電気事業法 第19条(託送供給等約款に関する命令及び処分)
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- 経済産業大臣は、供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、相当の期限を定め、前条第一項の認可を受けた託送供給等約款(同条第五項又は第八項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの)又は同条第二項ただし書の認可を受けた供給条件(次項の規定による変更があつたときは、その変更後の託送供給等約款又は供給条件)の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。
- 2.経済産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに認可の申請がないときは、その託送供給等約款又は供給条件を変更することができる。
- 3.経済産業大臣は、前項の規定により託送供給等約款又は供給条件を変更したときは、速やかに、その変更の内容を当該一般送配電事業者に対して通知するものとする。
この条文の基本情報
託送供給等約款に関する命令及び処分とは何ですか?
定義託送供給等約款に関する命令及び処分とは、電気事業法第19条に定められた規定で、「経済産業大臣は、供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、相当の期限を定め、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第19条(託送供給等約款に関する命令及び処分)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第19条の条文原文は「経済産業大臣は、供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、相当の期限を定め、…」で始まります。
- 電気事業法第19条は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第19条の前の条は電気事業法第18条です。
- 電気事業法第19条の次の条は電気事業法第20条です。
- 電気事業法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法19条は、託送供給等約款が社会経済事情の変動で著しく不適当となった場合、経済産業大臣が変更申請を命じ、期限までに申請がなければ自ら変更できると定める。
Q · 送電網の料金ルール(託送供給等約款)は、国が電力会社に無理やり変えさせることができるの?
できる。期限までに申請がなければ大臣が自ら変更する
電気事業法19条1項により、託送供給等約款や供給条件が社会的経済的事情の変動によって著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると認めるとき、経済産業大臣は一般送配電事業者に期限を定めて変更認可の申請を命じることができます。同条2項により、期限までに申請がなければ大臣が自ら約款等を変更でき、3項により変更内容は事業者に通知されます。単に料金が高いというだけでは要件を満たしません。
解説
電気料金の明細に「託送料金」という項目が書かれていなくても、あなたの支払う電気代の数割は送電網の使用料として、地域の一般送配電事業者(東京電力パワーグリッドなど、電線と変電所を持つ会社)に流れている。その値段や条件を定めた「託送供給等約款」は、国の認可を受けて初めて効力を持つ。しかし、一度認可された約款がずっと正しいとは限らない。物価、需要構造、再エネの急増などで条件が「著しく不適当」になったとき、経済産業大臣は期限を決めて「約款の変更を申請せよ」と命じることができる。期限までに申請がなければ、大臣が自分で約款を書き換えることもできる。電力会社の同意は要らない。普段は表に出てこない条文だが、送電網という独占インフラの値札を最終的に誰が握っているのかを示している。料金改定のニュースで「電力会社が値上げした」とだけ受け取る人と、「国がどこまで介入できるのか」を問える人とでは、ニュースの読み方がまるで違う。
法的な位置づけ
電気事業法19条は、託送供給等約款の変更命令を定める規定である。供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障があると経済産業大臣が認めるとき、大臣は一般送配電事業者に期限を定めて変更認可の申請を命じ、期限内に申請がなければ職権で約款等を変更できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書の対象と期限を特定する 変更命令が届いたら、対象が18条1項の託送供給等約款か、18条2項ただし書の供給条件かを確認し、命令で定められた「相当の期限」を社内で共有する
- 2.要件該当性を数値で検証する 「社会的経済的事情の変動により著しく不適当」「公共の利益の増進に支障」という要件に当たるかを、費用実績・需要見通し・他地域比較のデータで検証する。弁明の機会がある場合は、この分析を基に意見を述べる
- 3.期限内に自社案で変更認可を申請する 大臣による職権変更(19条2項)を避けるため、期限内に自社で設計した変更案で認可申請を行う。申請が遅れると約款の内容を決める主導権が国へ移る
- 4.不服があれば争訟手段を検討する 命令そのものや職権変更に不服がある場合、審査請求または取消訴訟の期限を確認し、弁護士と争訟方針を決める
よくある質問 AI による整理
Q1託送供給等約款とは何ですか?
一般送配電事業者が送電網を他の事業者に使わせる際の料金や条件を定めた約款です。電気事業法18条に基づき経済産業大臣の認可を受けて効力を持ちます。
Q2託送料金 変更命令 できる?
できます。電気事業法19条1項により、約款が著しく不適当で公共の利益の増進に支障があると認めるとき、経済産業大臣が変更認可の申請を命じられます。
Q3変更命令に従わないとどうなる?
命令で定めた期限までに申請しなければ、19条2項により経済産業大臣が自ら約款や供給条件を変更できます。変更内容は3項により事業者に通知されます。
Q4託送料金は誰が決めている?
一般送配電事業者が約款を作成し、経済産業大臣の認可を受けて決まります(電気事業法18条)。条件が不適当になれば19条で国が変更を命じられます。
Q5電力自由化で送電料金も自由になった?
なっていません。自由化されたのは発電と小売で、送配電は地域独占のまま約款の認可制です。新電力の料金も同じ託送料金を土台にしています。
Q6託送料金 値上げ 違法?
認可を受けた約款に基づく値上げは原則として適法です。ただし約款が社会経済事情の変動で著しく不適当になれば、国が19条で変更を命じる余地があります。
Q7変更命令の要件は何ですか?
供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、かつ公共の利益の増進に支障があると経済産業大臣が認めることです。両方の要件が必要です。
Q8変更命令に不服がある場合はどうする?
審査請求(原則として処分を知った日の翌日から3か月以内)または取消訴訟(処分を知った日から6か月以内)を検討します。最新の改正状況をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電気代が上がりすぎてる気がするんだけど、国に『約款を変えさせて』って頼めるの?
電気事業法19条は、大臣が職権で命令を出す仕組みであり、個人の申立権は条文上定められていない。ただし、約款の認可審査や料金制度の見直しでは意見募集が行われることがある。実務のポイント:審査の場で効くのは感情的な不満ではなく、他地域の事業者との費用比較や、前提とした需要見通しのずれを数字で示す意見である。業界団体経由で出すと重みが段違いになる
Q2大臣が勝手に約款を書き換えたら、電力会社は黙って従うしかないの?
19条2項による変更は行政処分(役所が特定の相手に直接下す具体的な決定)と考えられ、審査請求や取消訴訟で争う余地がある。ただし、変更後の約款は3項の通知をもって動き出す。実務のポイント:実務では2項の職権変更まで進む前に、期限内の自主申請で決着させるのが通例とされる。職権変更に至ること自体が、規制当局との関係で大きな失点になるからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「電気料金は電力自由化で市場が決めるようになった」と考えがちだが、自由化されたのは発電と小売であり、送配電は地域独占のまま国の認可料金である。どの新電力に乗り換えても、送電網の使用料という同じ土台の上で値段が組み立てられている
- 大臣の権限は「変更を申請しろと命じる」ところまでだと思われやすいが、2項はさらに踏み込む。期限までに申請がなければ、大臣自らが約款や供給条件を変更できる。命令を無視すれば済む話ではなく、無視した瞬間に作り直す主導権が国へ移る
- 消費者から見れば「値段が高すぎるかどうか」が問題だが、法律が見ているのは「社会的経済的事情の変動により著しく不適当」かどうか、そして「公共の利益の増進に支障がある」かどうかである。単に高いというだけでは発動要件を満たさない。この視点のずれを理解しないまま行政に訴えても、議論がかみ合わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 電気事業法19条:認可済み約款が事情の変動で著しく不適当になった後の是正 | 電気事業法18条:託送供給等約款の作成・認可・届出(平時の手続) |
| 手続を始める者 | 経済産業大臣(職権による命令) | 一般送配電事業者(自ら申請・届出) |
| 事業者が従わない場合 | 期限経過後は大臣が約款等を自ら変更し、内容を通知(2項・3項) | 認可を受けない約款では託送供給ができない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も発電・售電の開放と輸配電の公営維持を分け、電力網の使用費率を主管機関が審定する。送電網料金を国が最終的に統制する点で日本と共通する
韓国は韓国電力公社の供給約款を政府が認可する仕組み。送配電と小売が一体の構造で、日本の託送約款とは制度の前提が異なる
ドイツは連邦ネットワーク庁(BNetzA)がインセンティブ規制で送配電料金の上限を定める。規制当局の権限が日本より制度的に独立している
FERC は既存料金が不当・不合理と認めれば、自ら公正かつ合理的な料金を定められる。行政による事後的な料金是正という点で本条に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方の工場で総務を担当するあなたのもとに、新電力から「託送料金の改定に伴い単価を見直します」という通知が届いた。値上げの根っこは小売会社ではなく送電網の約款にある。その約款が社会経済の変化に合わなくなった場合は、国が変更を命じる経路があると分かっていれば、業界団体を通じた意見提出という選択肢が見えてくる
- 一般送配電事業者の規制部門にいるあなたの机に、経済産業省から変更申請を求める命令書が届いたら、どうなる? 期限内に申請しなければ、大臣が約款を直接書き換え、その内容は通知されるだけになる。自社で作り直す主導権を手放すかどうかの分かれ目が、命令書に書かれた期限である
- 残り二週間で変更申請の期限が来る。社内調整が間に合わず放置すれば、19条2項で国が書き換えた約款を受け入れるしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 小売電気事業者からの値上げ通知を受け取ったら、改定の理由が託送料金によるものか、小売側の事情によるものかを問い合わせて切り分ける2. 託送料金が原因なら、電力・ガス取引監視等委員会や経済産業省の審査資料、パブリックコメントの募集状況を確認する3. 個人で本条の命令発動を求める権利は条文上定められていないため、業界団体や商工会議所を通じた意見提出が現実的な経路になる
訴えられた側:1. 命令書が届いたら、まず期限と対象(約款か、18条2項ただし書の供給条件か)を特定する2. 不利益処分に当たる場合は弁明の機会が与えられるのが原則であり(行政手続法13条)、その場で「著しく不適当」という要件を満たしていないことを数値で示す3. 期限内に自社案で変更申請を出し、大臣による職権変更を避ける4. 命令自体に不服がある場合は、審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):変更申請の期限は、大臣が命令で定める「相当の期限」による。命令に不服があるときは、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条1項)、または処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条1項、処分の日から1年を経過すると原則提起不可)を行う(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革第2弾の電気事業法改正(2016年4月施行)でライセンス制が導入され、一般送配電事業者の託送供給等約款に関する認可・変更命令の枠組みに再編された(条文の細部は e-Gov で要確認)
- 電気事業法 第18条託送供給等約款の認可と届出の原則
- 電気事業法 第17条一般送配電事業者の託送供給義務(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第17条の2託送収入見通しの承認制度(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会付与
- 行政事件訴訟法 第14条命令に対する取消訴訟の出訴期間
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