民事訴訟法 第120条(訴訟指揮に関する裁判の取消し)
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訴訟の指揮に関する決定及び命令は、いつでも取り消すことができる。
この条文の基本情報
訴訟指揮に関する裁判の取消しとは何ですか?
定義訴訟指揮に関する裁判の取消しとは、民事訴訟法第120条に定められた規定で、「訴訟の指揮に関する決定及び命令は、いつでも取り消すことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第120条(訴訟指揮に関する裁判の取消し)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第120条の条文原文は「訴訟の指揮に関する決定及び命令は、いつでも取り消すことができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第120条は第五節 裁判に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第120条の前の条は民事訴訟法第119条です。
- 民事訴訟法第120条の次の条は民事訴訟法第121条です。
- 民事訴訟法第120条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第120条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第120条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/120
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法120条は、訴訟の指揮に関する決定及び命令を裁判所がいつでも取り消せると定める。判決と違い既判力が生じないため、事情の変化に応じて進行上の判断を見直せる。
Q · 裁判長が一度決めた進め方の決定は、もう動かせないの?
いいえ。訴訟指揮の決定は裁判所がいつでも取り消せます
民事訴訟法120条により、訴訟の指揮に関する決定及び命令は、訴訟が係属している間、裁判所がいつでも取り消すことができます。期日の指定、弁論の制限・分離・併合、証拠調べの順序などがこれにあたります。判決と違い既判力が生じないため、固定された結論ではなく暫定的な措置です。当事者は事情の変化や新たな必要性を上申し、見直しを求められます。裁判所も職権で取り消せるため、一度勝ち取った有利な進行も安泰とは限りません。ただし審理が終局に近づくほど取消しは事実上困難になります。
解説
裁判の途中、裁判長が「その主張は時機に後れている」として却下した、あるいは弁論の時間を一方的に区切った。多くの当事者はそこで肩を落とし、不利な進行をそのまま受け入れてしまう。だが民事訴訟法120条は、訴訟の指揮に関する決定及び命令は、いつでも取り消すことができると定めている。判決には既判力があり、一度確定すれば同じ裁判所でも覆せない。ところが「訴訟の進め方」そのものに関する裁判は別格で、状況が変われば裁判所は自らの判断をいつでも撤回できる。つまり、あなたが受けた不利な進行上の決定は、固定された結論ではなく、再考の余地が残された暫定的なものだ。新しい事情や反論材料を示して「この訴訟指揮を見直してほしい」と上申すれば、同じ裁判官が前言を翻すことが現実にある。諦めて飲み込むか、もう一度動かしにいくか、その分かれ道を知っているかどうかで、訴訟の戦い方そのものが変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法120条は、訴訟指揮に関する決定及び命令の取消しを定める規定であり、期日の指定、弁論の制限・分離・併合、証拠調べの順序など訴訟の進行に関する裁判について、裁判所が訴訟係属中いつでも職権で取り消し又は変更できる旨を規定する。既判力を生じる終局判決とは性質を異にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受けた裁判が「訴訟指揮に関する決定・命令」か確認 期日指定、弁論の制限・分離・併合、証拠調べの順序など、訴訟の進行に関する裁判かを確認する。該当すれば民訴120条で取消しを求められる対象になる
- 2.その場で口頭の異議を述べる 口頭弁論の指揮に関する裁判長の処分に対しては、その場で口頭の異議を述べる(民訴150条)。記録に残すことで後の上申・上訴の布石になる
- 3.次回期日までに上申書で再考理由を整理 「事情の変化」「新証拠の必要性」など再考を正当化する理由を書面(上申書)にまとめて提出する。裁判所が面子を保ったまま撤回できる理由を示すのがコツ
- 4.気付いた段階で早く動く 審理が進み終局判決が近づくほど取消しは事実上困難になる。既成事実化する前に、不利な進行に気付いた直後に動くことが勝負どころ
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟指揮とは何ですか?
裁判所が審理を適正かつ迅速に進めるために行う進行管理です。期日の指定、弁論の制限・分離・併合、証拠調べの順序などが含まれ、その裁判は民訴120条によりいつでも取り消せます。
Q2訴訟指揮の決定は取り消せますか?
取り消せます。民訴120条は、訴訟指揮に関する決定及び命令を裁判所がいつでも取り消せると定めています。事情の変化があれば当事者も上申で見直しを求められます。
Q3弁論の併合は後から解けますか?
解けます。弁論の併合・分離(民訴152条)は訴訟指揮の典型で、120条によりいつでも取消し・変更が可能です。審理が遅くなった等の事情を上申できます。
Q4期日の変更はできますか?
できる場合があります。期日の指定(民訴93条)も訴訟指揮の決定であり、正当な事由があれば120条により取消し・変更の余地があります。
Q5訴訟指揮に対する異議はどうやって出しますか?
口頭弁論の指揮に関する裁判長の処分には、その場で口頭の異議を述べられます(民訴150条)。記録に残すことで、後の上申や上訴での主張の布石になります。
Q6訴訟指揮の決定に抗告できますか?
原則できません。訴訟指揮に関する裁判は独立して不服申立てができず、終局判決への上訴の中で併せて判断されます。だからこそ120条の取消し上申が第一手です。
Q7職権進行主義とは何ですか?
訴訟の進行管理の主導権を裁判所に委ねる原則です。120条が訴訟指揮の決定を裁判所の職権でいつでも取り消せるとするのは、この原則の現れです。
Q8訴訟指揮取消しの上申書はどう書きますか?
事件番号、当事者名、取消しを求める決定、そして「事情の変化」「新たな必要性」など再考を正当化する理由を簡潔に整理して記載します。次回期日までに提出するのが実務的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官が決めた進め方が気に入らないとき、文句を言ったら心証が悪くなりませんか?
礼を尽くした正式な異議や上申は、当事者の正当な手続権の行使であり、それ自体で心証が下がるものではない。口頭弁論の指揮に対しては異議を述べる権利が法定されている(民事訴訟法150条)し、120条は訴訟指揮の決定をいつでも取り消せると定めている。実務のポイント:嫌われるのは「異議の中身」ではなく「言い方」だ。実務では、感情的に食ってかかるより、再考を正当化する事情を淡々と書面で示すほうが通りやすい。裁判官が面子を保ったまま前言を撤回できる「理由」を用意してあげるのがコツになる
Q2訴訟指揮の決定って、控訴のときに一緒に争えますか?
原則として、訴訟指揮に関する裁判は独立して不服申立て(抗告)ができず、終局判決に対する上訴の中で併せて当否が判断される。だからこそ、まず同じ裁判所に120条で取消し・変更を求めるのが現実的な第一手になる。実務のポイント:上訴審で「あの進行はおかしかった」と主張するには、第一審の段階で異議や上申をして記録に残しておくことが効いてくる。その場で黙って従ってしまうと、後から争いにくくなる。不満があるなら、その場で形に残す。それが後の布石になる
間違えやすい点 AI による整理
- 訴訟指揮の決定に不満があれば即時抗告で争うしかない、と思われがちだが、訴訟指揮に関する裁判は原則として独立して不服申立てができない。代わりに、同じ裁判所へ取消し・変更を求める道が開かれている。120条がまさにその根拠であり、抗告のハードルを越えなくても再考を促せる
- 「裁判所がいつでも取り消せる」ことは条文を読めば分かる。だが見落とされがちなのは、それが当事者の申立て(上申)を待たずとも、裁判所が職権で行えるという点だ。つまり相手方が何も言わなくても、裁判所が自発的に前の決定を覆す可能性が、有利にも不利にも常に残っている。一度勝ち取った進行も、安泰とは限らない
- あなたから見れば「もう決まった進行」でも、裁判所から見れば「状況に応じて調整できる暫定措置」だ。この認識のズレが、再考を求められる絶好のタイミングを当事者に見逃させる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 120条:訴訟指揮の決定・命令の取消し(いつでも可) | 148条:裁判長の訴訟指揮権の根拠 150条:訴訟指揮等に対する当事者の異議 |
| 誰が動かすか | 裁判所が職権で取消し・変更(当事者も上申可) | 裁判長が口頭弁論を指揮 当事者が異議を申し立てる |
| 対象 | 訴訟指揮に関する決定・命令一般 | 口頭弁論の指揮全般 裁判長・受命裁判官の指揮処分 |
| 不服申立ての可否 | 原則独立の抗告不可、取消し上申で対応 | 指揮権自体は不服申立ての対象外 異議に対し裁判所が決定で裁判 |
他国ではどう定めているか 4 か国
審判長の訴訟指揮権を定め、進行管理は裁判所の裁量に委ねられる点で日本と同様の発想
재판장의 소송지휘권を定める。進行に関する裁判の柔軟な調整という構造は日本と類似
ドイツは Prozessleitung(手続指揮)を裁判長の権限とし、職権進行主義の母法。日本の訴訟指揮制度の淵源にあたる
米国は case management として裁判官の広い裁量を認め、scheduling order も Rule 16(b)(4) で good cause により変更可能
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弁論の併合を裁判所が一度決めたのに、審理が進むうちに争点がかみ合わず、かえって遅くなってきたとしたら? 当事者は「この併合を解いてほしい」と上申できる。弁論の分離・併合(民事訴訟法152条)は訴訟指揮の典型で、120条によりいつでも取消し・変更が可能だ。一度決まったから動かない、という思い込みが審理の長期化を放置させる
- 被告のあなたが、裁判長から証拠調べの順序について不利な進行を指定された。だが審理の途中で新たな証人の必要性が浮上したとき、その進行決定は石に刻まれた結論ではない。上申書一通で順序の見直しを求められる。動くか黙るかで、立証の組み立てが丸ごと変わってくる
- 次回期日まであと五日。準備が間に合わず、期日変更を申し出たい。期日の指定も訴訟指揮に関する決定であり、正当な事由があれば取消し・変更の余地がある(民事訴訟法93条)。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不利な訴訟指揮(期日指定、弁論の制限・分離・併合、証拠調べの順序など)を受けたら、まずそれが「訴訟指揮に関する決定・命令」かを確認、該当すれば120条で取消しを求められる2. その場での口頭の異議(民事訴訟法150条)に加え、次回期日までに「事情の変化」「新証拠の必要性」など再考を正当化する理由を書面(上申書)で整理して提出3. 抗告できる例外的な決定かも併せて確認、できるなら期間制限に注意4. 審理が進むほど見直しは難しくなるため、気付いた段階で早く動く
訴えられた側:1. 自分に有利な訴訟指揮を相手が覆そうとしてきたら、その決定が下された前提事情が今も変わっていないことを書面で示し、取消しの必要性がないと反論2. 訴訟指揮は裁判所の裁量が広い領域なので、進行の安定・迅速という観点から現状維持の合理性を訴える3. 相手の上申に理由があると見たら、全面対決より代替案(別の進行方法)を提示して着地点を探る4. 裁判所は職権でも取り消せるため、心証の維持を意識した冷静な対応を心がける
時効(請求できる期限):特定の時効はない。訴訟指揮に関する決定・命令は、訴訟が係属している間、裁判所がいつでも取り消すことができ、当事者もその間いつでも見直しを求められる。ただし審理が進み終局判決が近づくほど取消しは事実上困難になるため、実務上は気付いた直後が勝負どころとなる
学説
通説:訴訟指揮に関する決定・命令は既判力を生じず、職権進行主義のもとで裁判所が訴訟係属中いつでも取り消し・変更できる。当事者の取消し上申も認められるが、独立の抗告は原則できず、終局判決への上訴の中で当否が判断される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治23年(1890年) 新設:旧民事訴訟法において、ドイツ ZPO を範に職権進行主義と訴訟指揮の枠組みが導入される
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行120条へ移行。訴訟指揮に関する決定・命令をいつでも取り消せる旨を明文化
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