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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第165条の10(吸収合併契約の承認等)

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  1. 吸収合併存続株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。
  2. 2.吸収合併存続株式会社が前項の規定による決議をする場合には、会社法第三百九条第二項(株主総会の決議)の規定による決議によらなければならない。
  3. 3.吸収合併存続株式会社は、第一項の規定による決議をする場合には、会社法第二百九十九条第一項(株主総会の招集の通知)の通知において、吸収合併契約の要領を示さなければならない。
  4. 4.承継する吸収合併消滅相互会社の資産に吸収合併存続株式会社の株式が含まれる場合には、取締役は、第一項の株主総会において、当該株式に関する事項を説明しなければならない。
  5. 5.吸収合併存続会社が種類株式発行会社である場合において、吸収合併消滅相互会社の社員に交付する株式等が吸収合併存続株式会社の株式である場合には、吸収合併は、第百六十四条第一項第二号イの種類の株式(譲渡制限株式であって、会社法第百九十九条第四項(募集事項の決定)の定款の定めがないものに限る。)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存しない場合は、この限りでない。
  6. 6.吸収合併存続株式会社が前項の規定による決議をする場合には、会社法第三百二十四条第三項(種類株主総会の決議)の規定による決議によらなければならない。

この条文の基本情報

吸収合併契約の承認等とは何ですか?

定義吸収合併契約の承認等とは、保険業法第165条の10に定められた規定で、「吸収合併存続株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第165条の10(吸収合併契約の承認等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第165条の10の条文原文は「吸収合併存続株式会社は、効力発生日の前日までに、株主総会の決議によって、吸収合併契約の承認を受けなければならない。」で始まります。
  3. 保険業法第165条の10は第二目 吸収合併存続株式会社の手続に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第165条の10の前の条は保険業法第165条の9です。
  7. 保険業法第165条の10の次の条は保険業法第165条の11です。
  8. 保険業法第165条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の10
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第165条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/165_10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法165条の11は、相互会社を吸収合併する存続株式会社に、効力発生日の前日までの株主総会による特別決議での契約承認を義務づける。譲渡制限株式の種類株主総会の決議も効力要件となる。

Q · 保険会社の合併って、株主総会で過半数の賛成があれば成立するんですか?

いいえ。議決権の3分の2以上の特別決議が必要です

保険業法165条の11第1項は、相互会社を吸収合併する存続株式会社に、効力発生日の前日までに株主総会で吸収合併契約の承認を受けることを義務づけます。第2項はその決議を会社法309条2項の特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成)に加重しています。さらに第5項により、交付される株式が譲渡制限株式の種類に当たる場合は、その種類株主総会の決議がなければ合併自体が効力を生じません。過半数の賛成だけでは成立しません。

解説

相互会社が株式会社に吸収される。ニュースでは「保険会社の統合」と一行で流れるが、その裏で動いているのがこの条文だ。あなたが吸収する側の株式会社の株主なら、この合併はあなたの持株比率を薄める。だからこそ本条1項は「効力発生日の前日までに株主総会の承認を受けよ」と定め、2項でその決議を会社法309条2項の特別決議(議決権の過半数を持つ株主が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成)に引き上げている。普通決議では通せない。さらに5項が効く。合併対価として交付される株式が譲渡制限株式であれば、その種類株主だけの総会でも可決されなければ、合併そのものが効力を生じない。少数派の種類株主が持っているのは意見表明権ではなく、停止ボタンである。そして4項、消滅相互会社の資産にあなたの会社の株式が混じっているとき、取締役は総会でその説明義務を負う。自己株式化する分だけ実質的な希薄化率が変わるからだ。

法的な位置づけ

保険業法165条の11は、相互会社を吸収合併する存続株式会社側の意思決定手続を定める規定である。効力発生日の前日までの株主総会承認、会社法309条2項による特別決議への加重、招集通知での吸収合併契約の要領の開示、承継資産に自己株式が含まれる場合の取締役の説明義務、譲渡制限株式の種類株主総会による効力要件を段階的に規律する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.吸収合併契約を締結し要領を確定する 保険業法164条の法定記載事項を満たす吸収合併契約を締結し、交付する株式等の種類・数・算定根拠を確定する。5項の判定に必要な164条1項2号イの種類の株式に該当するかを、この段階で契約文面上明確にしておく
  2. 2.効力発生日から逆算して総会日程と招集通知を組む 1項の「効力発生日の前日まで」を絶対の締切として、株主総会日、招集通知発送日、基準日を逆算で確定する。3項により会社法299条1項の招集通知に吸収合併契約の要領を記載し、対価算定の合理性が読み取れる水準まで書き込む
  3. 3.種類株主総会の該当性を判定する 存続会社が種類株式発行会社で、交付株式が164条1項2号イの種類の株式(譲渡制限株式で会社法199条4項の定款の定めがないもの)に当たるかを判定する。該当する種類が二以上あれば種類ごとに各総会を開く。5項但書の「議決権を行使できる株主が存しない場合」に当たるかも必ず検証する
  4. 4.株主総会で特別決議を得て4項の説明を尽くす 会社法309条2項の特別決議で吸収合併契約を承認する。承継する消滅相互会社の資産に存続会社の株式が含まれる場合は、4項に基づき取締役が当該株式に関する事項(自己株式化の範囲、議決権構成と一株当たり価値への影響)を総会で説明する。想定問答を事前に用意する
  5. 5.種類株主総会の加重決議を経て認可・異議手続と接続する 5項該当の場合は6項により会社法324条3項の加重決議(議決権を行使できる株主の半数以上かつその議決権の3分の2以上)を得る。その後、保険業法167条の内閣総理大臣の認可、173条の保険契約者等の異議申述手続と日程を接続させ、効力発生日を迎える

よくある質問 AI による整理

Q1保険業法165条の11とは何ですか?

相互会社を吸収合併する存続株式会社側の株主総会手続を定める規定です。効力発生日の前日までの承認、会社法309条2項の特別決議、種類株主総会の決議までを規律します。

Q2相互会社の吸収合併はいつまでに株主総会が必要ですか?

効力発生日の前日までです(1項)。この期限を過ぎると承認を欠いた合併となり、合併無効の訴え(会社法828条1項7号)の対象になります。

Q3保険会社の合併に金融庁の認可は必要ですか?

必要です。保険業法167条により内閣総理大臣の認可が要件となります。株主総会の承認は社内の意思決定、認可は監督上の要件で、両方そろわないと合併は完成しません。

Q4合併に反対する株主はどうすればいいですか?

保険業法165条の12により、反対株主は株式買取請求権を行使できます。総会前の反対通知と総会での反対票が前提となるため、手順を踏まないと権利が失われます。

Q5保険契約者は合併に異議を言えますか?

言えます。保険業法173条の異議申述手続により、保険契約者等は一定期間内に異議を述べられます。株主総会とは別の回路で用意された保護手続です。

Q6合併の株主総会が承認しなかったらどうなりますか?

1項の承認を欠く合併は無効事由となります。効力発生日を動かすには吸収合併契約の変更が必要で、相手方相互会社の社員総会もやり直しになります。

Q7吸収合併契約の要領は招集通知に書く必要がありますか?

必要です。3項により、会社法299条1項の招集通知で吸収合併契約の要領を示さなければなりません。記載が空疎なら決議取消訴訟の材料になります。

Q8合併無効の訴えはいつまでに起こせますか?

効力発生日から6か月以内です(会社法828条1項7号)。決議自体の取消しを求める場合は決議の日から3か月以内(同法831条1項)と期間が異なります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1普通決議と特別決議って、実際どのくらい違うんですか?

普通決議は出席株主の議決権の過半数で足りますが、2項が指定する会社法309条2項の特別決議は、議決権の過半数を持つ株主が出席したうえで、その議決権の3分の2以上の賛成が必要です。実務のポイント:この差は反対側から見ると劇的で、3分の1を少し超える議決権を確保すれば単独で否決できる。実務で「拒否権株主」と呼ばれる水準がこの33.4% で、合併局面ではこのラインの前後で買い集めが起きる

Q2種類株主総会って、本体の総会と別に開くんですか?

別に開きます。5項は、交付される株式が譲渡制限株式の種類にあたる場合、その種類株主だけの総会決議がなければ合併は効力を生じないと定めます。種類が二以上あれば種類ごとに各総会です。6項で決議要件も会社法324条3項の加重決議になります。実務のポイント:ただし但書で、その種類株主総会で議決権を行使できる株主が存在しない場合は不要。会社側は事前にこの但書に当たらないかを必ず検証する

Q3消滅する相互会社が存続会社の株を持っていたら、何が問題になるんですか?

合併で承継すると、その株式は存続会社の自己株式になります。自己株式には議決権がなく、実質的な議決権構成と一株当たり価値が動くため、4項は取締役に総会での説明義務を課しています。実務のポイント:相互会社は運用資産として上場株を大量に保有しており、統合相手の株を持っていることは珍しくない。この説明を求める質問が出るかどうかで、その総会の議論の深度が測れる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「合併は株主総会で過半数が賛成すれば成立する」と理解されがちだが、2項が指す会社法309条2項の特別決議は、出席株主の議決権の3分の2以上を要求する。3分の1を少し超える票を確保できれば、賛成多数でも否決できる。合併阻止に必要なのは過半数ではない
  • 特別決議のハードルは知っていても、5項の種類株主総会が「独立した拒否権」であることの重さは見落とされやすい。本体総会が90% の賛成で可決しても、譲渡制限株式の種類株主総会が否決すれば合併は効力を生じない。全体の1% にも満たない株数が、統合全体を止める構造になっている
  • 「相互会社の合併だから社員(契約者)の問題で、株主は関係ない」という前提そのものが誤っている。本条が規律するのは存続する株式会社の側の意思決定であり、消滅相互会社の社員がどう扱われるかとは別の回路だ。株主として問うべきは、社員に交付する株式等の総量が自分の持分をどれだけ薄めるかである
比較の観点この条文ほかの条文
規律している対象165条の11:存続株式会社の株主総会による合併契約の承認165条の10:合併に関する書類の事前開示
165条の12:合併に反対する株主の株式買取請求
作用する時期効力発生日の前日まで(総会当日が締切)総会前(判断材料を提供する準備段階)
総会前の反対通知から効力発生日後の価格決定まで
株主に与えるもの議決権による阻止力(3分の1超で否決可能)情報アクセス権(対価の妥当性を検証する材料)
退出権(合併を止めずに公正な価格で離脱)
手続を欠いた場合の帰結合併無効事由(会社法828条1項7号)または決議取消事由(同831条)開示不備は決議取消事由の一要素となる
請求期間を過ぎれば買取請求権自体が消滅

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第316条・企業併購法第18条

台湾も合併には株主会の特別決議(発行済株式総数の3分の2以上の株主出席、出席株主の議決権の過半数)を要求する。ただし相互会社という組織形態が保険業に存在しないため、相互組織から株式会社への吸収という局面自体が現れにくい

韓国
상법 제522조

韓国も合併契約書について株主総会の特別決議を要求する点で日本と同じ構造。保険業については別途監督当局の認可が重ねられる

ドイツ
UmwG § 13・§ 65

ドイツは組織再編法で Verschmelzungsbeschluss に4分の3の多数決を要求し、日本の3分の2より高い。相互保険会社(VVaG)の組織再編も同法の枠組みで扱われる

アメリカ
Model Business Corporation Act § 11.04 +各州の保険会社組織変更法

米国では合併の株主承認は原則として過半数で足りる州が多い一方、相互保険会社から株式会社への転換(demutualization)は州保険当局の認可と契約者投票という別系統の手続で規律される

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 保険持株会社の傘下入りが発表され、あなたは吸収存続株式会社の株を3% 持っている。招集通知が届いた。3項により、その通知には吸収合併契約の要領が記載されていなければならない。要領が空疎で対価の算定根拠が読み取れないなら、それは決議取消訴訟(会社法831条)の材料になる
  • あなたは譲渡制限付きの種類株式を割り当てられた創業側の株主。持株は5% 未満で、本体の株主総会では何も動かせない。だが5項の種類株主総会では、あなたの属する種類だけで3分の2の壁が立つ。本体では無力でも、この一場面だけは合併を止められる
  • もし、合併の効力発生日の前日に総会が流会したらどうなる? 1項の承認が欠けた合併は無効事由となり、合併無効の訴え(会社法828条1項7号)の対象になる。効力発生日を動かすには合併契約の変更が要り、相手方相互会社の社員総会もやり直しだ
  • 取締役の側に立ってみる。消滅相互会社の運用資産に自社株が200億円分含まれていた。4項の説明を怠り、株主が自己株式化の影響を知らないまま議決したら、説明義務違反として決議取消しの火種になる。総会当日まであと10日、想定問答の作成が間に合うか

取るべき行動

被害を受けた側:1. 招集通知の3項記載事項(吸収合併契約の要領)を精査し、対価の算定根拠と交付株式の総数を確認2. 自分の保有株が譲渡制限株式の種類に該当するか株主名簿と定款で確認、該当すれば5項の種類株主総会が別途開かれる3. 総会前に書面で質問を提出、特に消滅相互会社の資産に自社株が含まれるか(4項)を問う4. 手続に瑕疵があれば決議の日から3か月以内に決議取消しの訴え(会社法831条)を検討

訴えられた側:1. 効力発生日から逆算し、招集通知の発送日と総会日を確定、1項の「効力発生日の前日まで」を絶対に踏み外さない2. 3項の要領記載は形式を満たすだけでなく、対価算定の合理性を説明できる水準まで書き込む3. 種類株式発行会社なら5項該当性を早期に判定、必要な種類株主総会をすべて洗い出す4. 4項の説明事項について想定問答を準備、説明義務違反は決議取消事由になる

時効(請求できる期限):株主総会の承認は効力発生日の前日まで(本条1項)。決議取消しの訴えは決議の日から3か月以内(会社法831条1項)。合併無効の訴えは効力発生日から6か月以内(会社法828条1項7号)。いずれも起算点を過ぎれば争えなくなる

学説

条文構造に基づく一般的理解:5項は単なる手続規定ではなく合併の効力要件と読まれる。本体の株主総会が可決しても、譲渡制限株式の種類株主総会の決議を欠けば吸収合併は効力を生じず、少数の種類株主が実質的な拒否権を持つ構造になる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により、相互会社と株式会社の合併に関する規定群が整備され、相互会社の株式会社化・保険業再編の法的基盤が置かれた
  2. 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により組織再編規定が再編され、本条は「吸収合併存続株式会社」「効力発生日」という会社法の用語体系に接続し、決議要件を会社法309条2項・324条3項の引用で定める構成となった

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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