保険業法 第20条(名称)
クイックジャンプ
相互会社は、その名称中に相互会社という文字を用いなければならない。
この条文の基本情報
名称とは何ですか?
定義名称とは、保険業法第20条に定められた規定で、「相互会社は、その名称中に相互会社という文字を用いなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第20条(名称)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第20条の条文原文は「相互会社は、その名称中に相互会社という文字を用いなければならない。」で始まります。
- 保険業法第20条は第一款 通則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第20条の前の条は保険業法第19条です。
- 保険業法第20条の次の条は保険業法第21条です。
- 保険業法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法20条は、相互会社がその名称中に「相互会社」の文字を用いなければならないと定める。相互会社は保険業を営む者だけに認められる法人形態で、契約者が社員となる。
Q · 保険会社の名前にある「相互会社」って、株式会社と何が違うんですか?
株主がいない法人で、契約者自身が社員になる形態です
保険業法20条は、相互会社がその名称中に「相互会社」という文字を用いなければならないと定めます。相互会社は保険業法に基づき保険業を営む者だけに認められる法人形態で、株式会社と違い株主が存在せず、保険契約を締結した契約者そのものが社員(構成員)になります。社員は社員総代会を通じて経営に関与し、剰余金の分配を受ける地位に立ちます。名称の四文字は、その会社の権力構造と利益還元の宛先を外から判別させるための表示義務です。
解説
日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命。あなたが名前を知っている大手生保のいくつかは「株式会社」ではない。相互会社という、日本の保険業界にしか実質存在しない特殊な法人形態だ。保険業法20条は、その形態を選んだ会社に「名称の中に相互会社という文字を必ず入れろ」と命じている。ここが重要なところで、これは単なる看板ルールではない。相互会社に株主はいない。保険契約者そのものが社員(=構成員、従業員という意味ではない)であり、あなたが契約を結んだ瞬間、あなたはその会社の議決権を持つ一員になる。剰余金は配当として契約者に戻り、社員総代会という機関を通じて経営に物を言う権利まで付いてくる。名称に「相互会社」の四文字があるかどうかは、あなたがその会社の顧客にすぎないのか、それとも構成員なのかを見分ける、たった一つの外形的な目印である。
法的な位置づけ
保険業法20条は相互会社の名称に関する規定であり、相互会社はその名称中に「相互会社」という文字を用いなければならないと定める。相互会社は保険業法に基づき保険業を営む者にのみ認められる法人形態で、株主を持たず、保険契約者が社員として構成員の地位に立つ。本条は当該法人形態を名称によって外形的に公示する機能を担う。
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険業を営む者だけに認められる特殊な法人形態です。株主が存在せず、保険契約者がそのまま社員(構成員)となり、社員総代会を通じて経営に関与します。根拠は保険業法です。
Q2なぜ名称に「相互会社」と入れる必要があるのですか?
保険業法20条の表示義務だからです。株式会社と相互会社では剰余金の行き先も契約者の法的地位も異なるため、取引前に名称だけで形態を識別できるようにする公示目的があります。
Q3相互会社の生命保険会社はどこですか?
日本生命、明治安田生命、住友生命、富国生命などが相互会社形態です。正式名称の末尾が「生命保険相互会社」であるかどうかで判別できます。最新の一覧は金融庁の免許業者一覧で確認してください。
Q4社員総代会とは何ですか?
相互会社の社員(=保険契約者)全員に代わり、選出された総代が決算や定款変更などを議決する機関です。株式会社の株主総会に相当する位置づけになります。
Q5相互会社は今でも新しく設立できますか?
制度上は保険業法に設立手続がありますが、内閣総理大臣(金融庁)の保険業免許が前提です。実務上ここ十数年で新規設立された例は事実上なく、既存会社は株式会社化の方向にあります。
Q6相互会社が株式会社になるとどうなりますか?
保険業法の組織変更手続により、社員だった契約者の地位は株主または単なる契約者に変わります。名称から「相互会社」の文字が消え、剰余金分配と経営参加の仕組みも入れ替わります。
Q7共済は相互会社ですか?
違います。生協やJAの共済は消費生活協同組合法・農業協同組合法などを根拠とし、相互会社ではありません。名称に「相互会社」を使えず、保険業法の監督も原則として及びません。
Q8相互会社でない者が「相互会社」と名乗ったらどうなりますか?
保険業法21条が相互会社でない者の名称使用を制限しています。誤認を招く名称の使用は是正の対象となり、保険業法上の制裁を受ける可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社の「社員」って、そこで働いている人のことじゃないんですか?
違う。ここでの社員は法人の構成員という意味で、相互会社では保険契約者がそのまま社員になる。従業員とはまったく別概念だ。社員は社員総代会を通じて経営に関与し、剰余金の配当を受ける地位に立つ。実務のポイント:社員総代は契約者から選ばれるが、選出プロセスに実質的な競争が働きにくいという指摘は昔からある。総代の名簿と選考方法はディスクロージャー資料に載っているので、加入前に一度見ておくと、その会社のガバナンス姿勢が透けて見える
Q2相互会社と株式会社の生保、どっちに入ったほうが得なんですか?
形態だけでは決まらない。相互会社は株主への配当がない分を契約者還元に回せる建て付けだが、実際の保険料水準や配当実績は各社の経営次第である。株式会社の生保でも有配当商品はある。実務のポイント:比較するなら形態ではなく、基礎利益・ソルベンシーマージン比率・配当実績の三点をディスクロージャー資料で並べる。この三つを自分で見比べる契約者はほとんどおらず、営業担当者もその前提で説明を組み立てている
間違えやすい点 AI による整理
- 「相互会社は非営利で、契約者に優しい」と広く信じられているが、正確には違う。相互会社は営利を目的としない法人と位置付けられるものの、それは「株主に利益を配当しない」という意味であって、保険料が安いことも、支払いが手厚いことも保証しない。実際の商品性は各社の経営判断次第で、形態と顧客有利は直結しない
- 「相互会社という文字が入っているかどうかは、単なる名前の問題」と考える人が多い。だがその落差の深刻さを見落としている。相互会社の契約者は社員であり、社員総代会の議決権を持つ一方で、会社が破綻したときの剰余金分配の順位や、組織変更のときに受け取る対価の計算方法も、株式会社の株主とはまったく別の規律に服する。名前が示すのは、あなたの法的地位そのものだ
- 「相互会社は昔ながらの形態で、株式会社化するのは会社が弱っているから」という理解は、問いの立て方が誤っている。株式会社化の主な動機は資本市場からの機動的な資金調達、M&A の実行力、海外展開のしやすさであり、経営難の指標ではない。むしろ体力のある会社ほど組織変更のコストを負担できる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法20条:相互会社が名称に「相互会社」を用いる義務 | 保険業法21条:相互会社でない者が紛らわしい名称を用いることの制限 会社法6条:株式会社等が商号に種類を表示する義務 |
| 義務の向き | 該当する法人に対する積極的な表示義務 | 該当しない者に対する消極的な使用禁止 会社形態ごとの種類表示義務(保険業に限らない) |
| 保護される利益 | 契約者が法人形態と自らの地位を識別できること | 相互会社と誤認して取引する被害の防止 取引相手の責任構造の一般的な公示 |
| 根拠法の体系 | 保険業法(相互会社は会社法に存在しない形態) | 保険業法(20条と一体の名称規律) 会社法(株式会社・持分会社の一般規律) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には相互会社形態がなく、保険業の組織は株式有限会社または保険合作社に限定される。日本の相互会社に最も近いのは保険合作社だが、構成員の地位や剰余金分配の規律は異なる
韓国も保険業法の中に相互会社(상호회사)制度を置き、名称表示に関する規律を設ける。日本法を経由した継受構造が読み取れるが、実際に相互会社形態を採る保険会社は限られる
ドイツの VVaG は日本の相互会社の母法にあたる形態で、社員=保険契約者という構造を共有する。名称に VVaG の表示を求める点も機能的に対応する
米国は州ごとに保険法が分かれ、相互保険会社の設立・名称・株式会社化(demutualization)の規律も州法に委ねられる。連邦統一の名称規定は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 生命保険の契約を検討していて、パンフレットの表紙に「〇〇生命保険相互会社」と書いてある。この四文字を見た瞬間、あなたは「この契約に入ると自分は社員になり、社員総代会の代表を選ぶ権利と、剰余金の配当を受ける立場が生まれる」と理解できる。株式会社の生保と比べる軸が一本増える
- 保険会社の営業担当者が「うちは相互会社だからお客様本位です」と説明してきた。では聞き返してみるといい。社員総代の選び方は、総代会の議事録は公開されているか、と。相互会社であることを営業トークに使う会社は多いが、社員としての権利行使方法まで説明できる担当者は多くない
- もし、保険会社の名称から「相互会社」の文字が消えたとしたら? それは株式会社化(組織変更)が行われた合図だ。第一生命は2010年に、大同生命・太陽生命は2000年代に株式会社へ移行している。あなたが社員だった立場は株主または単なる契約者へと変わり、配当の仕組みも経営参加の道筋も丸ごと入れ替わる
- 会社設立を検討している起業家が「相互会社って形態、うちでも使えないか」と考える。使えない。相互会社は保険業を営む者だけに認められた形態であり、保険業法という一本の法律の中でしか存在しない。設立には内閣総理大臣(金融庁)の免許が要る。ここ十数年、新規に相互会社が設立された例は事実上ない
取るべき行動
被害を受けた側:契約先が相互会社であれば、あなたは顧客であると同時に社員である。1. 契約のしおり・約款で自分が社員としてどの権利を持つか確認2. 社員総代会の開催時期と総代の選出方法を、会社のディスクロージャー資料または公式サイトで確認3. 経営や配当に疑問があれば、まず会社の相談窓口、次に生命保険協会の生命保険相談所へ4. 保険金支払いをめぐる紛争は、指定紛争解決機関(金融 ADR)を使える。訴訟より低コストで進む
訴えられた側:保険会社側または保険業への参入を検討する事業者としては、名称規制は入口の絶対条件である。1. 相互会社を名乗るには内閣総理大臣の免許が前提、無免許で紛らわしい名称を用いれば保険業法の罰則対象になりうる2. 既存の商号・サービス名が保険会社と誤認されるおそれがないか、参入前に弁護士と確認3. 共済・保険類似サービスを設計する場合、保険業法の適用範囲に入らないかを事業設計の最初期に判定する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。名称使用義務は会社が存続する限り継続する義務である。契約者としての権利行使については、保険金請求権の消滅時効が3年(保険法95条)である点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:保険業法20条の名称表示義務は、相互会社という会社法上存在しない特殊形態について、取引相手が調査コストをかけずに法人形態と自らの法的地位を識別できるようにする公示規定であり、21条の使用制限と一体で名称秩序を構成すると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治33年(1900年) 新設:旧保険業法において相互会社制度が導入され、保険業を営む者に限り認められる法人形態として名称規律が置かれた
- 2.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正により現行法が成立。相互会社に関する規定が体系的に整理され、名称表示義務が第20条に置かれた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める