要点民事再生法 49 条は、双方未履行の双務契約について解除か履行かを選ぶ権利を再生債務者等に与える。相手方は催告でき、履行が選ばれれば請求権は共益債権として優先弁済される。
Q · 取引先が民事再生を申し立てたら、契約を続けるか切るかは自分で決められるの?
決められない。選択権は再生債務者側にあり、あなたは催告できるだけ
民事再生法 49 条により、双方がまだ履行を終えていない双務契約では、契約を解除するか履行を請求するかを選ぶ権利は再生債務者等にあり、相手方から一方的には解除できません。相手方にできるのは第 2 項の催告で、相当の期間を定めて確答を迫ることだけです。再生債務者等が期間内に確答しなければ解除権を放棄したものとみなされ、契約は存続します。再生債務者が履行を選べば、相手方の請求権は共益債権(49 条 4 項)として再生債権に優先し全額弁済されます。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたはその会社と継続的な納品契約を結んでいて、まだ納めきっていない分も、受け取っていない代金もある。ここで多くの経営者が誤解する。「契約を解除して損切りしよう」と。だが民事再生法49条は、双方がまだ履行を終えていない双務契約について、続けるか切るかを選ぶ権利を、あなたではなく再生債務者側(再生債務者等、つまり再生手続中の会社やその監督者)に与えている。あなたにできるのは第2項の催告(相当の期間を定めて確答を迫ること)だけだ。ただし、ここに反転の鍵がある。相手が「履行」を選べば、あるいは催告に答えず解除権を放棄したとみなされれば、あなたの請求権は共益債権(第4項、再生債権より優先して全額支払われる請求権)に格上げされる。同じ取引先でも、履行済みの売掛金は再生債権として大幅カット、双方未履行の契約は共益債権で守られる。この一線を知っているかどうかが、回収率を数%から100%へ動かす。
民事再生法 49 条は、再生手続開始時に双方とも履行が未了である双務契約の処理を定める規定である。再生債務者等に契約の解除権と履行請求権の選択権を認め、相手方には相当の期間内の確答を求める催告権を与える。再生債務者が履行を選択した場合、相手方の請求権は共益債権として優先弁済され、労働協約はこの選択権の対象から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生手続開始時に、当事者双方がともに債務の履行を完了していない双務契約のことです。民事再生法 49 条の選択権の対象となり、片方だけ履行済みの契約とは扱いが分かれます。
共益債権は再生手続と関係なく随時・優先して全額弁済される債権、再生債権は再生計画で減額・分割されカットされる債権です。49 条 4 項で履行選択後の相手方請求権は共益債権になります。
どちらも双方未履行双務契約の選択権を定めますが、49 条は事業再建型の民事再生手続、破産法 53 条は清算型の破産手続の規定です。選択権者や共益債権・財団債権の呼称が異なります。
相手方の倒産申立てを理由に一方的に解除できるとする特約は、再生手続の趣旨を害するとして効力を否定される場合があります。相手方からの倒産解除は原則として通用しません。
49 条 2 項の催告では相手方が「相当の期間」を定めます。実務上おおむね二週間程度が目安で、その期間内に再生債務者等が確答しなければ解除権を放棄したものとみなされます。
原則規定である 49 条ではなく、51 条が準用する破産法の特則で処理されます。対抗要件を備えた借家人は保護され、家主の民事再生でいきなり退去を迫られることはありません。
共益債権は再生計画によらず随時弁済され、再生債権に優先します。手続の遂行に必要な費用や 49 条 4 項の履行選択後の相手方請求権がこれにあたります。
既に支払った前払い分は再生債権として原則カットの対象です。ただしサービスの継続提供が双方未履行と評価され、業者が履行を選べば以後の請求権は共益債権として守られる余地があります。
一律ではありません。既に自分だけ履行を終えた分は再生債権として原則カット対象ですが、双方がまだ履行を終えていない契約を相手が「履行」を選べば、あなたの請求権は共益債権(49条4項)として優先・全額弁済されます。業界裏話ヒント: 弁護士は再生開始の通知が来たら、まず取引を「双方未履行か、片方履行済みか」で真っ先に仕分けします。同じ取引先でも、未履行契約は共益債権で守られ、履行済み債権はカットされる。この仕分けを知らない経営者が、守れた債権まで諦めている
双方未履行の双務契約では、解除か履行かを選ぶ権利は再生債務者等にあり(49条1項)、あなたから一方的に解除はできません。あなたにできるのは第2項の催告で確答を迫ることです。業界裏話ヒント: 民法541条の通常の解除権は、相手の倒産という局面では事実上凍結されます。「払わないから解除して取り戻す」が効かない。だから催告が唯一のレバーで、これを早く打つほど契約存続・共益債権化に持ち込みやすい
内容証明郵便で「相当の期間」を定め、その期間内に契約を解除するか履行を請求するか確答せよと迫ります。期間内に答えがなければ相手は解除権を放棄したものとみなされ(49条2項)、契約は存続し、あなたの請求権は共益債権になります。業界裏話ヒント: 「相当の期間」は事案次第ですが、実務では二週間程度が目安。短すぎると無効と争われるので、期間と「無確答なら解除権放棄とみなす」旨を文面に明記しておくのが定石です
切られません。第3項が労働協約を49条の適用対象から明確に除外しています。経営側の選択権で労働協約を解除したり履行を選んだりはできず、労働法のルールに従います。業界裏話ヒント: 倒産局面でも労働協約だけは別枠で守られるのは、労働者保護の要請が再建手続の中でも優先されるからです。再生手続に入ったからといって、団体協約の内容を一存で反故にできると誤解している経営者は多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象契約 | 49 条:双方未履行の双務契約一般 | — |
| 選択権の所在 | 再生債務者等が解除か履行かを選択 | — |
| 相手方の地位 | 催告権あり/履行選択で共益債権化(4 項) | — |
| 典型場面 | 納品・工事・サービス等の未完了取引 | — |
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