刑事訴訟法 第31条の2
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- 弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。
- 2.弁護士会は、前項の申出を受けた場合は、速やかに、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を紹介しなければならない。
- 3.弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。同項の規定により紹介した弁護士が被告人又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第31条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第31条の2の条文原文は「弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第31条の2は第四章 弁護及び補佐に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第31条の2の前の条は刑事訴訟法第31条です。
- 刑事訴訟法第31条の2の次の条は刑事訴訟法第32条です。
- 刑事訴訟法第31条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第31条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第31条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/31_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法31条の2は、被告人・被疑者が弁護士会に弁護人選任を申し出れば、弁護士会が所属弁護士から弁護人を速やかに紹介する義務を負うと定める。私選弁護の入口である。
Q · 知り合いの弁護士が一人もいないのに、逮捕されたらどうやって弁護士を呼ぶの?
弁護士会に申し出れば、向こうが弁護人を紹介してくれる
刑事訴訟法31条の2により、弁護人を選任しようとする被告人または被疑者は、弁護士会に対して弁護人選任の申出ができます。申出を受けた弁護士会は、所属弁護士の中から引受け手を速やかに紹介する義務を負います(2項)。引受け手がいないときや、紹介された弁護士が依頼を断ったときは、弁護士会が速やかにその旨を通知しなければなりません(3項)。これは私選弁護の入口であり、資力が乏しい場合の被疑者国選(刑訴法37条の2)とは別ルートです。
解説
深夜、家族が突然警察に連れて行かれた。弁護士の知り合いなど一人もいない。ネットで「刑事 弁護士 探し方」と打ち込んでも、誰が信頼できるのか判断できず不安だけが膨らむ。この絶望的な場面で効くのが刑訴法31条の2だ。被告人または被疑者は、弁護士会に対して「弁護人を紹介してほしい」と直接申し出ることができる。申出を受けた弁護士会は、速やかに所属弁護士の中から引き受け手を紹介しなければならない。つまり、あなたが自力でいい弁護士を探し当てる必要はなく、弁護士会という組織にボールを投げれば、向こうが人選を引き受けてくれる。これは私選弁護(自分で費用を払って頼む弁護人)の入口であり、後の国選弁護(国が費用を負担する)とは別ルートだ。さらに重要なのは、引き受け手がいないとき、または紹介された弁護士が依頼を断ったときは、弁護士会が速やかにその旨を通知する義務まで負っている点(本条3項)。申出が宙に浮いて放置される、という事態を法律自体が封じている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法31条の2は、弁護人選任の申出制度を定める規定である。弁護人を選任しようとする被告人または被疑者は、弁護士会に対して弁護人の紹介を申し出ることができ、弁護士会は所属弁護士の中から弁護人となろうとする者を速やかに紹介する義務を負う。私選弁護人へのアクセスを組織的に保障する手続規定であり、国の費用による国選弁護とは別系統に位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本人が留置されている警察署を特定する 逮捕の連絡を受けたら、まず本人がどの警察署に留置されているかを確認する。弁護士会への選任申出も当番弁護士の派遣も、留置先を起点に動くため最初に押さえる
- 2.地元の弁護士会に選任申出をする 留置先の地域を管轄する弁護士会の弁護人選任申出窓口に連絡し、刑訴法31条の2の申出をする。本人でなくても家族が動ける。特定の弁護士名は不要で、紹介を求める旨を伝えれば足りる
- 3.同時に当番弁護士の派遣を依頼する 選任申出と並行して当番弁護士の派遣も依頼する。当番弁護士は初回一度の接見が無料で即日対応が原則。接見に来たその場で「このまま私選で続けてほしい」と意思表示すれば、空白なく受任につながりやすい
- 4.引受け手がない通知が来たら次の手を打つ 弁護士会から引受け手がない・紹介弁護士が断ったとの通知が来た場合(3項)、隣接地域の弁護士会への再申出、または資力が乏しければ被疑者国選(刑訴法37条の2)への切替えを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1弁護人選任申出とは何ですか?
被告人・被疑者が弁護士会に「弁護人を紹介してほしい」と申し出る手続です。刑事訴訟法31条の2が根拠で、自分で弁護士を探さなくても弁護士会が人選を引き受けます。
Q2逮捕されたら弁護士はどうやって呼びますか?
取り調べで「弁護士を呼びたい」と伝え、地元の弁護士会に選任申出をします。特定の弁護士名は不要で、弁護士会が所属弁護士から紹介します。同時に当番弁護士の派遣も依頼できます。
Q3弁護士会への選任申出は家族でもできますか?
本人だけでなく家族など外から動く支援者も申し出を後押しできます。まず本人が留置されている警察署を確認し、その地域の弁護士会の選任申出窓口に連絡します。
Q4被疑者国選弁護はいつから対象になりますか?
勾留段階から、資力が乏しい被疑者に国の費用で弁護人がつきます(刑訴法37条の2)。31条の2の私選ルートと別系統なので、お金が心配なら最初から国選を相談できます。
Q5弁護士会が弁護人を紹介してくれないことはありますか?
引受け手がいない場合や紹介した弁護士が依頼を断った場合はあり得ます。その際は弁護士会が速やかに通知する義務があるので(3項)、隣接地域の弁護士会や国選への切替えを検討します。
Q6取り調べで弁護士を呼びたいと言うにはどうすればいいですか?
「弁護人を選任したい、弁護士会に申し出る」と明言し、それ以外は黙秘権を行使します。具体的な弁護士名を挙げる必要はなく、弁護士会に紹介を求める旨を伝えれば足ります。
Q7私選弁護人と国選弁護人はどちらがいいですか?
私選は自分で費用を負担する代わりに弁護士を選べ、国選は資力要件を満たせば国が費用を負担します。問うべきは「私選か国選か」であって「弁護士を頼めるか否か」ではありません。
Q8弁護人選任申出に期限はありますか?
条文上の法定期限はありませんが、逮捕後最大72時間、勾留は原則10日(最大20日)の枠内で弁護人が動けるかが勝負です。申出は早いほど勾留質問に間に合います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お金がなくても、弁護士会に頼めば弁護士をつけてもらえるんですか?
31条の2は「私選」、つまり自分で費用を負担する弁護人の入口なので、紹介された弁護士には報酬を払うのが原則です。ただし資力が乏しければ被疑者国選(刑訴法37条の2)という別ルートがあり、勾留段階から国の費用で弁護人がつきます。実務のポイント:弁護士会の窓口に最初から「資力が乏しい」と伝えると、私選ではなく国選や刑事被疑者弁護援助制度を案内してくれることが多い。31条の2にこだわらず、まず「お金がない」と正直に言うのが結局いちばん早い
Q2当番弁護士が一回来てくれたけど、これってそのまま続けてくれるんですか?
続きません。当番弁護士は各弁護士会の自主事業で、初回一度の接見が無料というだけです。継続して弁護してもらうには、改めて私選(31条の2経由で正式に選任)か国選の手続が必要になります。実務のポイント:当番弁護士が来たまさにその接見の場で「このまま私選でお願いしたい」と意思表示すると、その弁護士がそのまま受任することが多い。別の弁護士を探し直す空白を作らないこのひと言が、初動の数日を守る
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士を頼むには、まず自分でいい弁護士を見つけなければならない」と思い込んでいる。実際は逆で、弁護士会に申し出れば人選は組織側の仕事になる。あなたがすべきことは「紹介してほしい」と意思表示することだけだ
- 当番弁護士と私選弁護人の違いを知っているつもりでも、その差の深刻さを分かっていない。当番弁護士は初回一度きりの無料接見に過ぎず、継続して弁護してもらうには改めて私選(31条の2経由)か国選の手続が要る。「一度来てくれたからもう大丈夫」と思った瞬間に、弁護の空白期間が生まれる
- 「お金がないから弁護士は無理」という問いの立て方そのものがずれている。31条の2は私選の入口だが、資力が乏しければ被疑者国選(刑訴法37条の2)という別ルートがある。問うべきは「私選か国選か」であって「弁護士を頼めるか否か」ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 費用負担 | 31条の2:私選(紹介された弁護士に報酬を支払う) | 37条の2:被疑者国選(資力が乏しければ国が負担) 36条:被告人国選(資力が乏しければ国が負担) |
| 対象段階 | 被疑者・被告人いずれも申出可 | 被疑者(勾留段階から) 被告人(起訴後) |
| 誰が選ぶか | 弁護士会が所属弁護士から紹介(人選は弁護士会の仕事) | 裁判官の判断で国選弁護人を付す(実務は法テラスが選定) 裁判所が国選弁護人を付す |
| 申出の入口 | 弁護士会への選任申出 | 資力申告のうえ国選請求 資力申告のうえ国選請求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は被告の弁護人選任権を27条で定め、資力に乏しい者は法律扶助基金会を通じて弁護士の紹介・援助を受ける。弁護士会ではなく専門の扶助機関が窓口となる点が日本と異なる。
韓国は30条で弁護人選任権、33条で国選弁護人を定める。日本の弁護士会経由の選任申出に直接対応する規定は明示的でなく、国選と当番弁護士に近い運用で補われている。
ドイツは § 137で被疑者の弁護人を付す権利を、§ 140で必要的弁護の場合を定める。弁護士会への申出という形式ではなく、裁判所による選任が中心。
米国は連邦憲法修正6条と Gideon 判決で、資力のない被告人に州費用で弁護人を付すことを義務づける。実務は公設弁護人(public defender)制度が担い、弁護士会経由の私選申出とは制度設計が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家族が逮捕され、勾留が決まりそうだ。あと数日で起訴か釈放かが分かれる。知り合いの弁護士など一人もいない。地元の弁護士会に31条の2の選任申出をすれば、組織が引き受け手を探してくれる。自分でゼロから探すより圧倒的に速く、勾留質問に間に合う可能性が上がる
- もし、深夜に逮捕の知らせが届き、当番弁護士は一度接見に来たが、その後を頼む先が分からないとしたら? 弁護士会への選任申出が次の一手になる。当番弁護士制度とこの31条の2は別の仕組みで、両方を使い分けられる
- 取り調べで「弁護士を呼びたい」と言ったが、特定の名前を出せなかった。それでいい。弁護士会に投げれば、人選はあちら側の仕事だ
- 友人が痴漢の疑いで捕まり、その家族から「どうやって弁護士を頼めばいいの」と相談された。あなたは弁護士会への選任申出という制度を三分で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:家族や支援者として外から動く立場の場合。1. 逮捕された人が留置されている警察署を確認する。2. 地元の弁護士会の弁護人選任申出窓口に連絡し、31条の2の申出をする(本人でなくても家族が動ける)。3. 同時に当番弁護士の派遣も依頼できる(即日対応が原則)。4. 引き受け手がいない、または断られた場合は弁護士会から速やかに通知が来るので、その時は隣接地域の弁護士会や国選への切り替えを検討する
訴えられた側:身柄拘束されている本人として。1. 取り調べで「弁護人を選任したい、弁護士会に申し出る」と明言し、それ以外は黙秘権を行使する。2. 特定の弁護士名は不要、弁護士会に紹介を求める旨を伝えれば足りる。3. 当番弁護士が接見に来たら、その場で私選として継続を依頼するか確認する。4. 資力が乏しければ被疑者国選(刑訴法37条の2)へ切り替え可能で、勾留段階から対象になる
時効(請求できる期限):31条の2自体に法定の期限はないが、身柄拘束は逮捕後最大72時間、その後の勾留は原則10日(最大20日まで延長)。この期間内に弁護人が動けるかが勝負になる。申出は早いほどよく、引き受け手の有無の通知は弁護士会が「速やかに」行う義務を負う(本条3項)。最新の手続運用はご確認ください
学説
通説:本条は被疑者・被告人の弁護人アクセス権を組織的に保障する手続規定であり、弁護士会には紹介義務を課す一方、個々の弁護士の受任の自由は侵さない。3項の通知義務は、申出が放置される事態を防ぐ制度的な安全弁と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)新設 司法制度改革の一環として新設。被疑者国選弁護制度の導入に合わせ、その前段として、弁護士会を通じて私選弁護人の選任を申し出るルートを法定化した。平成18年(2006年)10月施行。改正年・施行時期の細部は最新の情報をご確認ください
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:司法制度改革の一環として新設。被疑者国選弁護制度の導入に合わせ、その前段として弁護士会を通じて私選弁護人の選任を申し出るルートを法定化した。平成18年(2006年)10月施行。改正年・施行時期の細部は最新の情報をご確認ください。
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