民事再生法 第46条(開始後の手形の引受け等)
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- 為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、再生債権者としてその権利を行うことができる。
- 2.前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。
この条文の基本情報
開始後の手形の引受け等とは何ですか?
定義開始後の手形の引受け等とは、民事再生法第46条に定められた規定で、「為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第46条(開始後の手形の引受け等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第46条の条文原文は「為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支…」で始まります。
- 民事再生法第46条は第二節 再生手続開始の決定に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第46条の前の条は民事再生法第45条です。
- 民事再生法第46条の次の条は民事再生法第47条です。
- 民事再生法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法46条は、為替手形の振出人・裏書人の再生手続開始を知らずに支払った支払人の求償権を再生債権として保護し、善意の支払人が配当を受けられると定める。
Q · 取引先が倒産したのに、その会社が振り出した為替手形を知らずに払ってしまった。払った分はもう戻らないの?
善意なら再生債権として届け出て配当を受けられます
民事再生法46条により、為替手形の振出人・裏書人である再生債務者の再生手続開始を知らずに引受けまたは支払をした支払人・予備支払人は、それによって生じた求償権を再生債権者として行使できます。つまり配当の列に並ぶ資格を得ます。ただし満額ではなく、再生計画で定まる弁済率(実務では数%〜十数%が多い)に応じた回収にとどまります。保護の分かれ目は『支払の瞬間に開始を知っていたか』という善意・悪意の一点で、届出は裁判所の定める債権届出期間内に行う必要があります。
解説
手形を受け取り、振出人の指示どおりに支払った。それだけのことが、相手の倒産で宙に浮く。為替手形(振出人が支払人に「この人へ払え」と命じる手形)の振出人や裏書人が民事再生に入ったとき、その事実を知らずに引受け(支払うと約束すること)や支払をしてしまった支払人・予備支払人(本来の支払人が払えないときの控えの支払人)を守るのが、この46条だ。本来、再生手続が始まれば再生債務者への新たな請求は宙ぶらりんになりかねない。だが手形は世の中を高速で回る。いちいち振出人の倒産を確認していたら取引が止まる。だからこの条文は、善意で払ってしまったあなたの求償権(払った分を振出人へ返せと求める権利)を「再生債権」として扱い、配当の列に並ぶ資格を与える。知らずに払った者が、ゼロではなく取り分を確保できる。
法的な位置づけ
民事再生法46条は、為替手形の振出人または裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、その事実を知らずに引受けまたは支払をした支払人・予備支払人の求償権を再生債権として扱う旨を定める規定である。同条2項は、小切手その他の給付を目的とする有価証券についてこれを準用する。手形取引の流通の安全と再生債権者間の公平の調整を目的とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.支払の事実と日時を確定する 手形の呈示日・支払日・支払金額を記録し、いつ振出人・裏書人の再生手続開始を知ったかを時系列で固める。善意・悪意の判断はこの時系列が出発点になる
- 2.開始決定と債権届出期間を確認する 裁判所の公告・官報・商業登記で再生手続開始決定の日と債権届出期間を確認する。自分の支払日が公告日より前かどうかが善意の推認に効く
- 3.求償権を再生債権として届け出る 債権届出期間内に、求償権を再生債権として裁判所へ届け出る(民事再生法94条)。手形の写し・支払証憑を添え、債権額と発生原因を明記する
- 4.善意を裏づける資料を保全する 支払時点で再生手続開始を知らなかったことを示す資料(取引記録・連絡履歴・公告日との前後関係)を保全し、監督委員・管財人に争われても立証できるよう備える
- 5.期間徒過なら追完を即検討する 届出期間を過ぎてしまった場合、責めに帰せない事由があれば、その事由の消滅後一月以内に限り届出の追完ができる(民事再生法95条)。放置すると完全に失権する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法46条とは何ですか?
為替手形の振出人・裏書人が民事再生に入ったことを知らずに引受け・支払をした支払人を守り、その求償権を再生債権者として行使できるとする規定です。
Q2予備支払人とは?
為替手形で、本来の支払人が支払を拒んだ場合に備えて参加引受・支払を行う控えの者です。46条では支払人と同様に善意なら保護されます。
Q3再生債権の届出期間はいつまでですか?
裁判所が再生手続開始決定と同時に定めます(民再34条)。この期間内に届け出ないと原則として失権し、遅れた場合は追完(同95条)の可否が問題になります。
Q4手形の求償権が紙くずにならないのはなぜですか?
46条が善意支払人の求償権を再生債権と位置づけるからです。手形は信用を逐一確認せず高速で流通するため、その安全を守る安全弁として設けられています。
Q5でんさい(電子記録債権)にも46条は適用されますか?
でんさいは手形とは別の制度で46条の直接対象ではありません。ただし紙の手形が残る取引では46条が生き、電子記録債権には別の倒産処理ルールが及びます。
Q6再生計画の弁済率はどのくらいですか?
事案により大きく異なりますが、実務では数%〜十数%にとどまることが少なくありません。再生債権者になれても満額回収とは程遠い点に注意が必要です。
Q7手形を払った後に振出人の倒産を知ったら何をすべきですか?
まず支払日と倒産を知った日を時系列で固め、開始決定と債権届出期間を公告・官報で確認し、求償権を再生債権として期間内に届け出ます(民再94条)。
Q8悪意の支払人はどうなりますか?
支払の瞬間に再生手続開始を知っていた(悪意)場合、46条の保護は及ばず、その求償権を再生債権として行使することはできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手形を払ったあとに相手が民事再生だと分かりました。払った分は戻ってこないんですか?
支払の瞬間に再生を知らなかった善意の支払人なら、その求償権を「再生債権」として届け出て配当を受けられます(民事再生法46条1項)。ただし満額ではなく、再生計画で定まる弁済率に応じた回収です。実務のポイント:実務の再生計画弁済率は数%から十数%が多く、再生債権者になれても回収額は限定的。弁護士が早期に勧めるのは「届出して配当を待つ」より「他に保証人や担保がないか」を同時に探す動きで、これは自分から教えてくれないことが多い
Q2『支払の時点で知らなかった』って、どう証明するんですか?
善意の立証は、再生手続開始の公告・官報掲載・登記の日付と、あなたの実際の支払日の前後関係が出発点になります(民事再生法46条1項)。公告前の支払なら善意が推認されやすい。実務のポイント:知・不知は形式的な通知到達ではなく「実際に知っていたか」で判断される。だから取引先と頻繁に連絡していた相手ほど、別ルートで知っていたと疑われ悪意認定のリスクが上がる。皮肉だが、距離のある取引先への支払のほうが善意は守られやすい
Q3小切手や他の証券でも同じ扱いになりますか?
なります。46条2項が、小切手および金銭その他の物または有価証券の給付を目的とする有価証券について、1項を準用すると定めています。つまり善意の支払人保護は為替手形に限られません。実務のポイント:準用される範囲は条文上やや抽象的で、どの証券まで含まれるかは個別判断になりうる。手形以外の証券で支払った場合は、46条2項の準用が及ぶかを早い段階で専門家に確認しておくと、届出の可否で迷わずに済む
間違えやすい点 AI による整理
- 「相手が倒産したら、手形で払った分は全額パー」と思われがちだが、善意で払った支払人は46条で再生債権者になれる。ゼロではなく、配当率に応じた分は戻る余地がある
- 求償権が再生債権になると知っていても、その「配当率」の現実を知らない人が多い。再生計画での弁済率は数%から十数%にとどまることが珍しくない。再生債権者になれること自体は救済だが、満額回収とは程遠い。期待値を正しく持てるかどうかが、次の判断を分ける
- 「自分は手形の素人だから関係ない」と問いを立てた時点で、すでにずれている。法律が見ているのはあなたの手形知識ではなく、支払の瞬間にあなたが相手の倒産を知っていたか否か、つまり善意かどうかだ。専門性ではなく、その一点が結論を決める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 46条:為替手形の善意引受け・支払人の求償権 | 45条:開始後の再生債務者に対する善意弁済の効力 84条:再生債権一般の範囲・定義 |
| 保護される者 | 善意の支払人・予備支払人 | 再生債務者に善意で弁済等をした者 開始前の原因に基づく債権を持つ再生債権者一般 |
| 効果 | 求償権を再生債権として行使できる | 弁済等が有効なものとして扱われる 再生計画による権利変更・配当の対象となる |
| 手続的前提 | 債権届出(94条)+支払時の善意 | 弁済時の善意 債権届出・調査・確定の各手続 |
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の依頼で、あなたの会社が為替手形の支払人になっていた。期日に手形が呈示され、いつもどおり支払った。三日後、振出人が民事再生を申し立てていたと知る。あなたの求償権は紙くずか。46条があれば、再生債権として届け出て配当を受けられる。支払の瞬間に知っていたか知らなかったか、その一点が分水嶺になる
- もし手形を支払った翌日に「実は振出人は先週から再生手続中だった」と判明したら、あなたはどう動く。鍵は支払の瞬間にその事実を知っていたかどうかだ。知らなければ46条で再生債権者になれる。知っていれば保護されない。知・不知の立証は、後で争いの火種になりうる
- あなたが裏書人として手形を回した先(前の裏書人や振出人)が再生に入った。あなたが遡求に応じて払った後の求償権も、善意であれば再生債権として扱われうる。連鎖する手形責任の鎖の、どこに立っているかで結論が変わる
- 再生手続開始の通知はまだ手元に届いていない。だが債権届出期間はもう動き出している。一日でも過ぎれば、あなたの求償権は配当の列から外れる。残された時間は、裁判所が定めた届出期間だけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 支払の事実と日時を確定:手形の呈示日・支払日・支払金額を記録し、いつ振出人の再生を知ったかを時系列で固める2. 再生手続の開始日と債権届出期間を、裁判所の公告・官報で確認する3. 求償権を「再生債権」として債権届出期間内に届け出る(民事再生法94条)、遅れたら追完(同95条)を即検討4. 善意(支払時に再生を知らなかったこと)を裏づける資料を保全し、後で監督委員に争われても立証できるよう備える
訴えられた側:1. あなたの立場は「支払人は本当に善意だったか」を検証する側。再生手続開始の公告日・登記日と、支払人の支払日の前後関係を突き合わせる2. 支払時点で支払人が再生を知っていた事情(取引履歴、連絡記録)があれば、46条の保護を否定して届出を認めない方向で争う3. 知・不知の基準は支払の瞬間。公式通知が届く前でも、別ルートで知っていたなら悪意になりうる4. 監督委員・管財人としては、安易に認めると他の再生債権者の配当を薄めるため、要件を厳格に確認する
時効(請求できる期限):特定の出訴期限ではなく、裁判所が再生手続開始の決定と同時に定める「債権届出期間」が実質的な締切(民事再生法34条)。これを過ぎると原則として失権する。責めに帰せない事由があれば、その事由が消滅した後一月以内に限り追完できる(同95条)。それも逃せば求償権は配当から完全に外れる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(条文の一般的理解):46条の善意・悪意は引受けまたは支払の時点を基準に判断され、再生手続開始の公告前の支払であれば善意が推認されやすい。保護されるのは求償権を再生債権として行使できる地位であって、満額の優先弁済を保障するものではない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定(和議法に代わる再生型倒産手続の創設)に伴い、旧破産法・和議法の同趣旨規定を承継して手形の善意支払人保護規定を置いた。
- 民事再生法 第38条開始後の再生債務者の地位と管理処分権の原則
- 民事再生法 第45条開始後の善意弁済の効力、46条の隣接保護規定(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第84条再生債権の定義、支払人の求償権が再生債権となる根拠
- 民事再生法 第94条再生債権の届出、求償権を行使する手続的前提
- 破産法 第60条破産手続における為替手形引受け等の同趣旨の特則
- 手形法 第40条満期における善意支払の免責との接続
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