電気事業法 第25条(特定送配電事業者に対する協議の求め)
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- 一般送配電事業者は、一般送配電事業を行うために電線路が新たに必要となる場合であつて、当該電線路を設置したならばその供給区域内の電気の使用者の利益を著しく阻害するおそれがあり、かつ、これを防止するため当該一般送配電事業者が特定送配電事業者から託送供給を受けて一般送配電事業を行う必要があると認めるときは、当該特定送配電事業者に対し、当該一般送配電事業者に託送供給を行うことにつき協議を求めることができる。
- 2.前項の協議をすることができず、又は協議が調わないときは、当事者は、経済産業大臣の裁定を申請することができる。ただし、当事者が第三十六条第一項の規定による仲裁の申請をした後は、この限りでない。
- 3.経済産業大臣は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。
- 4.経済産業大臣は、第二項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
- 5.第二項の裁定があつたときは、その裁定の定めるところに従い、当事者間に協議が調つたものとみなす。
この条文の基本情報
特定送配電事業者に対する協議の求めとは何ですか?
定義特定送配電事業者に対する協議の求めとは、電気事業法第25条に定められた規定で、「一般送配電事業者は、一般送配電事業を行うために電線路が新たに必要となる場合であつて、当該電線路を設置したならばその供給区域内の電気の使用者の利益を著しく阻害する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第25条(特定送配電事業者に対する協議の求め)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第25条の条文原文は「一般送配電事業者は、一般送配電事業を行うために電線路が新たに必要となる場合であつて、当該電線路を設置したならばその供給区域内の電気の使用者の利益を著しく阻害する…」で始まります。
- 電気事業法第25条は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第25条の前の条は電気事業法第24条です。
- 電気事業法第25条の次の条は電気事業法第26条です。
- 電気事業法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法25条は、一般送配電事業者が電線路新設による使用者利益の著しい阻害を防ぐため、特定送配電事業者に託送供給の協議を求められると定める。不調なら経済産業大臣の裁定を申請できる。
Q · 大手の送配電会社から「自営線で託送してほしい」と言われたら、断れるの?
断れるが、決裂すれば大臣の裁定で合意成立とみなされる
電気事業法25条1項により、一般送配電事業者は一定の要件のもとで特定送配電事業者に託送供給の協議を求めることができます。協議に応じない、または協議が調わない場合、当事者は経済産業大臣の裁定を申請でき(2項)、裁定があればその内容に従って協議が調ったものとみなされます(5項)。ただし、36条1項の仲裁を先に申請した後は裁定を申請できません(2項ただし書)。
解説
電力の世界では、地域の電線網を独占する大手の一般送配電事業者(東京電力パワーグリッドや関西電力送配電など)が、小さな特定送配電事業者(再開発エリアや工業団地で自前の電線を持つ事業者)に「あなたの線を貸してくれ」と頭を下げる場面がある。電気事業法25条はその場面のための条文だ。前提として、大手が新しい電線を引く必要が生じていること、そしてその線を引けば供給区域内の電気の使用者の利益を著しく損なうおそれがあることが要る。典型は、同じ道路の下に電線が二重に埋まり、その費用が託送料金(電線の利用料。最終的に電気料金に含まれる)として全員の請求書に跳ね返る事態だ。この二つがそろえば、大手は特定送配電事業者に託送供給(他社の電線で電気を運んでもらうこと)の協議を申し入れられる。話がまとまらなければ経済産業大臣の裁定を申請でき、裁定が出れば「協議が調った」ものとみなされる(5項)。つまり、自前の電線網は「交渉で断れば済む私有財産」では終わらない。最後は大臣の判断で契約が成立した扱いになる。ただし、先に36条1項の仲裁を申請していれば裁定の道はない(2項ただし書)。どちらの手続を先に選ぶかが、あとの選択肢を左右する。
法的な位置づけ
電気事業法25条は、一般送配電事業者が特定送配電事業者に対して託送供給の協議を求める権利と、その協議が不調に終わった場合の経済産業大臣による裁定手続を定める規定である。要件は電線路の新設の必要性、使用者の利益を著しく阻害するおそれ、託送供給を受ける必要性の三つであり、裁定には協議成立と同一の効果が付与される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申入れ書の要件充足を確認する 一般送配電事業者からの協議申入れ書が、電線路新設の必要性、使用者の利益を著しく阻害するおそれ、託送供給を受ける必要性の三要件を具体的に主張しているかを確認する
- 2.自社設備と原価を数値化する 自営線の空き容量、保安上の制約、託送に伴う追加コストと原価を数字で整理し、協議や答弁書で使える技術資料を準備する
- 3.条件案を提示して協議する 拒否ではなく、託送料金、期間、運用ルール、事故時の責任分担を含む条件案を自ら提示し、協議の経緯を書面で記録する
- 4.裁定・仲裁の選択と答弁書提出 協議不調の場合、裁定と36条1項の仲裁のどちらを使うかを決める。仲裁を先に申請すると裁定は申請できない。裁定申請の通知を受けたら、指定期間内に技術資料を添えた答弁書を提出する
よくある質問 AI による整理
Q1特定送配電事業者とは何ですか?
自ら維持・運用する送電用・配電用の電気工作物で、特定の供給地点に電気を送る事業者です。再開発エリアや工業団地の自営線網が典型例です。
Q2託送供給とは何ですか?
他の事業者が保有する電線路を使って電気を運んでもらう供給形態です。電線の利用対価は託送料金として支払われ、最終的に電気料金に反映されます。
Q3電気事業法25条の協議はどんな場合に求められますか?
電線路の新設が必要で、それを設置すると使用者の利益を著しく阻害するおそれがあり、防止のため託送供給を受ける必要がある場合に限られます。
Q4経済産業大臣の裁定が出たらどうなりますか?
裁定の定めるところに従い、当事者間に協議が調ったものとみなされます(25条5項)。合意したのと同じ扱いで託送供給の関係が成立します。
Q5裁定申請を受けた側は何をすればいいですか?
経済産業大臣から申請の通知が届き、指定された期間内に答弁書を提出する機会が与えられます(3項)。設備容量や原価などの資料を添えるのが実務的です。
Q6電気事業法25条の裁定に不服がある場合はどうする?
行政処分として取消訴訟で争う道が考えられますが、裁定の処分性や出訴期間は個別に確認が必要です。早めに弁護士へ相談してください。
Q7自営線で地域マイクログリッドを作ると25条の対象になりますか?
特定送配電事業者に当たる設備であれば、将来一般送配電事業者から協議を求められる可能性があります。事業類型の該当性は個別に確認が必要です。
Q8電線の二重投資は電気代に影響しますか?
一般送配電事業者の設備投資は託送料金を通じて電気料金に反映されるため、重複投資は区域内の使用者全体の負担につながり得ます。25条はこれを防ぐ仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちが持ってる電線、大手に貸せって言われても断ればいいんですよね?
協議を断ることはできます。ただし、協議が成立しなければ相手は経済産業大臣に裁定を申請でき、裁定が出れば協議が調ったものとみなされます(電気事業法25条2項・5項)。実務のポイント:裁定までもつれると条件は大臣の判断になるため、実務では裁定申請をちらつかせた段階で事業者側が条件交渉に切り替えることが多いと言われます。早めに条件案を出したほうが手元に残る利益は大きい
Q2裁定と仲裁って、どっちを使えばいいんですか?
どちらも協議が成立しないときの解決手段ですが、両立はしません。36条1項の仲裁を先に申請すると、裁定は申請できなくなります(25条2項ただし書)。実務のポイント:裁定は行政が判断するため結論の予測がつきやすい一方、仲裁は当事者の事情に合わせて柔軟に組みやすいと評価されることがあります。ただ、どちらが有利かは事案次第で、決まった定石はありません。申請書を出す前に方針を固めておくべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 「自前で敷いた電線なのだから、貸すかどうかは自社の自由」と考えるのは自然だが、法律の見方は違う。託送を引き受けた設備は、地域の電気の使用者全体の利益と結び付いたインフラとして扱われる。協議が決裂すれば大臣の裁定が合意の代わりになる。所有者から見た「拒否権」は、法律上は「交渉条件を出す権利」程度にまで薄まっている
- 協議の申入れは大手の都合で一方的にできる、という理解も浅い。条文は、電線路の新設が必要になること、その設置が使用者の利益を「著しく」阻害するおそれがあること、それを防ぐために託送を受ける必要があること、の三段階を要件にしている。「安く済むから」程度では足りない。どの水準なら「著しく」にあたるかは事案ごとの判断で、確立した基準があるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 電気事業法25条:一般送配電事業者が特定送配電事業者に託送供給の協議を求め、不調時は大臣裁定 | 電気事業法36条1項:協議不調時の仲裁手続(申請後は25条の裁定不可) 電気事業法2条:一般送配電事業・特定送配電事業・託送供給の定義 |
| 紛争解決の主体 | 経済産業大臣による裁定 | 仲裁(手続の詳細は同条で要確認) 該当なし(定義規定) |
| 効果 | 裁定の定めるところに従い協議が調ったものとみなす(5項) | 仲裁判断による解決(効果の詳細は同条で要確認) 本条の適用対象となる事業者の範囲を画定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の電業法は輸配電業者に電力網の公平な開放と代輸を求める構造をとる。日本の25条とは協議を求める方向(大手から小規模事業者へ)が異なる点に注意
ドイツは系統運営者に第三者の系統アクセスを認めさせる規制型アクセスが基本。協議と行政裁定の二段構えをとる日本の25条とは仕組みが異なる
米国では FERC が送電事業者に送電サービスの提供を命じることができる。行政機関の判断で託送関係を強制的に成立させる点で25条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 郊外の大型再開発エリアで、デベロッパー系の特定送配電事業者が自営線を敷いて街区に電気を供給している。隣接地区の需要が増え、一般送配電事業者が新しい線を同じルートに引こうとした。道路を再び掘り返す工事費と二重投資を避けるため、一般送配電事業者は25条に基づいて「既存の自営線で託送してほしい」と協議を申し入れてきた
- 特定送配電事業者の担当者として協議の申入れ書を受け取ったら、どう返すべきか? 断れば相手は経済産業大臣の裁定を申請できる。裁定が出れば合意が成立したものとみなされ、条件も大臣が決めることになる。突っぱねるより、料金と運用条件を自分から提案したほうが手元に残る利益は大きい
- 裁定申請の通知が経済産業省から届き、答弁書の提出期間は大臣が指定した期限まで。設備の容量や保安上の制約、託送原価を数字で示せなければ、相手の主張だけが記録に残る
取るべき行動
被害を受けた側:(協議を申し入れられた特定送配電事業者の場合)1. 申入れ書が三つの要件(新設の必要、使用者の利益を著しく阻害するおそれ、託送の必要性)を具体的に主張しているか確かめる2. 自社設備の空き容量、保安上の制約、託送原価を数字で整理する3. 拒否ではなく、料金、期間、運用ルールを含む条件案を出す4. 裁定申請の通知が届いたら、指定期間内に技術資料を添えた答弁書を出す(3項)
訴えられた側:(協議を申し入れる一般送配電事業者の場合)1. 新設した場合の工事費、託送料金への影響、工事に伴う停電などを定量化し、「著しい阻害」を立証する材料にする2. 協議の経緯(申入れ日、回答、決裂理由)を書面で残す3. 裁定と仲裁のどちらを使うかは、先に仲裁を申請すると裁定が使えなくなる点(2項ただし書)を踏まえて決める4. 裁定後は、その内容に沿った託送の実施体制をすぐに整える
時効(請求できる期限):本条に固有の時効や申請期限はない。答弁書は経済産業大臣が指定する期間内に提出する必要がある(3項)。裁定に不服がある場合の争い方(行政事件訴訟法の取消訴訟は処分を知った日から6か月、同法14条)は、裁定の処分性を含め実務上の確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)
- 電気事業法 第2条一般送配電事業・特定送配電事業・託送供給の定義
- 電気事業法 第36条仲裁申請後は裁定を申請できない排他関係
- 電気事業法 第18条託送供給等約款による条件規律(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第3条一般送配電事業の許可制(現行効力を要確認)
- 行政事件訴訟法 第3条裁定を争う抗告訴訟の枠組み(処分性は要確認)
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