民事訴訟法 第183条(当事者の不出頭の場合の取扱い)
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証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができる。
この条文の基本情報
当事者の不出頭の場合の取扱いとは何ですか?
定義当事者の不出頭の場合の取扱いとは、民事訴訟法第183条に定められた規定で、「証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第183条(当事者の不出頭の場合の取扱い)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第183条の条文原文は「証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合においても、することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第183条は第一節 総則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第183条の前の条は民事訴訟法第182条です。
- 民事訴訟法第183条の次の条は民事訴訟法第184条です。
- 民事訴訟法第183条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第183条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第183条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/183
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法183条は、証拠調べは当事者が期日に出頭しない場合でも実施できると定める。欠席した側は反対尋問や異議の機会を失い、証拠が反論なきまま固まる。
Q · 裁判の期日に行かなかったら、その日の証拠調べは止まりますか?
いいえ、あなたが欠席しても証拠調べは進みます
民事訴訟法183条により、証拠調べは当事者が期日に出頭しない場合でも実施できます。あなたが欠席しても、相手方が申請した証人の尋問や書証の取調べはあなた抜きで進み、反対尋問や異議の機会はその場で消えます。さらに当事者双方が二回続けて欠席すると、訴え自体が取り下げたものとみなされます(民事訴訟法263条)。欠席は手続のブレーキではなく、反論なき証拠が積み上がるアクセルになります。
解説
裁判に呼ばれたが、行きたくない。出なければ手続は止まるだろう。多くの人がそう考える。だが民事訴訟法183条は冷たく告げる。証拠調べは、当事者が期日に出頭しない場合でも、することができる、と。つまりあなたが法廷に現れなくても、裁判官は証人尋問を進め、書証を取り調べ、鑑定結果を聞く。あなたが反対尋問する機会も、その証拠に異議を述べる機会も、欠席した瞬間に空中へ消える。証拠調べは判決の土台だ。その土台が、あなた抜きで相手有利に固められていく。出頭しないことは抗議でも時間稼ぎでもなく、自分の手で自分の防御を放棄する行為に等しい。さらに当事者双方が二回続けて欠席すれば、訴え自体が取り下げたものとみなされる(民事訴訟法263条)。沈黙は、ここでは戦略にならない。
法的な位置づけ
民事訴訟法183条は、証拠調べの実施要件に関する規定であり、当事者の一方または双方が期日に出頭しない場合であっても、裁判所は証人尋問・書証の取調べ・鑑定等の証拠調べを実施できる旨を定める。手続の遅延防止と出頭機会保障の均衡を図る手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期日呼出状が届いたら最優先で対応する 「無視すれば止まる」は誤り。呼出状の事件番号・期日・裁判所を確認し、出頭できるか、答弁書をいつまでに出すかを真っ先に段取りする。放置は防御の放棄に等しい
- 2.出席できなくても答弁書で争う意思を残す 第一回期日にどうしても出られない場合でも、争う意思を記した答弁書を提出する。提出済み答弁書は陳述擬制(民訴158条)により陳述したものと扱われ、自白擬制による自動敗訴(159条)を避けられる
- 3.証拠調べ期日の前に認否・異議の論点を準備する 相手提出の書証や証人に反論するため、証拠調べ期日に出頭し、その場で認否・異議を述べる。事前に書面で論点を整理しておかないと、初見で黙ってしまい後から争っても説得力を失う
- 4.やむを得ない欠席は期日変更を申し立てる 出頭できない正当な理由がある場合は、放置せず期日変更を申し立てる。双方が連続二回欠席すると訴え取下げ擬制(263条)が働くため、自分の請求を守るためにも欠席を放置しない
よくある質問 AI による整理
Q1民事裁判を欠席するとどうなりますか?
証拠調べは欠席のまま進み(民訴183条)、答弁書も出さなければ相手の主張を自白したとみなされます(159条)。双方が二回続けて欠席すると訴え取下げ擬制になります(263条)。
Q2証拠調べに当事者が出頭しなくても進みますか?
進みます。民訴183条は、当事者が期日に出頭しない場合でも証拠調べを実施できると定めます。相手不在のまま証人尋問や書証の取調べが行われることがあります。
Q3陳述擬制とは何ですか?
被告が第一回期日に欠席しても、提出済みの答弁書の内容を陳述したものとみなす制度です(民訴158条)。答弁書を出していれば、いきなり敗訴にはなりません。
Q4答弁書を出さずに欠席するとどうなりますか?
原告の主張を争わず自白したとみなされ(159条)、証拠調べを経ずにそのまま判決が出ることがあります。まず答弁書を提出して争う意思を残すことが重要です。
Q5相手が二回連続で欠席したら裁判はどうなりますか?
当事者双方が二回続けて期日に欠席し、一か月以内に期日指定の申立てをしないと、訴え自体が取り下げられたものとみなされます(民訴263条)。
Q6やむを得ず期日に出られないときはどうすればいいですか?
放置せず、事前に期日変更を申し立てます。それも難しければ、せめて準備書面や答弁書を提出して、争う意思と主張を記録に残します。
Q7欠席のまま出た判決でも強制執行されますか?
されます。陳述擬制・自白擬制と証拠調べを経て確定した判決は、建物明渡しや金銭請求の強制執行の根拠(債務名義)になります。
Q8離婚など人事訴訟でも欠席すれば相手が勝ちますか?
通常訴訟とは異なります。人事訴訟では自白擬制(159条)が適用されず(人事訴訟法19条)、相手の欠席だけで自動的に勝てるわけではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判の期日に行かないと、欠席裁判ですぐ負けですか?
刑事の「欠席裁判」とは別物です。民事では、被告が第一回期日に欠席しても答弁書を出していれば争った扱いになり(民事訴訟法158条)、いきなり敗訴ではありません。ただし答弁書も出さず欠席すれば、原告の主張を自白したとみなされ(159条)、そのまま判決が出ます。実務のポイント:弁護士が「とりあえず答弁書だけは出しておく」と急ぐのは、この陳述擬制で自動敗訴を避け、争点を残すためです。出席より先に、まず書面で争う意思を示せるかが分かれ目になる
Q2相手が来ないなら、その日の証人尋問は延期されますよね?
延期されるとは限りません。民事訴訟法183条により、証拠調べは当事者が出頭しなくても実施できます。あなたが申請した証人がいれば、相手不在のまま尋問が進むこともあります。実務のポイント:相手の欠席が見込める期日は、こちらの証人尋問を入れる絶好機です。反対尋問が機能しないまま有利な証言が調書に残るからです。逆にあなたが欠席する側なら、相手の証人尋問をその回に固められ、反論不能のまま証拠が固まる危険がある。期日の「相手が来るか」を読むことが、地味だが効く戦術になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「欠席すれば裁判が止まる、または延期される」と思い込んでいる人が多いが、証拠調べは当事者がいなくても進む。あなたの不在は手続のブレーキにはならず、むしろ反論なき証拠が積み上がるアクセルになる
- 欠席のリスク自体は知っていても、その深刻さの本質を知らない人が大半だ。失われるのは「出席点」ではなく、相手の証人に反対尋問をぶつけ、提出された書証に異議を述べる、その一回限りの機会である。一度過ぎた証拠調べ期日は、原則として巻き戻せない
- そもそも「期日に出るか、出ないか」という問いの立て方が間違っている。実務で勝敗を分けるのは出欠ではなく、出た上で何を争点化し、どの証拠にどう反論を準備するかだ。出席は最低ラインのスタートであって、判断の対象ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民訴183条:欠席時でも証拠調べを実施できる | 民訴158条:欠席時の答弁書等の陳述擬制 民訴159条:欠席による自白の擬制 |
| 働く場面 | 証人尋問・書証取調べ等の証拠調べ期日 | 最初にすべき口頭弁論期日 争いを明らかにしない態度を取った場合 |
| 欠席側の不利益 | 反対尋問・異議の機会を喪失し証拠が固定される | 提出書面の範囲で陳述扱い、未提出なら主張なし 相手の主張を認めたものと扱われる |
| 双方欠席の帰結 | 証拠調べは中止だが、連続二回で263条が作動 | 民訴263条:訴え取下げ擬制 民訴244条:審理現状に基づく判決 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も一方当事者の欠席を理由に手続を止めず、出席側の申立てで弁論・証拠調べを進める仕組みを採る。手続経済を重視する点で日本と方向性が一致する
ドイツは欠席手続(Versäumnisverfahren)として体系化し、欠席当事者に対する欠席判決を認める。日本の民事訴訟法はこのドイツ ZPO を母法とする
米国は欠席判決(default judgment)制度を持ち、応訴しない被告に対し原告主張に基づく判決を認める。証拠調べの位置づけは大陸法系と異なるが、欠席の不利益を欠席側に負わせる発想は共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが被告として訴えられ、面倒だからと第一回期日を無視したらどうなるか。訴状の内容は陳述したものとみなされ(民事訴訟法158条)、相手が申請した書証の取調べはあなた抜きで進む。あなたが「その契約書は偽造だ」と言いたくても、異議を述べる場に自分がいない。証拠が固まってから慌てても遅い
- あなたが原告で、決定的な証人尋問の期日に相手方が来なかった。延期されると思って気を抜くと損をする。裁判所は欠席を理由に尋問を止める義務はなく、あなたが申請した証人をその場で尋問できる。相手の反対尋問権が宙に浮いたまま、あなたに有利な証言が調書に残る好機だ
- 離婚や認知などの人事訴訟では話が違う。家庭裁判所では民事訴訟法の自白擬制(159条)が適用されず(人事訴訟法19条)、相手が欠席しても自動的に勝てるわけではない。「相手が来ないから勝ち」という通常訴訟の感覚を家事事件に持ち込むと足をすくわれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが請求する側(原告)なら、相手が欠席しても自分は必ず出頭し、申請済みの証拠調べを予定どおり進めるよう裁判所に促す2. 相手不在の期日は反対尋問を受けにくく有利、自分側の証人・書証をその回に集中させる3. ただし双方が二回続けて欠席すると訴え取下げ擬制(民事訴訟法263条)で自分の請求が消えるため、自分だけは絶対に欠席しない4. 証拠調べの結果は必ず調書を確認し、記録化されているか点検する
訴えられた側:1. 「無視すれば止まる」は誤り、第一回期日から必ず対応する。出席できないなら、せめて答弁書を提出して争う意思を残す(民事訴訟法158条で陳述擬制される) 2. 相手提出の書証や証人に反論したいなら、証拠調べ期日に出頭し、その場で認否・異議を述べる3. やむを得ず欠席する場合は事前に期日変更を申し立て、放置しない4. すでに不利な証拠調べが終わっていても、弁論終結前なら反証の申出や弁論再開の余地を弁護士と検討する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。期日に関する時間的な要は、当事者双方が連続二回欠席するか、欠席後一か月以内に期日指定の申立てをしないと訴えの取下げが擬制される点(民事訴訟法263条)。証拠調べ期日を一度逃すと、その証拠への反論機会は原則として弁論終結までに行わねば失われる
学説
通説:民訴183条は、証拠調べを当事者の出頭如何に依存させないことで、欠席による手続の引き延ばしを防ぎ、手続の実効性を確保する規定と理解される。出頭機会を等しく保障した上で、その機会を行使しない不利益は欠席側が負うという自己責任構造により、手続保障と手続経済の均衡を図ると説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行民事訴訟法の制定(平成10年施行)に伴い、旧民事訴訟法の同趣旨規定を現代語化のうえ第183条として整理。証拠調べは当事者の不出頭時にも実施できるという従前の準則を維持した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正(平成10年施行)に伴い、旧民事訴訟法の同趣旨規定を現代語化のうえ第183条として整理。証拠調べは当事者の不出頭時にも実施できるという従前の準則を維持した
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