受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第342条の4

クイックジャンプ
  1. 裁判所は、前条の請求があつた場合において、本邦から出国することを許すべき特別の事情があると認めるときは、決定で、国外にいることができる期間を指定して、第三百四十二条の二の許可をすることができる。ただし、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第四十条(入管法第四十四条の四第四項において準用する場合を含む。)に規定する収容令書若しくは入管法第五十一条に規定する退去強制令書の発付を受けている者又は入管法第四十四条の二第七項に規定する被監理者については、この限りでない。
  2. 2.裁判所は、前項本文に規定する特別の事情の有無を判断するに当たつては、第三百四十二条の二の許可がされた場合に拘禁刑以上の刑に処する判決の宣告を受けた者が同項の規定により指定する期間内に本邦に帰国せず又は上陸しないこととなるおそれの程度のほか、本邦から出国することができないことによりその者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮するものとする。
  3. 3.裁判所は、前条の請求について決定をするときは、検察官の意見を聴かなければならない。
  4. 4.裁判所は、必要と認めるときは、第一項本文の期間を延長することができる。
  5. 5.裁判所は、第三百四十二条の二の許可を受けた者について、国外にいることができる期間として指定された期間(以下「指定期間」という。)の終期まで国外にいる必要がなくなつたと認めるときは、当該指定期間を短縮することができる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第342条の4は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第342条の4の条文原文は「裁判所は、前条の請求があつた場合において、本邦から出国することを許すべき特別の事情があると認めるときは、決定で、国外にいることができる期間を指定して、第三百四十…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第342条の4は第五節 公判の裁判に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第342条の4の前の条は刑事訴訟法第342条の3です。
  7. 刑事訴訟法第342条の4の次の条は刑事訴訟法第342条の5です。
  8. 刑事訴訟法第342条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第342条の4
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第342条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/342_4

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法342条の4は、第一審で拘禁刑以上の判決を受け出国制限中の被告人でも、特別の事情があれば裁判所の許可で期間を区切って出国できると定める。判断には検察官の意見聴取を要する。

Q · 有罪判決を受けて控訴中で出国制限がかかっていても、海外に行ける場合はありますか?

特別の事情があれば裁判所の許可で出国できる

刑事訴訟法342条の4により、第一審で拘禁刑以上の判決を受け出国制限中の被告人でも、本邦から出国すべき「特別の事情」があると裁判所が認めれば、国外にいられる期間を指定して出国が許可されます。裁判所は帰国しないおそれの程度と出国できない不利益を比較し、必ず検察官の意見を聴いた上で判断します(同条1項〜3項)。一度許可されても期間の延長(4項)や短縮(5項)があり、退去強制令書・収容令書を受けている者や被監理者は対象外です。

解説

第一審で拘禁刑以上の有罪判決を言い渡された。まだ控訴中で確定していない。それでもその瞬間から、あなたは裁判所の許可なく日本を出られなくなる。これが令和5年(2023年)の改正で新設された出国制限であり、本条はその数少ない出口だ。海外に出るべき特別の事情があると裁判所が認めれば、期間を区切って出国が許される。判断材料は二つ。あなたが期間内に帰ってこないおそれの程度と、出られないことであなたが被る不利益の程度。この二つを天秤にかける。さらに裁判所は必ず検察官の意見を聴く。一度許可が出ても、帰国予定が崩れれば期間は延長でき、必要がなくなれば短縮もされる。ただし退去強制令書や収容令書を受けている者、入管法上の被監理者は、この出口を使えない。確定前の身であっても、国境はもうあなたの自由にはならない。

法的な位置づけ

刑事訴訟法342条の4は、出国制限を受けた被告人に対する出国許可の要件と手続を定める規定である。裁判所は、本邦から出国すべき特別の事情があると認めるとき、国外滞在期間を指定して342条の2の許可をすることができ、判断に際しては帰国しないおそれの程度と出国できない不利益等を考慮し、検察官の意見を聴かなければならない。期間の延長・短縮も認められる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.出国の必要が生じたら即日で弁護人に連絡 近親者の危篤や海外での重要な義務など渡航の必要が生じたら、その日のうちに弁護人を通じて出国許可請求(342条の3)を準備する。検察官の意見聴取に時間がかかるため、動き出しの早さが間に合うかを分ける
  2. 2.特別の事情を疎明する資料を揃える 危篤なら診断書、事業なら取締役会の招集通知・契約書類など、出国できない不利益を客観的に示す資料を集める。同時に帰国の蓋然性を示す材料(国内の資産・同居家族・係属事業・過去の確実な出頭実績)も揃える
  3. 3.終期に余裕を持たせて出国許可を請求 検察官の意見聴取を要する前提で、国外滞在期間を短く詰めすぎず終期に余裕を持たせて請求する。準備不足のまま先に請求して不許可になると、次の請求での裁判所の心証が悪くなる
  4. 4.帰国困難が見えたら終期前に延長を申立て 許可を得て出国した後、現地での病気などで指定期間内に帰国できないと分かったら、終期到来を待たず直ちに弁護人へ連絡し、やむを得ない事情を疎明して期間延長を申し立てる(342条の4第4項)。終期経過後は逃亡と評価されるリスクが跳ね上がる

よくある質問 AI による整理

Q1出国制限とは何ですか?

第一審で拘禁刑以上の有罪判決を受けた被告人が、確定前でも裁判所の許可なく本邦から出国できなくなる制度です。令和5年(2023年)改正で新設された刑事訴訟法342条の2が根拠です。

Q2控訴中でも海外旅行はできますか?

拘禁刑以上の判決を受け出国制限がかかっている場合、観光など軽微な目的では原則できません。出国すべき特別の事情があると認められれば、342条の4により許可される余地があります。

Q3出国許可に検察官の同意は必要ですか?

同意までは不要ですが、裁判所は決定をするとき必ず検察官の意見を聴かなければなりません(342条の4第3項)。検察官が反対しにくい客観的事情を固めておくと判断が許可に傾きやすくなります。

Q4出国許可の期間は延長できますか?

できます。裁判所は必要と認めるとき、指定した国外滞在期間を延長できます(342条の4第4項)。逆に必要がなくなれば短縮もされます(5項)。

Q5出国制限はいつから始まりますか?

第一審で拘禁刑以上の刑を言い渡す判決が宣告された時点から始まります。確定を待つ必要はなく、宣告そのものが引き金になります。

Q6退去強制令書を受けた外国人も出国許可を使えますか?

使えません。342条の4第1項ただし書により、退去強制令書・収容令書の発付を受けている者や入管法上の被監理者は出国許可の対象から除かれます。

Q7特別の事情とはどんな場合ですか?

近親者の危篤、葬儀、海外での重要な事業上の義務など、出国できない不利益が大きく、帰国の蓋然性も認められる事情です。観光や軽い私用は通常含まれません。

Q8指定期間内に帰国できなかったらどうなりますか?

帰国義務違反となり逃亡とみなされるおそれがあります。やむを得ない事情があれば、終期が来る前に期間延長を申し立てる必要があります(342条の4第4項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1海外の親が危篤なんですが、有罪判決を受けて控訴中でも会いに行けますか?

出国制限がかかっていても、本条の出国許可を請求できます。近親者の危篤は「特別の事情」と認められる典型例です。ただし裁判所は帰国の蓋然性と渡航できない不利益を比較し、検察官の意見も聴いた上で、期間を区切って許可します(342条の4第1項・第3項)。実務のポイント:許可までに検察官意見聴取の時間がかかるため、危篤の連絡を受けたらその日のうちに弁護人を通じて請求する。診断書と航空券の予約状況など帰国予定を示す資料を同時に出すと判断が速い

Q2許可をもらって出国したのに、向こうで帰れなくなったらどうなりますか?

指定期間内に帰国・上陸しないと帰国義務違反となり、逃亡とみなされるリスクが生じます。やむを得ない事情があるなら、終期が来る前に期間延長を申し立ててください(342条の4第4項)。裁判所は必要と認めれば延長できます。実務のポイント:延長は終期到来後では手遅れになりやすい。現地で帰国困難が見えた時点で、終期を待たず即座に弁護人へ連絡し延長申立てを動かす。事後の言い訳より事前の申立てが心証を守る

間違えやすい点 AI による整理

  • 「判決が確定するまでは普通に海外へ行ける」と思われているが、第一審で拘禁刑以上の判決が言い渡された時点で、確定前でも出国は制限される。確定を待つ必要はなく、判決の宣告そのものが引き金になる
  • 出国制限の存在は知っていても、その解除が許可制であり、しかも検察官の意見聴取まで挟む厳格な手続だと知らない人が多い。気軽な出国届ではなく、帰国の蓋然性を疎明してねじ込む攻防だという深刻さを見落としている
  • あなたから見れば数日の海外出張に過ぎないが、裁判所から見れば逃亡の機会を与えるかどうかの判断だ。この視点の落差を理解せず、観光や軽い私用で請求しても「特別の事情」とは認められにくい
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割342条の4:出国制限の例外としての出国許可の要件・考慮事情・手続342条の2:出国制限制度の本体(許可の対象)
342条の3:出国許可の請求手続
適用の前提342条の3の請求があり、出国すべき特別の事情があること第一審で拘禁刑以上の判決が宣告されたこと
被告人・弁護人による出国許可の請求があること
対象から外れる者退去強制令書・収容令書発付者、被監理者(1項ただし書)—
—
関連する局面検察官の意見聴取、期間の指定・延長・短縮判決宣告による出国制限の発生
343条:判決宣告による保釈・勾留執行停止の失効

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第93条の2以下(限制出境・出海)

台湾も2019年改正で被告・被疑者の出国出海制限を明文化。期間制限と司法審査を伴う点で日本の出国制限・出国許可と機能的に近い

韓国
출입국관리법 제4조(출국금지)

韓国は入管法上の出国禁止として刑事被疑者・被告人を対象とする。刑事手続法ではなく入管法側で規律する点が日本と異なる

ドイツ
StPO § 116

ドイツは独立の出国制限制度ではなく、勾留執行停止の条件(旅券提出・出国禁止のauflage)として運用する

アメリカ
18 U.S.C. § 3142(c)

米国は保釈(pretrial release)の条件として旅行制限や旅券提出を課す。判決後・上訴中の身柄は別途 § 3143が規律する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 危篤の親に最後に会いに行けるのか? 海外に住む親があと数日かもしれない。しかしあなたは第一審で有罪判決を受けて控訴中、出国制限がかかっている。本条の出国許可を請求できるが、検察官の意見聴取に要する時間との闘いになる。動き出しが一日遅れれば間に合わない
  • 外資系企業の役員として日本で起訴され、第一審で有罪、控訴中。本国の本社で重要な取締役会への出席を迫られている。出国制限がかかっているが、事業上の渡航必要性を特別の事情として出国許可を請求する余地がある。帰国の蓋然性をどこまで示せるかが分かれ目だ
  • 許可を得て出国したが、現地で病気になり指定期間内に帰れなくなった。放置すれば帰国義務違反で逃亡とみなされかねない。終期が来る前に期間延長を申し立てれば、救済の道は残る
  • 退去強制令書の発付を受けている外国人被告人が、本国に一時帰国したいと考える。だが本条のただし書で、この人は出国許可の対象から外れる。出国は入管手続の問題に切り替わり、刑事手続の出国許可では一歩も動かせない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 出国制限を受けていて渡航の必要が生じたら、その日のうちに弁護人を通じて出国許可を請求する(342条の3)。2. 特別の事情を疎明する資料を同時に提出:危篤なら診断書、事業なら会議・契約の証憑、加えて日本国内の資産・家族・帰国予定を示す材料。3. 検察官の意見聴取に時間がかかる前提で、終期に余裕を持った期間で請求する。4. 退去強制令書・収容令書を受けている、被監理者である場合は本条の対象外なので、入管手続側で動く

訴えられた側:1. 許可を得て出国した後、指定期間内に帰国・上陸できない事態が見えたら、終期到来を待たず直ちに弁護人へ連絡する。2. やむを得ない事情を疎明して期間延長を申し立てる(342条の4第4項)。裁判所は必要と認めれば延長できる。3. 事後の弁解より事前の申立てが心証を守る。終期を過ぎてからでは逃亡と評価されるリスクが跳ね上がる。4. 逆に予定が前倒しで終わったなら、指定期間の短縮もありうる点を理解しておく

時効(請求できる期限):出国制限は拘禁刑以上の判決の宣告時から、判決確定または無罪等で制限が解けるまで続く。出国許可請求自体に法定の申請期限はないが、検察官の意見聴取を要するため渡航の必要が生じたら速やかに動くべきである。指定期間内に帰国できないなら、終期が到来する前に延長を申し立てなければ救済が間に合わない(最新の施行・運用状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

  • 令和5年(2023年)新設 逃亡防止のための刑事訴訟法等改正により新設。第一審で拘禁刑以上の判決を受けた被告人の出国制限制度(342条の2)の例外として、特別の事情がある場合の出国許可の要件、考慮事情、検察官意見聴取、期間の延長・短縮を定めた。(施行時期の最新状況をご確認ください)

改正の年表

  1. 1.令和5年(2023年) 新設:逃亡防止のための刑事訴訟法等改正により新設。第一審で拘禁刑以上の判決を受けた被告人の出国制限制度(342条の2)の例外として、特別の事情がある場合の出国許可の要件、考慮事情、検察官の意見聴取、期間の延長・短縮を定めた。(施行時期の最新状況をご確認ください)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第五節 公判の裁判

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›