刑事訴訟法 第494条の5
クイックジャンプ
- 第三百四十五条の二又は第四百九十四条の三の規定による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することができないこととなるおそれがあると認めるときは、検察官の請求により、当該裁判が確定した後三十日を経過するまでの間、その者を刑事施設に拘置することができる。
- 一第三百四十五条の二又は第四百九十四条の三の規定による決定を受けた者であつて、裁判所の許可を受けないで本邦から出国し又は出国しようとしたもの
- 二第三百四十五条の二又は第四百九十四条の三の許可を取り消された者
- 三正当な理由がなく、指定期間内に本邦に帰国せず又は上陸しなかつた者
- 四前三号に掲げる者のほか、第三百四十五条の二又は第四百九十四条の三の規定による決定を受けた者であつて、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるもの
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第494条の5は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第494条の5の条文原文は「第三百四十五条の二又は第四百九十四条の三の規定による決定をした裁判所は、罰金の裁判が確定した者で、次の各号のいずれかに該当するものについて、罰金を完納することが…」で始まります。
- 刑事訴訟法第494条の5は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第494条の5の前の条は刑事訴訟法第494条の4です。
- 刑事訴訟法第494条の5の次の条は刑事訴訟法第494条の6です。
- 刑事訴訟法第494条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第494条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第494条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/494_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法494条の5は、出国許可を悪用するなどして逃亡のおそれがある罰金確定者を、完納できないおそれがあるとき、検察官の請求で裁判確定後30日まで刑事施設に拘置できると定める。
Q · 罰金が確定したら、海外に出ようとしただけで身柄を拘束されることがあるの?
原則は払えば終わりだが、逃げる気配があれば拘置されうる
刑事訴訟法494条の5により、出国許可を受けた罰金確定者が、無断出国・許可取消し・期限内不帰国・逃亡のおそれのいずれかに当たり、しかも罰金を完納できないおそれがあると認められると、検察官の請求で裁判確定後30日まで刑事施設に拘置されます。これは刑罰ではなく執行確保のための措置なので、罰金を完納すれば直ちに解かれます。最終的に払えない場合は労役場留置(刑法18条)へ移ります。出国そのものは禁止されておらず、無断で動くことが拘置の引き金です。
解説
罰金なら払えばいい、払えなければ労役場に入ればいい。多くの人はそう考える。だが近年の刑事訴訟法改正で、罰金が確定した者でも一定の場合には『刑事施設に拘置される』道が用意された。それがこの第494条の5だ。前提として、罰金が確定した者が裁判所の許可を得て一時的に出国できる制度(345条の2、494条の3)がある。問題は、その許可を悪用したり逃げようとしたりする者だ。許可なく出国した、許可を取り消された、期限までに帰国しなかった、あるいは逃亡のおそれがある。このいずれかに当たり、しかも罰金を完納できなくなるおそれがあると裁判所が認めれば、検察官の請求で、判決が確定した後30日が経つまであなたの身柄を施設に拘置できる。『たかが罰金』が、身体の自由を奪う引き金に変わる瞬間だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法494条の5は、罰金確定者の拘置を定める規定である。裁判所の出国許可を受けた者が、無断出国、許可取消し、期限内不帰国、または逃亡のおそれのいずれかに該当し、かつ罰金を完納できないおそれがあると認められる場合に、検察官の請求により、裁判確定後30日を経過するまで刑事施設に拘置することを認める。罰金の執行を確保するための措置であり、刑罰そのものではない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.罰金確定の前後に出国許可を申請 海外渡航の予定があるなら、罰金確定の前後に必ず裁判所へ出国許可(345条の2・494条の3)を申請する。無断で空港へ向かうと本条1号の拘置対象になるため、手続を先に踏むことが最優先
- 2.帰国予定と納付計画を資料で示す 申請には帰国予定、滞在目的、罰金の納付計画を具体的な資料で示し、逃亡のおそれと「完納できないおそれ」を払拭する。資金の目処があれば要件の核を崩せる
- 3.許可の指定期限を厳守して帰国・上陸 出国許可で指定された期限内に必ず日本へ帰国・上陸する。正当な理由なく期限を過ぎると本条3号で拘置されうる。やむを得ず遅れる場合は事前に裁判所・検察官へ連絡し疎明資料を整える
- 4.拘置請求が迫ったら弁護人で二要件を争う 拘置の請求がなされそうなら弁護人を立て、「完納できないおそれ」と「逃亡のおそれ」の二要件をともに争う。すでに拘置された場合は、完納すれば直ちに解放されるため親族等からの資金調達を最優先で動かす
よくある質問 AI による整理
Q1罰金未納者の拘置とは何ですか?
出国許可を受けた罰金確定者が逃亡のおそれなどに当たり、完納できないおそれがあるとき、裁判確定後30日まで刑事施設に身柄を拘束する執行確保措置です。刑事訴訟法494条の5が根拠です。
Q2罰金が確定すると海外旅行はできなくなりますか?
できなくなるわけではありません。裁判所の許可(345条の2・494条の3)を得れば出国できます。無断で出国し、または出国しようとした場合に本条1号で拘置の対象になります。
Q3出国許可なしで出国するとどうなりますか?
本条1号に該当し、罰金を完納できないおそれがあると認められれば、検察官の請求により裁判確定後30日まで刑事施設に拘置されうります。空港で足止めされる側になります。
Q4拘置はいつまで続きますか?
拘置できるのは罰金の裁判が確定した後30日を経過するまでに限られます。30日を過ぎれば本条による拘置はできず、以後は労役場留置の手続へ移ります。
Q5拘置と労役場留置はどう違いますか?
拘置は確定後30日以内に逃亡のおそれのある人の身柄を先に確保する執行確保措置です。労役場留置は罰金を完納できないときに最終的に行う刑法18条の措置で、時点も目的も異なります。
Q6罰金を払えば拘置は解かれますか?
解かれます。本条の拘置は刑罰ではなく罰金の執行を確保するための措置なので、完納すれば直ちに解放されます。資金を用意できるかが収容期間を直接左右します。
Q7外国人が罰金判決後に帰国するにはどうすればいい?
帰国前に必ず裁判所の出国許可を取得します。在留・再入国の段取りと刑事手続上の許可は別々に進むため、入管側だけ整えて空港へ向かうと刑事手続で足止めされます。
Q8拘置を避けるにはどうすればいいですか?
出国予定があるなら確定前後に許可を取り、納付計画を示して「完納できないおそれ」の認定自体を避けることです。動くなら検察官の請求がなされる前が勝負どころになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金って、払えなければ労役場に行くだけじゃないんですか? なんで拘置されるの?
最終的に払えなければ労役場留置(刑法18条)になります。ただし本条の拘置は、判決確定後30日以内という早い段階で、しかも『逃げそうな人』『完納できなくなりそうな人』の身柄を先に確保する別の仕組みで、労役場留置とは目的も時点も違います。実務のポイント:この拘置は刑罰ではなく執行確保の措置なので、罰金を完納すれば直ちに解かれる。資金を用意できるかどうかが、収容の長さを直接左右します。
Q2海外赴任が決まっているのに罰金が確定しました。もう日本から出られないんですか?
出られなくなるわけではありません。裁判所の許可(345条の2、494条の3)を得れば、条件付きで出国できる制度があります。無断で出国し、または出国しようとした場合に初めて本条1号で拘置の対象になります。実務のポイント:許可申請は早いほど通りやすい。納付の目処や帰国の確実性を具体的資料で示せるかが鍵で、出発直前の駆け込み申請は『逃亡のおそれ』を疑わせて逆効果になりやすい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金が払えなければ労役場に行くだけ」と思っている人は、その手前にもう一段あることを知らない。本条の拘置は労役場留置とは別物で、判決確定後30日以内という早い段階に、しかも『逃げそうな人』を狙って身柄を押さえる仕組みだ。同じ『罰金が払えない』状況でも、深刻度がまるで違う
- 「罰金が確定したらもう海外に出られない」と諦める人がいるが、問いの立て方が逆だ。出国そのものは裁判所の許可(345条の2、494条の3)で正規に認められる。拘置されるのは『無断で』動いた者であって、手続を踏めば出られる。禁止されているのは出国ではなく、許可を飛ばすことだ
- 「拘置されたら罰金とは別に罰として身柄を取られる」と恐れる人がいるが、これは刑罰ではなく執行を確保するための措置だ。だから罰金を完納すれば直ちに解かれる。あなたから見れば『閉じ込められる罰』に映るが、法律から見れば『払えば終わる担保』であり、この落差を読み違えると不要に長く収容される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の性質 | 494条の5:罰金確定者の拘置(執行確保措置、完納で解放) | 刑法18条:労役場留置(完納不能時の最終措置) 345条の2・494条の3:出国許可決定(本条の前提) |
| 発動の前提 | 出国許可を受けた者の無断出国・許可取消し・期限内不帰国・逃亡のおそれ+完納できないおそれ | 罰金を完納することができないこと 罰金確定者からの出国の申立て・許可要件の具備 |
| 時間的枠組み | 裁判確定後30日を経過するまで | 換刑処分として留置(期間は罰金額に応じて算定) 指定された出国・帰国の期限による |
| 解放・終了の条件 | 罰金の完納で直ちに解放、または30日経過 | 罰金の完納または留置期間の満了 期限内の帰国・上陸で手続終了 |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾も罰金未納に対し易服労役で執行を確保し、逃亡防止のため限制出境・出海の制度を持つ。身柄拘束を直接の手段とする本条とは構成が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 罰金の判決が確定したが、来週には海外出張が入っている。許可を取らずに空港へ向かったらどうなる? 出国し、または出国しようとした時点で本条1号に当たり、判決確定後30日まで拘置されうる。残された猶予は数日だ。
- 日本で罰金刑を受けた外国人が、帰国の航空券を手にしている。裁判所の出国許可を得ないまま搭乗ゲートをくぐろうとすれば、逃亡のおそれありと見なされ、身柄を押さえられる側になる。在留の段取りと刑事手続上の許可は別々に進むため、片方だけ整えて空港へ行くと足をすくわれる
- 出国許可は取った。だが指定された期限までに日本へ戻らなかった。正当な理由がなければ、3号該当で拘置の対象だ。
- あなたは一度出国の許可を受けたが、その後条件に反したとして許可を取り消された。取消しを受けた者は2号に当たり、検察官の請求一つで施設に収容されうる立場へと一変する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 罰金が確定し海外渡航の予定があるなら、出発前に必ず裁判所へ出国許可(345条の2、494条の3)を申請する。2. 申請には帰国予定、滞在目的、納付計画を具体的な資料で示し、逃亡のおそれを払拭する。3. 許可で指定された期限内の帰国・上陸を厳守する。期限を過ぎれば3号で拘置されうる。4. 資金面に不安があれば、分納や納付の猶予を先に検察官と協議し、『完納できないおそれ』の認定そのものを避ける。
訴えられた側:1. 拘置の請求がなされそうなら、まず弁護人を立て、『完納できないおそれ』と『逃亡のおそれ』の二要件をともに争う。2. 罰金を完納できる資金の存在、または確実な納付計画を資料で示せれば要件の核が崩れる。3. すでに拘置された場合、完納すれば直ちに解放されるので、親族等からの資金調達を最優先で動かす。4. 許可取消し(2号)や期限徒過(3号)に正当な理由があれば、その疎明資料を整える。拘置には判決確定後30日という時間的上限があることを忘れない。
時効(請求できる期限):拘置できるのは『当該裁判が確定した後三十日を経過するまでの間』に限られる(本条柱書)。起算点は罰金の裁判の確定日。30日を過ぎれば本条による拘置はできず、以後は労役場留置(刑法18条、刑事訴訟法505条)の手続へ移る。(最新の施行・改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条の拘置は刑罰ではなく、確定した罰金の執行を確保するための措置と解されている。逃亡や完納不能のおそれという限定要件と、確定後30日という時間的上限により、執行確保の必要と人身の自由の制約を釣り合わせる趣旨と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:逃亡防止のための制度整備の一環として、罰金確定者の出国許可制度(345条の2・494条の3)とともに、無断出国・逃亡のおそれ等に対応する拘置規定として新設されたものと理解される(正確な施行・改正状況は e-Gov でご確認ください)。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める