科料刑を科す。会社そのものが罰金の名宛人になるのだ。だが本当の勘所はここから先にある。最高裁はこの両罰規定を「無過失責任」ではなく、事業主の選任監督上の過失(人を選び、使い、監督する上での落ち度)を推定した規定と解釈している(最大判昭和 32.11.27)。裏を返せば、会社が運行管理・安全教育・点呼を尽くし過失がなかったと立証できれば、免責される余地が理論上は残る。多くの経営者はこの逃げ道の存在すら知らず、届いた略式命令を黙って納付する。知っているかどうかで、同じ一件の違反でも会社の結末が変わる。
道路交通法 123 条は両罰規定であり、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が当該法人又は人の業務に関し、同条が列挙する各罰則に該当する違反行為をした場合に、行為者を処罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑又は科料刑を科す旨を定める。判例上、事業主の選任監督上の過失を推定した規定と解される。
違反行為をした者本人だけでなく、その事業主である法人又は人にも罰金刑等を科す規定です。道路交通法では 123 条が定めており、業務に関する違反であることが前提となります。
117 条 3 項、117 条の 2 第 2 項、118 条 2 項、119 条 2 項、120 条 2 項、121 条 2 項など、同条が明示的に列挙する罰則の違反行為に限られます。すべての交通違反が対象になるわけではありません。
契約の名称ではなく実態で判断されます。指揮監督下で稼働している実態があれば「その他の従業者」に当たり、会社が両罰の対象になり得ます。業務委託という名札だけでは責任は切り離せません。
なります。123 条は運送業に限定された規定ではなく、業務に関する違反であれば白ナンバーの社用車で走る一般企業の営業活動も射程に入ります。
二重処罰にはあたりません。行為者は自らの違反行為について、法人は選任監督上の過失を理由に、それぞれ別個の責任主体として処罰されるためです。従業員が納付しても会社の分は消えません。
各本条が定める罰金刑・科料刑の範囲内で科されます。法人だけを加重する独自の金額は 123 条には定められておらず、違反類型ごとの法定刑によります。具体的な金額は略式命令に記載されます。
罰金刑にあたる違反の公訴時効は 3 年、科料刑にあたる違反は 1 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は違反行為が終わった時です(同 253 条)。最新の改正状況はご確認ください。
運行管理者の選任記録、運行前点呼簿、安全教育の実施記録、速度管理記録、車両整備記録などです。事後に作成した書類は信用されにくく、平時から積み上げた記録だけが過失推定を覆す材料になります。
業務に関する違反である限り、123 条の両罰規定で行為者に加え法人にも罰金刑・科料刑が科されるからです。最高裁はこれを無過失責任ではなく、事業主の選任監督上の過失を推定した規定と解釈しています(最大判昭和 32.11.27)。業界裏話ヒント:つまり「うちは監督を尽くしていた」と証明できれば免責の余地が制度上は残っている。ただし実務でこれが認められるのは、平時から点呼簿や教育記録を積み上げてきた会社だけ。逃げ道は存在するが、準備なき者には開かない
逃げられません。123 条の責任は国家が科す刑事上の公的責任で、会社と従業員の私的な取り決めや誓約書では排除できません。社内でいくら責任を従業員に負わせても、罰金の名宛人が法人であることは変わらない。業界裏話ヒント:本当に会社を守るのは規則の文言ではなく、運行管理と教育を実際に行った記録です。紙の上の免責文言は刑事では無力、実施の記録だけが過失推定を覆す。この差を知らない経営者ほど、誓約書の束を頼りにして足元をすくわれる
いいえ。略式命令に不服なら、告知を受けた日から 14 日以内に正式裁判を請求できます(刑事訴訟法 465 条)。公開の法廷で、選任監督に過失がなかったことを争う道が残っています。業界裏話ヒント:多くの会社は「争っても無駄」と思い込み、期限を空費してそのまま納付する。だが起訴前・略式段階で運行管理記録を示せていれば、そもそも会社が名宛人にならなかった案件は少なくない。争うか否かの前に、証拠を出す最速のタイミングを逃さないことが本丸
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の性質 | 123 条:従業者の違反を前提に、事業主の選任監督上の過失を推定して法人を処罰 | — |
| 名宛人 | 行為者+法人又は人(二重の名宛人) | — |
| 免責の余地 | 選任・監督に過失がなかったことを立証できれば免責の余地あり | — |
| 適用範囲 | 同条が列挙する罰則の違反行為に限定(業務関連性が要件) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。