民事再生法 第97条(罰金、科料等の届出)
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- 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨を裁判所に届け出なければならない。
- 一再生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。以下「再生手続開始前の罰金等」という。)
- 二共助対象外国租税の請求権(共益債権又は一般優先債権であるものを除く。)
この条文の基本情報
罰金、科料等の届出とは何ですか?
定義罰金、科料等の届出とは、民事再生法第97条に定められた規定で、「次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨を裁判所に届け出なければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第97条(罰金、科料等の届出)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第97条の条文原文は「次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨を裁判所に届け出なければならない。」で始まります。
- 民事再生法第97条は第二節 再生債権の届出に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第97条の前の条は民事再生法第96条です。
- 民事再生法第97条の次の条は民事再生法第98条です。
- 民事再生法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法97条は、再生手続開始前の罰金・追徴金・過料や共助対象外国租税の債権者に、遅滞なく裁判所への届出義務を課す。これらは再生計画で減額されず満額残る。
Q · 民事再生すれば、昔の罰金や追徴金も減らせるの?
届出義務はあるが、再生計画で減額・免除はできません
民事再生法97条により、再生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金、過料、そして共助対象外国租税の債権者は、遅滞なくその額と原因を裁判所に届け出る義務があります。ただし届出はあくまで手続への取り込みにすぎず、これらの債権には再生計画の効力が及びません。銀行借入が八割カットされても、国への罰金や追徴金は満額残るのが原則です。さらに罰金等の債権者には議決権がなく(87条)、届出をしても計画内容を左右する力はありません。
解説
会社や個人が民事再生に入れば、借金は大幅にカットされる。多くの人がそう信じている。だが民事再生法97条は、その常識に例外を刻む。再生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金、過料、これらは裁判所への届出義務こそあるが、再生計画で減らすことも消すこともできない。普通の借入が八割カットされても、国に対する罰金は満額残る。しかもこの届出には、普通の再生債権のような厳格な届出期間がなく「遅滞なく」届け出ればよい。あなたが再生を考える経営者なら、まず確認すべきは銀行借入の額ではなく、過去の行政処分や脱税の追徴金がいくら残っているかだ。そこが計画の出発点から抜け落ちると、認可後に予想外の満額請求が襲ってくる。さらに2号は共助対象外国租税まで取り込み、海外と接点があった会社には外国の税金が手続に割り込む。
法的な位置づけ
民事再生法97条は、再生手続開始前の罰金・科料・刑事訴訟費用・追徴金・過料および共助対象外国租税の請求権について、当該債権者に対し裁判所への届出義務を課す規定である。これらの債権は再生計画による権利変更の対象外とされ、届出は弁済手続の前提として機能するにとどまる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.過去の罰金・科料・追徴金・過料を全件棚卸し 申立て前に、税務署・検察庁・裁判所・登記関係を洗い、脱税の追徴金、刑事罰の罰金・科料、会社の登記放置による過料などを全件リスト化する。銀行借入の額より先に、減額できない固定債権を確定させる
- 2.共助対象外国租税の有無を海外事業歴から確認 過去に海外法人・海外口座・国際取引があったかを洗い出し、租税条約に基づく共助対象外国租税の請求が生じうるかを確定させる。実施特例法上の手続も並行で確認し、後から判明して計画が狂う事態を防ぐ
- 3.減額不能債権を固定費として資金計画へ組込み 棚卸しした罰金・追徴金・過料・共助対象外国租税を満額のまま資金繰り表の固定費に計上する。これらを先に確保したうえで、残りのリソースを銀行債権のカット率交渉に集中させる
- 4.罰金等債権者を議決権集計から除外して可決可能性を試算 罰金等の債権者には議決権がない(87条)ため、債権者集会の票読みから外して再生計画の可決可能性を見積もる。届出は遅滞なく促す一方、計画の賛否には影響しない前提で戦略を立てる
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生と自己破産で罰金の扱いは違いますか?
どちらも罰金・追徴金は残ります。民事再生では97条で届出義務があり計画の効力が及ばず、破産では破産法253条により非免責債権として残る点で対応しています。
Q2再生手続開始後に発生した罰金も97条の届出対象ですか?
97条は「再生手続開始前」の罰金等を対象とします。開始後に発生したものは別途扱われ、共益債権や一般優先債権に当たる罰金等は本条の対象から除かれます。
Q3罰金等の届出をしないとどうなりますか?
普通の再生債権のような届出期間での失権はありませんが、届出を怠ると個別の弁済手続で動きが鈍ります。遅滞なく届け出るべき義務が課されています。
Q4追徴金は民事再生で減額できますか?
できません。追徴金は97条1号の対象で、再生計画の効力が及ばないため満額残ります。銀行借入がカットされても追徴金は別枠で生き残ります。
Q5罰金等の債権者は債権者集会で議決権がありますか?
ありません。罰金等の請求権を有する者は87条により議決権を有しません。届出は弁済の前提にすぎず、再生計画の可否を左右する力はありません。
Q6共益債権や一般優先債権に当たる罰金は97条の対象ですか?
対象外です。97条は括弧書きで共益債権(119条)や一般優先債権(122条)に当たるものを除いており、それらは本条の届出ルートに乗りません。
Q7再生計画認可後に罰金の満額請求は来ますか?
来ます。再生計画で減額できないため、認可後に国や自治体から満額請求が届きます。資金計画に固定費として織り込まないと計画が破綻します。
Q8個人の民事再生でも罰金は残りますか?
残ります。97条は法人・個人を問わず適用され、開始前の罰金・科料・追徴金・過料は個人再生でも再生計画で消せません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民事再生したら、昔払えなかった罰金や追徴金もチャラになるんですか?
なりません。再生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金、過料は、97条で裁判所への届出義務はあるものの、再生計画の効力が及ばず満額残ります。普通の借入が大幅カットされても、これらは別枠で生き残る。実務のポイント: 弁護士は申立て前に税務署・検察庁・登記関係の過去処分を真っ先に洗う。これを見落とした再生計画は、認可後に予想外の満額請求で破綻するからだ
Q2共助対象外国租税って何ですか?海外と関係ないんですけど
租税条約に基づき、外国の税務当局が日本を通じて徴収する外国の税金です。97条2号で届出の対象になります。海外事業や海外資産があった会社では、国内手続なのに思わぬ形で顔を出す。実務のポイント: 近年の租税条約実施特例法関連の改正で倒産手続に組み込まれた制度(導入時期は最新の改正状況をご確認ください)。海外との接点がゼロなら無関係だが、一度でも海外法人や口座があれば申立て前の確認が要る
間違えやすい点 AI による整理
- 「民事再生すれば罰金や追徴金も減免される」と思っている人が多いが、再生手続開始前の罰金等には再生計画の効力が及ばず満額残る。普通の借入がいくらカットされても、これらは別枠で生き残る
- 罰金が残ること自体は知っていても、その深刻度まで理解している人は少ない。普通の再生債権は届出期間内に出さなければ失権するが、罰金等は「遅滞なく」でよく失権の構造が異なる。だからこそ債務者の計画から「想定外」として漏れやすい
- 「届け出さえすれば手続に参加して計画に物申せる」と思いがちだが、そもそも罰金等の債権者には議決権がない(87条)。届出は弁済の前提にすぎず、計画内容を左右する力はない。問いの立て方そのものがずれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 届出のタイミング・失権 | 97条:遅滞なく届出(固定の届出期間なし・期間徒過での失権の枠組みと異なる) | 94条:債権届出期間内に届出(期間徒過で失権のおそれ) 破産法253条:非免責債権として手続後も残存 |
| 再生計画による減額 | 97条:再生計画の効力が及ばず減額・免除不可(満額残存) | 94条:再生計画による権利変更・減額の対象 破産法253条:免責の対象外(罰金等は非免責) |
| 議決権 | 97条の債権者:議決権なし(87条) | 94条の一般再生債権者:議決権あり 破産法253条:議決権の概念になじまない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は消費者債務清理条例で罰金・罰鍰・怠金・追徴金を不免責債権と明示する。手続で消せない国家的制裁を切り分ける発想は日本97条と共通。
韓国は債務者回生・破産に関する統一法で벌금・과료 등の非免責を規律。日本同様、国家的制裁を再生・免責から除外する構造をとる。
ドイツ倒産法は Geldstrafen 等の刑事制裁を Restschuldbefreiung(残債務免責)から除外。制裁の実効性を私的整理より優先させる点で日本97条と対応。
米国連邦倒産法は罰金・penalties を免責の例外とする。政府に対する制裁的請求を discharge から外す趣旨は97条の不減額と方向性を同じくする。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中小企業が民事再生を申し立てた。銀行借入は八割カットの計画を組んだ。だが三年前の脱税で課された追徴金が残っていた。これは97条で届出対象、かつ計画で一切減額できない。資金繰り計画にこの満額を織り込まなければ、認可後に破綻する。固定で残る債権を最初に仕分けできたかどうかが、計画の生死を分ける
- もし、あなたの会社が再生中に、過去の海外法人がらみで共助対象外国租税の請求が判明したら? 国内の民事再生なのに、租税条約に基づき外国の税務当局への支払いが計画に割り込む。海外事業歴を申立て前に洗っていなければ、後から計画全体が狂う
- 裁判所から届出を促された。あと数日で債権者集会。罰金等の債権者には議決権がないが、届出を怠れば個別の弁済手続で動きが鈍る
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが罰金・科料・追徴金・過料、または共助対象外国租税の請求権を持つ側(国の担当部署、過料を課した自治体、税務当局など)なら、再生手続開始を知ったら遅滞なく、請求権の額と原因、共助対象外国租税ならその旨を裁判所に届け出る。普通の再生債権のような届出期間での失権の枠組みとは異なるが、届出を怠れば個別の弁済手続で動きが鈍る。共助対象外国租税は実施特例法上の手続も並行で確認する
訴えられた側:あなたが再生債務者または申立代理人なら、申立て前に過去の罰金・科料・刑事訴訟費用・追徴金・過料・共助対象外国租税を全件棚卸しする。これらは再生計画で減額・免除できないのが原則なので、資金計画に固定費として組み込む。罰金等の債権者には議決権がない(87条)ため、債権者集会の票読みからは外して計画の可決可能性を見積もる。見落とせば認可後の満額請求で計画が破綻する
時効(請求できる期限):「遅滞なく」届け出る義務がある。普通の再生債権のように債権届出期間(94条)で厳格に失権する枠組みとは異なり、固定の期間制限はない。ただし弁済・配当の実務では早期の届出が望ましい
学説
通説:97条の罰金等は国家的制裁ないし財政的請求であり、私的な債務整理たる再生計画で減免を認めれば制裁の実効性が崩れる。そこで届出により手続へ取り込みつつ、議決権を与えず(87条)権利変更の対象からも外し、債務者の再起と国家制裁の貫徹を両立させると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法の制定に伴い、再生手続開始前の罰金等について債権者に裁判所への届出義務を課す規定として新設。再生計画の効力が及ばない旨の枠組みを整備した。
- 2.平成25年(2013年) 改正:租税条約等実施特例法関連の整備に伴い、共助対象外国租税の請求権を届出対象として取り込む改正がなされたとされる(正確な施行時期は最新の改正状況を要確認)。
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