電気事業法 第98条(業務)
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- 卸電力取引所は、次に掲げる業務を行うものとする。
- 一電気事業者に対する電力の卸取引の機会の拡大及び当該卸取引の指標として用いられる価格の形成に必要なその売買取引を行うための市場(次項及び第九十九条の二において「卸電力取引市場」という。)を開設すること。
- 二前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
- 三前二号に掲げるもののほか、卸電力取引所の目的を達成するために必要な業務を行うこと。
- 2.卸電力取引所は、前項第一号に掲げる業務として、翌日に受け渡される経済産業省令で定める時間を単位とする電力の売買取引を行うための市場(次項、第九十九条の四第二項及び第九十九条の八において「翌日市場」という。)その他市場開設業務の実施に関する規程(以下この章において「業務規程」という。)で定める卸電力取引市場を開設するものとする。
- 3.卸電力取引所は、翌日市場における地域間の売買取引に係る電力の量が、当該地域間を電気的に接続する電線路の容量を超えるときは、業務規程で定めるところにより、地域ごとに取引価格を算定するものとする。
この条文の基本情報
業務とは何ですか?
定義業務とは、電気事業法第98条に定められた規定で、「卸電力取引所は、次に掲げる業務を行うものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第98条(業務)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第98条の条文原文は「卸電力取引所は、次に掲げる業務を行うものとする。」で始まります。
- 電気事業法第98条は第七章 卸電力取引所に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第98条の前の条は電気事業法第97条です。
- 電気事業法第98条の次の条は電気事業法第99条です。
- 電気事業法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第98条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/98
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法98条は、卸電力取引所に指標価格を形成する卸電力取引市場(翌日市場等)の開設を義務づける。連系線の容量超過時は地域ごとに価格を算定する。
Q · 電気の市場価格はどうやって決まり、なぜ地域によって違うの?
入札で決まり、連系線が混むと地域ごとに分かれます
電気事業法98条により、卸電力取引所(JEPX)は翌日市場などの卸電力取引市場を開設し、売り手と買い手の入札で30分単位の卸値が決まります。この価格は指標として新電力の料金算定やFIPの参照価格に使われます。地域間の取引量が連系線の容量を超えると、同条3項に基づき地域ごとに価格が算定されるため、同じ時間帯でもエリア間で価格差が生じます。
解説
電気料金の請求書には書かれていない数字がある。前日の午前10時に入札が締め切られる「翌日市場」で、30分ごとに決まる電気の卸値である。電気事業法98条は、卸電力取引所(現在は一般社団法人日本卸電力取引所、通称 JEPX)に対して、この市場の開設を法律上の業務として課している。条文が市場の目的を「取引機会の拡大」だけでなく「指標として用いられる価格の形成」と明記している点に注目してほしい。そこで決まる価格は物差しとして、新電力の市場連動型プランや再エネの FIP 制度に組み込まれ、最終的にあなたの家計や工場の原価にまで届く。さらに第3項により、地域間の送電線(連系線)が混雑すると、全国一律の価格ではなくエリアごとの価格に分かれる(市場分断)。同じ日の同じ時間帯でも、九州と東京で電気の卸値が何倍も違うことがある。電気代の高騰を「天気のせい」で片付ける人と、エリアプライスを見て契約を選び直す人とでは、翌年の負担額が変わる。
法的な位置づけ
電気事業法98条は、卸電力取引所の業務を定める規定である。卸電力取引所は、電気事業者の卸取引の機会拡大と指標価格の形成に必要な卸電力取引市場を開設し、その一つとして翌日に受け渡される電力を時間単位で売買する翌日市場を開設する。地域間取引量が連系線容量を超える場合は、業務規程に基づき地域ごとに取引価格を算定する。
よくある質問 AI による整理
Q1JEPXとは何ですか?
日本卸電力取引所の略称で、電気事業法97条により経済産業大臣が全国で一つに限り指定する卸電力取引所です。98条に基づき翌日市場などを開設しています。
Q2翌日市場(スポット市場)の締切はいつまで?
翌日に受け渡す電力の入札は、原則として前日の午前10時に締め切られます。30分単位の商品ごとに約定価格が決まります。
Q3エリアプライスとは何ですか?
連系線の容量を超えて市場が分断されたときに、地域ごとに算定される取引価格です。電気事業法98条3項が根拠です。
Q4システムプライスとエリアプライスの違いは?
システムプライスは連系線制約を考慮しない全国一律の約定価格、エリアプライスは市場分断時に地域ごとに算定される価格です。
Q5市場連動型プランは違法?
違法ではありません。翌日市場の価格は指標として料金算定に使えます。ただし事業者には契約前の供給条件の説明義務があります。
Q6個人がJEPXで電気を直接買えますか?
できません。卸電力取引市場は電気事業者向けの市場で、取引には取引所の会員資格が必要です。個人は小売電気事業者を通じて購入します。
Q7市場分断はなぜ起きるの?
地域間の売買量が連系線の送電容量を超えると、電気を物理的に運べないため、98条3項により地域ごとに価格を分けて算定するからです。
Q8JEPXの価格はどこで確認できますか?
日本卸電力取引所のウェブサイトで、翌日市場の約定結果やエリアプライスの過去データが公表されています。契約前の確認に使えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市場連動プランで冬の電気代がとんでもない額になったんですが、泣き寝入りするしかないんですか?
スポット価格は電気事業法98条に基づく翌日市場で入札によって決まるため、価格自体の違法性を争うのは難しい。争点になり得るのは契約締結前の説明である。小売電気事業者には供給条件の説明義務(同法2条の13)があり、高騰リスクの説明が不十分なら交渉の余地がある。実務のポイント:電力・ガス取引監視等委員会には相談窓口があり、2021年の高騰時には事業者に支払猶予などの対応を求める動きも出た。まず契約時の重要事項説明書を探しておくこと
Q2ニュースで「北海道だけ電気の市場価格が高い」とか言ってるけど、なんで地域で違うんですか?
98条3項が、地域間の取引量が連系線の容量を超えたらエリアごとに価格を算定すると定めているからである。送電線の細いところで電気が流れきれないと、その先は需給が別々に決まる。実務のポイント:エリア間の価格差に備えて、JEPX は「間接送電権」という商品を扱っている。遠隔地の発電所から電気を買う事業者でこれを知らない担当者は少なくなく、市場分断が起きた月にだけ赤字が出る原因がここにある
間違えやすい点 AI による整理
- 卸電力取引所は国の機関だと思われがちだが、実際には経済産業大臣が全国で一つに限って指定する一般社団法人である(同法97条)。国が価格を決めているわけではなく、売り手と買い手の入札で価格が決まる。高騰時に「国が値段を下げろ」と求める相手を、そもそも間違えている
- スポット市場の存在は知っていても、その価格が「指標」として法律上位置づけられていることの重みは見落とされがちである。98条1項1号は価格形成を明記しており、その数字は FIP のプレミアム計算の参照価格や、多くの新電力の料金算定式にそのまま組み込まれる。市場で起きた一日の異常値が、取引に参加していない人の請求書にまで連鎖する
- 「電気は全国どこでも同じ値段のはずだ」という前提が、そもそも成り立たない。第3項は、連系線の容量を超えればエリアごとに価格を算定すると定めており、価格の地域差は制度の欠陥ではなく設計どおりの挙動である。地域差をリスクとして織り込むかどうかが、事業者の生死を分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 電気事業法98条:卸電力取引所が行う業務(市場開設) | 電気事業法97条:卸電力取引所の指定(誰が取引所になるか) |
| 主体 | 指定を受けた卸電力取引所 | 経済産業大臣(指定する側) |
| 要点 | 翌日市場の開設義務と、連系線混雑時のエリア別価格算定 | 全国で一つに限り一般社団法人等を指定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2017年の電業法改正で電力市場の段階的自由化に着手し、台湾電力が運営する電力交易平台で補助サービス等の取引が行われる。日本のような全国的な翌日卸電力市場はまだ限定的
韓国は法定の韓国電力取引所が強制プール型市場を運営し、発電側の入札で価格が決まる。日本の任意参加型の取引所市場とは設計が異なる
ドイツはEPEX SPOTの前日市場が欧州単一市場結合(SDAC)に組み込まれ、入札ゾーン間で価格が分かれる点が日本の市場分断と類似する
米国はRTO/ISOが前日市場を運営し、送電混雑を地点別限界価格(LMP)で反映する。日本のエリア単位より細かい地点単位で価格が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 電気代が安いと勧められて新電力の「市場連動型プラン」に切り替えた。冬の寒波でスポット価格が跳ね上がった月、請求額は前年同月の3倍になった。約款には「市場価格調整額」の一行があった。2021年1月にスポット価格が1kWhあたり200円を超えたとき、実際に同じことが全国で起きた
- 九州で太陽光発電所を運営しているのに、春の晴れた昼間は売電収入がほとんど増えないのはなぜか? 昼間に九州エリアで電気が余り、関門連系線の容量を超えると市場が分断され、九州エリアの価格だけが0.01円/kWhまで落ちる。FIP に移行した事業者にとっては、それが直接収入に響く
- あなたは自治体新電力の担当者。来月の調達計画を組み直すまで、あと1週間しかない。相対契約で固定するか、翌日市場に頼るか。エリアプライスの過去データを見ずに決めれば、その判断は賭けに近い
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:電力システム改革の第2弾改正(電気事業法等の一部を改正する法律)により、卸電力取引所の指定制度とその業務が法定化された。2016年4月の小売全面自由化にあわせて施行
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