民事訴訟法 第92条の9(知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥及び忌避)
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- 第二十三条から第二十五条までの規定は、前条の事務を行う裁判所調査官について準用する。
- 2.前条の事務を行う裁判所調査官について除斥又は忌避の申立てがあったときは、その裁判所調査官は、その申立てについての決定が確定するまでその申立てがあった事件に関与することができない。
この条文の基本情報
知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥及び忌避とは何ですか?
定義知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥及び忌避とは、民事訴訟法第92条の9に定められた規定で、「第二十三条から第二十五条までの規定は、前条の事務を行う裁判所調査官について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第92条の9(知的財産に関する事件における裁判所調査官の除斥及び忌避)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第92条の9の条文原文は「第二十三条から第二十五条までの規定は、前条の事務を行う裁判所調査官について準用する。」で始まります。
- 民事訴訟法第92条の9は第二款 知的財産に関する事件における裁判所調査官の事務等に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第92条の9の前の条は民事訴訟法第92条の8です。
- 民事訴訟法第92条の9の次の条は民事訴訟法第93条です。
- 民事訴訟法第92条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第92条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第92条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/92_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法92条の9は、知財事件の裁判所調査官に裁判官の除斥・忌避を準用し、忌避の申立て後は決定が確定するまで事件への関与を停止させる規定である。
Q · 特許裁判で技術を判定する裁判所調査官も、裁判官みたいに外せるんですか?
外せます。公正さを疑えば忌避を申し立てられます
民事訴訟法92条の9により、知財事件の裁判所調査官には裁判官の除斥・忌避(23条〜25条)が準用されます。調査官が相手方企業の元従業員だった、過去に同じ特許の審査・鑑定に関わっていたなどの事情があれば、除斥事由(23条)や忌避事由(24条)を理由に排除を申し立てられます。さらに忌避の申立てがあった瞬間から、決定が確定するまで、その調査官は事件に一切関与できなくなります(92条の9第2項)。技術判断の入口に立つ人物の中立性を、当事者自身が問えます。
解説
特許権の侵害で誰かを訴えた、あるいは訴えられた。その法廷には裁判官のほかに、技術を読み解く専門家がもう一人座っている。裁判所調査官(複雑な技術が争点の知財事件で、裁判官の理解を技術面から支える専門職)である。問題は、この調査官の説明が判決の中身を事実上左右しうるという点だ。本条は、裁判官に適用される除斥(一定の事由があれば自動的に職務から外れる仕組み)と忌避(公正さを疑い当事者が外すよう申し立てる手続)の規定(23条から25条)を、この調査官にもそっくり準用する。つまり、調査官が相手方企業の元従業員だった、過去に同じ特許の鑑定や審査に関わっていた、そうした事情があれば、あなたはその調査官を事件から排除するよう申し立てられる。しかも忌避の申立てがあった瞬間から、決定が確定するまで、その調査官は事件に一切関与できなくなる。技術判断の入口に立つ人物の中立性を、あなたは自分の手で問える。
法的な位置づけ
民事訴訟法92条の9は、知的財産訴訟において技術的事項の説明を担う裁判所調査官に、裁判官の除斥・忌避に関する規定(23条から25条)を準用する規定である。除斥事由または忌避事由があれば当該調査官は職務から排除され、忌避の申立てがあった後は、その決定が確定するまで事件への関与が停止される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.担当裁判所調査官の氏名と経歴を洗い出す 訴状を読む前に、担当調査官の氏名・特許庁での審査審判歴・前職・過去の関与案件を確認する。知財調査官の多くは特許庁出身のため、経歴から相手方や争点特許との接点を逆算できる
- 2.除斥事由か忌避事由かを切り分ける 相手方や争点特許との接点(元従業員、過去の鑑定・審査・意見、親族関係など)が見つかれば、23条の除斥事由に当たるか、24条の忌避事由(公正を妨げる事情)に当たるかを切り分ける
- 3.本案弁論の前に疎明書面で申立てを行う 理由を疎明した書面で、調査官の面前で弁論または申述をする前に忌避(または除斥)の申立てを行う。タイミングを逃すと原則申し立てられなくなるため、気付いた時点で速やかに動く
- 4.申立てと同時に関与停止を確認する 申立てがあった時点で、決定が確定するまで調査官は事件に関与できなくなる(92条の9第2項)。技術説明や和解調整の局面から調査官が外れていることを記録上で確認する
よくある質問 AI による整理
Q1裁判所調査官とは何ですか?
複雑な技術が争点の知財事件で、技術面から裁判官の理解を支える専門職です。多くは特許庁の元審査官・審判官で、技術的争点の説明や当事者への発問を行います(民訴92条の8)。
Q2裁判所調査官を忌避できますか?
できます。民訴92条の9が裁判官の忌避規定(24条)を準用するため、調査官の公正さを疑う事情があれば当事者が忌避を申し立てられます。
Q3調査官の除斥と忌避の違いは何ですか?
除斥は法定事由があれば自動的に職務から外れる仕組み(23条)、忌避は公正を妨げる事情を理由に当事者が申し立てて外す手続(24条)です。どちらも92条の9で調査官に準用されます。
Q4調査官の忌避はいつまでに申し立てるべきですか?
原則として調査官の面前で弁論や申述をする前です。事由を知りながら本案弁論を始めると、原則申し立てられなくなります。気付いたその日が勝負です。
Q5忌避を申し立てると調査官はすぐ外れますか?
申立てがあった時点で、決定が確定するまで調査官は事件に関与できなくなります(92条の9第2項)。申立て自体が審理の進行を止める強い効力を持ちます。
Q6特許庁出身の調査官は忌避できますか?
出身だけでは事由になりません。ただし争点特許を過去に審査・審判した本人であれば、除斥または忌避の事由に当たる可能性があり、経歴の精査が鍵になります。
Q7調査官を忌避すると裁判で不利になりませんか?
忌避の判断は調査官自身でなく裁判所が行い(25条準用)、正当な理由ある申立てが心証を害することは制度上想定されていません。理由なき乱発は逆効果です。
Q8専門委員と裁判所調査官の忌避は同じですか?
どちらも裁判官の除斥・忌避が準用されますが、根拠条文が異なります。専門委員は92条の6、知財事件の裁判所調査官は92条の9が準用規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所調査官って、結局どれくらい判決に影響するんですか?
直接判決を書くのは裁判官ですが、知財事件の調査官は技術的争点を裁判官に説明し、当事者への発問や和解の調整にも関与します(92条の8)。技術が勝敗を分ける事件では、調査官の理解が事実上の土台になります。実務のポイント:知財調査官の多くは特許庁の元審査官・審判官です。技術系の背景が濃いほど業界内の人脈も濃く、だからこそ本条が裁判官並みの中立性を要求している。相手方との接点は経歴から逆算できる
Q2忌避を申し立てたら、裁判官に面倒な当事者と睨まれて不利になりませんか?
忌避の判断は当該調査官自身ではなく裁判所が行い(25条準用)、正当な理由のある申立てが心証を害することは制度上想定されていません。申立て中は調査官が関与できなくなる(2項)ので、審理の公正さがむしろ担保されます。実務のポイント:実務で忌避が認められる例は多くありませんが、申立て自体が「こちらは調査官の経歴まで見ている」という牽制になる。理由なき乱発は逆効果だが、根拠のある一手は審理の緊張感を変える(最新の運用状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「調査官は単なる事務方で判決には影響しない」という、問いの立て方からして誤っている。知財事件の調査官は技術的争点を裁判官に説明し、時に当事者へ発問もする。判決の技術的判断の骨格が作られる局面に関与する。だからこそ法は裁判官と同じ中立性を要求した
- 「専門家なのだから外す理由などない」と思いがちだが、専門家であるほど業界内の人間関係が濃く、利害が絡みやすい。中立性を担保する忌避制度は、専門性の高さと裏腹の関係にある
- 忌避できること自体は知っていても、申し立てた瞬間にその調査官が事件から即座に外れる(2項)という効力の強さを知らない人は多い。決定が確定するまで関与できない、つまり申立てそのものが時間と審理の主導権を動かす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 92条の9:知財事件の裁判所調査官 | 23〜25条:裁判官本人 92条の6:専門委員 |
| 排除の仕組み | 除斥(自動)+忌避(申立て)を準用 | 除斥(自動)+忌避(申立て)の本体規定 除斥+忌避を準用 |
| 申立て後の効力 | 決定確定まで当該事件に関与不可(2項) | 忌避申立て中は職務執行停止(原則) 決定確定まで関与不可 |
| 適用場面 | 技術が争点の知財訴訟 | 全民事訴訟 専門的知見を要する一般民事訴訟 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は知財専門の技術審査官を置き、その迴避に法官の迴避規定を準用する点で日本と同型。専門職を取り込みつつ中立性を担保する構造が共通する。
韓国は特許法院に技術審理官を置き、民事訴訟法の제척・기피(除斥・忌避)を準用する。技術専門官の中立性を手続的に担保する点で日本と類似。
ドイツは連邦特許裁判所に技術裁判官(technische Richter)を置き、裁判官のAblehnung(忌避)規定が適用される。技術判断者を裁判体に組み込みつつ中立性を確保する。
米国はtechnical advisorやspecial masterを任命し、その disqualification は裁判官同様の利益相反基準に服する。任命前の当事者への開示・異議手続が重視される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 特許侵害で訴えられたあなたが担当の裁判所調査官の経歴を調べたら、相手方企業の研究所に十年在籍していた事実が出てきた。本条と23条(除斥)を根拠に排除を申し立てれば、技術判断の偏りを入口で止められる。黙って審理が進めば、その偏りは判決理由に溶け込んで見えなくなる
- もし、あなたの事件を担当する調査官が、争点となっている特許の無効審判で過去に一方当事者側の意見を述べていたとしたら? 24条の忌避事由(裁判の公正を妨げる事情)に当たる可能性がある。申立てが認められれば調査官は交代し、技術論の土俵が組み直される
- 忌避の申立てには事実上の期限がある。調査官の問題を知りながら本案について弁論を始めてしまうと、原則もう申し立てられない。気付いた、その日が勝負だ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 担当の裁判所調査官の氏名と経歴を確認、特許庁での審査・審判歴、前職、過去の関与案件を洗う2. 相手方や争点特許との接点(元従業員、過去の鑑定・意見、親族関係など)が見つかれば、23条の除斥事由か24条の忌避事由かを切り分ける3. 本案について弁論する前に、理由を疎明した書面で忌避の申立てを行う4. 申立てと同時に2項の効力で調査官は関与停止、決定確定まで審理から外れる。タイミングを逃さないこと
訴えられた側:1. 相手が調査官を忌避してきたら、その事由が本当に公正を妨げるものか、それとも審理引き延ばしの戦術かを見極める2. 忌避が訴訟遅延目的と見られる場合、簡易却下の余地がある3. 自社に有利な心証を持つ調査官を守りたいなら、忌避事由の不存在を具体的に反論4. ただし無理に庇うより、中立性に疑義のある調査官は早期交代の方が、後の上訴リスクを下げる場合がある
時効(請求できる期限):忌避は、当事者が調査官の面前で弁論をし、又は弁論準備手続で申述をした後は、原則として申し立てられない(24条2項の準用)。ただし忌避の原因を知らなかった場合、又は原因がその後に生じた場合はこの限りでない。除斥は事由があれば期限の制約なく職務から除かれる(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:知財事件の裁判所調査官は技術的判断の骨格形成に関与するため、裁判官と同等の中立性が要求される。専門性の高さは業界内の利害関係と表裏一体であり、92条の9の除斥・忌避準用はその専門性に対応した手続的安全弁と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 知的財産関係訴訟の充実・迅速化を図る改正(裁判所法等の一部を改正する法律)により、知財事件における裁判所調査官の事務(92条の8)とともに本条が新設された。調査官の権限拡大に対応し、裁判官並みの除斥・忌避を導入して手続の公正を担保した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:知的財産関係訴訟の充実・迅速化を図る改正(裁判所法等の一部を改正する法律)により、知財事件における裁判所調査官の事務(92条の8)とともに本条が新設された。調査官の権限拡大に対応し、裁判官並みの除斥・忌避を導入して手続の公正を担保した。
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