刑事訴訟法 第68条
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裁判所は、必要があるときは、指定の場所に被告人の出頭又は同行を命ずることができる。被告人が正当な理由がなくこれに応じないときは、その場所に勾引することができる。この場合には、第五十九条の期間は、被告人をその場所に引致した時からこれを起算する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第68条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第68条の条文原文は「裁判所は、必要があるときは、指定の場所に被告人の出頭又は同行を命ずることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第68条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第68条の前の条は刑事訴訟法第67条です。
- 刑事訴訟法第68条の次の条は刑事訴訟法第69条です。
- 刑事訴訟法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法68条は、裁判所が指定場所への出頭・同行を命じ、被告人が正当な理由なく応じないとき勾引できると定める。勾引後は59条の留置期間が引致時から起算される。
Q · 在宅起訴されていて逮捕されていないのに、裁判所の出頭命令を無視したらどうなるの?
正当な理由がなければ勾引され、身柄を拘束されうる
刑事訴訟法68条により、裁判所は必要があるとき、被告人に指定の場所への出頭または同行を命じることができます。被告人が正当な理由なくこれに応じないときは、その場所に勾引できます。逮捕されていない在宅被告人も対象です。勾引された場合、引致した時から24時間以内に勾留状が発せられなければ釈放されますが(59条)、その間に勾留状が出れば勾留へ移行します。
解説
在宅起訴され、逮捕も勾留もされていない。だから自分は自由の身だと思っているなら、その認識は半分しか正しくない。刑事訴訟法68条は、裁判所が必要と判断したとき、被告人に指定の場所への出頭または同行を命じる権限を定める。そして正当な理由なくこれを無視すれば、裁判所はあなたをその場所に勾引、つまり強制的に身柄を連れて行くことができる。多くの人は「呼び出しを無視しても、せいぜい罰金だろう」と高をくくるが、68条の世界では無視そのものが身柄拘束の引き金になる。さらに引致された瞬間から59条の24時間が動き出し、その間に勾留状が出れば、在宅だったあなたは一夜にして勾留される側へ変わる。出頭命令の入った封筒は、開けて従うかどうかで明日の自由が決まる一枚だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法68条は、裁判所が公判や鑑定などの必要に応じ、被告人に指定場所への出頭または同行を命じる権限と、正当な理由のない不応諾に対する勾引を定める規定である。勾引した場合の留置期間(59条)の起算点を、被告人を引致した時と明示する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭命令・同行命令の書面を即確認 裁判所からの封筒を受け取ったら放置せず、指定された日時・場所・出頭の趣旨(公判か鑑定かなど)をその場で確認する。形式的な書類と決めつけないことが第一歩
- 2.出頭できるなら遅刻せず従う 出頭可能な場合は指定日時に遅れず従うのが最も安全。これだけで勾引・勾留のリスクは生じない。出頭の事実が裁判官の心証にも有利に働く
- 3.行けないなら期日前に上申書を提出 入院・重病・やむを得ない業務・近親者の不幸などの事情があるときは、指定日が来る前に弁護人を通じて診断書・証明書を添えた期日変更上申書を提出し「正当な理由」を先に固める。無断不出頭は絶対に避ける
- 4.勾引されたら引致時刻を記録し弁護人を呼ぶ すでに勾引・引致された場合、何より先に弁護人を呼び、引致された正確な時刻を記録する(59条の24時間の起算点)。黙秘権を行使し、定まった住居・身元引受・勤務先など罪証隠滅・逃亡のおそれの不存在を示す材料を整理して勾留請求に備える
よくある質問 AI による整理
Q1勾引とは何ですか?
勾引とは、被告人や証人を強制的に指定の場所へ連れて行く処分です。刑事訴訟法68条では、出頭・同行命令に正当な理由なく応じない被告人が対象になります。
Q2出頭命令を無視したらどんな罰則がありますか?
罰金ではなく勾引という身柄拘束が引き金になります。68条により、正当な理由のない不出頭は指定場所への強制的な引致につながり、その後の勾留にも直結しえます。
Q3同行命令と出頭命令の違いは何ですか?
出頭命令は被告人自身が指定場所へ行くよう命じるもの、同行命令は係官が同行して連れて行くものです。いずれも68条が定める身柄拘束前の出頭確保手段です。
Q4勾引するのに令状は必要ですか?
必要です。勾引は勾引状という令状によって執行され、憲法33条の令状主義に基づきます。裁判官の発する令状なしに勾引はできません。
Q5鑑定のための出頭を拒否したらどうなりますか?
精神鑑定など必要な手続で出頭命令を正当な理由なく拒むと、68条に基づき鑑定先へ勾引されうります。鑑定留置(167条)の入口で身柄を取られる流れです。
Q6保釈中でも出頭命令には従わないといけませんか?
従う義務があります。保釈中の不出頭は勾引だけでなく、保釈取消し・保証金没取の理由にもなりえます。自由に見える保釈中でも油断は禁物です。
Q7出頭できない事情があるときはどうすればいいですか?
指定日が来る前に、弁護人を通じて診断書や業務証明を添えた期日変更上申書を提出します。これで不出頭を「正当な理由」あるものとして先に固められます。
Q8勾引されたら引致された時刻はなぜ重要ですか?
68条は59条の24時間の起算点を引致時と明示します。この時刻が勾留状発付期限の基準になるため、正確に記録することが釈放を争ううえで重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1在宅起訴されてるんですけど、裁判所の呼び出しを無視したら本当に捕まるんですか?
捕まりうります。68条は、正当な理由なく出頭・同行命令に応じない被告人を、その場所に勾引できると定めています。逮捕されていない在宅被告人でも対象です。さらに引致された時点から59条の24時間が動き、その間に勾留状が出れば勾留へ移行します。実務のポイント:弁護士が在宅事件でまず釘を刺すのが、この「呼び出しを無視するな」です。無断不出頭は、それ自体が勾引・勾留・保釈取消しの正当事由になり、裁判官の心証も一気に悪化させる。行けない日があるなら必ず事前に上申、が鉄則です
Q2勾引って逮捕とどう違うんですか?同じように何日も留置されるんですか?
勾引は被告人を強制的に指定の場所へ連れて行く処分で、捜査段階の逮捕とは別物です。重要なのは時間制限で、本条と59条により、引致時から24時間以内に勾留状が発せられなければ釈放されます。勾留へ移行しなければ長期の身柄拘束にはなりません。実務のポイント:勝負はその24時間です。弁護人が早く入り、住居の安定・身元引受・逃亡や証拠隠滅のおそれの不存在を示せれば、勾留状の発付を防げる余地がある。引致された時刻を正確に押さえておくことが、後の準抗告でも効いてきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「逮捕されていないのだから、裁判所の呼び出しくらい無視しても身柄は取られない」と思い込んでいる人が多い。実際は逆で、68条はまさに出頭命令の無視を勾引の正当な事由とする。逮捕されていない在宅被告人ほど、この条文の射程に無防備に立っている
- 勾引が「ただ連れて行かれて終わり」だと軽く見られがちだが、深刻なのはその先だ。引致された時点から59条の24時間が起算され、その間に勾留状が発付されれば、そのまま勾留へ移行する。勾引は単独で終わる手続ではなく、勾留への乗り換え地点になっている
- 「出頭できない事情があるなら、後から説明すればいい」と考える人がいるが、問われるのは命令時点で正当な理由があったかどうか。無断で不出頭になった事実が先行すると、後付けの説明では勾引を止めにくい。理由は出頭日が来る前に、書面で先に出すべきものだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手段の性質 | 68条:出頭・同行命令と、不応諾時の勾引 | 57条:召喚(身柄拘束を伴わない出頭確保) 58条:勾引できる場合の基本事由 |
| 身柄拘束の有無 | 命令段階は拘束なし、不応諾時に勾引で拘束 | 拘束を伴わない呼出し 勾引の前提となる事由を定める基準規定 |
| 時間制限 | 勾引後は59条の留置期間を引致時から起算 | 召喚自体に留置はない 事由判断であり時間制限は59条が規律 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も伝喚(召喚)に応じない被告人を拘提(勾引)できる構造で、令状を要する点が日本と類似する
韓国も소환(召喚)と구인(勾引)を区別し、正当な理由のない不出頭を구인の事由とする点で日本と近い
ドイツは Ladung(召喚)と Vorführung(強制出頭)を区別し、被告人の不出頭に対し強制出頭・勾引を認める。日本の段階構造の母法的位置にある
米国は起訴後の出頭確保に summons と bench warrant を用い、不出頭時に逮捕状(bench warrant)を発する。令状中心の点で共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在宅起訴された被告人が、裁判所からの精神鑑定のための出頭命令を「行きたくない」と放置していたら、どうなるか。正当な理由のない不出頭と判断されれば、68条に基づき指定先へ勾引されうる。鑑定留置(167条)への入口で身柄を取られる流れだ
- あなたが被告人で、仕事の都合を理由に出頭日をずらしてほしいと考えている。ここで黙って無視するか、事前に診断書や業務証明を添えて期日変更を申し出るかで、結末が分かれる。前者は勾引の対象、後者の「正当な理由」は不出頭を適法化する。動く順番ひとつで身柄拘束の有無が変わる
- 残り時間は決まっている。出頭命令の指定日時を過ぎ、勾引状が執行されれば、引致された時刻から24時間以内に勾留状が出るかどうかの勝負になる(59条)。その24時間に弁護人と連絡が取れているか否かが、その後の数か月の身柄を左右する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出頭命令・同行命令の書面を受け取ったら、指定された日時・場所・出頭の趣旨(公判か鑑定かなど)をその場で確認する2. 出頭できる場合は遅刻せず従う、これが最も安全3. 出頭できない事情(入院、重病、やむを得ない業務、近親者の不幸など)がある場合は、指定日が来る前に弁護人を通じて診断書・証明書を添えた期日変更上申書を提出し「正当な理由」を先に固める4. 弁護人がいなければ、当番弁護士制度や法テラスに即連絡し、無断不出頭を絶対に避ける
訴えられた側:1. すでに勾引され指定場所に引致された場合、何より先に弁護人を呼び、引致された正確な時刻を記録する(59条の24時間の起算点になる) 2. 黙秘権を行使し、勾留請求に備える3. 弁護人と「罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれがない」ことを示す材料(定まった住居、家族の身元引受、勤務先)を整理し、勾留請求が出た場合の勾留質問・準抗告に備える4. 不出頭に正当な理由があったと主張できる事情があれば、その証拠を直ちに提示する
時効(請求できる期限):出頭・同行の期限は命令書に指定された日時。勾引が執行された場合、被告人を指定場所に引致した時から24時間以内に勾留状が発せられなければ釈放しなければならない(刑事訴訟法59条、本条は59条の期間の起算点を引致時と明示する)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:68条は、まず出頭・同行命令という身柄拘束を伴わない穏当な手段を先行させ、正当な理由なき不応諾の場合に限り勾引を許す段階的構造をとる。勾引後も59条の24時間という時間制限を起算点付きで課し、手続の実効性と被告人の身体の自由のバランスを図る規定と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により規定。被告人の出頭確保手段としての出頭・同行命令と、不応諾時の勾引、および59条の留置期間の起算点を引致時とする旨を定める。
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