道路交通法 第33条(踏切の通過)
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- 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
- 2.車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
- 3.車両等の運転者は、故障その他の理由により踏切において当該車両等を運転することができなくなつたときは、直ちに非常信号を行う等踏切に故障その他の理由により停止している車両等があることを鉄道若しくは軌道の係員又は警察官に知らせるための措置を講ずるとともに、当該車両等を踏切以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。
この条文の基本情報
踏切の通過とは何ですか?
定義踏切の通過とは、道路交通法第33条に定められた規定で、「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第33条(踏切の通過)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第33条の条文原文は「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。」で始まります。
- 道路交通法第33条は第五節 踏切の通過に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第33条の前の条は道路交通法第32条です。
- 道路交通法第33条の次の条は道路交通法第34条です。
- 道路交通法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法33条は、車両等が踏切を通過する際、直前での一時停止と安全確認を義務づける。ただし信号機の信号に従うときは停止せず進行でき、警報中の進入は禁止される。
Q · 踏切って必ず一時停止しないとダメなんですか?
原則は一時停止。ただし信号機の信号に従うときは停止不要
道路交通法33条1項は、踏切の直前(停止線があればその直前)で停止し、安全を確認した後でなければ進行してはならないと定めます。ただし但書により、信号機の表示する信号に従うときは停止せずに進行できます。2項は遮断機が閉じようとする間・閉じている間・警報中の進入を禁止し、3項は故障等で踏切内に停止した場合に、鉄道係員または警察官への通報措置と車両の移動措置の双方を義務づけています。
解説
運転免許の教習で「踏切は一時停止」と習った記憶はあるだろう。だが33条1項の但書を覚えている人はほとんどいない。踏切に信号機があり、それが青を示しているなら、あなたは停止しないで通過できる。関東の主要駅周辺や都市部の一部踏切には実際に信号機が設置されており、そこで律儀に一時停止すると、後続車から追突されるリスクの方が高い。さらに重要なのは3項だ。エンストして踏切内で動けなくなったとき、法はあなたに二つの義務を同時に課している。非常ボタンを押す等で鉄道係員または警察官に知らせること、そして車を踏切外へ移動させる措置を講じること。この順序を逆にした人が過去に何人も死んでいる。押ボタンを押してから車を動かす、これが法の想定する順番である。1項違反は反則金と点数、しかし3項の措置を怠って列車が衝突すれば、待っているのは業務上過失致死傷(刑法211条)と、鉄道会社からの億単位の損害賠償請求である。
法的な位置づけ
道路交通法33条は踏切の通過に関する規律を定める規定であり、車両等に対し踏切直前での停止および安全確認義務(1項)、遮断機が閉じようとする間・閉じている間ならびに警報中の進入禁止(2項)、故障その他の理由により踏切内で運転不能となった場合の通報措置および移動措置義務(3項)を課す。信号機の表示する信号に従うときは1項の停止義務が解除される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.進入前に「渡り切れるか」を判断する 踏切の向こう側に自車1台分以上の空きがあるかを目視で確認する。前方が渋滞していれば踏切手前で待機する。踏切内で停止することとなるおそれがあるときの進入は道路交通法50条2項でも禁止されている
- 2.踏切の直前(停止線があればその直前)で停止する 33条1項が求めるのは物理的な停止動作そのもの。停止線が設けられている場合は停止線の直前で止める。信号機があり、その信号に従うときは但書により停止せず進行できる
- 3.左右と警報機・遮断機の状態を確認して進行する 警報機が鳴っている間、遮断機が閉じようとする間・閉じている間は2項により進入禁止。視界の悪い踏切では音による確認も安全確認の方法として実質的に必要になる
- 4.立ち往生したら、まず非常信号で列車を止める 故障等で踏切内から動けなくなったら、直ちに踏切支障報知装置(非常ボタン)を押す。押ボタンが無い踏切では発煙筒等の非常信号を行う。33条3項前段が求めるのは鉄道係員または警察官への通報措置である
- 5.通報後に車両を踏切外へ移動する措置を講じる MT 車はセルモーターで移動できる場合がある。AT 車はギアをニュートラルにして人力で押し出す。33条3項後段の移動措置は、通報措置と並んで運転者の作為義務である
- 6.事故に至った場合は救護・報告と記録保全を行う 負傷者の救護と警察への報告は道路交通法72条の義務。あわせてドライブレコーダー映像、踏切の信号機・停止線の位置、非常ボタンを押した時刻を保全する。鉄道会社の運行記録には秒単位で記録が残る
よくある質問 AI による整理
Q1踏切で一時停止しないとどうなりますか?
道路交通法33条1項違反として踏切不停止等違反になります。反則行為として通告を受け、違反点数の付加と反則金の納付を求められます(金額・点数は最新の改正状況をご確認ください)。
Q2踏切に信号機がある場合も一時停止は必要ですか?
不要です。33条1項但書により、信号機の表示する信号に従うときは踏切の直前で停止しないで進行できます。都市部の一部踏切には実際に信号機が設置されています。
Q3踏切の停止位置はどこですか?
原則は踏切の直前ですが、道路標識等による停止線が設けられているときはその停止線の直前です(33条1項括弧書き)。停止線を越えて止まると停止義務を果たしたことになりません。
Q4踏切内で車が動かなくなったら最初に何をすべきですか?
33条3項は通報措置と移動措置を課しますが、実務上は通報が先です。非常信号等で鉄道係員または警察官に知らせ、その後に車両を踏切外へ移動する措置を講じます。
Q5警報機が鳴っているだけで遮断機がまだ下りていないときは入れますか?
入れません。33条2項は「警報機が警報している間」も独立した進入禁止事由としています。遮断機の状態にかかわらず、警報中の進入はそれ自体が違反です。
Q6踏切での義務は自動車以外にも適用されますか?
33条の名宛人は「車両等」であり、自動車・原動機付自転車のほか軽車両(自転車等)や路面電車も含まれます。したがって自転車にも一時停止義務があります。
Q7踏切事故で列車を止めたら損害賠償はどうなりますか?
民法709条により、車両損傷・運行阻害・振替輸送費等の損害賠償責任を負い得ます。業務中の事故なら使用者責任(民法715条)で勤務先にも請求が及ぶ構造です。
Q8踏切内で立ち往生して列車と衝突したら刑事責任はありますか?
3項の措置を怠った点が過失を基礎づけ、業務上過失致死傷(刑法211条)や過失運転致死傷(自動車運転処罰法5条)の成否に直結します。通報の有無が決定的な事情になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1踏切って窓を開けて音を聞かないとダメなんですか?
33条1項が求めるのは「停止」と「安全であることを確認」までで、窓を開ける義務は条文上ありません。ただし安全確認の方法として、視界が悪い踏切では音による確認が実質的に必要になります。実務のポイント:教習所で窓開けを教えるのは指導方針であって法的義務ではない。取締りで「窓を開けなかった」を理由に切符を切られることはない。争点になるのは常に停止したか否かの一点である
Q2踏切の中で立ち往生して、非常ボタンってどこにあるんですか?
遮断機の柱、または踏切の両端の警報機付近に黄色い箱で設置されています。押すと踏切支障報知装置が作動し、接近中の列車に赤信号が表示されます。設置されていない小規模な踏切では発煙筒を使います(33条3項の「非常信号を行う等」)。実務のポイント:多くの運転者はボタンの存在を知っていても位置を知らない。日常的に通る踏切で一度目視しておくだけで、緊急時の数十秒が変わる。数十秒は列車が数百メートル進む時間である
Q3遮断機が下り始めてから急いで渡ったら違反ですか?
33条2項の明確な違反です。遮断機が閉じようとする間、閉じている間、警報機が鳴っている間はいずれも進入禁止で、渡り切れたかどうかは関係ありません。違反点数2点、反則金は普通車で9,000円程度です(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この違反は踏切内の監視カメラや鉄道会社の記録で後から特定されることがある。その場で捕まらなかったから問題ないという理解は危うい
Q4自転車でも踏切で降りて押さないといけないんですか?
自転車は「軽車両」として33条の車両等に含まれるため、一時停止義務があります。ただし降りて押す義務は条文にはなく、乗ったまま停止して安全確認すれば足ります。実務のポイント:自転車の交通違反にも青切符(反則金)制度が導入され、踏切不停止も対象になった。従来は事実上取締りが緩かったが、運用が変わりつつある(最新の施行状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「踏切は必ず一時停止」と教習所で刷り込まれているが、1項但書に例外がある。信号機の表示に従うときは停止不要。都市部の一部踏切には実際に信号機があり、そこでの不要な急停止は追突事故を誘発する。ルールを一つしか知らないことが、別のリスクを生む典型例である
- 一時停止義務があることは誰でも知っている。だがその義務の深刻度を測り違えている人が多い。33条違反そのものは反則金9,000円程度で済む。しかし違反状態で事故が起きた場合、この違反の存在が過失の重大性を基礎づけ、民事の過失割合、刑事の量刑、保険の免責判断のすべてに連鎖する。9,000円の話が、数千万円の話に変わる分岐点がここにある
- 「踏切で車が動かなくなったら、まず押して動かす」と考える人が多い。だが3項は通報措置と移動措置を並列に置き、実務上は通報が先である。あなたが立てるべき問いは「どうやって車を動かすか」ではなく「どうやって列車を止めるか」だ。一人の力で車は動かないが、非常ボタン一つで数百トンの列車は止まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象場面 | 33条:踏切の通過(停止・進入禁止・故障時措置) | 50条:踏切内で停止するおそれがあるときの進入禁止 7条:信号機の表示する信号に従う義務 |
| 義務の内容 | 直前停止+安全確認、警報中の進入禁止、通報+移動措置 | 前方の渋滞等により踏切内で停止するおそれがあるときの進入禁止 信号機の信号に従って通行する義務 |
| 本条との関係 | 踏切規律の中核 | 立ち往生(33条3項)を事前に防ぐ前段の規律 33条1項但書が停止義務を解除する前提条件 |
| 違反時の帰結 | 踏切不停止等違反として反則行為(罰則は119条) | 進入禁止違反として反則行為 信号無視として反則行為 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も平交道での停止・看両段確認を求め、遮断機降下中や警報中の進入に重い罰則(吊扣駕照を含む)を科す点で日本より制裁が重い
韓国も直前一時停止と安全確認を原則としつつ、信号機の信号に従う場合の例外を置く構造で、日本の1項但書とほぼ同型
ドイツは一律停止を課さず、標識・信号・遮断機の指示に従うことを基本とし、鉄道の優先(Schienenfahrzeuge haben Vorrang)を明文化する設計
米国は連邦の MUTCD が標識・信号の統一基準を示し、停止義務の具体的内容は州法に委ねられる。スクールバス等の特定車両にのみ一律停止義務を課す州が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 軽自動車で踏切を渡ろうとしたところ、前の車が渋滞で止まり、あなたの車体は線路上で立ち往生。遮断機が下り始めた。この瞬間、あなたが2項違反(遮断機が閉じようとする間の進入)に問われるかどうかは、進入時点で「渡りきれる状況だったか」の判断で決まる。ドライブレコーダーの映像が唯一の味方になる
- 深夜、誰もいない踏切。一時停止せずに通過したところ、物陰の警察官に停止を求められた。「安全は確認した」という主張は通らない。33条1項は停止という物理的動作そのものを義務付けており、安全確認だけでは足りない。切符を切られた後で争うより、その場での説明の仕方が処分に響く
- エンストで踏切内に停止。あと数十秒で列車が来る。あなたは何を最初にするか? 押ボタン式の非常警報装置は、遮断機の柱や踏切脇に必ず設置されている。押せば信号が赤になり、運転士が非常制動をかける。車の移動を先にした人は、間に合わなかった
- 友人が「踏切で一時停止しなかっただけで免停になった」と相談してきた。実際は違反点数2点、反則金は普通車9,000円程度(金額は最新の改正状況をご確認ください)。一回で免停にはならない。だが累積点数がすでにある人には致命傷になる。友人の点数状況を先に聞くのが正しい
- 配送業のドライバーとして、日に何度も同じ踏切を通る。会社は運行時間を厳しく管理している。一時停止を省略しろとは誰も言わないが、時間は削られる。この構造で事故が起きたとき、使用者責任(民法715条)と安全配慮義務違反が会社に向かう
取るべき行動
被害を受けた側:踏切事故の被害者や遺族の場合。1. 事故現場の警報機・遮断機の作動記録、鉄道会社の運行記録の保全を早期に求める、これは時間が経つと入手困難になる2. 相手運転者の33条違反の有無は、刑事記録(実況見分調書、供述調書)で確認できる、不起訴でも検察庁で閲覧謄写請求が可能3. 損害賠償は民法709条、業務中なら使用者責任(715条)で会社にも請求4. 踏切設備の不備が原因なら、鉄道会社に対する工作物責任(717条)や安全対策義務違反の主張も検討する
訴えられた側:1. 単純な不停止違反なら、信号機の有無・停止線の位置・実際の停止動作の有無を現場写真で記録、争う余地があるか検証する2. 踏切内立ち往生で事故に至った場合、直ちに弁護人を選任、非常ボタンを押したか、押した時刻はいつか、この一点が業務上過失致死傷(刑法211条)の成否を大きく左右する3. 鉄道会社からの損害賠償請求には自動車保険の対物賠償と弁護士費用特約を確認、示談交渉は保険会社任せにせず賠償額の内訳を精査4. 業務中の事故なら、会社の運行管理体制も争点になりうる
時効(請求できる期限):反則金の納付期限は告知書記載の期日(通常は告知の翌日から起算して一定期間、期限を過ぎると刑事手続へ移行)。事故が刑事事件化した場合、過失運転致死傷(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)の公訴時効は10年、業務上過失致死傷(刑法211条)は5年。民事の損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から5年(人の生命・身体侵害の場合、民法724条の2)、不法行為時から20年
学説
通説(行政取締規範としての理解):33条は踏切という平面交差の構造的危険に対し、停止義務(予防)、進入禁止(境界画定)、通報および移動措置(事後の被害最小化)の三層で規律する。1項但書は信号機による代替制御がある場合に一律停止の負担を解除する趣旨と解される。
民事責任との連動に関する理解:33条違反それ自体の制裁は軽微だが、違反状態は事故発生時の過失の重大性を基礎づける事情として、民事の過失割合、刑事の量刑、保険の免責判断に連鎖的に作用すると理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法(昭和35年法律第105号)の制定により、踏切の通過に関する規律として本条が置かれた。個別の改正経緯は e-Gov 法令検索の沿革をご確認ください
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