刑事訴訟法 第396条
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第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由がないときは、判決で控訴を棄却しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第396条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第396条の条文原文は「第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由がないときは、判決で控訴を棄却しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第396条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第396条の前の条は刑事訴訟法第395条です。
- 刑事訴訟法第396条の次の条は刑事訴訟法第397条です。
- 刑事訴訟法第396条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第396条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第396条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/396
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法396条は、377条から383条の控訴理由がないとき、判決で控訴を棄却しなければならないと定める。日本の刑事控訴審が事後審であることを示す規定である。
Q · 控訴したのに、中身を聞いてもらえずに棄却されることがあるって本当?
型に当てはまる控訴理由がなければ中身を見ず棄却されます
本当です。刑事訴訟法396条は、377条から383条に定める控訴理由(訴訟手続の法令違反・法令適用の誤り・量刑不当・事実誤認など)が一つも存在しないときは、判決で控訴を棄却しなければならないと定めます。日本の刑事控訴審は事後審であり、一審判決にこれらの型に当てはまる瑕疵があるかを審査します。「納得いかない」という感情だけでは型に乗らず、中身の議論に入る前に棄却されます。新証拠も「やむを得ない事由」がなければ取り調べられません(382条の2)。
解説
一審で有罪判決を受けた。納得がいかない、もう一度ゼロから争いたい。そう思って控訴する人の多くが、決定的な誤解を抱えている。日本の刑事控訴審は「やり直し裁判」ではなく「一審判決の答案チェック」だ。刑事訴訟法396条はこう命じる。377条から383条に定める控訴理由がないときは、判決で控訴を棄却しなければならない、と。つまり控訴審の裁判官がまず見るのは、あなたの言い分そのものではなく、一審判決に「訴訟手続の法令違反」「法令適用の誤り」「量刑不当」「事実誤認」などの型に当てはまる瑕疵があるかどうかだ。この型に一つも乗せられなければ、中身の議論に入る前に門前払いされる。控訴趣意書という一通の書面に、どの型のどの誤りかを書き切れるかどうか。そこで勝負の大半が決まっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法396条は控訴棄却の判決を定める規定であり、第377条から第383条に列挙された控訴理由が一つも存在しないとき、控訴審は判決をもって控訴を棄却しなければならない旨を規律する。日本の刑事控訴審が事後審であること、すなわち一審判決の瑕疵の有無を審査する構造を条文上担保する基本規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決言い渡しから14日以内に控訴を申し立てる まず期間を死守する。判決言い渡しの日から14日以内に控訴を申し立てなければ判決が確定し、どんな誤りがあっても争えなくなる(刑訴法373条、初日不算入)
- 2.一審判決文を入手し控訴理由の型を特定する 377条から383条のどの控訴理由に当てはまる瑕疵があるかを弁護人と洗い出す。訴訟手続の法令違反・法令適用の誤り・量刑不当・事実誤認のどの型に乗せるかを早期に確定する
- 3.控訴趣意書を指定期限までに書き切る 裁判所が指定する期限までに、どの型のどの誤りかを具体的に書き切る。一本に絞らず複数の型を並べて主張するのが定石。期限徒過は385条の決定棄却を招く
- 4.新証拠は「やむを得ない事由」を準備する 新証拠を出すなら、なぜ一審で提出できなかったかの「やむを得ない事由」を説明する(382条の2)。感情論ではなく型に乗せた主張に徹する
よくある質問 AI による整理
Q1控訴棄却とは何ですか?
控訴審が一審判決を維持し、控訴を退ける判断です。刑事訴訟法396条は、377条から383条の控訴理由がないとき判決で棄却しなければならないと定めます。
Q2刑事の控訴理由にはどんな種類がありますか?
訴訟手続の法令違反(379条)、法令適用の誤り(380条)、量刑不当(381条)、事実誤認(382条)などです。377・378条は絶対的控訴理由とされます。
Q3控訴趣意書の提出期限はいつまでですか?
裁判所が指定する期限までです。期限を過ぎると396条の審理に入る前に決定で棄却されます(385条)。中身を見てもらう機会すら失います。
Q4刑事の控訴期間は何日で、いつから数えますか?
判決言い渡しの日から14日以内です(刑訴法373条、初日不算入)。一日でも過ぎると判決が確定し、二度と争えません。
Q5事後審とは何ですか?
一審の記録を前提に、一審判決に控訴理由があるかだけを審査する仕組みです。一審をゼロからやり直す「続審」とは構造が異なります。
Q6控訴棄却の判決と決定の違いは何ですか?
判決棄却(396条)は控訴理由がないと判断された場合、決定棄却(385・386条)は控訴や趣意書が不適法な場合です。後者は中身に入りません。
Q7裁判員裁判の判決も控訴審で覆せますか?
覆せる場合もありますが、最高裁は裁判員の事実認定を尊重すべきとし、控訴審が安易に覆すことに歯止めをかけています(最判平成24.2.13)。
Q8検察官も控訴できますか?
できます。一審で無罪や軽い判決でも、検察官が控訴すれば確定しません。被告人側は答弁書で396条による棄却を主張して反論します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴すれば、一審のときに言えなかったことを全部もう一度話せるんですか?
原則できません。刑事の控訴審は事後審で、一審判決に377条から383条の控訴理由があるかを審査する場です。新しい証拠は「やむを得ない事由」がなければ取り調べてもらえません(382条の2)。実務のポイント:弁護士が一審を絶対に負けられない本番と考えるのはこのため。控訴で挽回できると思って一審で手を抜くと、控訴審では固まった一審記録の土俵の上でしか戦えず、覆すのは極めて難しい
Q2控訴が棄却されたら、もう終わりですか?
まだ上告(最高裁への不服申立て)の道があります。ただし上告理由は控訴よりさらに狭く、原則として憲法違反と判例違反に限られます(刑訴法405条)。実務のポイント:控訴棄却判決に対する上告は、量刑不当や事実誤認では原則通りません。最高裁が職権で救済する破棄自判は例外的。実質的な勝負は控訴審までと考え、控訴趣意書に全力を注ぐのが実務の鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴すれば一審を白紙に戻して、もう一度ゼロから裁判してもらえる」と思っている人が多い。実際は逆だ。日本の刑事控訴審は「事後審」であり、原則として一審の記録を前提に、一審判決に控訴理由があるかだけを審査する。新証拠も「やむを得ない事由」がなければ取り調べてもらえない(刑訴法382条の2)
- 控訴理由が条文に列挙されていることは知っていても、その絞り込みの厳しさを甘く見ている人が多い。量刑不当(381条)や事実誤認(382条)は、ただ「重すぎる」「間違っている」と言うだけでは足りない。一審判決の論理のどこが、経験則や証拠評価のルールに反するかまで示さなければ、棄却される
- あなたから見れば「真実を訴える最後のチャンス」だが、控訴審から見れば「一審判決の品質検査」にすぎない。この落差を理解しないまま無実の訴えだけを繰り返すと、検査項目に乗らない主張として396条で処理される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 退ける形式 | 396条:判決による控訴棄却 | 385条:決定による控訴棄却 397条:原判決の破棄 |
| 退ける理由 | 377〜383条の控訴理由が存在しない | 控訴・控訴趣意書が不適法(期限徒過等) 377〜383条の控訴理由が存在する |
| 中身の審査 | 控訴理由の有無を審査した上で棄却 | 中身に入らず手続段階で門前棄却 理由を認め原判決を破棄し是正 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の第二審は原則として覆審制(事実をやり直す)で、日本の事後審とは構造が大きく異なる。無理由の上訴は判決で棄却する点は共通する。
韓国の控訴審も事後審的性格を持つが、破棄後に控訴審自らが判断する破棄自判の範囲が比較的広いとされる。
ドイツの上訴は事実審の Berufung と法律審の Revision に分かれ、Revision は法律問題に限定される点で日本の控訴審より審査範囲が狭い。
米国の刑事上訴は事実の再審理(de novo)ではなく、原審の誤りの有無を審査し、結果に影響しない誤りは harmless error として救済しない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で実刑判決。あなたは「裁判官が私の事情を分かってくれなかった」と控訴したい。だがその不満だけでは控訴理由にならない。382条の事実誤認か381条の量刑不当か、どの型に乗せるかを決め、その型に沿った主張を組み立てなければ、396条で棄却される
- 判決言い渡しから14日。この間に控訴を申し立てなければ判決は確定する(刑訴法373条)。一日でも過ぎたら、どんな誤りがあっても二度と争えない。
- もし、控訴趣意書の提出期限を一日でも過ぎたらどうなる? 期限内に趣意書を出さなければ、396条の判決棄却にすらたどり着かず、その手前で決定棄却される(385条)。中身を見てもらう機会すら失う
- 一審の弁護人が重要な証拠調べ請求をし忘れていた。これは「訴訟手続の法令違反」(379条)に当たりうる。あなたが控訴で主張すべきは「私は無実だ」という感情ではなく、一審手続のどこに法令違反があったかという具体的指摘。型を外せば396条が待っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決言い渡し当日から14日以内に控訴を申し立てる(刑訴法373条)、まず期間を死守する2. 一審判決文を入手し、377条から383条のどの控訴理由に当てはまる瑕疵があるかを弁護人と洗い出す3. 裁判所が指定する期限までに控訴趣意書を作成、どの型のどの誤りかを具体的に書き切る4. 新証拠を出すなら「やむを得ない事由」(382条の2)の説明を準備、感情論ではなく型に乗せた主張に徹する
訴えられた側:1. 一審で無罪や軽い判決を得ても、検察官が控訴すれば確定しない、まず控訴趣意書の内容を確認する2. 検察の主張がどの控訴理由(特に382条事実誤認、380条法令適用の誤り)に乗っているかを分析3. 答弁書で「一審判決に取り消すべき瑕疵はない、よって396条で棄却すべき」と反論を構成4. 一審判決の事実認定が合理的であることを記録に基づいて主張し、控訴審に覆す理由がないことを示す
時効(請求できる期限):控訴の申立ては判決言い渡しの日から14日以内(刑訴法373条、初日不算入)。その後、裁判所が指定する期限までに控訴趣意書を提出しなければ、396条の審理に入る前に決定で棄却される(385条、386条)。期間徒過は原則として回復不能
学説
事後審説(通説):現行刑訴法の控訴審は、一審判決の当否を一審の資料を基礎に審査する事後審であるとする立場。396条が控訴理由の不存在を棄却事由とし、新証拠を382条の2で限定することがその根拠とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法の制定により、控訴審を一審のやり直し(覆審・続審)ではなく事後審とする構造が採用され、控訴理由がないときの判決棄却を定める396条が置かれた。
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