民事再生法 第24条の2(意見の聴取)
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裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は再生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、労働組合等(再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは再生債務者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第二百四十六条第三項を除き、以下同じ。)の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
意見の聴取とは何ですか?
定義意見の聴取とは、民事再生法第24条の2に定められた規定で、「裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は再生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第24条の2(意見の聴取)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第24条の2の条文原文は「裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は再生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定を…」で始まります。
- 民事再生法第24条の2は第一節 再生手続開始の申立てに置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第24条の2の前の条は民事再生法第24条です。
- 民事再生法第24条の2の次の条は民事再生法第25条です。
- 民事再生法第24条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第24条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第24条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/24_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法24条の2は、裁判所が再生手続開始の申立てを決定する前に労働組合等の意見を聴かねばならないと定める。棄却または開始が明らかな場合は例外。
Q · 勤め先が民事再生を申し立てたら、従業員は手続で何か言えるの?
従業員代表が裁判所に意見を述べる法的な席がある
民事再生法24条の2により、裁判所は再生手続開始の申立てについて決定する前に、労働組合等(過半数組合、なければ従業員の過半数を代表する者)の意見を聴かなければなりません。棄却が明らかな場合と開始が明らかな場合を除き、この聴取を欠いた手続は瑕疵を帯びます。従業員は雇用維持や未払賃金の扱いについて、開始決定の前という限られた窓で当事者として声を届けられます。
解説
勤め先が「民事再生を申し立てた」と聞いたら、多くの人は『もう終わりだ、自分にできることは何もない』と思う。だが民事再生法24条の2は違うことを告げている。裁判所は、再生手続を始めるかどうかを決める前に、労働組合(過半数組合がなければ従業員の過半数を代表する者)の意見を聴かなければならない、と。つまりあなたたち従業員は、会社の生死を決める手続の入口で、法律上の発言席を持っている。雇用がどうなるのか、未払い賃金はどう扱われるのか、その声を裁判所に直接届ける窓口がここにある。例外は二つだけ。申立てを却下するのが明らかな場合と、開始決定をするのが明らかな場合。それ以外で意見聴取を飛ばした手続は、瑕疵を帯びる。会社が黙って進めようとしても、従業員代表という立場が、あなたを蚊帳の外から引っ張り出す。
法的な位置づけ
民事再生法24条の2は、再生手続開始の申立てに対する決定の前に、裁判所が労働組合等の意見を聴取すべき義務を定める規定である。労働組合等とは、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は当該従業者の過半数を代表する者を指す。棄却または開始が明らかな場合は例外とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.労働組合の有無と過半数代表を確認 勤め先が民事再生を申し立てたと知ったら、まず過半数労働組合があるか就業規則・名簿で確認する。なければ管理監督者を除く従業員の過半数で代表者を早急に選定し、会社任せの形式的代表を立てられないようにする
- 2.雇用維持と賃金の要望を文書化 開始決定の前という限られた窓で、雇用維持の希望、未払賃金の有無と額、賃金債権の扱い(一般優先債権・共益債権)を文書で整理する。後の再生計画交渉でも記録として効いてくる
- 3.裁判所の意見聴取で当事者として陳述 裁判所の意見聴取の場で、整理した意見を代表を通じて述べる。賃金債権は開始前分が一般優先債権、開始後分が共益債権としての扱いになる旨を明確に主張する
- 4.開始後も債権者集会・再生計画へ関与を継続 開始決定後も債権者集会や再生計画案の段階で従業員の関心を継続的に反映させる。入口の一度の聴取で終わらせず、手続全体を通じて雇用と賃金の視点を残す
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法の意見聴取とは何ですか?
裁判所が再生手続開始の申立てを決定する前に、労働組合または従業員の過半数代表の意見を聴く手続です(民事再生法24条の2)。棄却・開始が明らかな場合は省けます。
Q2従業員の過半数代表はどう選びますか?
過半数組合がない場合、管理監督者を除く従業員の過半数の意思で代表を選定します。会社任せの形式的な代表だと後で聴取の効力が争われます。
Q3意見聴取を飛ばした再生手続はどうなりますか?
棄却・開始が明らかな例外に当たらないのに聴取を欠くと、手続は瑕疵を帯び違法と評価されうるため、開始決定の正統性が争われます。
Q4パートやアルバイトも過半数の計算に入りますか?
入ります。『使用人その他の従業者』にはパート・アルバイト・契約社員も含まれ、正社員だけで過半数を数えるわけではありません。
Q5意見を述べればその通りに手続が進みますか?
進みません。聴取は意見表明の機会であり裁判所を拘束しませんが、開始可否や再生計画への心証形成には影響します。
Q6意見聴取はいつまでに行われますか?
『再生手続開始の申立てについての決定をする前』です。開始決定が出るとこの機会自体が失われ、特定年数の時効ではなく手続段階に紐づきます。
Q7会社更生や破産でも意見聴取はありますか?
あります。会社更生法・破産法にも労働組合等の意見聴取の並行規定があり、倒産三手続に共通する従業員参加の仕組みです。
Q8従業員の未払賃金は再生でどう扱われますか?
開始前分は一般優先債権、開始後分は共益債権として扱われ、大幅カットされる再生債権より手厚く保護されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの会社、組合がないんですけど、それでも従業員の意見って聞いてもらえるんですか?
聞いてもらえる。本条は過半数組合がない場合、従業員の過半数を代表する者の意見を聴くと定めている(民事再生法24条の2)。代表は管理監督者を除く従業員の過半数で選ぶのが原則だ。実務のポイント:誰を代表にするかを会社任せにしないこと。会社が形だけの代表を立てて『聴取は済んだ』とすると、後でその正統性が争われ手続が不安定になる。従業員側が先に代表を固めておくと、発言の重みがまるで違ってくる
Q2会社が再生したら、たまってる未払いの給料って戻ってこないんですか?
大幅カットされる買掛金などの再生債権と違い、未払賃金は一般優先債権として手厚く扱われ、随時弁済の対象になりうる(民事再生法122条、開始後分は共益債権として119条)。実務のポイント:『倒産=給料は諦め』と思い込んで転職だけを考える人が多いが、賃金債権は法律上かなり守られている。意見聴取の場でこの扱いを明確に求めておくと、取りこぼしが減る(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 『倒産したら従業員は何も言えない』という前提そのものが誤っている。問うべきは『言えるか』ではなく『誰が、どのタイミングで言うか』だ。意見聴取は開始決定の前という限られた窓で、過半数代表という限られた資格者にしか開かれていない。問いを立て間違えると、権利があるのに使えずに終わる
- 意見聴取の制度があることは知っていても、その『重み』を見誤っている人が多い。これは単なるガス抜きの儀式ではなく、聴取を欠いた手続は違法と評価されうる手続的要件。会社側にとっては飛ばせない関門であり、従業員側にとっては手続の進め方を問いただせるカードでもある
- 『意見を聴かれる=意見が通る』と思いがちだが、聴取は意見表明の機会であって、裁判所がそれに拘束されるわけではない。開始の可否は別の基準(25条の棄却事由など)で決まる。ただし心証形成に影響する以上、何を述べるかの準備は決して無駄にならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 24条の2:開始決定前の労働組合等の意見聴取 | 21条:再生手続開始の申立て(手続の起点) 25条:申立ての棄却事由(例外判断の基準) |
| 手続段階 | 申立てについての決定をする前 | 手続の入口(申立て時) 開始の可否を判断する場面 |
| 従業員との関係 | 従業員代表に発言席を与える手続的要件 | 誰が申し立てられるかを定める 聴取の例外『棄却が明らか』を画定 |
| 賃金債権の扱い | 聴取で扱いを主張する機会 | 119条:共益債権(開始後の賃金) 122条:一般優先債権(開始前の賃金) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生に相当する重整制度を会社法内に置く。労働者の手続関与は日本ほど明文の意見聴取規定が発達していない点が対照的。
韓国は回生・破産を統合した単一法典を持つ。労働債権の優先的取扱いと関係人参加の枠組みは日本と類似する。
ドイツは事業所委員会(Betriebsrat)が債権者集会や再建計画に関与する。従業員代表の制度的関与が強い点で日本より手厚い。
米国は Chapter 11で労働協約の変更に組合の関与と裁判所の承認を要する。日本の再生法はこの再建型モデルの影響を受けている。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ある朝、社長から『民事再生を申し立てた』と全社メールが届いたら、あなたに何ができる? 過半数組合があればその組合が、なければ従業員の過半数代表が、裁判所に意見を述べる権利を持つ。給料と雇用の不安を、当事者として伝えられる窓口が、開始決定の前に開いている
- あなたが中小企業の経営者で再生を申し立てた側だとする。早く開始決定がほしいが、従業員代表への意見聴取を飛ばすと手続に瑕疵が残りかねない。残された時間はわずか、誰が過半数代表なのかを今すぐ確定しないと、開始決定そのものの正統性が揺らぐ
- 組合のない会社で再生が始まる。誰が『従業員の過半数代表』になるのか。選び方を一つ間違えれば、聴取の効力が後で争われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社に過半数労働組合があるか確認、あれば組合へ、なければ従業員の過半数代表の選定を急ぐ(管理監督者を除いて数える) 2. 開始決定の前という限られた窓で、雇用維持の希望、未払賃金の有無と額を文書で整理3. 聴取の場でその意見を述べ、賃金債権は一般優先債権、開始後分は共益債権としての扱いを明確に主張4. 開始後は債権者集会や再生計画案の段階にも従業員の関心を継続的に反映させる
訴えられた側:1. 申立て前に過半数代表が誰かを確定、組合の有無を就業規則や名簿で確認2. 意見聴取を確実に履行し記録を残す、却下が明らかな場合と開始が明らかな場合の例外に安易に乗らない3. 聴取を欠いた手続は瑕疵を問われうるので、形式だけでなく実質的な発言機会を保障4. 従業員の不安を早期に説明し、再生計画への協力を取り付ける方が手続全体は円滑に進む
時効(請求できる期限):意見聴取は『再生手続開始の申立てについての決定をする前』に行わなければならない(本条)。この時点を過ぎて開始決定が出ると、この聴取の機会自体が失われる。特定の年数の時効ではなく、手続段階に紐づく時間的限界である点に注意
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法が制定され(法律第225号)、旧和議法を承継。倒産手続における労働組合等の意見聴取の枠組みが整備された(施行は平成12年)。
- 民事再生法 第21条再生手続開始の申立て、本条が前提とする手続の起点
- 民事再生法 第25条申立ての棄却事由、本条の例外『棄却が明らか』の判断基準
- 民事再生法 第33条再生手続開始の決定、聴取後になされる決定(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第119条共益債権、開始後の賃金債権の手厚い扱い
- 民事再生法 第122条一般優先債権、開始前の賃金債権の扱い(現行効力を要確認)
- 会社更生法 第22条更生手続開始申立てにおける労働組合等の意見聴取の並行規定(現行効力を要確認)
- 破産法 第22条破産手続開始申立てにおける労働組合等の意見聴取の並行規定(現行効力を要確認)
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