破産法第五十六条、第五十八条及び第五十九条の規定は、再生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第五十六条第一項中「第五十三条第一項及び第二項」とあるのは「民事再生法第四十九条第一項及び第二項」と、「破産者」とあるのは「再生債務者」と、同条第二項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第五十八条第一項中「破産手続開始」とあるのは「再生手続開始」と、同条第三項において準用する同法第五十四条第一項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同法第五十九条第一項中「破産手続」とあるのは「再生手続」と、同条第二項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「再生債権」と読み替えるものとする。
要点民事再生法 51 条は、破産法 56 条・58 条・59 条を再生手続に準用し、対抗要件を備えた賃借人は再生債務者に賃貸借を解除されないなど、双務契約の三特則を定める。
Q · 取引先や大家が民事再生に入ったら、借りている店の契約も切られるの?
対抗要件を備えた借主は、相手が民事再生でも解除されない
民事再生法 51 条は、破産法 56 条・58 条・59 条を再生手続に準用します。中でも重要なのが 56 条で、建物の引渡しや借地の登記など対抗要件を備えた賃借人は、再生債務者の履行・解除選択権(49 条)の対象外となり、賃貸借を一方的に解除されません。店舗や事務所を借りて営業している場合、相手の倒産通知が来ても、対抗要件があれば出ていく必要はありません。ほかに市場相場のある定期取引(58 条準用)と交互計算(59 条準用)にも特則が置かれています。
取引先や大家が民事再生手続に入ると、双方がまだ履行を終えていない契約には、再生債務者側に「履行するか、解除するか」の選択権が生まれる(民事再生法49条)。つまりあなたの契約は、相手の一存で切られかねない宙づり状態に置かれる。だが本条が準用する破産法56条には、例外の扉が隠れている。建物の引渡しや借地の登記といった対抗要件を備えた賃借人は、この選択権の射程外に置かれ、再生債務者は賃貸借を一方的に解除できない。あなたが店舗や事務所を借りて営業しているなら、これは死活問題だ。さらに本条は、市場相場のある定期取引(破産法58条準用)と、銀行などとの交互計算(同59条準用)にも特別ルールを敷く。一般の倒産解説は49条で止まるが、本当にあなたを守るのは、その先の51条が引き込んだ三つの特則である。
民事再生法 51 条は、双方未履行双務契約に関する破産法の三特則(対抗要件を備えた賃借人の保護=破産法 56 条、市場相場のある定期取引=同 58 条、交互計算=同 59 条)を再生手続に準用する規定である。再生債務者の履行・解除選択権(同法 49 条)に対する例外として機能し、財団債権は共益債権に読み替えられる。
破産法 56 条・58 条・59 条を再生手続に準用する規定です。対抗要件を備えた賃借人の保護、市場相場のある定期取引、交互計算という三つの特則を定めます。
契約の両当事者がともにまだ履行を終えていない双務契約のことです。倒産手続では再生債務者が履行か解除かを選択でき、相手方の地位が大きく変わります。
保護されます。建物の引渡しや借地の登記で対抗要件を備えていれば、準用破産法 56 条により再生債務者は賃貸借を一方的に解除できません。
対抗要件を備えた賃借人がいる賃貸借は再生債務者側から一方的に解除できません。対抗要件がない場合は 49 条の選択権により解除される余地があります。
再生手続開始で交互計算は終了し、その時点の残額が確定します(準用破産法 59 条)。残額の請求権は再生債権となり、相殺も 92 条の制限を受けます。
49 条は双務契約の履行・解除の選択権という原則を定め、51 条はその原則を修正する破産法由来の三つの特則を準用します。51 条は例外規定です。
取引所などで市場相場のある定期取引は、準用破産法 58 条により、履行期の相場を基準に損害額を算定して処理されます。個別の履行選択とは異なります。
まず自分が対抗要件を備えているかを確認します。備えていれば解除を書面で拒否でき、未履行部分が共益債権か再生債権かを区別して回収方針を立てます。
全部が消えるわけではない。手続開始前から持っていた売掛金は再生債権としてカットの対象になるが、再生債務者が双務契約の履行を選んだ場合や、開始後に継続供給した分は共益債権となり随時弁済される(民事再生法119条、121条)。業界裏話ヒント:開始決定後も供給を止めずに続けた分は共益債権で満額回収できることが多い。だから取引を止めるか続けるかの初動判断が、最終的な回収率を大きく左右する
原則として出ていく必要はない。建物の引渡しを受けて対抗要件を備えていれば、再生債務者は賃貸借を一方的に解除できない(準用破産法56条)。営業を続けられる。業界裏話ヒント:多くの借主は手続開始の通知を見ただけで自主的に退去してしまうが、それは権利の放棄に等しい。引渡しを受けて現に占有していれば、法的には居続けられる立場にある。慌てて出る前に対抗要件の有無を確認する
交互計算をしていた場合、再生手続開始で交互計算は終了し、その時点の残額が確定する(準用破産法59条)。残額の請求権は再生債権となり、相殺自体も民事再生法92条の制限に服する。業界裏話ヒント:倒産が見えてきた段階での駆け込み相殺は、否認や相殺制限の対象になりうる。手続開始日で線が引かれるため、その前後どちらに自分の行為があるかで結果が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 51 条:対抗要件を備えた賃借人・市場相場のある定期取引・交互計算の特則 | — |
| 再生債務者の選択権 | 一定の類型で選択権が制限され、一方的解除ができない場合がある | — |
| 相手方の地位 | 対抗要件があれば解除されず営業を継続できる | — |
| 根拠構造 | 破産法 56・58・59 条を準用(財団債権→共益債権に読替え) | — |
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