刑事訴訟法 第98条の5
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- 監督者を選任する場合には、監督保証金額を定めなければならない。
- 2.監督保証金額は、監督者として選任する者の資産及び被告人との関係その他の事情を考慮して、前条第四項の規定により命ずる事項及び被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第98条の5は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第98条の5の条文原文は「監督者を選任する場合には、監督保証金額を定めなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第98条の5は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第98条の5の前の条は刑事訴訟法第98条の4です。
- 刑事訴訟法第98条の5の次の条は刑事訴訟法第98条の6です。
- 刑事訴訟法第98条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第98条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第98条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/98_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法98条の5は、監督者を選任する場合に監督保証金額を定めると規定する。金額は監督者の資産と被告人との関係を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な額とされる。
Q · 友人の保釈の監督者を引き受けると、いくら背負うことになるの?
金額は裁判所が決め、逃げれば没取されうる
刑事訴訟法98条の5により、監督者を選任する場合、裁判所は監督保証金額を定めます。金額はあなたが選ぶのではなく、監督者の資産と被告人との関係その他の事情を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な額として裁判所が決定します。令和5年(2023年)に新設された逃亡防止のための制度で、被告人が逃亡すれば、保釈保証金の没取と同じ枠組み(刑訴96条)により監督保証金が没取されうる点に注意が必要です。
解説
留置場にいる知人から、ある日電話がかかってくる。「保釈の監督者になってくれないか」と。情にほだされて引き受けたあなたに、裁判所はこう告げる。監督保証金額を定める、と。この条文が決めるのは、あなたがその人の自由のために「いくら賭けるか」だ。金額はあなたが選ぶのではない。裁判所が、あなたの資産と、あなたと被告人の関係の近さ、そして被告人が逃げずに出頭する保証として十分かを見て決める。資産があるほど、関係が近いほど、金額は上がる。そしてもし被告人が逃げれば、その監督保証金はあなたの手元から没取されうる。善意で受けた一本の電話が、あなたの預金口座に直結する担保契約だったと気づくのは、たいてい署名のあとだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法98条の5は、監督者を選任する際に定めるべき監督保証金額の決定基準を規定する条文である。金額は、監督者として選任する者の資産及び被告人との関係その他の事情を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。令和5年改正により新設された逃亡防止のための監督者制度の中核をなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.依頼を受けたら、まず弁護人に金額と没取リスクを確認 「監督者になってほしい」と頼まれたら、その場で返事をせず、被告人の弁護人に連絡する。自分の資産のうちいくらが監督保証金として拘束されうるか、どんな場合に没取されるかを確認してから判断する
- 2.自分の資産と被告人との関係を冷静に評価 監督保証金額は監督者の資産と被告人との関係を考慮して決まる。過大に資産を見せれば金額が跳ね上がり、隠せば監督者としての信用を失う。正確な資産資料を整理し、いくらまで失っても生活が破綻しないかを試算する
- 3.監督者の義務を果たせる距離・関係か見極める 監督者は被告人の状況を把握し裁判所に報告する義務を負う。被告人と日常的に連絡が取れる現実的な距離・関係にあるかを確認する。実効的な監督ができないと判断したら、引き受けない選択も冷静に検討する
- 4.引き受けるなら被告人との連絡記録を残す 監督者として求められた報告や連絡をきちんと果たしていたかが、後の没取の有無と金額を大きく左右する。被告人との連絡履歴・面会記録・裁判所への報告控えを残し、いざというときの防御材料にする
よくある質問 AI による整理
Q1監督者とは何ですか?
保釈や勾留の執行停止に際し、被告人の逃亡を防ぐため裁判所が選任する第三者です。被告人の状況を把握し、裁判所に報告する義務を負います(刑訴98条の4)。
Q2監督保証金額はどうやって決まりますか?
あなたが選んで支払うのではなく、監督者の資産と被告人との関係その他の事情を考慮し、出頭を保証するに足りる相当な額として裁判所が決定します(刑訴98条の5)。
Q3監督保証金はどんなときに没取されますか?
被告人が逃亡したり条件に違反した場合、保釈保証金の没取と同じ枠組み(刑訴96条)により没取されうります。ただし没取は自動ではなく、裁判所が事情を考慮して判断します。
Q4監督者と身元引受人の違いは?
身元引受人が事実上の道義的責任にとどまるのに対し、監督者は法律上の報告義務を負い、監督保証金という金銭的担保を伴う点が大きく異なります(令和5年新設)。
Q5監督者には誰がなれますか?
親族や雇用主など被告人と一定の関係があり、監督の実効性を期待できる人が想定されます。最終的には裁判所が選任の適否を判断します(刑訴98条の4)。
Q6監督保証金と保釈保証金は何が違いますか?
保釈保証金は被告人本人が納付するもの、監督保証金は監督者(第三者)が納付するものです。両者は別枠で、保釈の際は合計額が必要になる場合があります。
Q7監督者の義務は何ですか?
被告人の出頭確保のため、その状況を把握し、必要に応じて裁判所へ報告することが求められます。義務を果たしていたかは、後の没取判断にも影響します。
Q8監督者は途中で辞めることができますか?
選任後の辞任には裁判所の手続が関わり、自由に離脱できるとは限りません。引き受け前に弁護人へ義務と離脱の可否を確認することが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監督者って、保証人みたいなものですか。被告人が逃げたら全額取られるんですか。
構造は連帯保証人に近いが、没取は自動ではない。被告人が逃亡や条件違反をしても、裁判所が監督者の落ち度や事情を考慮して、没取するかどうか、いくら没取するかを判断する(保釈保証金の没取を定める刑事訴訟法96条と同じ枠組み)。実務のポイント:監督者として求められた報告や連絡をきちんと果たしていたかが、没取の有無と金額を大きく左右する。引き受けるなら被告人との連絡記録を残しておくことが、いざというときの防御になる(現行効力を要確認)
Q2監督者を付ければ、保釈は通りやすくなりますか。
なりやすくなる。監督者制度は、逃亡のおそれを理由に保釈が認められにくかった事件で、第三者の監督と金銭的担保を加えることで釈放のハードルを下げる狙いで導入された(刑事訴訟法98条の4、98条の5)。実務のポイント:高額な保釈保証金を積むより、資産の裏づけがあり被告人と近い関係の監督者を立てるほうが、裁判所には逃げないと伝わりやすい。お金の額面より、誰が監督するかの説得力が効くことがある
間違えやすい点 AI による整理
- 監督者は被告人を見守るだけのボランティアだと思われている。実際には、被告人が逃げれば自分の財産を失いうる金銭的な担保提供者である。善意の付き添い役ではなく、リスクを引き受ける当事者だ
- 「監督者になるにはいくら払えばいいのか」と問う人がいるが、問いの立て方が逆だ。金額はあなたが選んで支払うものではなく、あなたの資産と被告人との関係を裁判所が査定して決める。あなたは値段をつけられる側にいる
- あなたから見れば、困っている知人を助ける善意の引き受けだ。だが裁判所から見れば、あなたは被告人の逃亡を抑え込むための金銭的な担保である。この視点の落差を知らないまま署名すると、後で背負った重さに驚く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 98条の5:監督保証金額の決定基準 | 93条:保釈保証金額の決定基準 98条の4:監督者の選任 |
| 金銭を負担する者 | 監督者(第三者) | 被告人本人 —(選任の可否を定める規定) |
| 金額の考慮要素 | 監督者の資産・被告人との関係・出頭保証に足る額 | 犯罪の性質・情状・被告人の資産等 — |
| 没取される場合 | 被告人の逃亡・違反時(96条の枠組み) | 被告人の逃亡・違反時(96条) — |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は第三者が保證書を提出する具保(第111条)や、適当な者に被告人を引き渡す責付(第115条)を定める。第三者を関与させる点で近いが、監督者の報告義務を伴う日本の制度とは設計が異なる。
韓国は保釈の条件として保証金や住居制限等を定める。第三者の関与は条件として組み込まれうるが、日本のような独立した監督者・監督保証金の枠組みとは構造が異なる。
中国の取保候審は保証人または保証金による身柄解放制度で、保証人が被告人の出頭確保等の義務を負う点が監督者制度と機能的に近い。
ドイツは勾留回避のための保証金(Kaution)を定める。第三者が保証金を提供することも認められるが、報告義務を伴う独立した監督者制度ではない。
米国は third-party custodian(第三者監督者)や surety bond を保釈条件に付すことができ、監督者が出頭確保の責任を負う点で日本の監督者制度に最も近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勾留中の家族の保釈請求が明日に迫っている。弁護人から「監督者を立てれば保釈が通りやすい」と言われ、あなたが引き受けることに。だが裁判所はあなたの資産資料を見て監督保証金額を決める。今日中に預金や不動産の資料を揃えないと、審査に間に合わない
- もし、長年の親友から留置場越しに「監督者になってくれ」と頼まれたら、あなたはいくらまで背負う覚悟があるか。その金額は友情では決まらない。あなたの資産と関係の近さを見て、裁判所が逃亡を抑止するに足る額を算定する
- 監督者を引き受けた。被告人が突然連絡を絶ち、行方をくらました。あなたが積んだ監督保証金は、いま没取の俎上にある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 弁護人と相談し、監督者候補(親族や雇用主など被告人と一定の関係があり資産のある人)を早期に確保する2. 候補者の資産資料(預金、不動産)を整理し、保釈請求時に裁判所へ提示できるよう準備する3. 監督保証金額は保釈保証金とは別枠なので、両者の合計でいくら必要かを試算しておく4. 金額が高すぎて納付できない場合は、弁護人を通じて減額や保釈条件の調整を交渉する
訴えられた側:1. 引き受ける前に、自分の資産のうちいくらが監督保証金として拘束されるか弁護人に確認する2. 被告人との関係の近さが金額に影響するため、過度な負担にならないか冷静に判断する3. 監督者の義務(被告人の状況把握、裁判所への報告)を果たせる現実的な距離と関係かを見極める4. 被告人が逃亡や条件違反をした場合に監督保証金が没取されうる仕組みを理解したうえで返事をする(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):この条文自体に時効はない。監督保証金額は監督者の選任時、すなわち保釈または勾留の執行停止を決定する手続の中で定められる。金額や保釈の判断に不服がある場合は、抗告または準抗告(刑事訴訟法429条等)により速やかに争う必要がある(現行効力を要確認)
学説
立法趣旨(通説的理解):本条の監督保証金額は、逃亡抑止の実効性と監督者の引受可能性という二つの要請の均衡点を探るものと理解される。金額が高すぎれば誰も監督者を引き受けず制度が機能せず、低すぎれば抑止力を欠く。そこで個別事案ごとに監督者の資産と被告人との関係を考慮し、引受可能でありながら逃亡を思いとどまらせる額を算定する仕組みとされる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年) 刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和5年法律第28号)により新設。被告人の逃亡を防止するため、保釈や勾留の執行停止に際し監督者を選任する制度を創設し、その監督保証金額の決定基準を定めた(最新の施行状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和5年法律第28号)により新設。被告人の逃亡を防止するため、保釈や勾留の執行停止に際し監督者を選任する制度を創設し、その監督保証金額の決定基準を定めた(最新の施行状況をご確認ください)。
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