民事訴訟法 第292条(控訴の取下げ)
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- 控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。
- 2.第二百六十一条第三項及び第四項、第二百六十二条第一項並びに第二百六十三条の規定は、控訴の取下げについて準用する。
この条文の基本情報
控訴の取下げとは何ですか?
定義控訴の取下げとは、民事訴訟法第292条に定められた規定で、「控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第292条(控訴の取下げ)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第292条の条文原文は「控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第292条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第292条の前の条は民事訴訟法第291条です。
- 民事訴訟法第292条の次の条は民事訴訟法第293条です。
- 民事訴訟法第292条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第292条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第292条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/292
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法292条は、控訴を控訴審の終局判決があるまで取り下げられると定める。取り下げると控訴審だけが消え、一審判決がそのまま確定する。相手方の同意は不要。
Q · 控訴を取り下げたら、裁判はなかったことになるの?
ならない。一審判決がそのまま確定する
民事訴訟法292条により、控訴は控訴審の終局判決があるまで取り下げられます。しかし取り下げて消えるのは控訴審だけで、訴え自体は残り、あなたが負けた一審判決がそのまま確定します(262条1項準用)。訴えの取下げのように訴訟が初めからなかったことになるわけではありません。相手方の同意は不要です。控訴期間(一審判決送達から2週間、285条)を過ぎていれば再控訴もできず、引き返せません。
解説
一審で負けた。納得できず控訴したが、審理は思うように進まず、弁護士費用だけがかさんでいく。「もう取り下げてしまおう」。この判断の前に、知らなければ命取りになる事実がある。控訴の取下げは、訴えの取下げとは全くの別物だ。訴えを取り下げれば訴訟は初めからなかったことになる。だが控訴を取り下げると、262条1項の準用により控訴審だけが消え、あなたが負けた一審判決がそのまま確定する。負けが帳消しになるどころか、固定されるのだ。さらに控訴の取下げに相手方の同意は不要とされる。訴えの取下げで必要な同意の規定が、控訴の取下げにはあえて準用されていないからだ。取り下げれば相手は一審の勝ちを保つだけで損をしない、それが理由だ。ボタンを押す前に、自分が何を確定させようとしているのかを正確に知る必要がある。
法的な位置づけ
民事訴訟法292条は控訴の取下げを定める規定であり、控訴人が控訴審の終局判決があるまでの間、提起した控訴を撤回できる旨を規定する。取下げにより控訴審は初めから係属しなかったものとみなされ、一審判決が確定する。訴えの取下げ(261条)とは効果が正反対であり、相手方の同意を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取り下げる前に一審判決の主文を読み返す 控訴を取り下げると確定するのは一審判決そのもの。取下げボタンを押す前に、確定させようとしている主文があなたに不利な内容でないかを必ず確認する
- 2.相手の附帯控訴の有無を確認する 相手方が附帯控訴を出していないか記録を確認する。出ていれば、あなたの取下げで相手の附帯控訴も原則失効する(293条2項)。攻めのカードになる場面を見極める
- 3.畳み方を控訴取下げか和解かで選ぶ 一審判決を残してよいなら控訴取下げ、判決ごと消したいなら裁判上の和解を選ぶ。相手から『控訴を取り下げて』と言われたら、それが一審敗訴の確定提案でないか立ち止まる
- 4.控訴取下書を期日内に提出する 取下げは書面で行う(261条3項準用)。控訴審の終局判決前に控訴取下書を提出する。判決後は取り下げられず、控訴期間を過ぎれば再控訴もできない前提で決める
よくある質問 AI による整理
Q1控訴の取下げに相手の同意は必要ですか?
不要です。訴えの取下げ(261条)と異なり、控訴の取下げに相手方の同意の規定は準用されていません。取り下げれば相手は一審の勝ちを保つだけで損をしないためです。
Q2控訴はいつまで取り下げられますか?
控訴審の終局判決があるまでです(292条1項)。判決が出てしまえばもう取り下げられません。タイミングを逃すと選択肢が消えます。
Q3控訴を取り下げると附帯控訴はどうなりますか?
相手方が出した附帯控訴は原則として効力を失います(293条2項)。あなたの控訴取下げが相手の請求まで道連れにする場面があります。
Q4控訴の取下げはどんな方式で行いますか?
書面で行うのが原則です(261条3項準用)。口頭弁論や弁論準備手続の期日では口頭でも可能ですが、確実性のため書面が推奨されます。
Q5両当事者が期日に欠席すると控訴はどうなりますか?
双方が連続して口頭弁論期日に欠席等をすると、控訴を取り下げたものとみなされます(263条準用、擬制取下げ)。放置も確定につながります。
Q6行政訴訟でも控訴の取下げは同じですか?
同じです。行政事件訴訟法7条により民事訴訟の例によるため、対役所の裁判でも控訴を取り下げれば不利な一審判決が確定します。
Q7控訴を取り下げた後に再び控訴できますか?
控訴期間(一審判決送達から2週間、285条)が残っていれば理論上は可能ですが、実務上残っていることはまれで、過ぎていれば確定し再控訴できません。
Q8争いをやめたいだけなら控訴取下げでよいですか?
一審の負けを確定させたくないなら不適切です。判決ごと消したい場合は控訴取下げではなく裁判上の和解で訴訟を終わらせる道を検討すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴を取り下げたら、また控訴し直せますか?
控訴期間内(一審判決の送達から2週間、285条)であれば理論上は再度控訴できますが、実務上その期間が残っていることはまれです。期間を過ぎていれば一審判決が確定し、もう争えません。実務のポイント:弁護士が『取下げ』と『取下げ後の再控訴可能性』を分けて説明しないことがあります。取り下げる前に必ず『控訴期間はあと何日残っているか』を確認させること。残り日数がゼロなら、その取下げは一審敗訴の確定と同義です
Q2訴えの取下げと控訴の取下げって、何が違うんですか?
訴えの取下げ(261条)は訴訟全体を初めからなかったことにしますが、控訴の取下げ(本条)は控訴審だけを消し、一審判決を確定させます。さらに訴えの取下げは相手の同意が要る場面があるのに対し、控訴の取下げは同意不要です。実務のポイント:和解で揉めたとき、相手が『控訴を取り下げてくれ』と言ってきたら警戒。それはあなたに一審の負けを確定させる提案かもしれません。畳むなら判決ごと消える和解の形にこだわるべき場面があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「取り下げれば訴訟がなかったことになる」と思っている人が多い。だが控訴の取下げで消えるのは控訴審だけで、一審判決はむしろ確定する。なかったことになるのは『訴えの取下げ』であって、『控訴の取下げ』ではない。同じ取下げでも結末は正反対だ
- 「相手の同意が要るかどうか」を心配する人がいるが、その問いの立て方自体がずれている。控訴の取下げに相手方の同意は不要だ。同意が問題になるのは訴えの取下げの場面であり、控訴の取下げでは同意の規定がそもそも準用されていない。心配すべきは同意ではなく、確定する判決の中身だ
- 控訴を取り下げられること自体は知っていても、その『期限』の深刻さを見落としている。取り下げられるのは控訴審の終局判決があるまで。判決が出てしまえばもう取り下げられず、しかも控訴期間(判決送達から2週間)を過ぎていれば再控訴もできない。タイミングを逃すと選択肢が一瞬で消える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取り下げると消えるもの | 控訴の取下げ(292条):控訴審のみ消滅、一審判決は確定 | 訴えの取下げ(261条):訴訟全体が初めからなかったことに 擬制取下げ(263条準用):双方期日欠席で控訴取下げとみなす |
| 相手方の同意 | 不要(同意の規定は準用されない) | 被告が本案について準備書面提出等の後は必要 不要(欠席という事実状態で発生) |
| 一審判決への影響 | そのまま確定する(負けが固定される) | 判決も含め白紙、確定しない そのまま確定する |
| 可能な時期 | 控訴審の終局判決があるまで | 判決確定までの間 連続した期日欠席等が生じた時 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も上訴審の終局判決前まで上訴を撤回でき、撤回により原判決が確定する点で日本と構造が同じ
韓国も控訴審の終局判決前まで控訴を取り下げられ、相手方の同意を要しない点で日本と類似
ドイツも控訴(Berufung)の終局判決前まで取下げ可能。原則として相手方の同意を要しない(一定段階後は同意要の例外あり)
米国は当事者の合意または申立てにより上訴を自発的に取り下げる(voluntary dismissal)。取下げで原審判決が確定する点は共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 控訴を取り下げた三日後、やはり争うべきだったと後悔した。だが控訴期間の2週間はとうに過ぎている。一審判決はすでに確定し、もう動かせない。残された道は再審だけだが、その要件は針の穴のように狭い
- もし相手があなたの控訴に対して附帯控訴を出していたら? あなたが控訴を取り下げた瞬間、相手の附帯控訴も原則として効力を失う(293条2項)。あなたの一手が、相手の請求まで道連れにする。取下げが攻めのカードにもなりうる場面だ
- あなたは一審で勝った被告。相手が控訴してきたが、控訴審の途中で突然取り下げた。あなたの同意は要らない。気づけば一審の勝訴判決が確定していた。控訴の取下げは、勝った側にとっては紛争を最速で終わらせる朗報になりうる
- 和解がまとまりかけ、相手の弁護士が「では控訴を取り下げてください」と言ってきた。あと数日で次回期日。その一言に乗る前に、それが一審の負けを確定させる提案ではないか、立ち止まって確かめる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取り下げる前に、確定させようとしている一審判決の主文を読み返す。あなたに不利な内容なら、それがそのまま確定する2. 相手の附帯控訴の有無を確認、出ていれば取下げで相手の請求も失効しうる(293条2項) 3. 単に争いをやめたいだけなら、控訴取下げではなく裁判上の和解で判決ごと消す道を検討4. 取下げは書面で行う(261条3項準用)。一度取り下げて控訴期間(2週間)を過ぎれば再控訴できない、引き返せない前提で決める
訴えられた側:1. 相手が控訴してきても、相手はいつでも一方的に取り下げられる。あなたの同意は不要で、取り下げられたら一審の勝訴がそのまま確定する2. あなた自身も一審で一部敗訴しているなら、相手の控訴に乗じて附帯控訴(293条)を出す選択肢がある3. ただし相手が本控訴を取り下げると、あなたの附帯控訴も原則失効する点に注意4. 相手の取下げを待つか、こちらから和解を仕掛けるか、確定のタイミングを見極める
時効(請求できる期限):控訴の取下げができるのは『控訴審の終局判決があるまで』(本条1項)。判決後は取り下げられない。また当事者双方が連続して口頭弁論期日に欠席等をすると、控訴を取り下げたものとみなされる(263条準用、擬制取下げ)。なお取下げ後、控訴期間(判決送達から2週間、285条)を過ぎていれば再控訴は不可(最新の改正状況をご確認ください)
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