保険業法 第295条(自己契約の禁止)
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- 損害保険代理店及び保険仲立人は、その主たる目的として、自己又は自己を雇用している者を保険契約者又は被保険者とする保険契約(保険仲立人にあっては、内閣府令で定めるものに限る。次項において「自己契約」という。)の保険募集を行ってはならない。
- 2.前項の規定の適用については、損害保険代理店又は保険仲立人が保険募集を行った自己契約に係る保険料の合計額として内閣府令で定めるところにより計算した額が、当該損害保険代理店又は保険仲立人が保険募集を行った保険契約に係る保険料の合計額として内閣府令で定めるところにより計算した額の百分の五十を超えることとなったときは、当該損害保険代理店又は保険仲立人は、自己契約の保険募集を行うことをその主たる目的としたものとみなす。
この条文の基本情報
自己契約の禁止とは何ですか?
定義自己契約の禁止とは、保険業法第295条に定められた規定で、「損害保険代理店及び保険仲立人は、その主たる目的として、自己又は自己を雇用している者を保険契約者又は被保険者とする保険契約(保険仲立人にあっては、内閣府令で定める…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第295条(自己契約の禁止)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第295条の条文原文は「損害保険代理店及び保険仲立人は、その主たる目的として、自己又は自己を雇用している者を保険契約者又は被保険者とする保険契約(保険仲立人にあっては、内閣府令で定める…」で始まります。
- 保険業法第295条は第四章に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第295条の前の条は保険業法第294条の4です。
- 保険業法第295条の次の条は保険業法第296条です。
- 保険業法第295条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第295条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第295条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/295
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法295条は、損害保険代理店・保険仲立人が自己契約の募集を主たる目的とすることを禁止し、自己契約の保険料が募集保険料の50% を超えると主たる目的とみなす。
Q · 代理店登録をして自分の会社の保険を自社で扱うのは、どこからアウトですか?
意図に関係なく、50% 超で違反とみなされます
保険業法295条1項は、損害保険代理店と保険仲立人が、自己または自己を雇用している者を契約者・被保険者とする保険契約の募集を「主たる目的」として行うことを禁じています。2項は、自己契約に係る保険料の合計が、その者が募集した保険料全体の50%(計算方法は内閣府令)を超えた場合、主たる目的としたものと自動的にみなします。悪意の有無は審理されません。違反は登録取消・業務停止(307条)の対象ですが、保険契約自体が無効になるわけではありません。
解説
保険代理店の登録を取れば、自分の車の保険も自社の火災保険も、手数料が戻る分だけ実質安く入れる。そう計算して代理店になる人は昔から一定数いる。295条は、その経路を入口で塞ぐ規定である。1項が禁じるのは「自己又は自己を雇用している者を契約者・被保険者とする保険契約の募集を、主たる目的として行うこと」。そして効いてくるのが2項のみなし規定(一定の事実があれば、本人の意図を問わず法律上そう決めつける仕組み)だ。自己契約の保険料合計が、その代理店が募集した保険料全体の50% を超えた時点で、あなたが何を考えていたかは審理されない。自動的に「主たる目的」とみなされる。節約のつもりだった、という弁解はこの2項の前で一言も届かない。計算方法そのものも内閣府令(保険業法施行規則)に委ねられており、自分の感覚で数えた比率は根拠にならない。
法的な位置づけ
保険業法295条は自己契約の禁止を定める規定であり、損害保険代理店および保険仲立人が、自己または自己を雇用している者を契約者・被保険者とする保険契約の募集を主たる目的として行うことを禁じる。2項は、自己契約に係る保険料が募集保険料全体の50% を超えた場合に、主たる目的としたものとみなす擬制を置く。
手順
- 1.当期の募集保険料を三区分に割る 当事業年度の募集保険料を「自己契約(自己・自己を雇用している者)」「特定契約(親族・従業員・グループ会社等)」「純外部契約」の三つに分解し、実数で比率を出す。感覚ではなく帳簿の数字から始める
- 2.内閣府令と委託先保険会社の計算基準を照合する 295条2項の計算方法は内閣府令に委ねられており、委託先保険会社の代理店基準では特定契約を含む別枠管理をしていることが多い。自社集計の分母・分子が基準と一致しているかを確認する
- 3.上期終了時点で期末の着地を設計する 暫定比率が50% に近い場合、大口の自社契約の更改時期を翌期に調整するか、外部募集実績を積むかを期中に決める。決算後では打てる手が残らない
- 4.超過見込みなら指摘より先に自主報告する 既に50% を超えている、または超過見込みが確実なら、保険会社へ自己契約・特定契約の内訳表を自主的に提出し、是正計画を書面で残す。同じ数字でも自主申告と指摘後では是正の扱いと処分の重さが変わる
よくある質問 AI による整理
Q1自己契約の禁止とは何ですか?
損害保険代理店と保険仲立人が、自分や勤務先を契約者・被保険者とする保険の募集を主たる目的として行うことを禁じる規制です。保険業法295条1項が根拠です。
Q2自己契約比率はどう計算しますか?
自己契約に係る保険料の合計額を、その代理店が募集した保険契約の保険料の合計額で割ります。両方とも内閣府令で定める計算方法によるため、自己流の集計は根拠になりません。
Q3特定契約とは何ですか?
条文上の自己契約ではないものの、親族・従業員・グループ会社などの契約を監督実務上まとめて把握する枠組みです。委託先保険会社の基準で別枠管理されるのが一般的です。
Q4生命保険の代理店も295条の対象ですか?
条文の名宛人は「損害保険代理店及び保険仲立人」です。生命保険募集人は本条の直接の対象外ですが、募集規制全体(300条など)は別途適用されます。
Q5保険仲立人(ブローカー)も対象になりますか?
対象です。ただし仲立人については、自己契約に当たる保険契約の範囲が内閣府令で限定されています。範囲に入る類型なら同じ50% の基準が働きます。
Q6自己契約の禁止に違反すると保険契約は無効になりますか?
無効になりません。効くのは登録取消・業務停止という行政処分(307条)で、補償は残ったまま代理店資格と手数料収入の流れだけが止まります。
Q7社有車や工場の火災保険を自社代理店に集めるのは違法ですか?
集約自体が直ちに違法ではありません。問題は比率で、自己契約の保険料が募集保険料の50% を超えた時点で主たる目的とみなされます。経費削減の意図は抗弁になりません。
Q8自己契約比率はいつ判定されるのですか?
保険料の合計額で計算するため、実務上は事業年度単位で締まります。期末に大口の自社更改を付けるか翌期に回すかで比率が跳ねるため、期中の暫定値の把握が要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1代理店の登録を取れば、自分の車の保険料が安くなるって本当ですか?
手数料が自分側に戻る構造にはなりますが、それを主たる目的とする募集は295条1項で禁止されています。自己契約の保険料が全体の50% を超えれば2項で自動的に主たる目的とみなされ、登録取消や業務停止(307条)の射程に入ります。実務のポイント:保険会社は手数料計算のシステム側で代理店ごとの自己契約比率を把握しています。あなたが集計する前に、相手はもう数字を見ている。
Q250% を超えたら、いきなり登録取消になるんですか?
2項が決めるのは「主たる目的だった」という認定までで、その先は行政処分の判断です。307条に基づく登録取消と業務停止のどこに落ちるかは、超過の程度、期間、是正の有無で変わります。実務のポイント:実務で最初に来るのは当局の処分ではなく、保険会社からの委託契約の見直しや手数料ランクの引き下げです。監督当局に上がる前に、商流の側が先に止まる。
Q3グループ会社の保険をうちの代理店で扱うのは自己契約になりますか?
条文は「自己又は自己を雇用している者」と書いているため、別法人であるグループ会社の契約は295条の自己契約そのものには当たらないと整理するのが一般的です。ただし監督実務では、親族・従業員・グループ会社の契約を「特定契約」としてまとめ別枠で比率管理する運用があります。実務のポイント:条文だけ読んで安心している代理店ほど、この二層目の説明で慌てる。委託先の保険会社の基準を先に確認しておくこと。
間違えやすい点 AI による整理
- 「自己契約はどこまでなら許されるのか」という問いの立て方自体がずれている。1項が禁じているのは割合ではなく「主たる目的」であり、2項の50% はその目的を推認するための入口にすぎない。5割を下回っていても、募集実態がほぼ自社分だけなら1項で正面から捕まる。
- あなたから見れば社内コストの合理化だが、監督当局から見れば「募集の実態がない登録」であり、登録制度そのものの空洞化である。この見え方の落差が、悪意がないのに登録取消という結果を生む。
- 自己契約の禁止を知っている人でも、違反しても保険契約自体は無効にならないことまでは意識していない。効くのは行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、契約は生きたまま代理店資格だけが消える。補償は残り、手数料収入の流れだけが止まる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制している行為 | 295条:自己・雇用主を契約者とする保険契約の募集を主たる目的として行うこと | 300条:特別利益の提供、虚偽説明など募集時の禁止行為 275条:そもそも保険募集を行える者の範囲の画定 |
| 違反の判定基準 | 「主たる目的」という質的基準+自己契約比率50% 超のみなし(2項) | 行為類型ごとの該当性判断(割合基準なし) 登録・届出の有無という形式基準 |
| 行為者の意図 | 50% 超なら意図を問わない(みなし規定で反証の余地が閉じる) | 行為の外形と相手方への影響で判断 意図と無関係(無登録募集は形式で違反) |
| 保険契約の私法上の効力 | 契約は有効なまま、登録取消・業務停止(307条)が科される | 契約の効力は別途判断、行政処分の対象 無登録でも締結済み契約の効力は別体系で判断 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も代理人を登録制とし業務規律を課すが、自己契約比率を50% で区切る明文のみなし規定に相当するものは未確認。実質判断に委ねられる余地が大きい
韓国も保険代理店・保険仲介士について自己契約を主たる目的とする募集を禁じる同型の規律を置く。日本法の構造に最も近い
代理人・仲介人の禁止行為は列挙されているが、自己契約の比率による定量規制は未確認
保険仲介業を許可制とし、自己の危険のみを付保する者は仲介業者に当たらないという入口の切り分けで処理する。比率による定量規制は未確認
保険流通(distribution d'assurances)の定義と登録義務を置くが、自己契約比率の明文規制は未確認
自己・家族・雇用主に係る契約(controlled business)が募集保険料の一定割合を超える場合に免許を与えない、または取り消す規律が多くの州にある。日本の50% みなしと発想が最も近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤務先が代理店登録をして、社有車と工場の火災保険を全部そこに集めたらどうなる? 社長の自宅の保険まで乗せた時点で、比率は一気に跳ね上がる。総務の「経費削減」が、そのまま処分検討の材料になる。
- あなたは不動産会社の営業で、賃貸仲介のついでに火災保険の代理店もやっている。入居者向けの契約が積み上がっている間は何も起きない。ところが自社保有物件を増やした年、自社名義の火災保険が募集保険料の過半を占めた。売っている実感は去年と何も変わらないのに、数字だけが先に線を越えている。比率は実感ではなく帳簿で判定される。
- 決算まであと2か月。今期の募集保険料を集計したら、自社と社長個人の契約で48%。残り2か月で外部契約を積むか、大口の自社更改を翌期に回すか、どちらかを今週中に決めないと、来年度の代理店委託契約の更新協議で必ず議題に乗る。
- 友人から「代理店登録すれば自分の保険が安くなるらしい、一緒にやらないか」と誘われた。あなたは295条2項の50% ルールを三分で説明できる。その一言で、友人は登録費用と研修時間を無駄にせずに済む。
- 保険仲立人(保険会社の代理ではなく、契約者の側に立って契約を媒介するブローカー)として独立した一年目、最初の顧客は自分の会社だった。仲立人の自己契約は内閣府令で対象範囲が絞られているが、範囲に入る類型なら同じ50% の壁が立つ。売上の母数が小さい立ち上げ期こそ、比率は跳ねやすい。
取るべき行動
被害を受けた側:勤務先や取引先の自社代理店に保険を集約されている立場なら、1. 保険証券の代理店欄と募集人名を確認し、誰の判断でその代理店を通しているかを特定する2. 他の代理店から比較見積りを取り、条件が市場水準にあるか検証する3. 代理店登録が取り消されても契約自体は残り窓口だけが消えるので、更改時期と保険会社の直接連絡先を自分の手元に控えておく4. 保険料の一部を割り戻すといった申出を受けたら、特別利益の提供(300条1項)に触れる可能性があるため書面でも口頭でも受けない。
訴えられた側:1. 当期の募集保険料を自己契約・特定契約・純外部契約の三つに割り、比率の実数を出す。感覚ではなく数字から始める2. 50% 超の見込みなら、大口自社契約の更改時期の調整と外部募集実績の確保を同時に動かす3. 既に超過しているなら、保険会社への自主報告を指摘より先に行い、是正計画を書面で残す4. 「主たる目的ではなかった」という主張は2項のみなしの前では通らない。争点を動機ではなく、保険料の計算方法と是正の実績に置き換える。
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。自己契約比率は事業年度単位で計算されるため、実質的な期限は各年度の締め日である。登録取消・業務停止(307条)を争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は同じく6か月(行政事件訴訟法14条)。処分後に動き出すと、この二つの期間だけが残された持ち時間になる。
学説
実務上の一般的整理(二層構造論):条文の文言上、親会社・子会社の契約は「自己」にも「自己を雇用している者」にも当たらない。しかし監督実務では、親族・従業員・グループ会社の契約を特定契約としてまとめ、別枠で比率を管理する運用が広く行われており、条文と実務の二層構造を前提に比率設計する必要があるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)保険業法全部改正 保険仲立人(ブローカー)制度の創設に伴い、自己契約の禁止の名宛人に保険仲立人が加えられ、仲立人については対象となる保険契約の範囲が内閣府令に委任された。その後の改正沿革については人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法全部改正。保険仲立人(ブローカー)制度の創設に伴い、自己契約の禁止の名宛人に保険仲立人が加えられ、仲立人については対象となる保険契約の範囲が内閣府令に委任された。以降の改正沿革は人的検証が必要
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