日本国憲法 第78条
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裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第78条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第78条の条文原文は「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。」で始まります。
- 日本国憲法第78条は第六章 司法に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第78条の前の条は日本国憲法第77条です。
- 日本国憲法第78条の次の条は日本国憲法第79条です。
- 日本国憲法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法78条は裁判官の身分を保障し、心身の故障による分限裁判か国会の弾劾以外では罷免されないと定める。裁判官の懲戒を行政機関が行うことは一切できない。
Q · 裁判官って、判決が政権に気に入られなかったらクビにされるの?
されません。弾劾か心身故障の決定が必要です
日本国憲法78条により、裁判官は二つの場合を除いて罷免されません。一つは裁判(分限裁判)により心身の故障で職務を執れないと決定されたとき、もう一つは国会の弾劾裁判で罷免を宣告されたときです。判決内容が政権や世論に気に入られないというだけでは罷免事由になりません。さらに行政機関は裁判官に懲戒処分すら行えず、これが国や強者を相手取る訴訟で公正な裁判を支える土台となっています。
解説
あなたの裁判を担当する裁判官は、判決の内容が政権の気に入らないからといって、内閣にも国会の多数派にもクビにされない。憲法78条がそれを保障している。裁判官が罷免されるのは、たった二つの場合だけだ。一つは心身の故障で職務を執れないと裁判で決定されたとき、もう一つは国会の弾劾裁判で罷免されたとき。それ以外、たとえ時の政権が判決に激怒しても、行政機関は裁判官に懲戒処分すら下せない。なぜこれがあなたに関係するのか。国や大企業を相手に訴訟を起こすとき、相手に不利な判決を書けばクビになる裁判官と、何があってもクビにならない裁判官、どちらに裁いてほしいか。78条は、あなたの裁判官を権力の圧力から切り離す絶縁体だ。この一文がなければ、行政訴訟であなたが勝てる見込みは限りなくゼロへ近づく。
法的な位置づけ
日本国憲法78条は裁判官の身分保障を定める規定であり、裁判官は分限裁判で心身の故障による職務不能が決定された場合を除き、公の弾劾によらなければ罷免されないこと、および懲戒処分を行政機関が行えないことを規定する。司法権の独立(憲法76条)を職権面で担保する制度的基盤として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.罷免事由と単なる不服を切り分ける 裁判官の言動に問題を感じたら、まず『判決の内容への不満』なのか『職務上の著しい義務違反・品位を辱める非行』なのかを区別する。前者は控訴・上告で争うべきもので訴追事由にはならない
- 2.証拠を早期に確保する 法廷での暴言や明白な義務違反があれば、その場の発言を可能な範囲で記録し、調書の記載内容を確認する。時間が経つほど立証が困難になり、訴追請求の期間制限にも近づく
- 3.進行中の事件なら忌避を申し立てる 係属中の自分の事件であれば、まず忌避(民訴24条)の申立てで偏向した裁判官を担当から外すことを検討する。これは罷免とは別の即効性のある手段である
- 4.裁判官訴追委員会へ訴追請求する 職務上の著しい義務違反や品位を辱める非行があれば、何人でも裁判官訴追委員会に罷免の訴追を求めることができる(裁判官弾劾法15条)。罷免事由が生じた日から期間制限があるため早期に動く
よくある質問 AI による整理
Q1裁判官は誰がクビにできるの?
内閣や省庁などの行政機関には罷免・懲戒の権限はありません。心身故障の分限裁判による決定か、国会の弾劾裁判による罷免宣告の二つの道だけです(憲法78条・64条)。
Q2裁判官の弾劾とは何ですか?
国会議員で構成する弾劾裁判所が、職務上の著しい義務違反や品位を辱める非行のある裁判官を罷免する手続です。罷免されると法曹資格と退職金も原則失います。
Q3一般市民でも問題のある裁判官を訴えられますか?
できます。裁判官弾劾法15条により、何人でも裁判官訴追委員会に罷免の訴追を求めることができます。ただし判決内容への不満は訴追事由になりません。
Q4裁判官の懲戒は誰が行うのですか?
裁判所内部の分限裁判によります。憲法78条後段が行政機関による懲戒を明確に禁じているため、内閣や省庁が懲戒を下すことはできません。
Q5病気になったら裁判官は辞めさせられますか?
単なる病気では罷免されません。回復の見込みがなく職務遂行が客観的に不可能な重度の場合に限り、分限裁判の決定によってのみ罷免されます。
Q6判決の内容が偏っていると感じたらどうすればいいですか?
判決への不服は控訴・上告で争います。裁判官個人の非行は訴追請求で、という別ルートになります。両者を混同しないことが実務上の基本です。
Q7戦後、弾劾で罷免された裁判官はいますか?
ごく僅かです。弾劾の罷免事由は極めて限定され、運用も慎重なため、罷免例は例外的にしか存在しません。だからこそ裁判官は判決でクビを恐れずにすみます。
Q8裁判官の身分保障は私の裁判にどう関係しますか?
国や大企業を相手取る訴訟で、裁判官が報復を恐れず判決を書ける前提を支えています。この保障がなければ行政訴訟の原告勝訴は構造的に難しくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官って結局、誰がどうやってクビにできるんですか?
二つの道だけです。一つは心身の故障で職務不能と分限裁判で決定された場合、もう一つは国会議員で構成する弾劾裁判所が罷免を宣告した場合(憲法64条、78条)。内閣や省庁などの行政機関は、懲戒すら一切できません。実務のポイント:戦後、弾劾で実際に罷免された裁判官は10人にも満たない。それほど高いハードルだからこそ裁判官は判決でクビを恐れず書ける。これが行政訴訟の原告にとっての見えない味方になっている
Q2一般市民でも問題のある裁判官を訴えられるって本当ですか?
本当です。裁判官弾劾法では、何人でも裁判官訴追委員会に対し罷免の訴追をすべきことを求めることができます(同法15条)。委員会が調査し、相当と認めれば弾劾裁判所に訴追します。実務のポイント:ただし『判決の内容が不当だ』は訴追事由になりません。対象は職務上の著しい義務違反や品位を辱める非行など。判決への不服は控訴・上告で、裁判官個人の非行は訴追請求で、と道を分けて考えるのが実務の常識です
Q3心身の故障で罷免って、病気になったら裁判官は辞めさせられるんですか?
単なる病気では罷免されません。78条の『心身の故障のために職務を執ることができない』は、回復の見込みがなく職務遂行が客観的に不可能な重度の場合に限られ、しかも裁判(分限裁判)による決定が必要です(裁判官分限法)。実務のポイント:この要件が厳格なのは、『病気』を口実に都合の悪い裁判官を追い出す抜け道を塞ぐため。身分保障の例外は、例外であるほど厳しく絞られている
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判官も公務員なんだから、問題を起こせば上司が処分できるはず」という前提が、そもそも誤っている。裁判官に判決を理由に処分できる『上司』はいない。最高裁長官であっても、個々の裁判官の判決内容を理由に懲戒することはできない。懲戒できるのは裁判所内部の分限手続だけで、行政機関は指一本触れられない
- 弾劾で裁判官が罷免されることは知っていても、その重さを知らない人が多い。罷免されると裁判官の地位を失うだけでなく、原則として法曹資格(弁護士・検察官への道)も失い、退職金も支給されない。だからこそ弾劾は極めて慎重に運用され、戦後の罷免例はごく僅かしかない
- 「裁判官は何があってもクビにならない、だから腐敗し放題だ」と思われがちだが、実際には弾劾と分限という二つの罷免ルートがあり、しかも一般市民の誰でも訴追請求ができる。守られているのは『判決の中身』であって、職務上の非行まで免責されるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保障の対象 | 憲法78条:全裁判官の罷免・懲戒からの身分保障 | 憲法79条:最高裁裁判官(国民審査あり) 憲法80条:下級裁判所裁判官(任期10年・再任) |
| 罷免の経路 | 心身故障の分限裁判 or 公の弾劾のみ | 78条の経路 + 国民審査で罷免可 78条の経路 + 任期満了・再任拒否 |
| 民主的統制の形 | 国会の弾劾(誰でも訴追請求可) | 国民投票による直接統制 10年ごとの再任審査(内閣の任命) |
| 行政機関の関与 | 懲戒は一切不可(78条後段) | 任命は内閣(罷免は不可) 任命は内閣(名簿は最高裁が指名) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も法官の終身職・身分保障を憲法で定め、法律によらなければ停職・転任・減俸できないとする。日本の78条と同じく司法独立の制度的基盤
韓国は弾劾または禁錮以上の刑の宣告によらなければ罷免されないと定め、懲戒処分による停職・減俸は別途規律。罷免要件を限定する構造は日本と類似
ドイツは裁判官の独立(Abs. 1)と身分保障(Abs. 2)を分けて規定し、罷免・転任は法律の定める手続と裁判官の裁判によってのみ可能とする
米国連邦裁判官は『good behaviour』の間在職し、弾劾(impeachment)以外で罷免されない。報酬の減額も禁止され、終身在職に近い強固な保障
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが市役所の違法な処分を取消訴訟で争うとしたら? 相手は国・自治体、判決を書く裁判官の司法行政を統括するのも国だ。だが78条があるから、その裁判官はあなたに勝訴判決を出してもクビにならない。この絶縁体がなければ、行政訴訟の原告勝訴率はさらに底が抜ける
- あなたが一審で下した判決に世論が猛反発し、政治家がSNSで「あの裁判官を辞めさせろ」と煽った。だが弾劾事由のない判決批判だけでは、78条がある限り罷免されない。世論の嵐は、あなたの身分には届かない
- 選挙で大勝した政権が、自分たちに不利な違憲判決を連発する裁判官を一掃しようとした。78条がそれを構造的に不能にする。独裁化に向かう国がまず狙うのが裁判官の罷免権の掌握であることを思えば、この一文の重みが見えてくる
- ある裁判官が法廷であなたに侮辱的な暴言を吐き、職務上の義務に明白に違反した。泣き寝入りするしかないと思うかもしれない。だが裁判官訴追委員会への訴追請求という道がある。罷免事由が生じた日から一定期間を過ぎると請求できなくなるので、記録を取って早く動く必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 法廷で裁判官に偏向・暴言・明白な義務違反があれば、その場の発言を可能な範囲で記録し、調書の記載を確認する2. 進行中の事件なら、まず忌避(民訴24条)の申立てでその裁判官を外すことを検討する3. 職務上の著しい義務違反や品位を辱める非行があれば、誰でも裁判官訴追委員会に訴追請求ができる(裁判官弾劾法15条) 4. 単なる判決内容への不満は罷免事由にならない、不服は控訴・上告で争う、この二つを混同しない
訴えられた側:1. あなたが被告・相手方として裁判を受ける側でも、担当裁判官が政治や世論の圧力で動かされない保障は等しく働く、これがあなたの公正な裁判を受ける権利(憲法32条)の土台だ2. 裁判官に不公正の疑いがあれば、原告と同じく忌避を申し立てられる3. 判決後に裁判官の言動を問題にしたいなら、控訴の理由と訴追請求は別物として整理する4. 世論が特定の被告に厳罰を求めても、78条が裁判官を世論から隔てる、その意味を弁護人と確認する
時効(請求できる期限):裁判官の罷免や懲戒に一般市民が直接かける期限はないが、弾劾の訴追請求は罷免の事由があった日から一定期間(裁判官弾劾法上の期間制限)を過ぎるとできなくなる(最新の改正状況をご確認ください)。忌避の申立ては、その事由を知った後に遅滞なく行う必要がある
学説
通説:78条の身分保障は司法権の独立(76条)を職権面で担保する核心規定であり、罷免事由を心身故障の分限裁判と公の弾劾の二つに限定し、行政機関の懲戒を全面的に排除する。守られるのは裁判官の独立した判断であって、職務上の非行までを免責するものではないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法制定により新設。大日本帝国憲法58条の限定的な身分保障を発展させ、行政機関による懲戒の全面禁止を明文化。以後、改正されていない。
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