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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事再生法 第138条(否認権限を有する監督委員の訴訟参加等)

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  1. 否認権限を有する監督委員は、第百三十五条第一項の規定にかかわらず、否認権の行使に係る相手方(以下この条において「相手方」という。)及び再生債務者間の訴訟が係属する場合には、否認権を行使するため、相手方を被告として、当事者としてその訴訟に参加することができる。ただし、当該訴訟の目的である権利又は義務に係る請求をする場合に限る。
  2. 2.否認権限を有する監督委員が当事者である否認の訴え(前条第一項の訴え及び第百四十条第一項の規定により受継された訴訟手続を含む。)が係属する場合には、再生債務者は、当該訴えの目的である権利又は義務に係る請求をするため、相手方を被告として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
  3. 3.前項に規定する場合には、相手方は、当該訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、再生債務者を被告として、当該訴訟の目的である権利又は義務に係る訴えをこれに併合して提起することができる。
  4. 4.民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定は前三項の場合について、同法第四十三条並びに第四十七条第二項及び第三項の規定は第一項及び第二項の規定による参加の申出について準用する。

この条文の基本情報

否認権限を有する監督委員の訴訟参加等とは何ですか?

定義否認権限を有する監督委員の訴訟参加等とは、民事再生法第138条に定められた規定で、「否認権限を有する監督委員は、第百三十五条第一項の規定にかかわらず、否認権の行使に係る相手方(以下この条において「相手方」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第138条(否認権限を有する監督委員の訴訟参加等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第138条の条文原文は「否認権限を有する監督委員は、第百三十五条第一項の規定にかかわらず、否認権の行使に係る相手方(以下この条において「相手方」という。」で始まります。
  3. 民事再生法第138条は第二節 否認権に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第138条の前の条は民事再生法第137条です。
  7. 民事再生法第138条の次の条は民事再生法第139条です。
  8. 民事再生法第138条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第138条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第138条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/138

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法138条は、否認権限を有する監督委員が、相手方と再生債務者間で係属中の訴訟に当事者として参加できると定める。民事訴訟法40条の準用で合一確定が働く。

Q · 取引先が倒産して、進めていた裁判に「監督委員」が割り込んできたら何が起きる?

訴訟に否認権者が参加し、受領済みの金の返還を迫られます

民事再生法138条により、否認権限を有する監督委員は、あなたと再生債務者の間で係属中の訴訟に、あなたを被告として当事者参加できます。新たな別訴を待つ余裕はなく、進行中の法廷でいきなり否認(偏頗弁済の取戻し)の防御を迫られます。民事訴訟法40条の準用による合一確定が働くため、債務者とだけ和解して逃げることもできません。ただし相手方は口頭弁論終結までに、再生債務者への自分の請求を同じ訴訟へ併合提起して反撃できます(138条3項)。

解説

取引先への売掛金を請求して訴訟を続けていたら、ある日、見覚えのない「監督委員」という人物が、あなたを被告として同じ裁判に入ってきた。これが民事再生法138条の世界だ。取引先が民事再生を申し立てると、裁判所はその手続を監督する監督委員に「否認権」を与えることがある。否認権とは、再生前にあなたが受け取った支払いや担保を、債権者全体に不公平だとして取り戻す権限だ。本条が恐ろしいのは、すでに進行中の訴訟があれば、監督委員は新しい裁判を別に起こさず、その訴訟の中へいきなり当事者として割り込んでくる点にある。あなたが攻めていたはずの裁判が、一転して受け取った金を守る防御戦に変わる。しかも全当事者の判断は矛盾なく一つに揃えられる(合一確定)から、債務者とこっそり和解して逃げる道も閉じられている。

法的な位置づけ

民事再生法138条は、否認をめぐる訴訟への当事者参加を定める規定である。否認権限を有する監督委員は相手方と再生債務者間で係属する訴訟に相手方を被告として参加でき(1項)、否認の訴えが係属する場合には再生債務者も参加でき(2項)、相手方は口頭弁論終結まで再生債務者への請求を併合提起できる(3項)。民事訴訟法40条が準用され合一確定が働く。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.監督委員の否認権限の付与を確認する 参加申出を受けたら、まず監督委員に否認権限が裁判所の決定で付与されているか(民事再生法56条)を確認する。権限のない監督委員は138条の参加ができない
  2. 2.係属中訴訟の有無と参加か別訴かを見極める 相手方と再生債務者の間に既に訴訟が係属しているなら、監督委員は137条の否認の訴えではなく138条1項の当事者参加を選ぶことが多い。どちらの手続で来ているかを訴訟記録で特定する
  3. 3.対象行為の否認該当性を証拠で精査する 否認対象が偏頗弁済・詐害行為(民事再生法127条以下)に本当に当たるか、弁済の正常性を示す証拠で争う。通常の取引条件・約定どおりの支払日を裏付ける時系列資料を整える
  4. 4.口頭弁論終結までに138条3項の併合提起を検討する 相手方の立場なら、再生債務者への自分の請求を同じ訴訟へ併合提起できるのは口頭弁論終結まで。別訴の時間と費用を節約し関連争点を一度に決着させるため、終結前に併合提起の要否を判断する
  5. 5.倒産事件に通じた弁護士へ早期に相談する 合一確定(民事訴訟法40条準用)が働くため、債務者とだけ和解しても全体を終わらせられない。和解を狙うなら否認権を持つ監督委員をテーブルに着かせる必要があり、戦略設計に専門家の関与が不可欠

よくある質問 AI による整理

Q1否認権とは何ですか?

再生手続開始前に特定の債権者にした弁済や担保供与など、債権者全体に不公平な行為を取り戻す権限です。民事再生法127条以下が対象を定め、監督委員や管財人が行使します。

Q2監督委員とは何ですか?

民事再生手続を監督するため裁判所が選任する者です(民事再生法54条以下)。裁判所の決定により否認権限を付与されることがあり、その場合138条で係属訴訟に参加できます。

Q3偏頗弁済とは何ですか?

支払不能後などに特定の債権者だけに弁済や担保を与え、他の債権者より優遇する行為です。否認の主要な対象で、否認されると受領した金銭を返還する義務が生じます。

Q4否認権はいつまで行使できますか?

再生手続開始の日から2年、または否認対象行為の日から20年で行使できなくなります(民事再生法139条)。最新の改正状況は必ずご確認ください。

Q5民事再生と破産の否認権は同じですか?

対象行為や取戻しの考え方は共通しますが、破産では破産管財人、民事再生では否認権限を付与された監督委員または管財人が行使します。手続の枠組みが異なります。

Q6併合提起はいつまでにできますか?

相手方が再生債務者への請求を同じ訴訟に併合提起できるのは、当該訴訟の口頭弁論終結までです(138条3項)。終結後は別訴を起こすしかなくなります。

Q7合一確定とは何ですか?

複数の当事者に対する判断を矛盾なく一つに揃える仕組みです。民事訴訟法40条が定め、138条で準用されるため、債務者一人が勝手に和解して全体を終わらせることができません。

Q8否認された弁済は必ず返さないといけませんか?

受領した弁済が正常な取引の範囲だと証拠で示せれば否認を争えます。請求書・納品書・約定どおりの支払日など時系列の記録が正常性の判断材料になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1なぜ会ったこともない監督委員が、私の裁判に勝手に入ってこられるんですか?

民事再生では、裁判所が監督委員に否認権を与えることがあり(民事再生法56条)、その監督委員は138条1項により、すでに係属中の訴訟へ当事者として参加できるからです。新たに別訴を起こす必要がないぶん、相手方には反論の準備期間が短くなります。実務のポイント:監督委員が別訴ではなく参加を選ぶのは、手続を一本化して合一確定(民事訴訟法40条)に持ち込むためです。これにより相手方は、債務者との関係と監督委員との関係を別々に処理する逃げ道を失う。参加の通知が来た時点で、もう分断戦術は使えないと考えた方がいい

Q2相手の会社と先に話をつけて和解すれば、否認の話も消えますよね?

消えません。監督委員が参加し合一確定(民事訴訟法40条)が働く場面では、再生債務者があなたと個別に和解しても、訴訟全体を一方的に終わらせることはできません。実務のポイント:実務では、債務者は再生計画の行方を握る監督委員の意向に逆らえないため、債務者だけと有利な和解をまとめても、監督委員側でひっくり返されるのが通例です。和解するなら否認権を持つ監督委員を必ずテーブルに着かせること、これが倒産絡みの和解の鉄則

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「貸した金を返してもらう正当な取り立て」だが、否認権を持つ監督委員から見れば、あなたが過去に受け取った弁済こそが「債権者全体から抜け駆けした不当な利益」だ。この視点の落差に気付かないまま訴訟を続けると、回収どころか受領済みの金まで吐き出す側に回る
  • 否認権の存在自体は知っていても、それが「別の新しい裁判」としてしか来ないと思い込んでいる人が多い。実際は138条により、すでに係属中のあなたの訴訟の中へ参加という形で直接差し込まれる。新訴の送達を待つ余裕などなく、今の法廷でいきなり防御を迫られる
  • 「再生債務者と先に和解して訴訟を終わらせれば逃げ切れる」という前提が、そもそも崩れている。監督委員が参加し民訴40条の合一確定が働く場面では、債務者一人があなたと勝手に和解しても全体の処理を一方的に動かせない。逃げ道だと思った和解が、効力を持たない
比較の観点この条文ほかの条文
手続の形138条:係属中の訴訟へ当事者参加(別訴を起こさない)137条:否認の訴えを新たに提起
140条:既存の否認訴訟手続を受継
使う場面相手方と再生債務者間の訴訟が既に係属している係属中の関連訴訟がなく、独立に否認を求める
従前の当事者に代わり手続を引き継ぐ必要がある
権利者否認権限を有する監督委員(1項)/再生債務者(2項)否認権限を有する監督委員・管財人
受継すべき地位に立つ者
相手方の反撃手段口頭弁論終結まで再生債務者への請求を併合提起(3項)被告として弁済の正常性を主張し否認を争う
受継後の手続内で防御

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
破產法第78条以下(否認権)

台湾も破産手続における否認権を認めるが、係属訴訟への参加という手続一本化の明文は日本ほど整備されていない

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률 제100조 이하

韓国の統合倒産法も否認権を管理人・監督者が行使する枠組みで、日本の否認権制度と近い構造を持つ

ドイツ
InsO §§ 129 ff.(Insolvenzanfechtung)

ドイツの倒産否認は日本の否認権の母法にあたり、対象行為の類型化が精緻。手続は否認訴訟が中心

アメリカ
11 U.S.C. §§ 547-548

米連邦倒産法は preference(偏頗行為)と fraudulent transfer(詐害譲渡)を分けて避止し、trustee/DIP が avoidance action として提起する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたの会社が取引先への売掛金回収訴訟を進めている最中に、その取引先が民事再生を申し立てたらどうなる? 監督委員が否認権を持って同じ訴訟に参加し、あなたが半年前に受け取った別口の支払いを偏頗弁済だとして取り戻しにかかる。攻守が一夜で逆転する
  • あなたが相手方として否認の訴えに巻き込まれた。反撃として、再生債務者に対する自分の請求を同じ裁判に併合提起できるのは、口頭弁論が終結するまで(138条3項)。終結の一言が出た瞬間、別訴を起こす手間と費用が二重にのしかかる。残された時間で動けるか
  • 監督委員として否認権を付与された。相手方と債務者の間ですでに訴訟が走っている。別に否認の訴えを起こすか、その訴訟に参加するか。参加を選べば一回の手続で決着がつく

取るべき行動

被害を受けた側:1. 否認権限を有する監督委員(民事再生法56条)の選任と権限付与を裁判所の決定で確認する2. 相手方と再生債務者の間にすでに訴訟が係属しているなら、新たに否認の訴え(137条)を起こすより138条1項の当事者参加を選び、一回の手続で決着を図る3. 参加の申出は準用される民事訴訟法43条・47条の方式に従う4. 合一確定(民事訴訟法40条)が働くため、債務者側の訴訟行為と矛盾しないよう連携する

訴えられた側:1. 監督委員の参加申出書を受け取ったら、対象が否認可能な行為(偏頗弁済・詐害行為、民事再生法127条以下)に本当に当たるか、弁済の正常性を示す証拠で争う2. 口頭弁論終結までに、138条3項で再生債務者への自分の請求を同じ訴訟へ併合提起できるか検討する3. 合一確定が働くため、債務者とだけ和解しても全体を終わらせられない点を前提に戦略を組む4. 倒産事件に通じた弁護士へ早期に相談する

時効(請求できる期限):本条に独立した時効はない。ただし手続上の決定的な期限として、相手方が再生債務者への請求を併合提起できるのは当該訴訟の口頭弁論終結まで(138条3項)。また否認権自体は、再生手続開始の日から2年、または否認対象行為の日から20年で行使できなくなる(民事再生法139条、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:138条の当事者参加は、否認をめぐる争いを一本の訴訟に集約し、民事訴訟法40条の準用による合一確定を通じて再生債権者全体の公平を確保する趣旨と解される。相手方の手続的自律への制約は3項の併合提起権で均衡が図られる。

法的性質をめぐる学説:否認権の性質を形成権と解するか請求権と解するかで、参加の申出内容・取戻しの範囲・相手方の抗弁構成に差異が生じるとされ、なお議論がある。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)により旧和議法を承継。否認権の行使方法として、係属中の訴訟への当事者参加(本条)を整備し、否認をめぐる紛争処理の一本化を図った

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民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 否認権

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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