受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第316条の8

クイックジャンプ
  1. 弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないとき、又は在席しなくなつたときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。
  2. 2.弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないおそれがあるときは、裁判所は、職権で弁護人を付することができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第316条の8は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第316条の8の条文原文は「弁護人が公判前整理手続期日に出頭しないとき、又は在席しなくなつたときは、裁判長は、職権で弁護人を付さなければならない。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第316条の8は第一目 通則に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第316条の8の前の条は刑事訴訟法第316条の7です。
  7. 刑事訴訟法第316条の8の次の条は刑事訴訟法第316条の9です。
  8. 刑事訴訟法第316条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の8
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_8

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法316条の8は、公判前整理手続で弁護人が出頭しない・在席しなくなったとき、裁判長が職権で弁護人を付さなければならないと定める。出頭しないおそれの段階でも職権付添ができる。

Q · 公判前整理手続で弁護士が来なかったら、手続はそのまま進んでしまうの?

進みません。裁判長が職権で必ず弁護人を付けます

進みません。刑事訴訟法316条の8第1項により、弁護人が公判前整理手続期日に出頭しない、又は途中で在席しなくなったときは、裁判長が職権で弁護人を付さなければなりません。さらに第2項は、出頭しないおそれがあるだけの段階でも、裁判所が職権であらかじめ弁護人を付けることを認めます。公判前整理手続は弁護人がいなければ手続自体を行えない必要的弁護の場(316条の4)であり、この条文はその弁護人確保を期日進行の局面で二重に担保しています。

解説

裁判員裁判や複雑な事件では、本番の法廷が開かれる前に「公判前整理手続」という非公開の準備手続が行われる。争点を絞り、どの証拠を取り調べるかをここで確定させる。問題は、この段階で決まったことが本番の裁判をほぼ縛るという点だ。手続が終わった後で新しい証拠を出そうとしても、やむを得ない事由がなければ却下される(刑訴316条の32、終結後の証拠調べ請求の制限)。つまり、ここが本当の主戦場だ。316条の8が守るのは、その主戦場であなたが丸腰にならないこと。弁護人が期日に来ない、あるいは途中で抜けたとき、裁判長は職権で弁護人を付け「なければならない」。来ないおそれがあるだけでも、裁判所はあらかじめ弁護人を付けられる。法律がここまで踏み込むのは、この準備段階で弁護士不在の隙ができた瞬間、あなたの裁判の結末が静かに書き換わってしまうからだ。

法的な位置づけ

刑事訴訟法316条の8は、公判前整理手続における弁護人確保の規定であり、弁護人が期日に出頭せず又は在席しなくなった場合の裁判長による職権付添義務(1項)と、出頭しないおそれがある場合の裁判所による職権付添(2項)を定める。必要的弁護(316条の4)を期日進行の局面で実効化する手続規定である。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.全期日の弁護人出頭可否を最初に確認 公判前整理手続に付されたら、私選・国選を問わず、弁護人に指定された全期日へ出頭できるかを真っ先に確認する。別事件の公判との重複や体調リスクを早期に洗い出す
  2. 2.私選弁護人の辞任・交代は期日との時間関係を詰める 報酬トラブル等で弁護人の交代を考えるなら、期日の指定時期との関係を弁護人と詰める。不在になっても316条の8で職権付添されるが、自分が選んでいない国選弁護人が主戦場に入るリスクを織り込む
  3. 3.出頭しないおそれは早めに裁判所へ伝える 弁護人の出頭が危ういと感じたら、その「おそれ」を当日になる前に裁判所へ伝える。2項はおそれの段階で職権付添を認めるため、期日が空転する前にもう一人の弁護人を確保させる動きを引き出せる
  4. 4.争点整理方針をすり合わせ、証拠は終結前に請求 手続で確定した争点・証拠が本番を縛る(316条の32)ため、弁護人と争点整理の方針を事前にすり合わせ、出したい証拠は手続終結前に必ず請求しておく。終結後はやむを得ない事由がなければ新証拠を出せない

よくある質問 AI による整理

Q1公判前整理手続とは何ですか?

本番の公判前に争点を絞り、取り調べる証拠を確定させる非公開の準備手続です(刑訴316条の2以下)。ここで決まった枠組みが本番の裁判をほぼ縛ります。

Q2必要的弁護事件とは何ですか?

弁護人がいなければ手続を行えない事件です。公判前整理手続は316条の4によりこれに該当し、弁護人不在では一歩も進められません。

Q3国選弁護人はいつ付きますか?

弁護人がいない、出頭しない、在席しなくなった、出頭しないおそれがある場合に、裁判長・裁判所が職権で付けます(316条の8)。資力要件を満たせば請求でも付きます。

Q4公判前整理手続で決まったことは後から覆せますか?

原則覆せません。手続終結後は、やむを得ない事由がない限り新たな証拠調べ請求ができなくなります(刑訴316条の32)。

Q5裁判員裁判では必ず公判前整理手続がありますか?

あります。裁判員法49条により、裁判員裁判の対象事件は必ず公判前整理手続に付されます。重大事件なら自動的にこの手続下に入ります。

Q6私選弁護人が辞任したら手続はどうなりますか?

止まりません。弁護人不在になっても316条の8第1項で裁判長が職権で弁護人を付けるため、空白は生じません。ただし国選弁護人に切り替わる可能性があります。

Q7公判前整理手続には被告人本人も出席しますか?

被告人の出頭は義務ではありませんが、裁判所は出頭を求めることができます(刑訴316条の9)。弁護人の出頭は手続の前提として不可欠です。

Q8弁護人が二人付くことはありますか?

あります。出頭しないおそれがある場合、裁判所は2項により既存の弁護人に加えてもう一人を職権で付け、期日の空転を防ぐことができます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1公判前整理手続って、弁護士なしで自分一人で受けることはできないんですか?

できません。公判前整理手続は弁護人がいなければ手続自体を行えず(刑訴316条の4)、弁護人が来ない・抜けたときは裁判長が職権で必ず弁護人を付けます(316条の8第1項)。通常の公判以上に弁護人が不可欠な段階です。実務のポイント:途中で職権付添される国選弁護人は経緯を一から把握するため、争点整理が浅くなりがち。私選弁護人を安易に切ると、不慣れな弁護人に主戦場を任せる結果になりかねない

Q2弁護士をわざと欠席させて、手続を引き延ばすことはできますか?

ほぼできません。弁護人が出頭しないおそれがあるだけで、裁判所はあらかじめ職権で弁護人を付けられます(316条の8第2項)。引き延ばしを狙っても別の弁護人が付いて手続は進みます。実務のポイント:この2項は弁護人の出頭確保を裁判所主導で行える根拠で、引き延ばし対策として機能します。弁護人の都合で手続が止まることを当てにした被告人側の戦略は、最初から成立しないと考えた方がよい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「公判前整理手続なんて事務的な日程調整だろう」という問いの立て方からして外している。実際はここで争点と取り調べる証拠が確定し、終結後は原則として新証拠を出せなくなる(刑訴316条の32)。日程調整ではなく、勝負の枠組みそのものを決める場だ
  • 弁護人が必要なのは知っていても、その必要性の強さを見誤っている。通常の公判は一定の重大事件以外なら弁護人不在でも開廷しうるが、公判前整理手続は弁護人がいなければ手続を一切行えない(刑訴316条の4)。「いた方がいい」ではなく「いなければ動かない」レベルの必要性だ
  • 「弁護士が来なければ手続が延びて自分に有利」と考える被告人がいるが、逆だ。裁判所は職権で弁護人を付けて手続を進められるので引き延ばしにはならず、むしろ自分が選んでいない国選弁護人が主戦場に入る結果になりかねない
比較の観点この条文ほかの条文
対象局面316条の8:公判前整理手続期日の弁護人確保316条の4:整理手続そのものの必要的弁護(弁護人なしでは行えない)
289条:公判(本番)の必要的弁護事件の弁護人確保
発動要件弁護人が出頭しない・在席しなくなった(1項)/出頭しないおそれ(2項)整理手続を行う前提として弁護人が存在しないこと
死刑・無期・長期3年超の事件で弁護人が出頭しない等
裁判所の措置1項は職権付添「義務」、2項は職権付添「できる」弁護人がなければ手続を一切行えない
裁判長が職権で弁護人を付さなければならない
見落としの代償終結後は新証拠を出しにくくなる(316条の32)整理手続自体が無効化されるおそれ
弁護人不在のまま公判を開けない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第31条

台湾も強制弁護事件では弁護人不在のまま審判できず、裁判所が公設弁護人・指定弁護人を付す。準備程序(§273)の運用と併せ、防御権保障の構造は日本と近い

韓国
대한민국 형사소송법 제266조의8

韓国も公判準備期日(공판준비절차)における弁護人の出席を求め、必要に応じ国選弁護人を選定する。職権による弁護人確保の発想は日本と共通

ドイツ
StPO § 140 ff.(notwendige Verteidigung)

ドイツは必要的弁護(notwendige Verteidigung)の類型を明文列挙し、該当事件では弁護人なしの手続を許さない。期日局面での職権選任の発想に通じる

アメリカ
Gideon v. Wainwright, 372 U.S. 335 (1963)

米国は連邦憲法修正6条の弁護人依頼権を重大事件で実質保障し、資力なき被告人に公費弁護人を付す。戦後日本の当事者主義刑事手続の母型にあたる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが私選弁護人に依頼していたが、報酬トラブルで弁護士が辞任届を出した。公判前整理手続の期日は来週。このまま弁護士不在で手続が進むのではと焦るが、316条の8第1項により裁判長が職権で弁護人を付けなければならない。手続は弁護士なしでは一歩も進まない
  • 公判前整理手続の期日まであと3日。依頼した弁護士が別事件の公判と日程が重なって出頭できないと連絡してきたら、どうなる。裁判所は出頭しないおそれがあるとみて、職権でもう一人弁護人を付けることができる(2項)。手続が空転して不利益を被るのはあなただからだ
  • 弁護人が期日の途中で体調を崩し退席した。残りの手続を弁護士不在で続けることはできない。裁判長はその場で職権付添を判断する
  • 裁判員裁判の対象事件で、あなたが被害者参加人として手続を見守る立場だとする。被告人側の弁護人が出頭を引き延ばしても、この条文があるため手続自体は止まらず、審理スケジュールが守られる。被告人側の引き延ばし戦術が通用しない仕組み

取るべき行動

被害を受けた側:あなたが被害者参加制度(刑訴316条の33以下)でこの手続に関わる立場なら、被告人側の弁護人が出頭しないことで審理が遅れる心配は小さい。316条の8により裁判所が職権で弁護人を付けて手続を進められるからだ。被告人の引き延ばしを懸念するより、検察官と打ち合わせて、整理手続で争点と証拠がどう絞られていくかを把握しておく方が実益がある

訴えられた側:1. 公判前整理手続に付されたら、私選・国選を問わず弁護人と全期日の出頭可否を最初に確認する2. 私選弁護人の辞任や交代を考えるなら、期日との時間関係を弁護人と詰める。弁護人不在でも316条の8で職権付添されるが、自分が選んでいない国選弁護人になるリスクがある3. この手続で確定した争点・証拠が本番を縛る(刑訴316条の32)ため、弁護人と争点整理の方針を事前にすり合わせ、出したい証拠は手続中に請求しておく

時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。意識すべきは公判前整理手続の各期日と、手続の終結時点だ。終結後は、やむを得ない事由がない限り新たな証拠調べ請求ができなくなる(刑訴316条の32)ため、弁護人の確保と証拠請求は手続終結前に済ませる必要がある

学説

通説:公判前整理手続は争点と証拠を確定させる重要段階であり、必要的弁護(316条の4)の趣旨を実効化するため、本条は弁護人の出頭確保を裁判所主導で行う根拠と理解される。1項を義務、2項を裁量とする二段構えは、被告人の防御権の実質的保障と手続の迅速・確実な進行の調和を図ったものとされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)改正(法律第62号、平成17年11月1日施行) 裁判員制度の導入に向けて公判前整理手続(316条の2以下)を新設。その一環として、弁護人が期日に出頭しない・在席しなくなった場合の職権付添義務(1項)と、出頭しないおそれがある場合の職権付添(2項)を定める本条を新設した

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:裁判員制度の導入に伴い公判前整理手続(316条の2以下)を新設。その一環として、弁護人が期日に出頭しない・在席しなくなった場合の職権付添義務(1項)と、出頭しないおそれがある場合の職権付添(2項)を定める本条を新設した(平成17年11月1日施行)。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一目 通則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›