要点刑法 163 条の 4 は、支払用カードの不正作出に使う目的で、カード情報を取得・提供・保管し、又は器械・原料を準備した者を、3 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金で処罰する。
Q · カードを偽造する前に、情報を持っているだけでも罪になるの?
なります。不正作出目的なら取得・保管だけで処罰されます
刑法 163 条の 4 は、支払用カードの不正作出(163 条の 2)に使う目的があれば、実際に偽造する前でも処罰します。具体的には、カードの電磁的記録の情報を取得した者、情を知ってそれを提供した者、不正取得された情報を同じ目的で保管した者、偽造用の器械・原料を準備した者を、いずれも 3 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金に処します。「まだ使っていない」「持っているだけ」は抗弁になりません。
ATM やガソリンスタンドの決済端末に、髪の毛ほどの薄さの読み取り装置が仕込まれていることがある。スキミングと呼ばれる手口だ。だが日本の刑法は、実際にカードを偽造する前の段階、つまり「カード情報を抜き取った瞬間」「その情報を誰かに渡した瞬間」「偽造用の機械や材料を揃えた瞬間」を、すでに犯罪として処罰する。それが 163 条の 4 だ。普通、犯罪は実行して初めて罰せられる。だが支払用カードの偽造は社会への打撃が大きすぎるため、準備段階そのものを切り出して処罰する例外をつくった。あなたがもし、ネットで「カード情報の束」を安く買えると持ちかけられ、軽い気持ちで手を出したら、まだ何も使っていなくても、情報を取得した時点で 3 年以下の拘禁刑の対象になる。実行犯でなくても、情報を渡しただけの人、保管しているだけの人、機械を準備しただけの人、全員が同じ刑だ。
刑法 163 条の 4 は、支払用カード電磁的記録不正作出罪(163 条の 2)の準備行為を処罰する規定である。不正作出の目的をもって、カードの電磁的記録の情報を取得し、又は情を知って提供する行為、不正取得された情報を同目的で保管する行為、及び偽造用の器械・原料を準備する行為を、いずれも独立の犯罪として 3 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金で処罰する。
決済端末に薄い読み取り装置を仕込み、カードの磁気・IC 情報をひそかに抜き取る手口です。抜き取った情報の取得・保管は刑法 163 条の 4 の処罰対象になります。
不正作出の目的で情を知って情報を提供すれば、刑法 163 条の 4 第 1 項後段により提供者も 3 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金に処されます。
拘禁刑の長期が 3 年なので、公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項、長期 5 年未満の罪)。起算点は犯罪行為が終わった時とされます。
2025 年 6 月施行の改正で懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化されました。作業の義務づけ方が柔軟になり、改善更生に応じた処遇が可能になります。
不正作出の目的があれば、取得した時点で 163 条の 4 第 1 項により既遂です。実際に偽造・使用していなくても捜査・逮捕の対象になり得ます。
なり得ます。行使の目的で不正電磁的記録カードを所持する行為は、刑法 163 条の 3 により別途処罰されます(5 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金)。
刑法 163 条の 4 は目的犯なので会社自体の刑事責任は限定的ですが、割賦販売法 35 条の 16 のカード番号等の適切管理義務違反として行政処分の対象になり得ます。
163 条の 4 は 3 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金です。実際の偽造(163 条の 2)に進むと 10 年以下の拘禁刑に跳ね上がります。
捕まりえます。163 条の 4 第 3 項は『器械又は原料を準備した者』を処罰します。実際に情報を読み取る前、装置や材料を揃えた段階で既遂です。ただし第 1 項の目的、つまり不正作出に使う目的が必要で、目的がなければ成立しません。業界裏話ヒント:捜査では『なぜその機械を持っていたか』の説明が決定的になる。正規の業務用途を客観的に示せる資料(取引先・業務記録)があるかどうかで、立件されるかが分かれる
不正に取得された支払用カードの電磁的記録の情報を、偽造の目的で保管すれば、163 条の 4 第 2 項に該当しえます。成立には、その情報が不正取得されたものであることと、偽造目的の両方が必要です。業界裏話ヒント:単なる番号の暗記やメモと、磁気ストライプや IC のデータそのものの保管は法的評価が違う。電磁的記録の情報を保持しているかどうかが、より重く見られる分岐点になる
そうとは限りません。163 条の 4 第 1 項後段は『情を知って、その情報を提供した者も、同様とする』と定め、提供者を取得者と同じ刑で処罰します。渡すだけでも同罪です。業界裏話ヒント:摘発される事件の多くは、実行犯より情報を流した人や道具を用意した人が末端として先に捕まる。組織の上層は逃げ、頼まれて手を貸した人だけが残るのが典型パターン。誘いに乗る前に、自分が一番リスクを負う立場だと知っておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰段階 | 163 条の 4:準備・予備段階(情報の取得・提供・保管、器械・原料の準備) | — |
| 法定刑 | 3 年以下の拘禁刑又は 50 万円以下の罰金 | — |
| 主観的要件 | 不正作出の目的(目的犯) | — |
| 防御の鍵 | 「不正作出の目的」の不存在、正規業務用途の客観的立証 | — |
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