刑事訴訟法 第286条の2
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被告人が出頭しなければ開廷することができない場合において、勾留されている被告人が、公判期日に召喚を受け、正当な理由がなく出頭を拒否し、刑事施設職員による引致を著しく困難にしたときは、裁判所は、被告人が出頭しないでも、その期日の公判手続を行うことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第286条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第286条の2の条文原文は「被告人が出頭しなければ開廷することができない場合において、勾留されている被告人が、公判期日に召喚を受け、正当な理由がなく出頭を拒否し、刑事施設職員による引致を著…」で始まります。
- 刑事訴訟法第286条の2は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第286条の2の前の条は刑事訴訟法第286条です。
- 刑事訴訟法第286条の2の次の条は刑事訴訟法第287条です。
- 刑事訴訟法第286条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第286条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第286条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/286_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法286条の2は、勾留中の被告人が正当な理由なく出頭を拒否し、刑事施設職員による引致を著しく困難にしたとき、裁判所が本人不在で当該期日の公判手続を行えると定める。
Q · 被告人が「裁判に出ない」と言い張れば、裁判は止められるんですか?
いいえ、拒否だけでは止まりません。引致を著しく妨げて初めて本人不在で進みます
原則として被告人が出頭しなければ開廷できません(刑訴286条)。しかし286条の2により、勾留中の被告人が公判期日の召喚を受けながら正当な理由なく出頭を拒否し、さらに刑事施設職員による引致を「著しく困難」にした場合には、裁判所は本人不在のままその期日の公判手続を進められます。口頭で「行きたくない」と言うだけなら引致されて出廷させられます。物理的に連れ出すことすら著しく難しい水準の抵抗があって初めて、裁判所は動けます。
解説
刑事裁判には大原則がある。被告人がその場にいなければ、裁判は開けない(刑訴法286条)。自分の運命が決まる場に立ち会い、検察の主張に反論し、証人に問いを向ける、それは憲法37条が保障する被告人の権利だ。ところが、この権利を逆手に取る者がいる。勾留されている被告人が「出廷しない」と言い張り、刑務官が連れ出そうとしても暴れて抵抗すれば、裁判は永遠に止まる、はずだった。286条の2はその抜け穴を塞ぐ。勾留中の被告人が、召喚を受けながら正当な理由なく出頭を拒み、刑事施設職員による引致を「著しく困難」にしたとき、裁判所は本人不在のまま公判手続を進められる。鍵は最後の一線にある。ただ「行きたくない」では足りない。物理的に連れ出すことすら著しく難しい、その水準の抵抗があって初めて、裁判所は動ける。あなたが裁判を引き延ばす最後の手段だと思っていたものは、実は法が想定済みの一手だった。
法的な位置づけ
刑事訴訟法286条の2は、出頭が開廷の要件となる事件における出頭拒否への対処規定である。勾留中の被告人が、公判期日の召喚を受けながら正当な理由なく出頭を拒み、刑事施設職員による引致を著しく困難にした場合に、裁判所が本人不在で当該期日の公判手続を進めることを認める。被告人の出頭義務を定める286条の例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭できない正当な理由を診断書で早期に証拠化 重病など出頭できない事情があるなら、口頭で訴えるのではなく、弁護人を通じて医師の診断書を期日前に提出する。客観的資料で『正当な理由』を立てておけば、286条の2の発動自体を封じられる
- 2.『出頭拒否』か『公判停止』かの土俵を最初に決める 出頭できない状態を病的状態として争うなら、286条の2ではなく公判停止(314条)の枠組みに持ち込む。両者は別制度で、順序を間違えると選択肢が消えるため、弁護人と戦略を最初に確定する
- 3.抗議は出廷したうえで黙秘権を行使する形に切り替える 抗議の意思を示したいだけなら、出廷を拒むより出廷して黙秘権(憲法38条)を行使する方が有利。反対尋問権と在廷権を保持しつつ、不利な心証を避けられる
- 4.引致拒否が記録される前に手続的対応をとる 出頭拒否が『引致を著しく困難にした』と記録された瞬間、本人不在で審理が進むリスクが生じる。記録化が固まる前に、弁護人を通じて出頭の意思や事情を裁判所に明確に伝える
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法286条の2とは何ですか?
勾留中の被告人が正当な理由なく出頭を拒み、引致を著しく困難にしたとき、裁判所が本人不在で公判手続を進められると定める規定です。286条の出頭義務の例外にあたります。
Q2引致とはどういう意味ですか?
勾留中の被告人を、出頭させるために刑事施設の職員が法廷へ強制的に連行する措置です。これが著しく困難になることが286条の2発動の核心要件です。
Q3退廷命令(341条)と286条の2はどう違いますか?
341条は法廷で秩序を乱した被告人を退廷させ不在で進める制度、286条の2はそもそも法廷に来ない被告人を不在で進める制度です。場面が入口か法廷内かで分かれます。
Q4正当な理由なく出頭を拒否すると必ず不在で裁判されますか?
必ずではありません。拒否に加えて引致が「著しく困難」と認定される必要があります。実務上この条文が使われる場面は限られ、極端な物理的抵抗のケースが想定されています。
Q5出頭拒否で裁判を引き延ばせますか?
引き延ばせません。引致が著しく困難と認定された期日は本人不在で審理が進み、反対尋問権も論告も被告人の目の前を素通りします。防御権を自ら失う結果になります。
Q6286条の2の「正当な理由」とは何ですか?
重病など客観的に出頭が不可能な事情を指します。該当する場合は本条は適用されず、むしろ公判手続の停止(314条)の対象になりえます。診断書での早期立証が重要です。
Q7控訴審で被告人が出頭しない場合はどうなりますか?
控訴審では刑訴390条により、被告人は公判期日に出頭しなくてもよく、裁判所は不出頭のまま審理できます。第一審の286条の2とは別の規律です。
Q8被害者は被告人の出頭拒否に対して何ができますか?
被害者参加制度(刑訴316条の33以下)を使えば手続の節目で意見を述べられます。進行が滞る場合は検察官に状況確認や求釈明を促すことができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1被告人が『行きたくない』と言っただけで、本当に欠席のまま裁判されちゃうんですか?
それだけでは足りません。286条の2が発動するのは、勾留中の被告人が正当な理由なく拒否し、かつ刑事施設職員による引致を『著しく困難』にした場合に限られます。口頭で拒むだけなら連行されて出廷させられます。実務のポイント:実務上この条文が使われる場面は多くなく、被告が房から出ることを物理的に激しく拒むなどの極端なケースに限られる。だからこそ『出廷拒否で裁判を止められる』という思い込みは、ほぼ通用しない
Q2病気で出廷できないのに、勝手に裁判を進められたら困ります。どうすれば?
病気が『正当な理由』にあたれば286条の2は適用されません。心身の故障で出頭できない場合は、むしろ公判手続の停止(刑訴法314条)の対象になりえます。鍵は、その状態を診断書など客観的資料で早期に示すこと。実務のポイント:『正当な理由』の有無は裁判所が判断するため、本人や家族が口頭で訴えるだけでは弱い。出廷できない事情があるなら、弁護人を通じて医師の診断書を期日前に提出しておくのが、後で『拒否』と認定されないための分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「被告人が来なければ裁判は開けない」と信じている人は多い。確かに286条が原則だが、286条の2はその例外。勾留中の被告が引致を著しく妨げれば、本人不在でも審理は進む
- 「出廷を拒否すれば裁判が止まる」という問いの立て方そのものがずれている。法が見ているのは『拒否したか』ではなく『引致を著しく困難にしたか』。口で拒むだけなら連れて行かれる。法が想定するのは、物理的抵抗のレベルだ
- あなたから見れば「裁判に出ない自由」を行使しているつもりでも、法廷から見れば「自ら反論と反対尋問の機会を放棄した被告人」になる。この落差が、不利な心証となってあなたに跳ね返る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 被告人不在で進める根拠 | 286条の2:勾留中の被告人が出頭を拒否し引致が著しく困難 | 341条:法廷の秩序を乱して退廷を命じられた被告人 314条:心神喪失等による公判手続の停止(不在で進めない方向) |
| 場面 | そもそも法廷に来ない(入口段階) | 法廷に来た後の在廷中の妨害 心身の故障で訴訟能力を欠く状態 |
| 被告人側の効果 | 本人不在で当該期日の公判手続が進む | 退廷後も審理が続行される 回復まで手続が停止し、被告人の権利が保護される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も被告の在庭を原則としつつ、被告が拒絶陳述または許可なく退庭した場合に不待陳述で審理・判決できる規定を置く。場面ごとに条文が分かれる点が日本と類似する
韓国は被告人の陳述なしに判決できる場合を定めるほか、궐석재판(欠席裁判)の特例を別途設ける。被告の不出頭への対処を複数条文で構成する
ドイツは被告人が故意に審理から離脱・退去した場合に不在で続行できる規定を持つ。被告人自らが招いた不在に限って例外を認める発想が共通する
米国は被告人の出席権を保障しつつ、自発的不出頭や妨害的行為を出席権の放棄とみなし審理を続行できる。被告の態度による権利放棄の構成をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは勾留されたまま、裁判を一日でも遅らせれば有利になると信じ、出廷を拒み続けた。だが刑務官の引致に激しく抵抗した記録が残った瞬間、裁判所はあなた抜きで審理を始める。引き延ばしの代償は、反論の機会を自ら手放すことだった
- もし被告人が法廷へ向かう連行を全力で拒み、刑務官が手をつけられない状態になったら? 一度の抵抗では足りない。だが繰り返し引致を著しく妨げれば、次の期日は本人不在で進む
- あなたの弁護人が「出廷を拒めば時間を稼げる」と助言したとする。その作戦には期限がある。引致が著しく困難と認定されるまでに残された猶予は、わずか数回の期日。そこを越えれば、証人尋問も論告もあなたの目の前を素通りしていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告人が出廷を拒んで審理が止まっていると感じたら、検察官または被害者参加の窓口に進行状況を確認する2. 286条の2や退廷命令(341条)の活用は裁判所の判断事項だが、被害者参加制度(刑訴法316条の33以下)を使えば手続の節目で意見を述べられる3. 引き延ばしが続く場合、検察官に求釈明を促し、本人不在での進行可能性を確認する。あなたが望む『早く終わらせたい』は、制度上すでに想定されている
訴えられた側:1. 出廷を拒むこと自体は止められないが、それが『引致を著しく困難にした』と記録された瞬間、本人不在で審理が進むリスクを理解する2. 出廷できない正当な理由(重病等)があるなら、口頭ではなく診断書で早期に証拠化する3. 抗議の意思を示したいなら、出廷したうえで黙秘権(憲法38条)を行使する方が、反対尋問権と在廷権を保持できる4. 弁護人と『出廷拒否』と『公判停止』のどちらの土俵で戦うかを最初に決める
時効(請求できる期限):特定の時効はない。本条は各公判期日ごとに適用が判断される手続規定であり、『引致が著しく困難』と認定された期日について本人不在の進行が許される。起算点は召喚を受けた当該公判期日。次回期日には改めて出頭の機会が与えられる
学説
通説:286条の2は被告人の在廷権・防御権を厚く保障する原則の例外であり、適用には『正当な理由なき出頭拒否』と『引致を著しく困難にした』という二重の高いハードルを要する。物理的抵抗が極端な水準に達した例外的場面に限って本人不在の進行を許す趣旨と解されている。
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