道路交通法 第75条の19(特定自動運行を行う前の措置)
クイックジャンプ
- 特定自動運行実施者は、次項の規定により指定した特定自動運行主任者、第三項の規定により指定した現場措置業務実施者その他の特定自動運行のために使用する者(以下「特定自動運行業務従事者」という。)に対し、第七十五条の二十一、第七十五条の二十二及び第七十五条の二十三第一項から第三項までの規定による措置その他のこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行業務従事者が実施しなければならない措置を円滑かつ確実に実施させるため、内閣府令で定めるところにより教育を行わなければならない。
- 2.特定自動運行実施者は、特定自動運行を行うときは、第七十五条の二十一、第七十五条の二十二並びに第七十五条の二十三第一項及び第三項の規定による措置その他のこの法律及びこの法律に基づく命令の規定並びにこの法律の規定に基づく処分により特定自動運行主任者が実施しなければならない措置を講じさせるため、当該措置を講ずるために必要な適性について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、特定自動運行主任者を指定しなければならない。
- 3.特定自動運行実施者は、次条第一項第一号に規定する措置を講じて特定自動運行を行うときは、第七十五条の二十三第一項及び第二項の規定による措置を講じさせるため、現場措置業務実施者を指定しなければならない。
この条文の基本情報
特定自動運行を行う前の措置とは何ですか?
定義特定自動運行を行う前の措置とは、道路交通法第75条の19に定められた規定で、「特定自動運行実施者は、次項の規定により指定した特定自動運行主任者、第三項の規定により指定した現場措置業務実施者その他の特定自動運行のために使用する者(以下「特定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第75条の19(特定自動運行を行う前の措置)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第75条の19の条文原文は「特定自動運行実施者は、次項の規定により指定した特定自動運行主任者、第三項の規定により指定した現場措置業務実施者その他の特定自動運行のために使用する者(以下「特定…」で始まります。
- 道路交通法第75条の19は第四章の三 特定自動運行の許可等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第75条の19の前の条は道路交通法第75条の18です。
- 道路交通法第75条の19の次の条は道路交通法第75条の20です。
- 道路交通法第75条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第75条の19 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第75条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/75_19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法75条の19は、特定自動運行を行う事業者に、従事者への教育と特定自動運行主任者・現場措置業務実施者の指定を義務づける。運転者不在でも人的体制の確保が前提となる。
Q · 無人の自動運転バスを走らせる事業者は、法律上どんな体制を作らないといけないの?
従事者教育と主任者・現場措置業務実施者の指定が必須です
道路交通法75条の19により、特定自動運行実施者は三つの義務を負います。第一に、特定自動運行業務従事者に対して内閣府令の定めるところにより教育を行うこと(1項)。第二に、内閣府令の適性要件を満たす者から特定自動運行主任者を指定すること(2項)。第三に、次条1項1号の措置を講じて運行する場合、現場措置業務実施者を指定すること(3項)。運転者が乗車しなくても、緊急時の措置を担う人的体制の確保が公道走行の前提条件です。
解説
自動運転バスが運転席無人で公道を走る、そんな光景がもう地方の一部で現実になっている。ただし、誰かが思いつきで走らせていいわけではない。道路交通法75条の19は、特定自動運行(レベル4、運転者が乗らずに走る自動運転)を行う事業者に、走らせる前の三つの宿題を課している。第一に、運行に関わる全従事者への教育(内容は内閣府令が定める)。第二に、緊急時の措置を担う特定自動運行主任者の指定。第三に、乗客の避難誘導など現場対応を担う現場措置業務実施者の指定。ここに盲点がある。主任者は車内にいる必要がない。数十キロ離れた遠隔監視室に座っていてもよいのだ。あなたが無人バスに乗って事故に遭ったとき、あなたと法的につながる相手は、その見えない部屋にいる一人の主任者である。教育と人選を怠った事業者は、公安委員会による許可の取消しや罰則の対象になりうる。
法的な位置づけ
道路交通法75条の19は、特定自動運行実施者の体制整備義務を定める規定である。第1項は特定自動運行業務従事者に対する内閣府令所定の教育義務、第2項は75条の21以下の措置を講じさせるための特定自動運行主任者の指定義務、第3項は次条第1項第1号の措置を講じて運行する場合における現場措置業務実施者の指定義務を規定する。
手順
- 1.運行計画と同時に体制設計を着手する 許可申請の前段階で、走行ルート・車両・運行時間帯と一体で、教育計画、特定自動運行主任者の候補、現場措置業務実施者の配置を設計する。体制は申請時点で実在している必要があり、走り出してからの後付けは許可自体を揺るがす
- 2.主任者候補が内閣府令の適性要件を満たすか検証する 75条の19第2項は、緊急時の措置を講ずるために必要な適性について内閣府令の要件を備える者から指定することを求める。候補者の要件充足を書面で確認し、遠隔監視室の同時担当台数も過大でないか運用面で検証する
- 3.内閣府令に沿った従事者教育を実施し記録を残す 主任者・現場措置業務実施者その他の特定自動運行業務従事者に対し、75条の21・75条の22・75条の23第1項から第3項の措置を含む教育を実施する。実施日、受講者、内容、教材を記録し、更新教育の周期も定める
- 4.現場措置業務実施者を配置し到達時間を検証する 次条1項1号の措置を講じて運行する場合、現場措置業務実施者を指定し、運行ルート上のどの地点で事故が起きても現実に到達できるかを実測する。到達時間の想定が甘い体制は、事故後に必ず問われる
- 5.許可申請と社内監査サイクルを回す 公安委員会に許可申請し、運行開始後も教育記録・指定書類・緊急対応ログを定期監査する。事故や法令改正のたびに教育内容を更新し、体制の現況と書類の一致を保つ
よくある質問 AI による整理
Q1特定自動運行とは何ですか?
運転者が乗車せずに自動運行装置のみで走行する、いわゆるレベル4の運行形態です。公安委員会の許可を受けた特定自動運行実施者だけが公道で行えます。
Q2特定自動運行主任者の要件は?
道路交通法75条の19第2項により、緊急時の措置を講ずるために必要な適性について内閣府令で定める要件を備える者から指定します。事業者が任意に選べるわけではありません。
Q3現場措置業務実施者とは何をする人ですか?
75条の23第1項・2項の措置、つまり事故時の負傷者救護や現場での危険防止を担う人です。次条1項1号の措置を講じて運行する場合に指定が義務づけられます。
Q4自動運転バスの従事者教育は何を教えるの?
75条の21から75条の23までの措置その他、法令・処分により従事者が実施すべき措置を円滑かつ確実に実施させる内容で、具体的な事項は内閣府令が定めます。
Q5教育を怠るとどうなりますか?
体制不備として公安委員会の指示や許可の取消し等の対象になりうるほか、事故時には過失や運行供用者責任(自賠法3条)の立証で事業者に不利に働きます。
Q6自動運転バスの事故は誰に請求すればいい?
請求先はその運行を担う特定自動運行実施者です。自賠法3条の運行供用者責任と民法709条が根拠となり、車両に欠陥があればメーカーへの製造物責任が二段目で問題になります。
Q7特定自動運行の許可はどこに申請しますか?
運行を行う場所を管轄する都道府県公安委員会です。許可の枠組みは75条の18以下にあり、申請段階で運行計画と75条の19の体制が揃っている必要があります。
Q8工場構内の無人搬送車も対象になりますか?
構内のみの走行なら道路交通法の適用外ですが、一般交通の用に供する道路に出た瞬間、許可と75条の19の教育・指定義務の枠に入りうるため注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自動運転バスの事故って、結局クルマを作ったメーカーの責任じゃないんですか?
まず問われるのは、その車を走らせている特定自動運行実施者の側です。自賠法3条の運行供用者責任があり、道路交通法75条の19は運行体制(教育・主任者指定)の義務を事業者に課しています。メーカーの製造物責任は、車両に欠陥があった場合に別途問う二段目の話です。実務のポイント:事故直後、事業者が主任者の指定書や教育記録をすぐ出せるかどうかで交渉の空気が変わります。体制書類の不備は、事業者側が最も突かれたくない急所です
Q2特定自動運行主任者って、そのバスに乗ってるんですか?
乗っている必要はありません。75条の19が求めるのは適性要件(内閣府令)を満たす者の指定であり、多くの実装では数十キロ離れた遠隔監視室から複数台を見ています。緊急時は主任者が75条の21以下の措置を遠隔で講じます。実務のポイント:一人の主任者が同時に何台を担当できるかは運用の肝で、台数を詰め込みすぎた体制は、事故時に対応が間に合わなかったと責められる余地を残します
Q3個人でも自分の車を無人で公道を走らせていいんですか?
できません。特定自動運行は公安委員会の許可が前提で、許可を受けた実施者には75条の19の教育・指定義務が課されます。個人の無許可の無人走行は、そもそも許可制度の外にあり違法です。実務のポイント:レベル4とうたう市販車でも、日本の公道での完全無人運行は許可を受けた特定自動運行の枠内でしか認められていません。「買えば無人で走れる」という宣伝と、法が許す運行は別物です(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「自動運転の事故は車を作ったメーカーの責任だろう」と考えがちだが、問いの立て方がずれている。75条の19が名指しするのは、車を製造した側ではなく、その車を公道で走らせる事業者側の教育責任と人選責任だ。メーカーの製造物責任は別の土俵の話で、まず問われるのは運行体制の側である
- 運転者が乗らないことは誰でも知っている。だが、その代役である特定自動運行主任者が車内にいなくてよい、数十キロ先の監視室から複数台を同時に見ていてもよい、という運用の深刻さは見落とされがちだ。緊急時、その一人が同時に何台を担っているかが、あなたの安全を左右する
- 「レベル4なら人間はもう一切関与しない」と思われているが、実際は逆で、法は人間の関与を義務として要求している。教育された従事者、指定された主任者、現場措置業務実施者。無人運行とは人の不在ではなく、人の配置換えなのだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務のタイミング | 75条の19:運行を行う前の体制整備(教育・指定) | 75条の21:運行中に主任者が講ずべき措置 75条の23:事故発生時の現場措置 |
| 義務の名宛人 | 特定自動運行実施者(事業者) | 特定自動運行主任者(遠隔でも可) 特定自動運行主任者および現場措置業務実施者 |
| 義務の内容 | 内閣府令所定の教育、主任者の指定、現場措置業務実施者の指定 | 運行状況の確認、必要な措置、関係機関への連絡等 負傷者の救護、危険防止措置、警察への報告等 |
| 違反時に主に問われる場面 | 許可審査・行政処分・事故後の体制不備の露見 | 運行中の対応遅延・不作為 救護義務違反・報告義務違反 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はサンドボックス型の実験条例で自動運転を規律し、日本のような一般許可制+常設の主任者指定義務という構成を採っていない。実験主体の安全計画審査が中心
韓国は自律走行安全区間の指定と事業者の安全運行要件を法定する。運行主体に人的体制を求める点で日本と方向性は近いが、道路交通法本体ではなく特別法に置かれている
ドイツは § 1f で Technische Aufsicht(技術的監督者)を法定し、遠隔から車両を停止・解除できる者の配置を義務づける。日本の特定自動運行主任者に最も近い制度設計
米国は連邦統一法ではなく州ごとの許可制。遠隔オペレーターの配置や事故報告義務を許可条件として課す州が多く、日本のように法律本体で人的体制を明文化する構成は採らない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方の交通空白地でオンデマンド自動運転バスを走らせようとする MaaS スタートアップ。運行開始まであと3週間なのに、特定自動運行主任者の候補が内閣府令の適性要件を満たしていないと判明。ここを埋めないと、そもそも公道を一メートルも走れない。着手の順番を間違えた代償が、開業延期という形で跳ね返る
- もし無人の自動運転バスの車内で乗客が突然倒れたら、誰が救護する? 答えは、遠隔の主任者か、指定された現場措置業務実施者だ。車内に運転手はいない
- 友人が地方都市で自動運転バスにはねられ、けがをした。友人は「相手は機械だから、誰に請求すればいいのか」と困っている。実は請求先は明確で、その運行を担う特定自動運行実施者とその体制だ
- 自治体が住民向けに自動運転バスを走らせているが、従事者教育の記録を残していなかった。事故後の公安委員会の調査で、75条の19の教育義務を果たしていなかったことが露見し、許可の存続が危うくなる。事故そのものより、体制不備の露見が事業を止める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事故車両の運行主体(特定自動運行実施者)と車両ナンバー、運行事業者名を現場で記録する。無人でも必ず表示・登録がある2. けがの診断書、現場写真、車載記録の保全を求める、自動運転車は走行データが残る3. 損害賠償は運行供用者責任(自賠法3条)と民法709条で運行事業者に請求4. 事業者が75条の19の教育・指定義務を怠っていた事実は、体制不備として過失立証を有利にする。公安委員会への情報提供も検討する
訴えられた側:1. 自社が特定自動運行実施者なら、まず教育記録(内閣府令の定める内容を満たすか)と主任者・現場措置業務実施者の指定書類を即座に確認2. 適性要件(内閣府令)を満たす人選だったかを検証し、不足があれば直ちに是正3. 公安委員会の調査には記録ベースで誠実に対応、口頭の言い訳は通用しない4. 許可の取消しリスクを見据え、運行の一時停止と再教育の判断を早期に。事故対応と行政対応は別軌道で同時進行する
時効(請求できる期限):この教育・指定義務自体に特定の時効はなく、特定自動運行を行う限り継続する遵守義務である。事故被害の賠償請求は、損害および加害者を知った時から5年(人の生命・身体の侵害、民法724条の2)、不法行為時から20年(民法724条)。行政上の許可取消し等は時効になじまず、違反状態が続く限り処分対象となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和5年(2023年4月1日)施行 改正道路交通法によりレベル4(運転者不在)の特定自動運行制度が新設され、第四章の三として本条を含む一連の規定が追加された。運行事業者に従事者教育の義務と、特定自動運行主任者・現場措置業務実施者の指定義務を課す
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:改正道路交通法により、運転者が乗車しないレベル4の特定自動運行制度が創設され、本条を含む第四章の三が追加された。令和5年(2023年)4月1日施行。事業者に従事者教育義務と、特定自動運行主任者・現場措置業務実施者の指定義務を課す
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める