保険業法 第265条の9(設立の認可)
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- 内閣総理大臣及び財務大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
- 一設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令の規定に適合するものであること。
- 二定款及び事業計画書に虚偽の記載がないこと。
- 三役員のうちに第二百六十五条の十六各号のいずれかに該当する者がないこと。
- 四業務の運営が適正に行われることが確実であると認められること。
- 五当該申請に係る機構の組織がこの法律の規定に適合するものであること。
- 2.内閣総理大臣及び財務大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
この条文の基本情報
設立の認可とは何ですか?
定義設立の認可とは、保険業法第265条の9に定められた規定で、「内閣総理大臣及び財務大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第265条の9(設立の認可)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第265条の9の条文原文は「内閣総理大臣及び財務大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。」で始まります。
- 保険業法第265条の9は第三目に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第265条の9の前の条は保険業法第265条の8です。
- 保険業法第265条の9の次の条は保険業法第265条の10です。
- 保険業法第265条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第265条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/265_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法265条の9は、保険契約者保護機構の設立認可について5つの審査基準を定め、内閣総理大臣及び財務大臣は基準に適合すると認めるときは認可をしなければならないと規定する。
Q · 保険契約者保護機構は、誰がどんな基準で設立を認めるんですか?
5基準を満たせば大臣に断る裁量はなく、認可は義務です
保険業法265条の9により、保険契約者保護機構の設立認可は内閣総理大臣及び財務大臣が審査します。審査対象は、設立手続と定款・事業計画書が法令に適合するか、虚偽記載がないか、役員に265条の16の欠格事由該当者がいないか、業務運営が適正に行われることが確実か、組織が法の規定に適合するかの5点です。同条2項は、基準に適合していると認めるときは認可を「しなければならない」と定めており、適合を認めた後に認可を出さない政策的裁量は残されていません。
解説
日産生命、東邦生命、第百生命、千代田生命、協栄生命、東京生命。1997年から2001年にかけて、7社の生命保険会社が実際に破綻した。契約者の保険証券が紙切れにならずに済んだのは、保険契約者保護機構という受け皿が用意されていたからである。本条は、その受け皿が生まれる瞬間に立つ門番だ。内閣総理大臣と財務大臣は、設立認可の申請に対し、設立手続と定款・事業計画が法令に適合するか、虚偽記載がないか、役員に欠格者がいないか、業務運営が適正に行われることが確実か、組織が法の規定に適合するか、この5点を審査する。効いてくるのは2項である。基準に適合していると認めるときは『認可をしなければならない』。役所の胸三寸ではない。5基準をクリアした申請を政策的都合で握り潰すことは、法律上できない。あなたの保険の背後にある安全網は、行政の気分ではなく、この5項目という金型が形を決めている。
法的な位置づけ
保険業法第265条の9は、保険契約者保護機構の設立認可に係る審査基準を定める規定である。内閣総理大臣及び財務大臣は、設立手続並びに定款及び事業計画書の法令適合性、これらの虚偽記載の不存在、役員の欠格事由不該当、業務運営の適正性の確実性、機構組織の法適合性という5基準を審査し、適合すると認める場合には認可をしなければならない羈束処分として構成される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.設立認可の申請書類を組み立てる 265条の8第1項に基づく設立認可申請として、定款、事業計画書、設立手続の経過を示す書面を整える。265条の9第1項1号は「設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令の規定に適合」することを求めるため、手続の瑕疵と書面の内容不備の双方を同時に潰す
- 2.役員候補の欠格事由を全員分洗う 1項3号は、役員のうちに265条の16各号のいずれかに該当する者がないことを求める。1人でも該当すれば申請全体が止まるため、候補者全員について欠格事由の有無を事前に確認し、疎明資料を揃えておく
- 3.4号の「業務運営の適正が確実」を具体で埋める 1項4号は形式審査ではなく評価的判断が入る。事業計画書における資金繰り、負担金の徴収設計、人員体制、補償業務の実施体制を数値と組織図のレベルまで具体化し、確実性の裏づけを示す
- 4.審査基準と標準処理期間を先に確認する 行政手続法5条により、認可の審査基準は設定・公表が義務づけられている。申請前に公表された審査基準と標準処理期間を確認し、どの資料がどの号に対応するかを対応表にしておくと、後の応答遅延にも備えられる
- 5.拒否・不作為への手当てを決めておく 拒否処分には理由の提示義務がある(行政手続法8条)。理由欄で1項5基準のどれに引っかかったかを特定してから、審査請求か取消訴訟かを選ぶ。標準処理期間を過ぎても応答がなければ、不作為についての審査請求または不作為の違法確認訴訟を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1保険契約者保護機構とは何ですか?
保険会社が破綻したときに、資金援助や保険契約の引受けによって契約者を保護するために設けられた法人です。生命保険と損害保険で別々の機構が置かれています。
Q2保険契約者保護機構の設立は誰が認可するのですか?
内閣総理大臣及び財務大臣の共同認可です(保険業法265条の9第1項)。金融行政を担う金融庁と、財政を担う財務省の双方が関与する枠組みになっています。
Q3保険業法265条の9の認可基準は?
①設立手続・定款・事業計画書の法令適合、②虚偽記載の不存在、③役員が265条の16の欠格事由に該当しないこと、④業務運営の適正が確実であること、⑤組織の法適合、の5つです。
Q4保険会社は保護機構に加入しなければならないのですか?
国内で保険業を営む保険会社は機構への加入が義務づけられ、会員として負担金を納付する構造です。健全な会社も他社の破綻処理費用を支える仕組みになっています。
Q5生命保険契約者保護機構と損害保険契約者保護機構の違いは?
対象となる保険種目と補償割合が異なります。生命保険は原則として責任準備金等の90%、損害保険は種目ごとに割合が分かれ、自賠責保険と家計地震保険は100%補償です。
Q6保護機構の財源はどこから出ているのですか?
原資は会員である保険会社が納める負担金です。政府の財政措置は例外的な仕組みであり、原則として業界内での相互扶助として設計されています。
Q7自賠責保険や地震保険は破綻しても全額補償されますか?
自動車損害賠償責任保険と家計地震保険は100%補償の扱いです。社会性・公共性が高い種目として、他の任意保険とは異なる保護水準が設定されています。
Q8保護機構の役員になれないのはどんな人ですか?
保険業法265条の16各号の欠格事由に該当する者です。1項3号により、役員候補に1人でも該当者がいると設立認可の基準を満たさないことになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が潰れたら、契約していた保険金は全部戻ってくるんですか?
全額ではない。生命保険の補償は原則として責任準備金等の90%までである(保険業法270条の3)。予定利率の高い契約はさらに削減される。損害保険は種目により割合が異なり、自賠責保険と家計地震保険は100%補償される。実務のポイント:90%は『保険金額の90%』ではなく『責任準備金の90%』である。加えて破綻後は予定利率も引き下げられるため、満期受取額の目減りは体感でずっと大きい。
Q2認可の申請をして断られたら、役所と争えるんですか?
争える。認可も拒否も行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、審査請求や取消訴訟の対象になる。本条2項は基準適合なら『認可をしなければならない』と定め、行政庁に政策的裁量を残していない。争点は1項の5基準への適合性に絞られる。実務のポイント:拒否処分には理由の提示義務がある(行政手続法8条)。理由が抽象的すぎれば、それ自体が取消事由になりうる。まず理由欄の具体性を疑うのが実務の入口だ。
間違えやすい点 AI による整理
- 機構があるから保険会社が潰れても保険金は満額戻ると思っている人は多い。だが補償されるのは原則として責任準備金等の90%であり、しかも『保険金額の90%』ではない。加えて破綻後は予定利率そのものが引き下げられるため、満期時に手元に残る額の目減りは、90%という数字から受ける印象よりはるかに大きい。数字は知っていても、深刻度を知らない人がほとんどである
- 『機構は国が作った組織だから、いざとなれば税金で助けてくれる』という問いの立て方自体が誤っている。機構の原資は会員である保険会社が納める負担金であり、政府の財政措置は例外的な仕組みとして設けられたものだ。あなたの契約を最後に支えるのは、生き残った他の保険会社の金である
- 認可は行政の自由裁量だと思われがちだが、本条2項は基準適合を認めるときは『認可をしなければならない』と書いている。裁量が残るのは基準への適合性を判断する部分だけで、適合と認めた後に出す出さないを選ぶ余地はない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 265条の9:設立認可の審査基準と認可義務 | 265条の8:設立認可の申請そのものの根拠 265条の16:役員の欠格事由(1項3号が参照) |
| 名宛人 | 内閣総理大臣及び財務大臣(審査する側) | 設立を企図する発起人(申請する側) 役員候補者個人 |
| 裁量の有無 | 2項により基準適合を認めれば認可は義務(羈束処分) | 申請は権利、行政の裁量は働かない 該当すれば一律に排除、例外裁量なし |
| 争う場面 | 拒否処分の取消訴訟・不作為の違法確認 | 申請の受理拒否・補正指示の当否 欠格事由への該当性判断の当否 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険会社の破綻に備えた安定基金を法律上の法人として設置し、主管機関の監督下に置く。設立段階を認可基準として条文化している点で日本と構造が近い
韓国は保険契約者保護を預金保険制度に統合し、예금보험공사が一元的に担う。日本のように保険専用の機構を別法人として設立認可する構造ではない
ドイツは生命保険について法定の保障基金を置き、監督当局がその任務を民間法人に委託しうる構造をとる。基金への加入は法律上の義務である点は日本と共通
米国は連邦ではなく州法ベースで保証機構が設置され、補償上限も州ごとに異なる。全国統一の設立認可条文を持たない点で日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし今夜、あなたの契約する生命保険会社に業務停止命令が出たとしたら? 契約そのものは消滅せず、機構が資金援助または契約の引受けで受け皿になる。ただし補償は責任準備金等の90%が上限で、予定利率の高い契約はさらに削られる。破綻公表から更生計画の認可まで数か月、その間に慌てて解約すると早期解約控除で逆に損をする場合がある
- 機構の設立を申請した発起人の側に立ってみる。定款の一文が法令に適合しないと指摘され、認可が下りない。ここで争えるのは『適合しない』という判断の当否だけであり、政策論ではない。
- 保険会社の企画部門にいるあなたのところへ、機構への負担金の通知が回ってくる。自社は健全経営なのに、他社の破綻処理費用を負担する構造になっている。この徴収権限を持つ法人が、どういう審査を通って世に出たのか。出発点がこの認可条文であり、5基準のどれ一つ欠けても機構は存在しなかった
取るべき行動
被害を受けた側:契約先が破綻した場合:1. 解約を急がない。破綻後の解約は早期解約控除の対象になりうる2. 機構からの通知と契約者向け説明会の日程を確認し、更生計画で予定利率がどう変わるかを読む3. 自分の契約が高予定利率契約に当たるかを証券の予定利率欄で確認、補償の削減幅を試算する4. 認可申請の側であれば、拒否処分の理由欄を精査し、1項5基準のどれに引っかかったかを特定してから争いの形を選ぶ
訴えられた側:認可審査に臨む申請者側:1. 5基準は単なる形式審査ではない。特に4号の『業務の運営が適正に行われることが確実』は評価的判断が入り、事業計画の資金繰りと人員体制の具体性が問われる2. 役員候補は265条の16の欠格事由を全員分、事前に洗う。一人該当すれば申請全体が止まる3. 定款の虚偽記載は2号違反であり、認可後も取消リスクを残す4. 標準処理期間を過ぎて応答がなければ、不作為についての審査請求という手がある
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。認可または拒否の処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。標準処理期間を過ぎても応答がないときは、不作為についての審査請求または不作為の違法確認訴訟を検討する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条2項は「認可をしなければならない」と規定するため、認可を出すか否かの効果裁量は否定され、行政庁に残るのは1項5基準への適合性判断に限られると解されている。ただし4号の「業務の運営が適正に行われることが確実」は評価的要件であり、判断過程の合理性が審査対象となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年) 金融システム改革に伴う保険業法改正により、保険契約者保護基金を改組する形で保険契約者保護機構の規定群が置かれ、本条もその一環として設けられたとされる。その後の中央省庁再編に伴う認可権者の表記改正を含め、改正回数と各改正の内容は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成10年(1998年) 新設:金融システム改革に伴う保険業法改正により、従前の保険契約者保護基金を改組する形で保険契約者保護機構の規定群が設けられ、その設立認可基準として本条が置かれたとされる
- 2.平成13年(2001年) 改正:中央省庁等改革に伴い、認可権者の表記が現行の「内閣総理大臣及び財務大臣」に改められたとされる。実務上の審査は金融庁が担う
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