保険業法 第297条(保険仲立人の開示事項)
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保険仲立人は、顧客から求められたときは、保険契約の締結の媒介に関して当該保険仲立人が受ける手数料、報酬その他の対価の額その他内閣府令で定める事項を、明らかにしなければならない。
この条文の基本情報
保険仲立人の開示事項とは何ですか?
定義保険仲立人の開示事項とは、保険業法第297条に定められた規定で、「保険仲立人は、顧客から求められたときは、保険契約の締結の媒介に関して当該保険仲立人が受ける手数料、報酬その他の対価の額その他内閣府令で定める事項を、明らかにしな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第297条(保険仲立人の開示事項)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第297条の条文原文は「保険仲立人は、顧客から求められたときは、保険契約の締結の媒介に関して当該保険仲立人が受ける手数料、報酬その他の対価の額その他内閣府令で定める事項を、明らかにしな…」で始まります。
- 保険業法第297条は第四章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第297条の前の条は保険業法第296条です。
- 保険業法第297条の次の条は保険業法第298条です。
- 保険業法第297条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第297条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第297条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/297
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法297条は、保険仲立人が顧客から求められたときに、媒介に関して受ける手数料・報酬その他の対価の額を開示する義務を定める。請求がなければ開示されない。
Q · 保険を勧めてきた人に「あなたの手数料はいくらですか」と聞いてもいいの?
仲立人になら聞けます。求めなければ開示されません
保険業法297条により、保険仲立人は顧客から求められたときは、保険契約の締結の媒介に関して受ける手数料、報酬その他の対価の額と内閣府令で定める事項を明らかにしなければなりません。ポイントは二つあります。第一に、義務が発動するのは顧客が求めたときだけで、黙っていれば開示されません。第二に、対象は保険仲立人に限られ、保険会社側に立つ保険代理店・募集人には同等の義務がありません。まず相手の立場を確認することが先になります。
解説
保険を勧められたとき、その人が「保険会社の側の人」なのか「あなたの側の人」なのか、確かめたことがあるだろうか。保険業法297条が対象にしているのは保険仲立人(ブローカー)、つまり保険会社の代理人ではなく顧客側の立場で保険契約の媒介をする登録業者である。この条文が与えるのは一つの質問権だ。「あなたがこの契約で受け取る手数料、報酬、その他の対価はいくらか」と尋ねれば、仲立人は明らかにしなければならない。内閣府令が定める事項も同じく開示対象となる。重要なのは構造だ。開示は「顧客から求められたとき」に発動する。つまりあなたが黙っていれば、一生開示されない情報がそこにある。保険代理店(保険会社側)には同等の手数料開示義務はなく、この質問権は仲立人が相手のときの固有の武器である。提案された商品があなたに最適なのか、それとも仲立人の報酬が最も高い商品なのか、その判別材料は質問一つで手に入る。
法的な位置づけ
保険業法297条は、保険仲立人の対価開示義務を定める規定である。保険仲立人は、顧客から求められた場合に、保険契約の締結の媒介に関して自己が受ける手数料、報酬その他の対価の額および内閣府令で定める事項を明らかにしなければならない。顧客の請求を発動要件とする受動的開示義務であり、保険会社を代理する保険募集人・保険代理店には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手が保険仲立人かどうかを確認する 名刺や契約書類で「保険仲立人」「保険ブローカー」の表示を確認し、金融庁が公表する登録業者一覧で照会する。保険代理店・募集人であれば297条の請求権は使えないため、この見極めが最初の分岐になる
- 2.契約締結前に、書面またはメールで開示を求める 「保険契約の締結の媒介に関して貴社が受ける手数料、報酬その他の対価の額その他内閣府令で定める事項(保険業法297条)の開示を求めます」と明記して送る。比較提案中なら全案について同時に求め、継続手数料を含む旨も明示する
- 3.回答を保存し、提案順位と突き合わせる 回答書面を保存したうえで、各案の対価の高低と仲立人が推奨した順位を並べて比較する。順位と対価が一致している場合は、推奨理由の根拠を追加で書面照会する
- 4.拒否された場合は記録を整えて情報提供する 守秘義務などを理由に一律拒否された場合、請求文と回答文の記録をそろえ、所属団体の苦情窓口および金融庁へ情報提供する。契約締結の判断自体を保留する選択肢も同時に検討する
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法297条とは何を定めた条文ですか?
保険仲立人が、顧客から求められたときに、保険契約の媒介に関して受ける手数料・報酬その他の対価の額と内閣府令で定める事項を明らかにする義務を定めた条文です。
Q2保険ブローカーへの手数料は誰が払うのですか?
一般に顧客が別途支払うのではなく、保険会社から仲立人に支払われる形が多く、保険料の中に織り込まれています。だからこそ297条の開示請求で金額を確認する意味があります。
Q3手数料の開示はいつまでに求めるべきですか?
法定の期限はありませんが、実務上は契約締結前かつ複数案の比較中が最も有効です。締結後に聞いても提案順位を組み替える材料にはなりません。
Q4開示請求はメールでもできますか?
できます。条文は請求方法を限定していません。むしろ口頭より書面やメールのほうが記録に残り、正確な回答を引き出す効果があります。
Q5開示を断られたらどこに相談すればよいですか?
まず所属団体の苦情窓口、次に金融庁への情報提供という順が実務的です。請求と回答のやり取りの記録が出発点になります。
Q6保険代理店にも手数料の開示義務はありますか?
297条と同等の義務はありません。保険代理店・募集人は保険会社側に立つ立場であり、この請求権は保険仲立人が相手のときに限って使えます。
Q7法人契約でも手数料開示を求められますか?
求められます。条文は「顧客」としており個人・法人を区別していません。むしろ火災保険や D&O 保険など法人契約でこそ金額が大きく効果があります。
Q8開示された手数料額はどう読めばよいですか?
金額の絶対値より、提案された複数案の対価の高低と提案順位が一致しているかを見ます。一致していれば比較の前提を疑う材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険の営業さんに手数料を聞いたら「言えない」と言われました。おかしくないですか?
相手が保険仲立人なら、顧客の求めに応じて対価の額を明らかにする義務がある(保険業法297条)。ただし保険代理店・募集人には同等の開示義務がないため、「言えない」が適法な場合もある。実務のポイント:日本では仲立人の登録数が代理店に比べて極端に少なく、多くの人が出会う保険の担当者は代理店側である。つまりこの質問権が使える場面自体が希少で、使える相手かどうかの見極めが先にくる
Q2手数料を聞いたら、その後の対応が雑になったりしませんか?
297条は顧客の請求権として設計されており、請求は想定された正常な行為である。開示を理由に不利益な扱いをすれば、業務の適切性(保険業法294条以下の募集規制の趣旨)に照らして問題になりうる。実務のポイント:法人の保険担当者の間では、手数料開示を求めるかどうかが仲立人の質を選別する実務的なふるいとして使われている。渋る相手は最初から候補から外す、という判断が現実に行われている
Q3開示される「対価」って、手数料だけのことですか?
条文は「手数料、報酬その他の対価の額その他内閣府令で定める事項」と定めており、名目が手数料でなくても媒介に関して受ける経済的対価が対象になる。内閣府令が具体的な開示事項を補っている。実務のポイント:対価は契約時の一時金だけでなく、継続契約に応じた継続手数料の形をとることもある。一時金だけ聞いて納得すると全体像を見誤るので、「継続分も含めて」と明示して求める
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険の営業担当はみんな同じようなもの」と括られがちだが、法的立場は正反対である。保険募集人・保険代理店は保険会社の側に立ち(保険業法275条以下の登録・届出)、保険仲立人は顧客側の立場で媒介する独立業者だ。297条の手数料開示を求められるのは後者だけ。相手の名刺に「仲立人」「ブローカー」とあるかどうかで、あなたが持っている権利の中身が変わる
- 手数料開示という制度の存在は知っている人でも、その深刻度を読み違えている。開示されるのは単なる金額ではなく、提案の動機そのものだ。保険料が高い商品ほど仲立人の対価も増える構造であれば、「貴社に最適な設計」という言葉の意味が揺らぐ。金額を知ることは、提案全体の信頼性を検証する入口である
- 「聞いたら関係が悪くなるのではないか」という問いの立て方自体がずれている。本条は顧客の請求権として設計されており、聞くことは法が想定する正常な行為だ。むしろ請求に渋る仲立人は、その反応自体が情報になる。問うべきは「聞いてよいか」ではなく「聞いた後の答え方をどう評価するか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の名宛人 | 保険業法297条:保険仲立人のみ | 保険業法294条:保険会社・保険募集人を含む広い主体 保険業法295条:保険募集に関わる主体 |
| 発動のきっかけ | 顧客から求められたとき(請求が要件) | 契約の締結等に際し、求めがなくても情報提供 募集の過程で意向を把握し確認する |
| 開示・提供の対象 | 媒介に関して受ける手数料・報酬その他の対価の額+内閣府令で定める事項 | 保険契約の内容その他保険契約者の判断に影響する事項 顧客の意向および意向に沿った内容であることの説明 |
| 顧客にとっての効用 | 提案の動機(利益相反)を検証できる | 商品内容の理解不足を防げる ニーズと商品のずれを防げる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も經紀人(顧客側)と代理人(保険会社側)を峻別し、經紀人には登録・業務規律を課す。報酬に関する開示は管理規則レベルで規律される点が、法律本体に置く日本と異なる
韓国も保険業法の中に保険仲立人(보험중개사)の登録と義務を置き、代理店(보험대리점)と立場を分ける構造。日本と同じく業法による規律という枠組みを採る
ドイツは Versicherungsmakler(顧客側)と Versicherungsvertreter(保険会社側)を区別し、EU の IDD 転換により、報酬の形態(手数料か報酬か)の開示が請求の有無にかかわらず求められる点で日本より一歩進む
米国はブローカー報酬の開示を州規制で扱い、ニューヨーク州では顧客の求めに応じた詳細開示が要求される。請求を発動要件とする構造は日本の297条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 法人の役員退職金プランとして、仲立人から複数社の商品を比較提案された。どれも「貴社に最適」と言う。ここで「各案であなたが受ける手数料と報酬の額を教えてください」と書面で求める。提案順位と手数料順位が一致していたら、比較の前提そのものを疑う材料になる
- もし仲立人が「手数料は保険会社との守秘義務があるので言えません」と答えたとしたら? 297条は顧客の求めに応じる義務を仲立人に課しており、守秘義務を理由にした一律拒否は本条の趣旨に反する。金融庁への情報提供という次の手が残っている
- あなたが保険仲立人側だとする。顧客から手数料額を聞かれた瞬間に慌てるか、あらかじめ用意した開示書面を出せるかで、その後の信頼関係が決まる。聞かれる前提で業務フローを組んでいる事務所は、結果として単価の高い案件を取っている
- 工場の火災保険を更新まであと10日。仲立人が「今の条件で継続が一番です」と言う。更新前に手数料開示を求めれば、継続提案が顧客の利益からか報酬構造からかを判断できる。期限を過ぎて更新した後では、この質問の実務的な価値はほぼ消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が保険仲立人の登録業者か確認(金融庁の登録業者一覧で照会)。代理店なら297条の請求権は使えない2. 契約締結前に、書面またはメールで「媒介に関して受ける手数料・報酬その他の対価の額」の開示を求める。比較提案中なら全案について求める3. 回答を保存し、提案順位と対価の高低を突き合わせる4. 開示を拒否された、または明らかに不正確と思われる場合は、所属団体の苦情窓口および金融庁へ情報提供する
訴えられた側:1. 仲立人側であれば、開示請求を受ける前提で対価の算定根拠を整理した定型書面を用意しておく2. 内閣府令が定める開示事項の範囲を確認し、手数料額のみに限定せず求められる項目を網羅する3. 保険会社との取り決めに守秘条項がある場合も、本条の義務との関係を事前に整理する。一律拒否は業務の適切性を問われる端緒になりうる4. 請求と回答の記録を保存し、説明内容の一貫性を確保する
時効(請求できる期限):開示請求そのものに法定の期間制限はないが、実務上は契約締結前に行わなければ比較材料としての意味を失う。説明義務違反等を理由とする損害賠償請求には特定の時効はないが、一般の消滅時効(民法166条、権利行使可能時から10年または知った時から5年)、不法行為構成なら民法724条の期間が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により保険仲立人(保険ブローカー)制度が新設され、登録制と併せて顧客の請求に応じた対価開示義務が置かれた。保険会社側に立つ代理店との立場の違いを法制度上明確にする趣旨
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