民事訴訟法 第240条(期日の呼出し)
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証拠調べの期日には、申立人及び相手方を呼び出さなければならない。ただし、急速を要する場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
期日の呼出しとは何ですか?
定義期日の呼出しとは、民事訴訟法第240条に定められた規定で、「証拠調べの期日には、申立人及び相手方を呼び出さなければならない。ただし、急速を要する場合は、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第240条(期日の呼出し)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第240条の条文原文は「証拠調べの期日には、申立人及び相手方を呼び出さなければならない。ただし、急速を要する場合は、この限りでない。」で始まります。
- 民事訴訟法第240条は第七節 証拠保全に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第240条の前の条は民事訴訟法第239条です。
- 民事訴訟法第240条の次の条は民事訴訟法第241条です。
- 民事訴訟法第240条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第240条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第240条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/240
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法240条は、証拠調べの期日に申立人と相手方を呼び出すと定めるが、急速を要する場合は相手方の呼出しを省略でき、証拠保全の不意打ちを可能にする。
Q · 証拠保全のとき、相手の病院に予告なしでカルテを押さえられるの?
急速を要する場合は相手方の呼出しなしで実施できる
民事訴訟法240条本文は、証拠調べの期日には申立人と相手方の双方を呼び出さなければならないと定めます。両当事者の立会いが手続の公正を担保するためです。ただし但書の「急速を要する場合」に当たれば、相手方を呼び出さずに実施できます。カルテのように改ざんが容易な記録では、この不意打ち的な保全が認められやすく、裁判官が予告なしで病院に赴き記録を検証・複写できます。事前に呼び出せば証拠が整えられてしまうため、急速性の疎明が勝負の入口になります。
解説
病院でおかしな治療を受けた、手術後に容体が急変した。あなたが疑いを持ったその瞬間、カルテはまだ書き換えられていないかもしれない。だが訴訟を準備し、証人尋問に辿り着く頃には記録は整えられ、都合の悪い部分は消えている。証拠保全はこの時間との戦いに使う武器であり、240条はその急所だ。本来、証拠調べの期日には申立人と相手方の双方を呼び出さなければならない。両当事者が立ち会うことが手続の公正だからだ。だが但書が言う「急速を要する場合」には呼び出さなくてよい。つまり、病院に予告せず裁判官が乗り込み、その場でカルテを検証し複写できる。この不意打ちこそ証拠保全の生命線で、事前に呼び出していたら証拠は消えている。240条の但書を使えるかどうかが、勝負の入口になる。
法的な位置づけ
民事訴訟法240条は、証拠保全における証拠調べ期日の呼出しを定める規定である。本文は申立人および相手方双方の呼出しを義務付け、手続の対席性と公正を保障する。但書は急速を要する場合に限り相手方の呼出しを免除し、証拠の改ざん・滅失を防ぐ不意打ち的な保全を可能にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.消える証拠の所在を即時に特定する 疑いを持った瞬間に、固定すべき証拠が何でどこにあるかを洗い出す。カルテ・看護記録・電子データ・事故車・建物の現況など、時間経過で改ざん・滅失するものを優先順位付けする
- 2.証拠保全に強い弁護士へ即相談する 本案訴訟の準備を待たず、証拠保全の経験がある弁護士に相談する。申立てから執行までのスピードが結果を左右するため、相談の遅れがそのまま証拠喪失のリスクになる
- 3.申立書で240条但書の急速性を具体的に疎明する 「電子記録で改変が容易」「相手に証拠隠滅の動機がある」など、呼出しを省く根拠を具体的事情として申立書に盛り込む。抽象的に『急ぎです』では認められにくい
- 4.保全決定後は情報管理を徹底し執行に臨む 保全決定の執行は通常即日に行われる。相手に予告が漏れないよう情報を管理し、執行時には保全の範囲を確認しつつ自分側の控えも同時に確保する
よくある質問 AI による整理
Q1証拠保全とは何ですか?
訴訟の前または係属中に、後の証拠調べを待てない事情があるとき、裁判所が先に証拠を調べて固定する手続です。カルテ・事故車・建物現況など、時間が経つと消える証拠の保存に使われます。
Q2証拠保全の費用はいくらかかりますか?
申立手数料のほか、検証や鑑定を伴う場合は鑑定人費用などの予納が必要です。複写代や弁護士費用も別途かかり、事案の規模により幅があります。正確な額は管轄裁判所と弁護士に確認してください。
Q3カルテの証拠保全はどうやって行いますか?
証拠保全に強い弁護士に依頼し、申立書で240条但書の急速性を疎明します。決定が出ると裁判官が病院に赴き、その場でカルテを検証・複写します。相手に予告が漏れないよう情報管理が重要です。
Q4証拠保全の管轄裁判所はどこですか?
原則として、尋問を受けるべき者や文書の所持者の居所、検証物の所在地を管轄する地方裁判所などに申し立てます(民訴235条)。訴え提起後はその訴訟が係属する裁判所が管轄します。
Q5証拠保全を相手に拒否されたらどうなりますか?
正当な理由なく検証や提示を拒めば、相手方に著しく不利な心証が形成され得ます。文書提出義務違反は本案で主張自体を真実と認められる扱いにつながることもあり、拒否は得策ではありません。
Q6証拠保全は訴訟提起より先にできますか?
できます。むしろ本案訴訟を起こす前、相手が身構える前に動くほうが、改ざんも口裏合わせもされていない生の証拠を固定でき効果が高いとされます。
Q7証拠保全の決定に不服申立てはできますか?
証拠保全の決定に対しては不服を申し立てることができません(民訴238条)。手続の迅速性を確保するためで、証拠の評価そのものは後の本案訴訟で争うことになります。
Q8証拠保全をすれば本案訴訟でも勝てますか?
勝てるとは限りません。証拠保全はあくまで証拠の固定であり、その証拠が過失や因果関係を証明するかは別問題です。保全の成功と勝訴は切り分けて考える必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証拠保全って、相手に内緒でカルテを押さえられるんですか?
原則は240条本文どおり相手方も呼び出しますが、但書の「急速を要する場合」に当たれば呼出しなしで実施できます。医療記録のように改ざんが容易な証拠では、この不意打ちが認められやすい。実務のポイント:実務では申立てから数時間後に裁判官が病院へ赴くこともあり、相手に準備の時間を与えないのが狙いです。だからこそ申立書で緊急性をどう書くかに弁護士の腕が出る
Q2証拠保全をしておけば、その証拠は自分だけのものになりますか?
なりません。240条は相手方の立会権を保障しており、保全された証拠は相手も閲覧・謄写できます(民事訴訟法91条)。さらに保全しただけでは勝てず、本案訴訟で過失や因果関係を立証する必要があります。実務のポイント:証拠保全の本当の効果は、相手に改ざんの隙を与えないことと、こちらの本気度を示して早期和解を促すことの二つ。証拠の独占ではなく、心理的な先制こそが裏の狙いです
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠保全をすれば証拠を独占できる」と思われがちだが、240条は原則として相手方も呼び出すと定める。保全された証拠は相手も閲覧・謄写でき、あなただけの切り札にはならない
- あなたから見れば「不意打ちは卑怯」に映るかもしれないが、法から見れば240条但書の急速性こそが証拠保全制度の存在意義だ。この視点の差を理解しないと、せっかくの制度を「相手にもフェアに予告すべきだ」と自ら骨抜きにしてしまう
- 「証拠保全さえできれば勝てる」と考える人は、その後の本案訴訟の立証負担を見落としている。保全はあくまで証拠の固定であって、その証拠が過失や因果関係を証明するかは別問題だ。保全の成功が勝訴を意味しないという深刻さを、多くの人は知らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する事項 | 240条:証拠調べ期日の呼出し(本文は双方呼出し、但書は急速時に免除) | 234条:証拠保全を申し立てられる要件(あらかじめ証拠調べをしておくべき事由) 183条:当事者が期日に出頭しなくても証拠調べを実施できる原則 |
| 急速・不出頭時の扱い | 急速を要する場合は相手方の呼出しを省略できる | 要件を疎明すれば本案前でも証拠調べを実施できる 呼び出した当事者が欠席しても証拠調べは進められる |
| 不服申立て | 保全の枠組みは238条により決定への不服申立て不可 | 申立却下に対しては抗告の余地 証拠調べの一般原則のため個別の不服申立て対象ではない |
他国ではどう定めているか 4 か国
訊問期日には聲請人と他造當事者に通知するが、急迫の情形があるときは通知を要しないとし、日本240条の本文・但書とほぼ同型の構造をとる。
韓国も日本法の影響下で証拠保全制度を備え、急迫時に相手方の関与を省く運用がある点で類似する。
独立証拠手続では相手方を期日に呼び出すのが原則だが、Gefahr im Verzug(遅延の危険)がある場合は呼出しなしで実施できる。日本240条但書の母法的位置にある。
米国は訴訟提起前の証言保全(perpetuate testimony)を Rule 27で定め、利害関係者への通知を要件とするが、職権的な不意打ち保全という発想は弱い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし手術後に家族が亡くなり、病院の説明にどうしても納得できなかったら? 訴訟を起こす前に、まずカルテの証拠保全を申し立てる。240条但書の「急速を要する」を主張し、病院に予告なしで裁判官に記録を押さえてもらう。事前に呼び出せば、相手に整える時間を与えることになる
- あなたがクリニックの院長だとして、ある日突然、裁判官と弁護士が来院し「証拠保全です」とカルテの提示を求めてきた。これが240条但書の不意打ちだ。慌てて拒めば著しく不利な心証を持たれる。冷静に立ち会い、保全の範囲を確認し、自院の控えも同時に確保するのが防御の基本になる
- 欠陥住宅の壁の中を、リフォームで覆い隠される前に記録したい。建物の現況検証も証拠保全の対象だ。240条で相手の立会いを確保しつつ、緊急なら予告なしでも動ける
- あなたに残された時間はわずかだ。事故車が修理工場で解体・修理される前に、ブレーキ痕やへこみを検証しなければ証拠は物理的に消える。数日後にはもう間に合わない。証拠保全の申立てと240条但書の緊急性の組み立てを、今日中に弁護士と詰める必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 疑いを持った瞬間に証拠の所在を特定する(カルテ、看護記録、事故車、建物の現況など)2. 証拠保全に強い弁護士へ即相談、本案訴訟の準備を待たない3. 申立書で240条但書の「急速を要する」事情(電子記録の改変容易性、相手の隠滅動機)を具体的に疎明する4. 保全決定が出たら執行は通常即日。相手に予告が漏れないよう情報管理を徹底する
訴えられた側:1. 突然の証拠保全に直面しても拒否せず冷静に立ち会う、妨害は著しく不利な心証を生む2. 保全の範囲を確認し、対象外の記録まで開示しない3. 自院・自社の控えを同時に確保し、後の本案訴訟に備える4. 但書の緊急性に疑義があっても保全決定への不服申立ては封じられている(民事訴訟法238条)が、本案で証拠の評価そのものを争う余地は残る
時効(請求できる期限):証拠保全の申立て自体に法定の期限はないが、実質的な期限は「証拠が失われる前」だ。記録の改ざん・物の滅失・証人の記憶減退が、起算点なき時間圧として働く。本案の請求権の時効(医療過誤なら不法行為の3年・5年、民法724条、724条の2)とは別軸で、保全は早いほど価値が高い(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:240条本文の双方呼出義務は当事者公開主義に基づく手続保障であり、但書の『急速を要する場合』は証拠の改ざん・滅失の危険が差し迫り、相手方を呼び出していては証拠保全の目的を達せない場合に限定して解される。医療記録など改変が容易な証拠で認められやすいとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から条文番号が再編され、証拠保全の節(第2編第4章第7節)に現行240条として配置。証拠調べ期日における申立人・相手方の呼出義務と、急速を要する場合の例外を整理した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧民訴法から条文が再編され、証拠保全の節に現行240条として配置。証拠調べ期日における申立人・相手方の呼出義務と、急速を要する場合の例外を整理した。
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