要点半導体集積回路の回路配置に関する法律 51 条は、登録された回路配置利用権等を侵害した者を三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金に処すると定める。親告罪のため被害者の告訴が必要。
Q · チップの回路配置を真似されたら、相手を刑務所に送れるの?
可能だが登録と告訴が前提。親告罪なので自分が動く必要がある
半導体集積回路の回路配置に関する法律 51 条により、登録された回路配置利用権または専用利用権を侵害した者は三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金に処されます。ただし二つの条件があります。第一に、保護は配置を登録して初めて発生するため、未登録なら刑事の道はほぼ閉ざされます。第二に、本罪は親告罪(51 条 2 項)であり、被害者が告訴しない限り検察は起訴できません。告訴は犯人を知った日から 6 か月以内(刑訴法 235 条)という時間制限もあります。
スマホやパソコンの中で動く半導体チップ、その配線のレイアウトそのものが法律で守られていることを知る人は少ない。半導体集積回路の回路配置に関する法律は、チップの設計図にあたる「回路配置」を登録すれば独占権を与え、それを無断で真似た者には刑事罰を科す。第51条がその刃である。回路配置利用権または専用利用権を侵害した者は、三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金。注目すべきは第2項で、この罪は被害者が告訴しなければ検察は起訴できない「親告罪」である点だ。つまり、あなたが半導体スタートアップで自社チップの配置を盗まれても、自分から動かなければ国家は加害者を処罰しない。逆に、転職や受託開発で他社のチップを参考にしすぎた技術者にとっては、相手が告訴ボタンを押すかどうかが運命を分ける。さらに2022年改正で「懲役」が「拘禁刑」に置き換わり、2025年6月1日から施行された。古い解説書に書かれた「三年以下の懲役」はもう正確ではない。
回路配置侵害罪とは、半導体集積回路の回路配置に関する法律 51 条が定める罪であり、登録により発生した回路配置利用権または専用利用権を侵害した者を、三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金に処する規定をいう。同条 2 項により親告罪とされ、被害者の告訴を訴追の条件とする点に特徴がある。
半導体チップ上の回路の配置(レイアウト)を独占できる知的財産権です。登録により発生し、存続期間は設定登録から 10 年。特許のような進歩性審査はありません。
経済産業省が所管し、指定登録機関に申請して登録します。登録により初めて回路配置利用権が発生し、51 条の刑事保護も使えるようになります。
親告罪です(51 条 2 項)。被害者が告訴しなければ検察は起訴できません。告訴は犯人を知った日から 6 か月以内に行う必要があります(刑訴法 235 条)。
法定刑が三年以下の拘禁刑であるため、公訴時効は原則 3 年です(刑訴法 250 条)。民事の損害賠償請求権の時効は別途、不法行為の規定が適用されます。
2022 年改正で懲役と禁錮が一本化され拘禁刑になりました。2025 年 6 月 1 日施行。旧解説書の「三年以下の懲役」は現在「三年以下の拘禁刑」です。
親告罪のため被害者の告訴が前提ですが、告訴があれば刑事手続が進み逮捕・起訴の可能性があります。営業秘密侵害が併発すれば不正競争防止法でより重く問われます。
前職で扱った登録済み回路配置を実質的に複製すれば 51 条の侵害になりえます。記憶に基づく再現でも、登録配置の複製と評価されれば刑事罰の対象です。
個人は百万円以下の罰金です。あわせて三年以下の拘禁刑が科されることもあり、会社ぐるみの侵害では両罰規定により法人にも罰金が科される場合があります。
特許は発明の技術的アイデアを守りますが、回路配置利用権はチップ上の配線の「配置(レイアウト)」そのものを守ります(本法2条の定義)。特許のような進歩性審査がなく、登録すれば10年間独占できるのが特徴です。業界裏話ヒント:特許が取りにくいありふれた回路でも、配置の創作性さえあれば登録できる。半導体企業の中には、特許出願と並行してこの登録を防御の網として張る会社があります。コストも特許より格段に安い
解析・評価・教育などの目的でチップを分解して構造を調べる行為自体は、原則として侵害になりません。問題は、その解析で得た配置を実質的に複製して業として利用したときです。業界裏話ヒント:半導体業界では競合品の解析(リバースエンジニアリング)は日常的に行われており、それ自体は適法。線を越えるのは「解析の結果をそのまま自社製品の配置に流用する」瞬間です。解析チームと設計チームを分ける(クリーンルーム手法)のは、この境界を守るための実務上の工夫です
可能です。本条の刑事罰とは別に、回路配置利用権には民事の差止請求権と損害賠償請求権があり、刑事告訴をせずに民事だけで戦えます。業界裏話ヒント:第51条が親告罪である以上、刑事告訴の権利は強力な交渉カードになります。実務では、いきなり告訴せず「告訴も辞さない」と示しながら民事の和解・ライセンス契約に持ち込むのが定石。刑事の重みを背景にすると、相手の譲歩幅が大きく変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護対象 | 登録された回路配置(チップのレイアウト) | — |
| 親告罪か | 親告罪(被害者の告訴が必要、51 条 2 項) | — |
| 法定刑(個人) | 三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金 | — |
| 権利・保護の発生 | 設定登録により発生 | — |
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