受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第350条の18

クイックジャンプ

即決裁判手続の申立てがあつた場合において、被告人に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第350条の18は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第350条の18の条文原文は「即決裁判手続の申立てがあつた場合において、被告人に弁護人がないときは、裁判長は、できる限り速やかに、職権で弁護人を付さなければならない。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第350条の18は第二節 公判準備及び公判手続の特例に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第350条の18の前の条は刑事訴訟法第350条の17です。
  7. 刑事訴訟法第350条の18の次の条は刑事訴訟法第350条の19です。
  8. 刑事訴訟法第350条の18には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の18
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の18(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_18

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法350条の18は、即決裁判の申立てがあり被告人に弁護人がないとき、裁判長が職権でできる限り速やかに弁護人を付すと定める。被告人が断っても外せない。

Q · 即決裁判で「弁護士はいらない」と断れますか?

断れません。裁判長が職権で必ず弁護人をつけます

刑事訴訟法350条の18により、即決裁判手続の申立てがあって被告人に弁護人がいないときは、裁判長が職権で、できる限り速やかに弁護人を付さなければなりません。被告人が「いらない」と言っても外せない必要的弁護です。弁護人がいなければ公判を開くことすらできず(350条の23)、しかも即決裁判では事実誤認を理由とする控訴が制限される(403条の2)ため、その重い放棄を素人一人に判断させない趣旨です。

解説

万引きで現行犯逮捕され、事実も全部認めている。検察官から「即決裁判手続」の申立てがあった。早く終わるなら弁護士なんて要らない、そう思うかもしれない。だがその希望は通らない。刑訴法350条の18は、即決裁判手続の申立てがあって被告人に弁護人がいないとき、裁判長が職権で、できる限り速やかに弁護人をつけなければならないと定める。あなたが拒んでも、だ。なぜ国家がそこまでして弁護士を押し付けるのか。即決裁判手続は、通常の裁判で保障される権利の一部、とくに事実誤認を理由とする控訴の道(403条の2)をあなたが手放すことと引き換えに、迅速な審理と、拘禁刑(旧 懲役・禁錮)なら必ず執行猶予がつく保証(350条の29)を得る仕組みだからだ。手放すものの重さを、素人のあなた一人に判断させない。それがこの条文の正体だ。

法的な位置づけ

刑事訴訟法350条の18は、即決裁判手続における必要的弁護を定める規定である。検察官による即決裁判手続の申立てがあった事件で被告人に弁護人がない場合、裁判長は職権により、できる限り速やかに弁護人を選任する義務を負う。被告人の意思にかかわらず排除できない強制的な選任である点に特色がある。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.国選弁護人を断らず、まず相談相手として確保する 即決裁判の申立てがあり弁護人がいなければ、裁判長が職権で弁護人をつける(350条の18)。「早く終わらせたいから不要」と考えず、つけられた弁護人を『同意すべきか否かの無料セカンドオピニオン』として使う
  2. 2.事実を本当に全部認めるかを弁護人と詰める 一片でも争う余地があるなら即決裁判に同意してはいけない。同意すると事実誤認を理由とする控訴が制限される(403条の2)。事実関係・供述調書の内容を弁護人と一つずつ確認する
  3. 3.メリットとデメリットを天秤にかける 同意する場合の利点(拘禁刑なら必ず執行猶予が付く350条の29)と代償(事実誤認の控訴制限403条の2)を弁護人に整理してもらい、自分の事件にとってどちらが重いかを判断する
  4. 4.控訴制限の意味を理解してから同意書に署名する 同意書にサインする前に、控訴がどこまで制限されるのかを弁護人の口から説明させ、納得したうえで署名する。さらっと流されたら遠慮なく問い直す。署名後は引き返せない

よくある質問 AI による整理

Q1即決裁判手続とは何ですか?

争いのない軽微・明白な事件を迅速に処理する刑事手続です。被告人の同意が必要で、拘禁刑なら必ず執行猶予がつく代わりに、事実誤認を理由とする控訴が制限されます。

Q2即決裁判で国選弁護人の費用はかかりますか?

国選弁護人の報酬は国が負担し、原則として被告人に直接の自己負担はありません。ただし有罪判決時に訴訟費用として一部負担を命じられる場合があります。

Q3必要的弁護事件とは何ですか?

弁護人がいなければ公判を開けない事件をいいます。即決裁判手続もこれにあたり、弁護人不在では審理を進められず、裁判長が職権で選任します。

Q4即決裁判はどのくらいの期間で終わりますか?

原則として即日または短期間で判決まで進む迅速な手続です。通常の公判が数か月かかるのに対し、可能な限り早期の審理・即日判決が目指されます。

Q5即決裁判の対象になる事件は?

死刑・無期・短期1年以上の拘禁刑にあたる重大事件を除く、事案が明白で軽微な事件が対象です。検察官が相当と認め、被告人が同意した場合に限られます。

Q6国選弁護人は自分で選べますか?

原則として選べません。裁判所が選任するため弁護士の指名はできませんが、利益相反など正当な理由があれば解任・再選任を求められる場合があります。

Q7即決裁判を申し立てるのは誰ですか?

検察官です。公訴提起(起訴)と同時に、被告人に異議がないことを確かめたうえで書面により申し立てます。被告人や弁護人から申し立てることはできません。

Q8即決裁判と略式手続の違いは何ですか?

略式手続は書面審理で公判を開かず罰金・科料に限られますが、即決裁判は公判を開いて拘禁刑も言い渡せます。即決裁判は弁護人が必須で、執行猶予が保証されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1即決裁判って断れますか?弁護士もいらないんですけど

あなたの同意がなければ即決裁判手続自体が始まりません(被告人の同意が要件)。ただし手続に乗る以上、弁護人がいなければ裁判長は職権で必ず選任します(350条の18)。弁護人なしでは公判を開けない(350条の23)からです。実務のポイント:『弁護士なしで早く』は構造上ありえません。むしろ国選弁護人を、同意すべきか否かのタダのセカンドオピニオンと割り切って使うのが賢い

Q2即決裁判で有罪になったあと、やっぱり納得いかないと控訴できますか?

犯罪事実の誤認を理由とする控訴は原則できません(403条の2)。事実を争いたいなら、そもそも即決裁判に同意してはいけません。量刑が不当だなどの別の理由なら控訴の余地はあります。実務のポイント:だからこそ弁護人が同意前に『本当に事実を全部認めるのか』を念押しします。ここをさらっと流す弁護人なら危険信号、遠慮なく問い直すべき

Q3即決裁判だと刑は重くなりますか、軽くなりますか?

むしろ軽くなる方向です。拘禁刑(旧 懲役・禁錮)を言い渡す場合は必ず執行猶予がつきます(350条の29)。実刑を回避できるのが最大のメリットです。実務のポイント:検察官が即決裁判を申し立てる時点で、その事件は執行猶予相当だと値踏みされています。前科はつくが塀の中には入らない、その天秤をどう見るかが判断の核心になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「弁護士をつけるかどうかは自分が決める」と思っているが、即決裁判手続では問いの立て方そのものが誤っている。ここにあなたの選択権はない。裁判長が職権でつけ、しかも弁護人がいなければ公判は開けない(350条の23)。断る自由はない、というのが正しい理解だ
  • 国選弁護人がつくことは知っていても、その弁護人の最重要任務が「そもそも即決裁判に同意してよいか」の助言だと気付いていない。いったん同意すれば事実認定を争う控訴の道が閉ざされる(403条の2)。その重さを噛んで含める説明こそ、この場面の弁護人の核心業務である
  • 「即決裁判=不利な簡略手続」と恐れる人がいるが、被告人にとって有利な面が大きい。拘禁刑を言い渡す場合は必ず執行猶予がつく(350条の29)。あなたから見れば「権利を奪われる手続」、制度から見れば「軽微で明白な事件を早く終わらせ、実刑を回避させる仕組み」。この視角の落差を埋めないまま判断すると損をする
比較の観点この条文ほかの条文
場面350条の18:即決裁判手続の申立てがあった事件350条の23:即決裁判の公判期日における弁護
289条:死刑・無期・長期3年超の罪にあたる一般事件
弁護人がない場合の効果裁判長が職権でできる限り速やかに選任弁護人が出頭しなければ公判を開けない
弁護人がなければ開廷できず職権で選任
被告人の拒否拒否しても外せない(必要的弁護)拒否しても公判を開く前提が崩れる
拒否しても外せない(必要的弁護)
控訴への影響同意すれば事実誤認の控訴が制限(403条の2)同左(即決裁判手続の一部)
通常どおり控訴できる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第31条

台湾も一定の重罪・弱者保護事件で強制辯護を採り、被告に辯護人がなければ審判長が指定辯護人を付す。被告の意思で外せない点が日本の本条と共通する

韓国
대한민국 형사소송법 제33조

韓国も一定の事件で国選弁護人の必要的選任を定める。迅速処理手続でも防御権確保のため弁護人を付す思想は日本と類似する

ドイツ
StPO § 140(notwendige Verteidigung)

ドイツは必要的弁護事件を列挙し、弁護人がなければ裁判所が選任する。重大性や手続の特殊性に応じて防御権を制度的に担保する構造が近い

アメリカ
Gideon v. Wainwright, 372 U.S. 335 (1963)

米国は連邦最高裁判例で、重罪被告人に弁護人を付す権利を第6修正の要請として確立した。手続放棄の前提に弁護人の関与を置く発想に通じる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 薬物の単純所持で起訴され、検察官が即決裁判を申し立ててきた。あなたは「認めるから早く出たい」と国選弁護人を断ろうとする。だが裁判長は職権で弁護人をつける。あなたの一存では外せない。弁護人なしでは公判そのものが開かれない(350条の23)からだ
  • もし、あなたが軽い傷害事件で「即決裁判に同意する」書面にサインする直前だったら? その同意は、事実を争って控訴する権利の放棄まで含んでいる。弁護人がその一点を説明しないまま署名させたら、後で取り返しがつかない。署名前のこの一瞬が分水嶺
  • 友人が「即決裁判で済ませる」と相談してきた。あなたは「弁護士の話をちゃんと聞いたか、控訴できなくなるぞ」と止められる。多くの被告人は、執行猶予が保証される利点も、控訴が制限される代償も、両方とも知らずにサインしている
  • 起訴された当日、あなたに弁護人がいない。残された時間は短い。即決裁判は迅速処理が目的なので、裁判長は「できる限り速やかに」弁護人を選任しなければならない。手続が走り出す前に、あなたの隣に専門家が座る、その配置を法律が強制している

取るべき行動

被害を受けた側:1. 加害者が即決裁判手続で早期に執行猶予となりそうでも、それは刑事処分の話であり、あなたの損害賠償請求権(民法709条、710条)は別軌道で残る2. 刑事手続が走り出したら、被害者参加(刑訴法316条の33以下)や意見陳述で量刑判断に関与できるか弁護士・検察官に確認3. 示談を望むなら、即決裁判は進行が速いので、起訴後すぐに加害者側弁護人へ窓口を開く4. 処分結果に納得がいかなくても、検察官の起訴・量刑求刑への直接の不服申立ては限られるため、民事での回収準備を並行で進める

訴えられた側:1. 国選弁護人がついたら、断ろうとせず『即決裁判に同意すべきか』を最優先で相談する2. 事実を本当に全部認めるのか、争う余地が一片でもあるかを弁護人と詰める。少しでも争うつもりなら同意してはいけない(403条の2で事実誤認の控訴が制限される) 3. 同意するなら、拘禁刑なら必ず執行猶予がつく利点(350条の29)を確認4. 同意書にサインする前に、控訴制限の意味を弁護人の口から説明させ、納得してから署名する

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。即決裁判手続の申立ては起訴と同時に行われ、被告人の書面による同意が要件。弁護人の選任は『できる限り速やかに』職権で行われる。逮捕後の身柄拘束は最大23日(逮捕72時間+勾留10日+延長10日)で、その間に検察官が即決裁判を含む処分方針を決める(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:即決裁判手続は事実誤認を理由とする控訴を制限し被告人の手続的権利を一部放棄させるため、その放棄の前提として弁護人による助言を確保する必要があり、本条の職権選任は手続全体を必要的弁護とする趣旨と解されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)公布、平成18年(2006年)施行 裁判の迅速化に向けた刑事訴訟法改正により即決裁判手続が創設され、その一環として本条が新設された。軽微・明白な事件で被告人に弁護人がない場合の職権による必要的選任を定めた。これ以降の改正の有無・回数は要人的検証

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:裁判の迅速化に向けた刑事訴訟法改正により即決裁判手続が創設され、その一環として本条が新設された(施行は平成18年・2006年)。軽微・明白な事件で被告人に弁護人がない場合の職権による必要的選任を定めた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 公判準備及び公判手続の特例

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›