刑事訴訟法 第500条の3
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- 検察官は、訴訟費用の裁判を執行する場合において、前条の規定による予納がされた金額があるときは、その予納がされた金額から当該訴訟費用の額に相当する金額を控除し、当該金額を当該訴訟費用の納付に充てる。
- 2.前項の規定により予納がされた金額から訴訟費用の額に相当する金額を控除して残余があるときは、その残余の額は、その予納をした者の請求により返還する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第500条の3は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第500条の3の条文原文は「検察官は、訴訟費用の裁判を執行する場合において、前条の規定による予納がされた金額があるときは、その予納がされた金額から当該訴訟費用の額に相当する金額を控除し、当…」で始まります。
- 刑事訴訟法第500条の3は第一章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第500条の3の前の条は刑事訴訟法第500条の2です。
- 刑事訴訟法第500条の3の次の条は刑事訴訟法第500条の4です。
- 刑事訴訟法第500条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第500条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第500条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/500_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法500条の3は、予納された訴訟費用から費用相当額を控除して充当し、残余は予納をした者の請求により返還すると定める。返還は自動ではなく請求が必要である。
Q · 刑事裁判の訴訟費用のために預けたお金、余ったら自動で返ってくるの?
請求しない限り、余った予納金は戻りません
刑事訴訟法500条の3により、検察官は予納された金額(500条の2)から確定した訴訟費用相当額を控除して納付に充当し、残余があればこれを返還します。ただし第2項は「その予納をした者の請求により返還する」と定めており、返還は自動ではありません。あなた(または実際に予納した者)が検察庁に返還を請求してはじめて残余が戻ります。請求権者は被告人という立場ではなく、実際に予納をした者である点にも注意が必要です。
解説
刑事裁判で訴訟費用の負担を命じられそうなとき、あなたは前もってお金を預けておくことができる(500条の2の予納)。確定した訴訟費用に相当する額を検察官がその預け金から差し引き、余りが出れば返してくれる。ここまでは親切な仕組みに見える。だが落とし穴は最後の一文にある。残余は「その予納をした者の請求により返還する」。つまり、あなたが自分から「返してください」と言わない限り、余ったお金は役所に置かれたまま手元に戻らない。証人の旅費や鑑定料が予想より安く済んで数万円が浮いても、請求を忘れればそれはあなたの財布に帰ってこない。検察官が気を利かせて振り込んでくれるわけではない。預けた本人が動かなければ、お金は動かない。それがこの条文の冷たい本質だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法500条の3は、訴訟費用の予納金の充当と残余返還を定める手続規定である。検察官は予納された金額から訴訟費用相当額を控除して納付に充当し、控除後に残余が生じた場合は、その予納をした者の請求に基づきこれを返還する。返還が請求を要件とする点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴訟費用の確定額を確認する 訴訟費用の額が確定したら、その通知や決定で確定額を確認する。証人旅費・鑑定料・国選弁護報酬などの内訳と合計を把握し、予納額との差額があるかを見る
- 2.予納額との差額(残余)を計算する 予納した金額から確定した訴訟費用相当額を差し引き、残余があるかを計算する。残余があれば、それは予納者に帰属するが請求しない限り戻らないと心得る
- 3.予納者本人の名義で返還請求書を作成する 実際に予納をした者の名義で返還請求の書面を作る。事件番号、予納額、確定費用額、残余額、返還先口座を記載する。被告人と予納者が別人なら、予納者が請求権者である点に注意
- 4.検察庁に提出し、控えを保管する 執行を担当した検察官の所属する検察庁の窓口に返還請求書を提出する。提出した書面の控えを必ず保管し、返還が滞る場合は担当窓口に進捗を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟費用の予納とは何ですか?
訴訟費用の執行に備えて、あらかじめ金銭を検察庁に預けておく制度です。刑事訴訟法500条の2が根拠で、執行をスムーズにする目的があります。
Q2刑事裁判の訴訟費用は誰が払いますか?
有罪判決で訴訟費用の負担を命じられた被告人が負担します(刑訴181条)。証人旅費や鑑定料などが対象で、国選弁護報酬が含まれる場合もあります。
Q3予納金の返還請求はどこにしますか?
訴訟費用の裁判を執行した検察官の所属する検察庁に対して、返還請求の書面を提出します。実際に予納をした者の名義で行う必要があります。
Q4予納金の返還請求に時効はありますか?
本条に固有の期限はありませんが、国に対する金銭返還請求権として会計法30条により5年で時効消滅すると解されます。確定して残余が生じた時が起算点です。
Q5国選弁護人でも訴訟費用を払いますか?
国選でも有罪なら国選弁護報酬が訴訟費用としてあなたに請求されうるため、予納や返還請求の仕組みが意味を持ちます。「国選=完全無料」とは限りません。
Q6訴訟費用の負担に不服があるときはどうしますか?
訴訟費用の負担そのものへの不服は、500条の執行免除の申立てを別途検討します。500条の3は充当と返還を扱う規定で、負担の当否は争えません。
Q7予納金の返還請求書には何を書きますか?
事件番号、予納者の氏名、予納額、確定した訴訟費用額、残余額、返還先口座などを記載します。予納者本人であることを示す控えを添えると円滑です。
Q8予納したのが家族でも本人が返してもらえますか?
請求できるのは「予納をした者」であり、被告人本人という立場では足りません。家族が立て替えた場合は、その家族が請求権者になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1予納したお金、余ったら勝手に返してくれないんですか?
はい、自動では返りません。500条の3第2項は「その予納をした者の請求により返還する」と定めており、請求という能動的な行為が条件です。検察官が差額を計算して振り込んでくれるわけではありません。実務のポイント:予納の根拠は500条の2、充当と返還は500条の3をセットで読む。確定額の通知が来たら、その場で残余の有無を確認して請求書を出すのが鉄則。放置するほど存在を忘れ、最悪は時効で消える
Q2親が立て替えて予納したお金、被告人の私が返してもらえますか?
原則として返還を請求できるのは「予納をした者」、つまり実際にお金を出した親です(500条の3第2項)。被告人という立場だけでは請求権者になりません。実務のポイント:家族が立て替えるときは、誰の名義で予納するかを最初に決めておく。返還請求の段で名義が曖昧だと、請求権者の特定で手間取る。領収書や振込控えは予納者本人の名前で残しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「払いすぎた分は役所が自動で返金してくれる」と思い込んでいる人がいる。だが本条第2項は「請求により返還する」と書く。請求という能動的な行為がない限り、残余はあなたのものでありながら、あなたの手元には来ない
- 「被告人本人なら、誰が予納しても自分が返してもらえる」と考えるのは、問いの立て方そのものが違う。返還請求権を持つのは「予納をした者」であって、被告人という立場ではない。親が払ったなら親、会社が払ったなら会社が請求権者だ
- そもそも訴訟費用は予納できる、という制度自体を知らない人が大半だ。予納の存在を知らなければ返還を請求する発想も生まれず、浮いたはずのお金に最初から気付かない。制度を知っているかどうかが、財布の中身を分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 500条の3:予納金の充当と残余の返還 | 500条の2:訴訟費用の予納(前提制度) 500条:訴訟費用の執行免除の申立て |
| 誰が動くか | 充当は検察官、残余返還は予納者の請求が必要 | 予納は予納者が能動的に行う 免除は被告人(負担者)が申し立てる |
| 対象 | 既に予納された金銭の精算 | これから預ける金銭の受入れ 貧困等による費用負担の免除可否 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は刑事の訴訟費用の負担と徴収を別法で規律する。予納金の充当・残余返還という日本500条の3に正面から対応する規定は一致しないため、対照は『刑事手続の費用処理』という同種事項のレベルにとどまる。
韓国も刑事訴訟費用の負担を定めるが、予納金の充当・残余返還の細目構成は日本と異なる。費用負担の枠組みという点での対照にとどまる。
ドイツは手続費用(Kosten)と立替金(Auslagen)を体系的に規律する。予納の精算は会計実務として処理され、条文構成は日本と直接対応しない。
米国の刑事手続では被告人に訴訟費用を一律負担させる構造が弱く、予納金の充当・返還に正面から対応する規定は確認しにくい。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 私選弁護人をつけた裁判で有罪となり、訴訟費用の負担を命じられた。あなたは執行に備えて10万円を予納していたが、確定した費用は証人旅費と鑑定料で6万8千円。差額の3万2千円は自動では戻らない。検察庁に返還請求の書面を出して、はじめてあなたの口座に戻る
- もし、予納したのが自分ではなく親だったとしたら、余りは誰に返るのか。条文は「その予納をした者の請求により返還する」と明記している。お金を出したのが親なら、返還を請求できるのも親であって、被告人本人ではない。家族が立て替えたときは、誰の名義で予納したかが後で効いてくる
- 裁判が終わって数か月、予納金のことなどすっかり忘れていた。残余は黙っていても戻らないうえ、国に対する返還請求権にも時効がつきまとう。気付いたときには取り戻せなくなっている恐れがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず訴訟費用の確定額を確認し、予納額との差額(残余)があるかを計算する2. 残余があれば、予納をした本人の名義で検察庁に返還請求の書面を提出する3. 予納者と被告人が別人なら、予納者本人が請求権者であることを示す資料(領収書、振込控え等)を添える4. 返還が滞る場合は検察庁の担当窓口に進捗を確認し、書面のやり取りは必ず控えを保管する
訴えられた側:1. 訴訟費用の負担を命じられる可能性があるなら、500条の2の予納を検討し執行をスムーズにする2. 予納するときは余裕をもった額にし、誰の名義で予納するかを家族と先に整理する3. 費用が確定したら充当後の残余を必ず確認、請求しなければ戻らないと心得る4. 訴訟費用の負担そのものに不服があるなら、500条の執行免除の申立てを別途検討する
時効(請求できる期限):本条に特有の返還請求期限は条文上明示されていない。国に対する金銭返還請求権として、会計法30条により権利を行使できる時から5年で時効消滅すると解される(最新の解釈状況をご確認ください)。起算点は、訴訟費用の額が確定し残余が生じた時
学説
一般的理解:500条の3第2項の残余返還請求権は、国に対する金銭返還請求権の一種と解され、会計法30条により権利を行使できる時から5年で時効消滅すると説かれる。起算点は訴訟費用の額が確定し残余が生じた時とされる(最新の解釈状況は要確認)。
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