電気事業法 第35条(あつせん)
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- 電気供給事業者間において、電力の取引に係る契約その他の取決めであつて政令で定めるもの(以下この項及び次条第一項において「契約等」という。)について、一方が契約等の締結を申し入れたにもかかわらず他の一方が協議に応じず、若しくは協議が調わないとき、又は契約等の締結に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額、条件その他の細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、電力・ガス取引監視等委員会(以下この節において「委員会」という。)に対し、あつせんを申請することができる。ただし、当事者が第二十五条第二項(第二十七条の十二の十三及び第三十二条において準用する場合を含む。)の規定による裁定の申請又は次条第一項の規定による仲裁の申請をした後は、この限りでない。
- 2.委員会は、事件がその性質上あつせんをするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあつせんの申請をしたと認めるときを除き、あつせんを行うものとする。
- 3.委員会によるあつせんは、委員会の委員その他の職員(委員会があらかじめ指定する者に限る。次条第三項において同じ。)のうちから委員会が事件ごとに指名するあつせん委員が行う。
- 4.あつせん委員は、当事者間をあつせんし、双方の主張の要点を確かめ、事件が解決されるように努めなければならない。
- 5.あつせん委員は、当事者から意見を聴取し、又は当事者に対し報告を求め、事件の解決に必要なあつせん案を作成し、これを当事者に提示することができる。
- 6.あつせん委員は、あつせん中の事件について、当事者が第二十五条第二項(第二十七条の十二の十三及び第三十二条において準用する場合を含む。)の規定による裁定の申請又は次条第一項の規定による仲裁の申請をしたときは、当該あつせんを打ち切るものとする。
この条文の基本情報
あつせんとは何ですか?
定義あつせんとは、電気事業法第35条に定められた規定で、「電気供給事業者間において、電力の取引に係る契約その他の取決めであつて政令で定めるもの(以下この項及び次条第一項において「契約等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第35条(あつせん)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第35条の条文原文は「電気供給事業者間において、電力の取引に係る契約その他の取決めであつて政令で定めるもの(以下この項及び次条第一項において「契約等」という。」で始まります。
- 電気事業法第35条は第八節 あつせん及び仲裁に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第35条の前の条は電気事業法第34条の2です。
- 電気事業法第35条の次の条は電気事業法第36条です。
- 電気事業法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法35条は、電気供給事業者間の政令で定める電力取引契約について協議不調時に電力・ガス取引監視等委員会へあっせんを申請できると定める。あっせん案に拘束力はない。
Q · 大手電力が交渉に応じてくれないとき、新電力は裁判以外に何ができるの?
監視委員会へあっせん申請できるが、あっせん案に拘束力はない
電気事業法35条により、電気供給事業者間の政令で定める契約等について、相手が協議に応じない、協議が調わない、または金額・条件等の細目で合意できないとき、電力・ガス取引監視等委員会にあっせんを申請できます。あっせん委員は意見聴取や報告徴収を行い、あっせん案を提示できますが、受諾は当事者の任意です。また、当事者が25条2項の裁定または36条1項の仲裁を申請した後は申請できず、進行中のあっせんも打ち切られます(同条1項ただし書・6項)。
解説
大手の一般送配電事業者や旧一般電気事業者を相手にする新電力にとって、最大の弱みは「交渉のテーブルに着いてもらえないこと」である。電気事業法35条は、その弱みを埋めるために置かれた出口だ。電力の取引に関する契約その他の取決めのうち政令で定めるもの(以下「契約等」)について、相手が協議に応じない、協議がまとまらない、あるいは金額や条件の細目で折り合わない。このいずれかに当たれば、裁判所ではなく電力・ガス取引監視等委員会(電力市場の公正さを監視する経済産業省の専門機関)に「あっせん」(中立の第三者が間に入り、話し合いでの解決を手助けする手続)を申請できる。あっせん委員は双方の意見を聴き、報告を求め、あっせん案を作って提示できる。ただし、あっせん案に強制力はない。それでも、市場の監視役が当事者のやり取りを直接見るという事実そのものが、相手の交渉姿勢を変える。もう一点見落とされやすいのが、相手が25条2項の裁定または36条の仲裁を申請した時点で、あっせんは打ち切られる(6項)という仕組みだ。どの手続を、どの順番で使うか。それを最初に決めた側が主導権を握る
法的な位置づけ
電気事業法35条は、電気供給事業者間における電力取引の契約等をめぐる紛争について、電力・ガス取引監視等委員会によるあっせん手続を定める規定である。協議拒否、協議不調または細目不調を申請要件とし、委員会が指名するあっせん委員があっせん案を提示できるが、その受諾は当事者の任意に委ねられる。裁定・仲裁の申請があれば手続は打ち切られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.交渉経過を時系列で整理する 申入れの日付、相手方の回答または無回答、争点となる金額・条件を一覧化し、協議拒否・協議不調・細目不調のいずれに当たるかを特定する
- 2.対象となる「契約等」か確認する 争点の契約が電気事業法施行令で定める電力取引の契約等に当たるか、当事者双方が電気供給事業者かを確認する
- 3.最終申入れ書面であっせん申請を予告する 回答期限を示し、期限までに協議が進まない場合は電気事業法35条に基づくあっせんを申請する旨を書面で通知する
- 4.委員会へあっせんを申請する 相手方が裁定や仲裁を先に申請する前に、電力・ガス取引監視等委員会へ申請する。協議を尽くした記録を添え、不当目的の申請と見られないようにする
- 5.あっせん案への対応と次の手続を決める 提示されたあっせん案の受諾可否を社内で判断する。不調の場合に備え、仲裁・裁定・訴訟へ移行できるよう証拠を保全し、時効管理も並行する
よくある質問 AI による整理
Q1電力・ガス取引監視等委員会のあっせんとは?
電気事業法35条に基づき、委員会が指名したあっせん委員が電気供給事業者間の取引紛争の話し合いを仲介する手続です。あっせん案に強制力はありません。
Q2電力取引のあっせん 申請できるのは誰?
電気供給事業者間の当事者に限られます。一般家庭や需要家企業と小売電気事業者の料金トラブルは本条の対象外です。
Q3あっせん 申請 費用はかかる?
本条には申請手数料の定めはありません。具体的な申請方法や必要書類は電力・ガス取引監視等委員会の案内で確認してください(要確認)。
Q4あっせんが不調に終わったらどうなる?
あっせんは打ち切られ、拘束力のある判断は出ません。その後は36条の仲裁、25条2項の裁定、または訴訟を検討することになります。
Q5あっせん 断られることはある?
あります。事件の性質上あっせんに適さない場合や、不当な目的でみだりに申請したと認められる場合、委員会はあっせんを行いません(35条2項)。
Q6あっせん中に仲裁を申請するとどうなる?
当事者が36条1項の仲裁または25条2項の裁定を申請すると、あっせん委員は進行中のあっせんを打ち切ります(35条6項)。
Q7新電力 大手電力 交渉拒否 違法?
協議拒否それ自体を直ちに違法とする規定ではありませんが、35条はこれをあっせん申請の要件としており、監視機関の関与を招く入口になります。
Q8電力取引のあっせん 対象になる契約は?
電力の取引に係る契約その他の取決めのうち政令で定めるものに限られます。具体的な範囲は電気事業法施行令で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1あっせんって、委員会が結論を出してくれるんですか?
出ない。あっせん委員は双方の意見を聴いてあっせん案を作成・提示できるが(35条5項)、受け入れるかどうかは当事者の自由である。拘束力のある結論が欲しければ36条の仲裁などに進むことになる。実務のポイント:結論の強さよりも、監視機関の担当者が双方の言い分を直接聴くという過程に意味がある。この場で無理な主張を続けると、相手方は不利な印象を残すことを恐れるため、あっせん案が出る前に歩み寄りが起きることがある
Q2申請したら相手に門前払いされることってありますか?
委員会の側で受けないケースが2項に定められている。事件の性質があっせんに向かない場合と、不当な目的でみだりに申請したと認められる場合である。また、相手が25条2項の裁定や36条の仲裁を申請すれば、あっせんは打ち切られる(6項)。実務のポイント:交渉材料にするためだけの見せかけの申請は2項で弾かれうる。申請前に、協議を尽くした記録をそろえておくことが、受理されるための最低条件になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「あっせんを申請すれば委員会が白黒をつけてくれる」と考えるのは誤りである。あっせん案はあくまで提示にとどまり、当事者が受け入れなければ拘束力はない。拘束力のある判断が欲しいなら、36条の仲裁や25条の裁定、あるいは訴訟を検討する必要がある。期待を取り違えたまま申請すると、時間だけを失う
- あっせんは「弱い手続」と軽く見られがちだが、それは視点が一面的である。申請する側から見れば話し合いの場にすぎない。しかし申請された側から見ると、市場を監視する機関に自社の交渉態度が記録として残ることを意味する。協議拒否の姿勢が別件の監視・調査の文脈で参照されるリスクを、相手は計算せざるを得ない(委員会が実際にどう参照するかは個別判断による)
- 「どんな電力取引の争いでも持ち込める」というのは、問いの立て方が間違っている。対象は電気供給事業者どうしの、しかも政令で定める「契約等」に限られる。一般家庭や需要家企業と小売電気事業者の料金トラブルは本条の対象外であり、消費者相談窓口や別の手続を探すことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 35条あっせん:話し合いの仲介 | 36条仲裁:委員会による仲裁判断 25条2項:裁定 |
| 結論の拘束力 | なし(あっせん案の受諾は任意) | あり(仲裁判断) あり(裁定) |
| 他手続との関係 | 裁定・仲裁の申請があれば申請不可、進行中でも打ち切り | 申請によりあっせんを打ち切らせる 申請によりあっせんを打ち切らせる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も2017年改正で電業の自由化と管制機関による監理を進めたが、日本の35条に相当する事業者間あっせん規定の有無・条番号は要確認
ドイツでは規制機関(BNetzA)が網利用者の申立てにより系統運用者の行為を審査する。日本のあっせんより強い、拘束力ある判断に近い
フランスは CRE 内の CoRDiS が系統アクセス等の紛争を裁定する。拘束力ある決定を出す点で日本のあっせんより強い
米国 FERC は代替的紛争解決(ADR)の枠組みを設け、任意の調停・仲介を提供する。任意性の点で日本のあっせんに近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相手の一般送配電事業者に接続条件の見直しを三回申し入れたのに、毎回「社内で検討中」と返されるだけで期日も示されないとしたら、どうなる? 「協議に応じず」に当たる可能性があり、35条のあっせん申請の入口に立てる。やり取りの日付と文面を時系列で整理しておくことが、申請書の骨格になる
- あなたは旧一般電気事業者の契約担当者である。新電力から卸供給の単価を引き下げるよう迫られ、検討を後回しにしていたところ、委員会から「あっせんの申請があった」という連絡が届いた。参加が強制されるわけではないが、監視機関の目の前で協議を拒み続けた記録が残ることになる
- 自治体出資の地域新電力。電源調達契約の更新交渉が決裂したまま、現行契約の期限まであと45日しかない。訴訟では到底間に合わない。あっせんで暫定条件を引き出せるかどうかが、需要家への供給を守れるかどうかの分かれ目になる
- あっせんが進んでいる最中に、相手が突然36条の仲裁を申請してきた。その瞬間、あっせんは打ち切られる。
- 自家発電設備の余剰電力を小売電気事業者に売る契約で、インバランス(計画値と実績のずれ)の精算条件だけがどうしても合意できない。契約全体は合意済みで細目だけが対立している場合も、1項の「金額、条件その他の細目」としてあっせんの対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 申入れの日付、相手の回答(または無回答)、争点となる金額や条件を時系列で一覧にする2. 争点が政令で定める「契約等」に当たるかを電気事業法施行令で確認する3. 最後通告の書面であっせん申請の可能性を明示する4. 相手が裁定や仲裁を先に申請する前に委員会へ申請する5. あっせん案に強制力はないため、不調に終わった場合に仲裁や訴訟へ移ることも見据え、証拠を手放さない
訴えられた側:1. 協議拒否と受け取られる対応(無回答、無期限の検討中)を直ちにやめ、検討期限を書面で示す2. 相手の要求に合理性がない場合は、根拠となる原価や技術的制約を資料として整える3. 拘束力のある判断を得る方が有利だと見るなら、36条の仲裁や25条2項の裁定を検討する。ただし、あっせんを打ち切らせる目的と受け取られれば監視機関の心証を損なうおそれがある点に注意する
時効(請求できる期限):本条に特定の期限はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。あっせん申請そのものに時効の完成猶予の効果があるとは本条に規定されていない(要確認)。時効が近い場合は、民法151条の協議を行う旨の書面合意など別の手当てを並行して行うこと(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正(要確認) 電力システム改革に伴い電力・ガス取引監視等委員会(当初は電力取引監視等委員会)が設置され、事業者間紛争のあっせん・仲裁の枠組みが整備されたとみられる。新設か既存条文の改正か、施行日を含めて人による検証が必要
- 電気事業法 第36条委員会による仲裁、あっせんの上位手続
- 電気事業法 第25条裁定申請があればあっせんは打ち切り
- 電気事業法 第2条電気供給事業者等の定義規定
- 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律 第3条裁判外紛争解決の基本理念(通称 ADR 法)
- 民法 第151条協議合意による時効の完成猶予
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