民事再生法 第137条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)
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- 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
- 2.前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。
- 3.第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。
- 4.第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。
- 5.第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
- 6.第一項の訴えに係る訴訟手続で否認権限を有する監督委員が当事者であるものは、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定又は再生手続終結の決定により再生手続が終了したときは終了するものとし、再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了したときは中断するものとする。
- 7.第一項の訴えに係る訴訟手続で管財人が当事者であるものは、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定又は再生手続終結の決定により再生手続が終了したときは、第六十八条第二項の規定にかかわらず、終了するものとする。
この条文の基本情報
否認の請求を認容する決定に対する異議の訴えとは何ですか?
定義否認の請求を認容する決定に対する異議の訴えとは、民事再生法第137条に定められた規定で、「否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第137条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第137条の条文原文は「否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。」で始まります。
- 民事再生法第137条は第二節 否認権に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第137条の前の条は民事再生法第136条です。
- 民事再生法第137条の次の条は民事再生法第138条です。
- 民事再生法第137条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第137条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第137条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/137
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法137条は、否認の請求の認容決定に不服がある者が送達日から一月の不変期間内に異議の訴えを提起できると定める。期間を逃すと決定は確定判決と同一の効力を持つ。
Q · 否認の請求の決定に納得できないとき、どうすれば争えますか?
送達から一月以内に異議の訴えを起こさなければ確定します
民事再生法137条により、否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、再生裁判所へ異議の訴えを提起できます。これにより簡易な決定手続では尽くせなかった反証を正式な口頭弁論で展開できます。期間内に提起しない、または訴えが却下された場合、その決定は確定判決と同一の効力を持ち、強制執行の対象になります。不変期間のため原則として延長はなく、送達日からの起算が決定的に重要です。
解説
取引先が民事再生を申し立てる直前、あなたは焦げ付きかけた売掛金をなんとか回収できた。ほっとしたのも束の間、数か月後に裁判所から一通の決定書が届く。「あの返済を否認する、受け取った金を戻せ」。あなたには訴訟で争った覚えもない。これは否認権限を持つ監督委員が「否認の請求」という簡易な決定手続で得た決定だ。137条は、その決定に納得できないあなたに残された唯一の出口を定める。送達を受けた日から一月の不変期間内に異議の訴えを起こせば、今度こそ正式な裁判で取引の正当性を争える。だが逃せば、その決定は確定判決と同一の効力を持ち、あなたの財産から強制的に取り立てられる。決定書の日付を見た瞬間、もう時計は動き始めている。
法的な位置づけ
民事再生法137条は、否認の請求を認容する決定に対する異議の訴えを定める規定である。否認権者が簡易な決定手続で得た否認認容決定に不服のある者に対し、送達日から一月の不変期間内に再生裁判所へ正式な訴えを提起する道を開き、期間徒過または却下の場合は当該決定が確定判決と同一の効力を持つ旨を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.決定書の送達日を確定する 否認認容決定の決定書が届いたら、まず送達を受けた日付を記録する。一月の不変期間はこの日から起算され、原則として一日も延長されない。封筒の消印や郵便の受領記録も保全する
- 2.否認された取引の正当性を示す証拠を集める 否認された返済・担保設定・相殺について、契約書、当時の取引先の財務状況、対価の相当性、危機認識の不存在を裏づける資料を収集する。決定手続で出しきれなかった反証を整理する
- 3.再生裁判所へ異議の訴えを提起する 通常の管轄ではなく、その再生手続を進めている再生裁判所に異議の訴えを提起する(137条2項)。訴状では決定の事実誤認・法令違反を手続の文脈に沿って具体的に主張し、決定の取消しまたは変更を求める
- 4.仮執行・取立てへの対応を弁護士と詰める 提訴と並行して、相手方による仮執行(5項、民訴259条)に基づく取立てへの対応を弁護士と協議する。再生手続が途中で終了する場合は6項・7項により訴訟が終了または中断するため、当事者の地位の承継も確認する
よくある質問 AI による整理
Q1否認の請求とは何ですか?
再生手続で否認権者が、訴えによらず簡易な決定手続によって偏頗弁済等の否認を求める方法です。書面審理中心で迅速ですが、相手方は異議の訴えで正式に争えます(民事再生法135条・136条)。
Q2異議の訴えの起算日はいつですか?
否認認容決定の送達を受けた日からです。ここから一月の不変期間が進行します。発送日や決定日ではなく、自分が現実に送達を受けた日で起算する点に注意が必要です。
Q3民事再生の否認権は誰が行使しますか?
監督委員型では否認権限を付与された監督委員(民事再生法56条)、管理型では管財人が行使します。再生債務者本人ではない第三者が主体となる点が特徴です。
Q4異議の訴えにかかる費用はどれくらいですか?
否認された金額(訴額)に応じた印紙代と、代理人弁護士費用が必要です。倒産事件に通じた代理人ほど費用は上がりますが、勝敗を左右するため初動投資の価値があります。
Q5不変期間を過ぎたら救済はありますか?
原則ありません。裁判所の裁量延長は不可で、決定は確定判決と同一の効力を持ちます。天災等やむを得ない事由がある場合に限り、訴訟行為の追完(民事訴訟法97条)が例外的に認められる余地があるのみです。
Q6仮執行宣言とは何ですか?
判決確定前でも強制執行できるようにする宣言です。異議の訴えで決定を認可・変更する判決には、受訴裁判所が民事訴訟法259条により仮執行宣言を付すことができます(137条5項)。
Q7否認認容決定が確定するとどうなりますか?
確定判決と同一の効力を持ち(137条4項)、否認された返済や担保について強制執行が可能になります。受け取った金銭の返還を求められ、本案で争う道は完全に閉ざされます。
Q8倒産直前の返済はなぜ否認されるのですか?
支払不能後や危機時期の弁済は、他の債権者を害する偏頗行為とみなされうるためです。実体要件は民事再生法127条以下が定め、要件を満たすと否認の対象になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1否認の請求の決定って、ちゃんとした裁判で出たものじゃないですよね。無視したらどうなりますか?
無視は最悪手です。一月の不変期間内に異議の訴え(137条1項)を起こさなければ、その決定は確定判決と同一の効力を持ち(137条4項)、強制執行の対象になります。実務のポイント:否認の請求は書面審理中心の簡易な手続で、相手方の言い分が十分に反映されないまま決定が出ることがある。だからこそ異議の訴えで正式な口頭弁論に持ち込む価値が高い。決定が不利でも諦める段階ではない。
Q2異議の訴えって、どこの裁判所に出すんですか。普通の裁判所でいいんですか?
再生裁判所が管轄します(137条2項)。通常の管轄ルールではなく、その再生手続を進めている裁判所に提起する点が独特です。実務のポイント:再生事件を担当する裁判所は手続の経緯を把握しているため、訴状では「決定のどこが事実誤認や法令違反か」を手続の文脈に沿って具体的に示す必要がある。一般民事の感覚で書いた訴状は刺さらない。倒産事件に通じた代理人を立てるかどうかで結果が変わる。
Q3訴えてる途中で取引先の再生手続が終わってしまったら、その裁判はどうなるんですか?
終了原因によります。再生手続開始決定の取消し確定や再生手続終結の決定なら訴訟は終了し、再生計画不認可・廃止・取消しの確定なら中断します(137条6項)。管財人が当事者の場合は7項で別途終了する場面もあります。実務のポイント:中断した訴訟は受継の手続を踏まなければ再開しない。手続が宙に浮いている間に放置すると、せっかく起こした異議の訴えが事実上立ち消えになる危険がある。終了原因の見極めが実務の勘所。
間違えやすい点 AI による整理
- 「決定が出ても、いずれちゃんとした裁判でやり直せるはず」と思いがちだが、やり直せるのは一月以内に異議の訴えを起こした場合だけ。何もしなければ、その決定は確定判決と同一の効力を持ち(137条4項)、二度と本案で争えなくなる
- 異議の訴えを起こせること自体は知っていても、その期間が「不変期間」である重みを知らない人が多い。裁判所の裁量で延ばせる普通の期間と違い、原則として一日も延長されない。郵便の見落としや出張中の放置が、そのまま取り返しのつかない期間徒過になる
- 「たかが決定だから簡単にひっくり返せる」とあなたは思うかもしれないが、裁判所から見れば否認の請求はすでに審理を経て下した判断だ。異議の訴えは決定の当否をゼロから争い直す正式な訴訟であって、出せば自動的に覆る軽い不服申立てではない。この認識のズレが、決定を甘く見た側を追い込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質・位置づけ | 137条:否認認容決定への異議の訴え(正式訴訟) | 135条:否認権の行使方法(訴え・請求・抗弁) 136条:否認の請求の決定(簡易な決定手続) |
| 主体・手続の流れ | 決定に不服のある相手方が提起する不服手続 | 否認権者が行使方法を選択する入口規定 否認権者の請求に対し裁判所が下す決定 |
| 期間・効力 | 送達から一月の不変期間、徒過で決定が確定判決化(4項) | 行使方法ごとに手続が分岐 決定後、異議の訴えがなければ確定へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は否認に相当する撤銷權を破産管財人に認める。日本のような『請求の決定+異議の訴え』という二段構えの専用手続ではなく、訴訟を通じた撤銷が中心となる点が異なる。
韓国は統合倒産法(債務者回生法)の中で否認権を規定し、管理人・管財人が行使する。日本と同様にドイツ法系の影響を受けた偏頗行為否認の枠組みを持つ。
ドイツの倒産否認(Insolvenzanfechtung)は否認の類型と期間を詳細に定め、否認は原則として訴訟(または抗弁)により行う。日本の簡易決定手続のような独立した決定段階は置かれていない。
米国連邦倒産法は preference(偏頗弁済)と fraudulent transfer(詐害譲渡)を区別して否認(avoidance)を定め、トラスティが adversary proceeding として訴訟で争う。決定+異議という構造はとらない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の倒産直前に振り込まれた800万円の返済。ある朝、否認認容の決定書が届く。残された不変期間はあと三週間。異議の訴えを起こして争うか、おとなしく金を返すか、今週中に腹を決めなければならない
- あなたが否認権限を持つ監督委員として否認の請求を通した側だ。相手方が異議の訴えを起こしてきた。ここから先は正式な民事訴訟、簡易な決定手続のようには進まず、取引の有害性も相手の認識も一から弁論で立証し直すことになる
- 決定書を机の引き出しに放り込んで一月。気づけば不変期間は過ぎていた。その決定は、もう確定判決と同じ重さで動き出している
- もし再生手続そのものが途中で打ち切られたら、進行中の異議の訴えはどうなる? 監督委員が当事者なら、終了原因によって訴訟は終了するか中断するかが分かれ、当事者の地位が宙に浮く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 決定書の送達日を確定する。一月の不変期間はここから起算、原則として延長はない2. 否認された取引の正当性を示す証拠を集める(契約書、当時の取引先の財務状況、対価の相当性、危機認識の不存在) 3. 再生裁判所に異議の訴えを提起し(137条2項)、訴状で決定の取消しまたは変更を求める4. 提訴と並行して、相手方の仮執行(5項、民訴259条)による取立てへの対応を弁護士と詰める。期間を逃せば決定は確定判決化し、本案で争う道は完全に閉じる
訴えられた側:1. 否認の請求の段階で、取引の有害性と相手方の認識を立証できる証拠を厚く固めておく。異議の訴えになれば、正式な弁論で全面的に蒸し返される2. 相手方が一月以内に異議の訴えを起こさなければ、決定は確定判決と同一の効力を得る(4項)、強制執行の準備に入る3. 認可・変更判決を得たら、仮執行宣言(5項、民訴259条)を申し立てて早期回収を図る4. 再生手続が途中で終了する場合、6項・7項により訴訟が終了または中断する点に注意し、当事者の地位の承継を確認する
時効(請求できる期限):異議の訴えは、決定の送達を受けた日から一月の不変期間内(137条1項)。不変期間のため裁判所の裁量による延長は原則できず、訴訟行為の追完(民事訴訟法97条)が認められる例外的場面を除き、一日でも過ぎれば決定は確定判決と同一の効力を持つ(137条4項)。
学説
通説:否認の請求の決定は簡易迅速な権利実現を図る手続であり、137条の異議の訴えは相手方に正式な審理を受ける権利を保障する制度と位置づけられる。一月の不変期間内に争わなければ決定が確定判決化することで、迅速性と手続保障が時間の区切りによって両立される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定(平成11年法律第225号)により新設。旧来の和議法に代わる再生型倒産手続として、否認の請求という簡易な決定手続と、これに対する異議の訴えを定めた。
- 民事再生法 第135条否認権の行使方法(訴え・請求・抗弁)
- 民事再生法 第136条異議の対象となる否認の請求の決定
- 民事再生法 第127条否認権の実体的要件(詐害行為の否認)
- 民事再生法 第56条否認権限を有する監督委員、訴訟当事者の根拠
- 民事再生法 第68条管財人の権限・当事者適格、7項が参照
- 破産法 第175条破産手続における同種の異議の訴えの特則
- 民事訴訟法 第259条仮執行宣言、5項が準用
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