電気事業法 第61条(植物の伐採又は移植)
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- 電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が電気事業の用に供する電気工作物に関する測量若しくは実地調査若しくは電気事業の用に供する電線路に関する工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、経済産業大臣の許可を受けて、その植物を伐採し、又は移植することができる。
- 2.電気事業者は、前項の規定により植物を伐採し、又は移植しようとするときは、あらかじめ、植物の所有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採又は移植の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。
- 3.電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼしている場合において、その障害を放置するときは、電線路を著しく損壊して電気の供給に重大な支障を生じ、又は火災その他の災害を発生して公共の安全を阻害するおそれがあると認められるときは、第一項の規定にかかわらず、経済産業大臣の許可を受けないで、その植物を伐採し、又は移植することができる。この場合においては、伐採又は移植の後、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければならない。
- 4.第五十八条第三項の規定は、第一項の許可の申請があつた場合に準用する。
この条文の基本情報
植物の伐採又は移植とは何ですか?
定義植物の伐採又は移植とは、電気事業法第61条に定められた規定で、「電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が電気事業の用に供する電気工作物に関する測量若しくは実地調査…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第61条(植物の伐採又は移植)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第61条の条文原文は「電気事業者は、植物が電気事業の用に供する電線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が電気事業の用に供する電気工作物に関する測量若しくは実地調査…」で始まります。
- 電気事業法第61条は第四章 土地等の使用に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第61条の前の条は電気事業法第60条です。
- 電気事業法第61条の次の条は電気事業法第62条です。
- 電気事業法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法61条は、植物が電線路に障害を及ぼしやむを得ないとき、電気事業者が経済産業大臣の許可を得て伐採・移植できると定める。緊急時は許可不要で事後に届出と通知が必要。
Q · 電線にかかった庭の木、電力会社は所有者の同意なしで切れるの?
大臣の許可があれば切れる。緊急時は許可なしでも切れる
電気事業法61条1項により、植物が電線路に障害を及ぼす(またはそのおそれがある)場合でやむを得ないときは、電気事業者は経済産業大臣の許可を受けて伐採・移植できます。原則として所有者への事前通知が必要です(同条2項)。さらに放置すれば電線路の著しい損壊や火災等で公共の安全を害するおそれがある場合は、許可なしで伐採でき、事後に大臣への届出と所有者への通知が義務付けられます(同条3項)。
解説
庭の柿の木でも裏山の杉でも、枝が電線にかかった時点で、その木をどうするかを所有者だけでは決められなくなる。電気事業法61条は、電力会社などの電気事業者に権限を与えている。植物が電線路に障害を及ぼしている、またはそのおそれがあり、やむを得ない場合、経済産業大臣の許可(役所が個別に出す正式な承認)を受ければ、その植物を伐採または移植できる。手順は決まっている。原則として所有者には事前に通知しなければならない。許可申請では58条3項が準用され、所有者側にも手続に関わる機会がある。例外は3項の緊急ルートである。放置すれば電線路が著しく壊れる、または火災などで公共の安全が損なわれるおそれがあれば、許可なしで切れる。ただし事後に大臣への届出と所有者への通知が必須になる。黙って切られたときは、まずどのルートで切ったのかを確認する。交渉はそこから始まる。
法的な位置づけ
電気事業法61条は、電気事業者による植物の伐採・移植を定める規定である。植物が電線路に障害を及ぼす場合等でやむを得ないときは経済産業大臣の許可を要件とし、原則として所有者への事前通知を義務付ける。電線路の著しい損壊や公共の安全を阻害するおそれがある緊急時には許可を要さず伐採等ができ、事後の届出と通知により手続の透明性を確保する。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法61条とは?
電線路に障害を及ぼす植物を、電気事業者が経済産業大臣の許可を受けて伐採・移植できると定めた規定です。緊急時は許可なしでの伐採も認められます。
Q2電線に木の枝がかかったら誰が切る?
電線路側の対応は電気事業者が行うのが通常です。任意の協議で済まない場合、61条により大臣許可を得て伐採・移植する道があります。
Q3電力会社の伐採 事前通知は必要?
原則必要です(61条2項)。ただし事前通知が困難なときは、伐採・移植の後に遅滞なく通知すれば足りるとされています。
Q4電力会社 木 伐採 許可なしでできる?
できる場合があります。放置すると電線路の著しい損壊や火災等のおそれがあると認められるときは、3項により大臣許可なしで伐採できます。
Q5緊急伐採のあと電力会社は何をする義務がある?
伐採・移植の後、遅滞なく経済産業大臣に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければなりません(61条3項後段)。
Q6電線にかかる木を放置すると責任を問われる?
倒木で電線を損壊させた場合、竹木の栽植・支持の瑕疵として民法717条2項に基づき損害賠償を請求される可能性があります。
Q7伐採ではなく移植を求めることはできる?
条文上、伐採と移植は並列の選択肢です。任意交渉の段階で移植で足りる理由を示し、移植費用の負担を含めて提案するのが現実的です。
Q8大臣許可の申請に所有者は関われる?
61条4項により58条3項が許可申請に準用され、所有者側にも手続に関わる機会があります。具体的な内容は条文で確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電力会社に木を切らせてほしいって言われたけど、断ってもいいの?
任意の打診の段階であれば、断ることはできる。ただし、植物が電線路に障害を及ぼしていて、やむを得ないと認められれば、電気事業者は経済産業大臣の許可を受けて伐採または移植ができる(電気事業法61条1項)。実務のポイント:実務では、大臣許可まで進む案件は多くなく、大半は任意交渉で決着するとされる。所有者が条件を引き出せるのは、事実上この任意交渉の間だけである
Q2留守の間に勝手に切られてて、通知は後から来た。これって違法じゃないの?
必ずしも違法ではない。61条2項ただし書は、事前の通知が困難な場合に事後の通知を認めている。3項は、電線路の著しい損壊や火災などのおそれがあれば、許可なしでの伐採を認めている。ただし3項の場合、事後に大臣への届出と所有者への通知が必須である。実務のポイント:争点は「切ったこと」ではなく、緊急性の判断とその記録である。届出の有無と日付を確認すると、相手の手続の甘さが見えることがある
Q3切られた木のお金って払ってもらえるの?
電気事業法には、土地の使用や植物の伐採などで生じた損失を補償する規定が置かれている(条番号は現行法で要確認)。補償の中心は、樹木の価値や移植費用など客観的に算定できる損失だと解される。実務のポイント:記念樹への思い入れのような主観的な価値は、補償では評価されにくい。伐採前の交渉で、植え替え費用や代わりの木の提供を条件として書面にしておく方が、事後に補償を請求するより実を取りやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の土地の木なのだから、所有者の同意がなければ一本も切れない」と思われがちだが、そうではない。やむを得ない場合は大臣の許可によって、緊急時は許可なしで、所有者の同意がなくても伐採または移植が認められている
- あなたにとっては思い出の記念樹でも、61条から見れば、電気の供給と火災防止を脅かしかねない障害物である。要件の判断で景観や思い入れは中心にならない。この差を知らずに「切らせない」一本で押し通すと、交渉の席そのものを失う。現実的な交渉材料は「どう切るか」「移植で足りないか」「いくら補償するか」である
- 「許可を取らずに切ったのだから違法だ」という問いの立て方そのものが間違っている。3項の緊急ルートでは許可は要らない。問うべきなのは、緊急性の要件を本当に満たしていたか、事後の届出と通知が遅滞なく行われたかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が切るか | 電気事業法61条:電気事業者 | 民法233条:越境された土地の所有者(一定の場合) 民法717条:切る規定ではなく、竹木所有者の賠償責任 |
| 対象となる状況 | 植物が電線路に障害を及ぼす・おそれがある、測量・工事に支障がある | 隣地の竹木の枝が境界線を越えている 竹木の栽植・支持の瑕疵で他人に損害が生じた |
| 必要な手続 | 原則:大臣許可+事前通知/緊急時:許可不要、事後届出+通知 | 竹木所有者への催告等(要件は条文で確認) 手続なし。損害賠償請求の根拠 |
| 所有者の打ち手 | 任意交渉で範囲・移植・補償を詰める、根拠条項と届出日を照会 | 自ら切除する前に要件充足を確認 定期的な手入れで瑕疵を作らない |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも電業者が線路の安全を妨げる植物の剪除・移植を行える規定があり、所有者への通知と補償が論点となる。条番号は現行法で要確認
フランスでは送配電線のための公益地役(servitude)として、導線に支障を及ぼす樹木の剪定・伐採が認められ、損害には補償が予定されている
米国では送電事業者に植生管理の義務を課す信頼度基準として整備され、伐採権限自体は各州法や地役権(easement)契約に依存する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実家の山の杉が、知らないうちに数本切り倒されていたらどうなるか。手元に届いたのは事後の通知書一枚である。3項の緊急ルートなら、許可なしで切ること自体は適法になりうる。ただし大臣への届出と遅滞ない通知が条件である。まず「何条何項に基づく伐採か」を書面で問う
- あなたが20年前に植えたケヤキの枝が配電線に触れ、電力会社から「伐採させてほしい」と打診が来た。この段階なら断れる。しかし、やむを得ない状況と判断されれば、大臣の許可によって切られる道が残っている。伐採範囲、移植の可否、補償額といった条件を引き出せるのは、任意交渉の今だけである
- 台風上陸まであと2日。電線にもたれかかった竹を、作業員が許可なしで切り始めた。3項の要件を満たすなら止められない
- 近所の人から「電力会社が勝手に木を切った、訴えたい」と相談された。確認するのは三点で、大臣許可の有無、通知の時期、緊急性の判断理由である。切ったことが適法でも、損失補償の問題は別に残る。怒りをぶつける前に、確認する順番を整理するのが先である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 伐採後すぐに、切り株と現場の状況を写真で記録し、本数と樹種を控える2. 電気事業者に書面で照会する。根拠が61条1項(大臣許可)か3項(緊急)か、許可日または大臣への届出日はいつか3. 事前の通知がなかった場合は、2項ただし書の「事前に通知することが困難なとき」に当たるかを確認する4. 損失補償の請求を検討する。要件を外れた伐採であれば、民法709条による損害賠償も視野に入れる。所管する経済産業省(地方の経済産業局等)への照会も有効である
訴えられた側:1. 指摘された木と電線の位置関係を自分でも撮影し、障害が本当にあるのか、どの程度かを確認する2. 任意の伐採に応じる場合は、伐採範囲、方法、費用負担、補償額を書面にしてから承諾する3. 移植で足りる木なら移植を提案する(条文上も伐採と移植は選択肢として並んでいる) 4. 大臣許可の申請に進んだ場合は、所有者として意見を述べる機会を逃さない5. 木を放置して倒木で電線を損壊させると、民法717条2項(竹木の栽植・支持の瑕疵)に基づいて損害賠償を請求されることがある
時効(請求できる期限):61条自体に特定の時効はない。一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。違法な伐採として不法行為を主張する場合は、損害および加害者を知った時から3年、伐採の時から20年である(民法724条)。大臣の許可を行政不服審査法で争う場合、審査請求期間は処分があったことを知った日の翌日から3か月である(審査請求ができるかどうかは個別に要確認)
- 電気事業法 第2条「電気事業者」の定義規定
- 電気事業法 第58条1項許可申請に準用される手続規定
- 民法 第233条越境竹木の枝切除の私人間一般ルール
- 民法 第717条竹木の瑕疵による所有者の賠償責任
- 民法 第709条違法な伐採に対する損害賠償の根拠
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